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娘が指しゃぶりをやめるまで(生後7カ月~5歳)

もうすぐ7歳になろうとしている双子のひとり、Aはずーーっと指しゃぶりをしていました。

今では笑い話ですが、当時の私はいつやめるのか、毎日毎日それだけを考えてノイローゼになりかけていたのです。

彼女が指しゃぶりをやめるまでを、ここに記録しておきたいと思います。

指しゃぶりは突然に(生後7か月)

生後3か月のころから始めたと思っていたけれど、昔の写真を見返してみると、指をくわえている写真で一番古いものは生後7か月でした。

彼女はずっと右手親指ひとすじ。ほかの指はいっさい興味なし。ただくわえるというよりチュッチュと「吸う」という表現のほうが合っている気がします。

私もこのころは全然気にしていませんでした。

だんだん気になりだす(1歳~)

当初は、手持ちぶさたなときや入眠時にくわえるくらいでしたが、だんだんとその時間がのびていきました。

おもちゃで遊ぶときも、お風呂のときもずっとくわえていたのです。

今でもおぼえているのは、ミルクを飲み終わると、すぐに自分の親指をくわえたこと。「あれ? この子、いつも親指くわえてるんじゃない?」と、そこから気になりだしました。

Googleで検索→落ち込む日々(1歳3か月~)

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一歳半検診がそろそろだな、と思うと、いてもたってもいられなくなり、「指しゃぶり 1歳半 やめない」などさまざまな言葉で検索していました。

得られる答えの9割(いや、99%)は「ママの愛情不足」。

24時間365日、こんなに体を張って頑張っているのに・・・まだまだ私は足りないのか!!そう思って落ち込む日々が続き、ますます追い詰められていきました。

一歳半検診の項目のひとつに「二語文(わんわん きた等)を話す」というのがあります。

双子は当時それを話しませんでした。(ちなみに1歳9か月のときに初めての二語文)

保健師さんに何か言われるのでは・・・と不安でしたが、結果、保健師さんは「2歳くらいまでは大丈夫かな~」で終わりました。

ついに道具に頼る(3歳3か月~)

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この「娘に指しゃぶりをやめさせる作戦」で絶対やるまいと決めていたことがあります。それは「そんなことしてると指がなくなっちゃうよ」といったような「脅かしてやめさせる」ということ。

そして、ネット情報を頼りにいろいろ試してみるものの、現状変わらず。


・手を握って寝るといい→振り払われる&泣き叫ぶ

・手を使った遊びをするといい→いや、左手だけでレゴしてます!

・ママがいっぱい愛情を注げばいい→これでもまだ足りないんですか!?


そして、ついに道具に頼ることにしました。

Amazonで子どもの指しゃぶり防止用「苦いマニキュア」を購入。

自分の指で試してみると、びっくりするくらいの苦さ。これで指しゃぶりをやめてくれる!と「お母さんみたいに爪にぬってみる?」と娘の指にぬってみると・・・

あれ!? いつも通り吸っている!!!

ということで、あえなくマニキュア作戦撃沈。

指にガーゼを巻いて寝る(3歳6か月~)

ママ友からこのやり方をすすめられ、さっそくやってみました。

ちょうど私も手荒れケアのため、就寝時には薬を塗布してガーゼを巻いていたので、「お母さんとおそろいにしてみる?」と誘導。

市販のガーゼを親指に巻き、簡単に外せないようにホワイトテープで親指だけでなく手のひらも経由してぐるぐる巻き。これで簡単には外せまい、と思いきや、指への執念おそるべし、うとうとしながら引きはがしてしまいました。

歯並びに影響が(4歳)

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いずれはやめてくれるだろうという思いと、早くやめさせねばという思いでモヤモヤが続く日々。保育園の歯科検診でついに「開咬(かいこう)」を指摘されました。

「開咬」とは歯を嚙み合わせたときに、上と下の歯の間にすき間ができること。

歯科で「指しゃぶりをやめさせるしかありませんね」と言われ、横で聞いていた娘も、ことの深刻さを感じ取った様子。

やめる宣言→やめられない葛藤(4歳~4歳11か月)

「Aちゃん、もうチュッチュしない」と自ら宣言したものの、そう簡単にはやめられない。大人だってそうです。

指をくわえているのを見つけたとき「あ、Aちゃん、指」と指を外すジェスチャーをしてみせると、「あ!」と言って外すなど、このころには自分のなかで意識してやめるようになってきました。

(このときも「やめなさい!」ではなく、あくまで気づかせるスタンスでいることに気をつけました)

ただ、夜は意識するのがどうしても難しい。「お母さん、もうチュッチュしたくないから指にガーゼ巻いて」と言ってきたときには、胸が痛みました。

ガーゼを巻く→吸いたいけど吸えない→泣く→自分で外す→指をくわえて入眠、を繰り返す日々。

それでも1か月くらい経つと、時おりガーゼを外さずに朝を迎える日がちらほら出てきました。

再度マニキュアを使用(5歳)

日中の指しゃぶりはほとんどなくなったものの、どうしても就寝中はやめられない。どうしたものかと考えていたある日、引き出しの奥に、あの苦いマニキュアを発見。まだ使っても大丈夫かなと試してみると、うん、まだ大丈夫そう。

ということで、「Aちゃん、この苦いの塗ってみない?」と就寝前に塗ってみたところ・・・まさかの1回目にして成功!!

これまでの苦労は何だったのというくらい、あっけなく指しゃぶりをやめてしまった。

※追記(2020.8.23)※

2020年8月16日付の日本経済新聞に、このマニキュア「かむピタ」が写真付きで紹介されていました!スタートアップ企業が矯正医療に価格破壊を起こしているという内容。心療内科を受診する人が多い爪かみや、指なめの矯正に使われているとのこと。


振り返って思うこと

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心理的要因うんぬんよりも、ふと指を口にしたことが習慣化しただけなのでは、と思います。

手持ちぶさたなときに指をくわえるのは、ママがほったらかしにしているから→ママがかまっていると手持ちぶさたな時間なんてあるはずない→ママの愛情不足、と言われるのではないでしょうか。

でも、母は子どもの世話だけではなく、仕事や家事もあるし、24時間ずーっと子どもべったりしていられるわけではありません。「3歳児神話」や「母乳育児」など、乳幼児期の育児には「それ、何の根拠をもって言ってるの?」的な情報があふれています。それらに振り回されると、私はなんてダメな母親なんだ!と自分を責めてしまいがち。(まさに私がそうだった)

たしかに、指しゃぶりを長期間続けることは歯にとってメリットはありません。6歳現在、開咬はなくなりましたが、歯並びはキレイとは言えない状態です。ただ、これはあごの成長具合など他にも原因がありそう。

今、毎朝元気に小学校へ通う姿を見ていると、あの当時の暗黒の日々は何だったのだろうと思います。

昔を振り返ってみて、なんであのときもっとドーンと構えてられなかったんだ・・・と思うことは多くあります。引き出しの中のものを全部出してしまったり、何度言い聞かせてもテーブルの上に乗ったり。「この子が二十歳になったときもこれをしているのか、いや、してないでしょ」と思えることは目をつむる。それくらいの心の余裕をもって、長い目で育児をしていけたらいいな。

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