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バスケと賞レース

パリオリンピックに向けたバスケ日本代表、男子も女子も共に熱くはあるけど取り急ぎ男子、まず間違いなく歴代最高のタレントが揃っていて、2006年の世界バスケでものすごく悔しい地団駄を踏んだ純朴少年のあの頃からひとえに、今年のような代表を夢見ていた。

強化試合のドイツ戦、27時スタートの深夜ボケの頭とスマホの小さな画面越しであることをもってしてもなかなかに明白な厳しい結果ではあったけれども、それでもひとえにあの日夢見ていた時間を味わえていることには他ならない。アメリカで戦ったスーパースター、若きブレーンと爆発力、笑顔が素敵な帰化選手、日本を守って来たベテラン、その他もうみんな、もう明らかにタレントが揃っている。ただそれだけがひとえに愛おしい。

信じれば勝つ、きっと勝つ。頼むから僕の見えるところでネガティブな講釈を垂れないでくれ、博識な専門家は大抵、とても理知的でかつ前向きな声援を送っている。
君だ、半端もんの君、半端なのは仕方ないからともかくネガティブを吐き出すな、この代表をまるっと抱きしめないでどうする。君は中学生か?そしたら少しずつ学べ、手放しに愛する方が物事はきっと素敵に転んでいく。学べ。
僕は人に怒ったり、文句垂れたり、嫉妬したり、重箱の隅をつついたり、嫌味言ったり、声を荒げたり、ひよったり人のせいにしたり、なかなかにねっちょりしていてちっとも褒めれた部類じゃないと思うけど、この代表だけはまるっと愛するって決めてる。



日本代表が頑張っているおかげで、日々のお笑いにも熱が入る。そんな理屈はあんま通るもんでもないけど、どうあれ踏ん張りどころが始まっている。
この、ちこちこ悩んで、より具体的な目標を前に唸って直して、という時間が、なんかもう楽しい時間として身体が覚えてしまっている。苦しくて悩んで、時に揉めて時に人を羨んで、ほんともう気持ちの良い時間じゃないはずなんだけど、なんかもう身体が喜んでる、たぶん。

めちゃめちゃ恐ろしい状況に飲み込まれているんだろうと思う。めちゃめちゃしんどいはずなのに楽しんでる。なんかこうスポーティーな、綺麗な爽やかな話では全然ない。だから抜け出す。ちっとも楽しくないと言い聞かせる。同じ1年の繰り返しは御免だと言い聞かせる。無理くり言い聞かせてる時点でお察しかもしれないが、ともかく必死にゴリゴリやる。言い聞かせることも叶わなかった時よりかはよっぽどゴリゴリやる。


僕らのことを代表のように、まるっと手放しに愛してくれ!とは言わない。それは言わないから、今の代表をまるっと手放しに愛して欲しい。バスケってめっちゃ面白い。いつか僕も、バスケくらい面白い90分を作り上げられたらと思う。そのために4分、ないし5分、プレータイムをもらって必死にアピールする。ああバスケ面白い。ネタやるの楽しい。楽しむな、バカ、すみません。



山名さんと、バスケ男子日本代表のドキュメンタリー映画 「BELIEVE 日本バスケを諦めなかった男たち」を見た帰り道、熱くなりながら歩いたのが良かった。

監督のトムさんが、ともかく選手たちに「信じる」ことを強調する。ロッカールームで、大会でのチーム全体の目標を、一人一人に、自身の口で言わせる。一人一人、言っていく。同じ目標を言わされているようで、はっきり自身の思いでもって口にしていく。
目標を成し遂げるためのマインドセットが完全に整い、目の色が変わった代表選手が躍動し、ついにパリオリンピックを勝ち取る。


あそこ、自分たちと重ねてしまいました、同じやわ、やっぱそうですよね、信じなきゃいけんよな、それぞれの相方とな、宇野とな、谷とな、ほんとそうですね、そうなんですよ、あの時掲げたアジア1位が、僕らにもあるんですよと、ほんまそうよな、信じなあかんな、信じましょう、トムさんに言われたら答えなあかんな、答えましょう、ヘッドダウンしちゃダメですね、せやな、しかし河村やばいな、やばいですね、吉井が吠えたとこ良かったですね、ほんでホーキンソン最高、あと川真田、ヒュー、どっちも良いですね、ほんまそうやな、僕はどっちにもちょっと似てるんですよ、ほんまやな、なんでどっちにも似てんねん、

とか言って、歩いて帰った。良かった。頑張る。

これは川真田
これは比江島

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