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2012 好きな人に裏切られたくなかったから (by泉谷しげる)

遠い日をさすらうのもあと5本くらいで私もやっと気がすみそうです。愛読書である「反応しない練習」で、何十年引きこもりの人も三日三晩喋り尽くしたら、外に出れるようになったというくらいだし。

去年放送されたNHKのアナザーストーリーズのフォーライフの話。これやっぱり、すごく深くて、ハードディスクに録画したものをまたまた観ました。

音楽ビジネスの追求という理想の中で、フォーライフの社員、そして社員の養う家族が見えてしまい社長業を降りた小室等、そしてそのフォーライフを立て直すために社長業を引き受けた拓郎さん。そもそもフォーライフでの音楽活動に自由を求めていて、そんな拓郎さんに違和感を感じてフォーライフをやめることになる泉谷しげる。ここが、すごく面白いのです。

そして、フォーライフの社長業を引き受けたことに対しての拓郎さんの今の感想は、(2014年のところに書いた通り)「やらなきゃよかった」。録画を観たあと、社長業とアーティストの両立を歌ったその時の曲、「大いなる」を久しぶりに聴きました。2019年のツアーのオープニングでもありましたね。

で、番組の最後に泉谷のセリフ、泣けることを言うのです。「フォーライフをやめるって言ったら、拓郎は本気になってやめるなって説得した。いいやつだよ、拓郎は。でも、社長だもんな。俺は、好きな人に裏切られたくないんだよ。」

ああ、わかります。好きな人に裏切られる、好きな人を裏切る、それはとてもつらいことです。しかも、それがビジネスがらみなら尚更です。でも、所詮は会社なんてそんな場なのかもしれません。

2013年のところに書きましたが、私は好きな人を裏切ってしまったです。泉谷のように、そういう事態になる前に自分が去ればよかったのかな、これは今でも後悔していることです。今でも年賀状のやり取りはあるんですが、まだ傷は癒えそうもないです。

なお1999年、拓郎さんはテイチクに移籍し、私が裏切ったその方も、もううちの会社にはおりません。

ただ、私はあれしか手段がなかったんだよなあ。それだけ。私のこの会社での全ては、あの時に終わったのでした。

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