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“副業の失敗”いっぱいトーク!──『副業力』刊行記念イベントレポート【後編】

12月3日(木)、東京・渋谷の青山ブックセンター本店にて、『副業力』(染谷昌利・著)の刊行を記念して、染谷昌利さんと前田高志さんのトークイベントが開かれました。その模様を、前・後編の2回に分けて投稿します。
前編はコチラ
※本イベントは、マスクの着用やソーシャルディスタンスの確保など、感染対策を施したうえ実施されました。

スベっても全然OK。でも炎上はやめたほうがいい

前田高志氏(以下、前田)
ブログって、結果が出るのに時間がかかるじゃないですか。どのあたりで見切りをつけるんですか。

染谷昌利氏(以下、染谷)
僕はもうキャリアが長いですから、3か月やって「このテーマはダメだ」と思ったらそこでやめます。でもこれからはじめるという人は、半年ぐらいは続けてみたほうがいいと思います。

それと、ブログでもYouTubeでも、Voicyみたいな音声メディアでもなんでもいいんですけど、お金を稼ぐことを前提にしないで、同じ趣味を持っている仲間を増やしていく、というようなイメージのほうがいいと思います。そのほうが精神衛生上いい。

はじめるときに、前田さんみたいに初期費用をかけることがアクセルになる人ももちろんいます。だけど、「回収しなきゃ!」って思い過ぎると、人って追い詰められれば追い詰められるほど変な方向に行くから、もっと変なところにお金使っちゃったりするんですよね。

前田:フォロワーを増やしていくような感じですか。

染谷:正当に発信して自然にフォロワーが増えていくのはもちろんいいんですけど、「あ、これフォロワー買ってるな」「ここにお金かけたか」ってわかっちゃう人もいますよね。そいうフォロワーの増やし方はしないほうがいいです。「なんでこの発信でこんなにフォロワーがいるんだろう」とか、「なんで1万人もフォロワーがいるのにいいねが2個しかつかないんだろう」ってよく思います。人が信じられなくなる(笑)。

前田:僕もTwitterで、ぜんぜん「いいね」がつかなかったことがあります。たとえば今日午前中の「東京、冬やな」っていうツイートですけど。

染谷:確かに、それは反応しようがない(笑)。

前田:ですね。でも、これは実験なんです(笑)。よくマーケティングがどうのっていうじゃないですか。これ自体がマーケティングですよね、この実体験が。「ダメだった」っていうのがはっきりするのがいい。

染谷:そうですそうです。「スベった」っていう体験は大事。スベったって別にお金もかからないし。

スベるのは全然いいんですけど、炎上は避けたほうがいいです。嫌いなものを拡散していくとだんだん心が削られてきて、お金はかからないけど精神がマイナスになっちゃうから。

ポジティブなこと、自分が面白いと思うもの、好きなものを拡散していくと、たとえたまにスベったとしても、同じものを好きな人が集まってきます。

前田:僕もそれをやってます。Twitterでは、僕のつぶやいたことを全部集めたら僕のAIができる、というぐらいのつもりでツイートしています。イヤなものはイヤ、これは好き、というふうに。「東京は冬やな」ってつぶやいてフォロワーが減ろうが(笑)、そんなことで離れていく人とはつき合わなくていいと思って。

染谷:SNSは話題の純度が上がっていくから面白い。だんだんと、極端な世界に分かれていくんです。皆さんも、フォローしている人たちを分別してみると面白いですよ。「ここは際どい人たちが集まっているな」「ここはゆるいな」とかが見えてきます。

僕は時期によってフォローする人を変えるんです。そうすると見える世界がまったく違ってくる。

前田:どんなふうに変えるんですか?

染谷:たとえば「副業」というテーマを取り扱うことになったら「副業」で検索して、その周辺をひたすらフォローしていきます。Twitterの本を書くときには、Twitterが得意な人をたくさんフォローしていくと、まったく別の世界が見えてくる。「現場の声」を知ることができます。

前田:すごいですね。その発想はなかった。世界が変わりますか。

染谷:全然違う、別世界があります。

前田:なるほど。ところで最近、ツイートの数が減っているような気がするんですけど、どうですか?

染谷:たぶん前田さんがフォローしている世界がシュリンク、縮小しているんだと思います。たとえば、いまeスポーツのサイトをやっている人のお手伝いをしていますが、その界隈はすごく活発ですから。

たとえばキャンプでも、ソロキャンプなのかとか海なのか山なのかとかいろいろありますよね。そういう風にジャンルをどんどん絞っていって、フォローして交流していくだけでも、全然世界が変わりますよ。

副業のための「時間術」

前田:会社員って時間がないじゃないですか。染谷さんはどうやって副業の時間をやりくりしてたんですか。普段何時ごろ帰宅してました?

