Linux使い始めて1年経つのでとりあえず経験談を語ってみます。

Linux と聞いてそれがなんなのかピンと来る人は大多数ではないだろう。LinuxとはWindowsやmacOSなどと並ぶパソコンのOSの事だ。多分Chrome OSならば最近知名度が上がってきていたり、Android OSならば知っている人が大多数だろう。LinuxはAndroid OSやChrome OSのベースになったOSでもある。ということを言えば多少は親近感が湧くのではないだろうか。

僕がLinuxに興味を持ち始めたのは1年半程前のこと。大学の授業の隣に座っていた奴が使っていたOSにはデスクトップという概念が無かったのだ。キーボードのショートカットを駆使してターミナル(あの黒い画面に文字が並ぶやつ)からすべての操作を行って居た。その時に理解できたのはそのOSがWindowsでもmacOSでもない第三者、Linuxであることだった。そしてそれを見た時僕はそれを「カッコイイ」と思ってしまった。

Vimmerへと

当時Macbook ProでmacOSを使っていた僕はすぐにはそれでLinuxに移行するなんてことはできなかったので、とりあえずLive USB(USBにOSをインストールして、USBから起動する方法)を使ってLinuxの定番、Ubuntuをインストールした。ただ、隣に座っていた奴の環境とは程遠い普通のOS起動時に出てくるデスクトップがあったり、ショートカットキーで何かができるわけでもなかった。今となってはあの「カッコイイ」状態の物をタイリングウィンドウマネージャーという事がわかるのだが、その当時はそれが何なのか理解できずに、諦めてしまった。ただ、その時にも収穫はあって、憧れだけで例の彼が使っていた"Vim"(ターミナル上で動くテキストエディタ)を僕も使うようになったのだ。ちなみに、vimを使い始めて、カスタマイズというものに一層興味が湧いてきてしまった。(vimは.vimrcというファイルに設定を書くことで、ソフトの設定を色々と変えることができるのです。)

事件は起きた。

そして、その半年後、今からちょうど1年前ほどにまた例の彼が隣の席に来た。そしてまた彼の華麗なキーボード裁きを見てまた憧れてしまった。今回こそは実現させてやるとそんな意気でもう一度Live USBの作成。そして、悲劇は起こった。僕の使っているMacbook ProはSSDが120GBのもので、Live USBに使っていたUSBも120GBのものであった。Live USBを使っていたら少し調子が悪くなってきたので一旦フォーマットして再インストールしようとおもったら、ディスク容量が同じなので、間違えてUSBの方ではなくなんとMacbook ProのSSDの方をフォーマット(データをすべて消し去る)してしまったのだ。

正直、そのときはヤバイヤバイヤバイと思ったが、ある程度重要なドキュメントなどはほとんどDropboxや外付けハードディスクなどに入れていたので、正直失ったものはそこまで大きくなかった。そして、せっかくなのでmacOSを止めてLinux使いになろうと決心したのだ。しかも、ただのLinux使いではなくキーボードマジシャンに。

曲者i3wm

これがまた一筋縄では行かない。まずはキーボードマジシャンを極めるためにi3wmというタイリングウィンドウマネージャーを入れる。タイリングウィンドウマネージャーというのは、僕が例の彼に憧れた一番の源。ターミナル操作でパソコンを使う事を強制させてくれる品物だ。こいつがまた曲者で、Wifiにつなげるだけでさえ一苦労。そのためのコマンドを知らなければ接続できないのだ。他にも画像を表示するときやzipファイルを解凍する時、pdfファイルを表示するときなど今まで特に何も考えずにクリックしたら開くなんて言う甘えた行動は一切行われなくなった。

ただ、その修行が効いてきたのか、徐々に慣れてきてある程度には使えるようになってきた。人間の脳の適応能力はすごい。これは英語圏に身を置いて英語を話さなければ生きて行けないような状況にすごく似ている。人間一番学ぶのが速いのはそのスキルを絶えず使わなければ生きていけないという状況に放り込まれることなのだ。

Macbook Proでi3wmを使うのはかなりの苦行ではあった。まず、デフォルトでは画面の輝度値の変更ができない。音量の調節ができないなど、不便に不便を重ね続けて、輝度値や音量を変えるシェルスクリプト(コマンドの連続)を自分で書く必要があったぐらいだ。この時に理解したのは輝度値や音量はそれらが記載されているファイルがパソコンのシステムのどこかに眠っていてそれを上書きすれば良いということだった。それまでは何も考えずに画面の明るさや音量などと表面的にしか存在を把握していなかった。(正直今もファイルの上での数字としか認識できていないが。)

私生活にも影響を

Linuxを使い始めてから、今まで表面的な理解しかできていなかったパソコンの事をもう一段階低いところまで理解できるようになってきたし、なによりもユーザーが少なく希少価値が高い事、同じような人を見つけたら話のネタに困らないし仲間意識が生まれることなど、色々と人生が楽しくなってきている。まだ、自分の事をキーボードマジシャンとは呼べないし、Linuxについてもまだまだ知識が足りていないと思う。ただ、普段の生活でも今まで表面的にしか捉えることのできなかったことももう一段階下まで考えることができるようになってきたりと普段の生活にも豊かさを持ち込んでくれた。

これからもLinuxを使い続けていくだろうし、Linuxの輪も広げてこうと思う。あんまり経験談らしい経験談ではないかもしれないが、この記事を読んでくれる人の中にLinuxユーザー、i3wmユーザー、vimmerなど居たら是非語り合いましょう。僕の些細な夢は、~/.config/i3/configの見せあいや.vimrcの見せあいをすることです。

今回はこれぐらいで。


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