染谷:会社がそこそこブラックだったんで、11時ぐらいに帰ってましたね。

前田:そこから2時間とか作業してたんですか。

染谷:はい。そのためには、僕は「寝るな」とは絶対いいたくないんですけど、何かしら犠牲にしなければならないのは確かですね。自分の生活の中で必要ないものを探して、優先順位をつけるしかない。僕は一時、お酒をやめてました。

知ってました? お酒やめるとすごく作業時間が伸びるんですよ。これはあまり知られていない事実(笑)。翌日も朝から作業できるし。あとタバコもやめました。10年ぐらい吸ってたんですけど。日常生活の中でそれほど重要じゃないものを削るしかない。

今回のコロナでは、自宅待機になって打ち合わせもオンラインになりましたし、子どもの学校もリモートになって送り迎えがいらなくなった。移動する時間がなくなったら、それだけで1日3時間ぐらい空いちゃったんです。どうしようと思って、動画の裏方を始めました。

前田:削れる時間というと、僕の場合「ピッコマ」ですね(笑)。

染谷:ああ、「ピッコマ」はちょっと減らしてもいいんじゃないですか(笑)。

前田:でも、「ピッコマ」のこともブログに書けばいいし。

染谷:そうそう。それがメインになったらいいんですよ。「テレビ悪説」がよくネットでいわれているけど、目的をもって楽しく見ていれば別にいいんじゃないって思います。ネタになるし。ただボーっと見てるっていうのをやめればいいのであって。

前田:何かに使えるならいい。

染谷:何にもフォーカスしていない時間を減らすっていうことですね。あとは酒の時間を減らす(笑)。

前田:僕も、デザインの仕事をした後に夜から2時間作業してましたよ。すごくしんどかったけど、3か月しかやらなかったから大丈夫でしたけど。

染谷:3か月で結果が出たというのがすごいですよ。

時間の使い方、ということでいうと、今回の本でインタビューに協力してもらった複業研究科の西村創一朗さんという方もハードワーカーだったんですが、長い通勤時間を有効に活用できないかと考えて、スマホでブログを書くことにしたそうです。

土日に趣味を活かして副業にしてもいいですよね。僕、キャンプは好きなんだけど片づけが嫌いなんですよ。もしキャンプが好きで機材もたくさん持っているような人が「料理から片づけから何から全部自分がやるから、5000円で来ない?」って誘ってくれたら払いますよ。

原価が4000円だとして、10人集めたら1万円の利益が出ます。それを毎週やれば月4万円稼げる。それで新しいダッチオーブンとか買えますよね。そういうのを続けていくだけでもいいかなって。

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染谷昌利さん(左)と前田高志さん

よくある失敗「値づけ」

前田:一昔前はアフィリエイトぐらいしかなかったけど、いまは好きなこと自体が収益にできるわけですね。

染谷:SNSがありますからね。別にどんなコミュニティでも、たとえばゲーム好きのコミュニティとかでもできる。大事なのは、「そこでひと言いえるかどうか」ということと、「私、これでお金もらっていいのだろうか」という呪縛から解かれることです。

前田:それ、すごくあるんですよね、会社員って。僕もそれで値づけに失敗しました。

染谷:値づけは僕も失敗してます。安くつけちゃうんですね。

一方で「なんでこの人こんな金額取ってんだろう」って思うこともすごくある。相場より絶対高いよねっていう。

前田:誰ですか。どういう仕事している人?(笑)

染谷:うーん、ちょっとよくわからないですけど(笑)。

でもいろいろ経験していくと相場観もわかってきて、まっとうな自分の相場観で金額を出せるようになってきます。安すぎる値づけは自分に跳ね返ってきて、モチベーションが落ちるんですよ。なんでこの金額でここまでやってんだろうって。このバランスは自分で探すしかないと思いますね。

前田:あまりに安い値段で依頼してくる人は、こっちの仕事に価値を感じていないわけですから、その時点で受けないほうがいいですよね。

染谷:安いほうがクレームが多いです。これもまた前田さんにダメージを与えそうなんですけど、たとえば1000円のレッスンだと文句が結構多いんです。でも20万円の講座の場合、自分を認めたいから文句をいわなかったりする(笑)。

前田:確かに。払ったおれは正しいんだって思いたい(笑)。

染谷:結局、値段と質のバランスが取れていない人は消えていくんだけど、安すぎていいことはないと思っています。

あと、無料はやめたほうがいいですね。

前田:僕、最近無料でやってるんです。肩書はデザイナーだし本業はデザインの仕事なんですけど、副業のオンラインサロンと位置づけが入れ替わってきてるいる。やりたいのはオンラインサロンのほうなので。でもしっかりデザインの仕事をしていないとオンラインサロンに誰も集まらなくなるから、一所懸命やるんですけど、無料のものもあります。

マネタイズはオンラインサロンのほうでやって、デザインは面白そうな仕事、自分が好き勝手にできる案件を中心にやってますね。

染谷:それはわかります。要は課金ポイントの話なんですね。

前田:そうです。

染谷:デザインの対価として課金するのか、月額課金するのかの違い。月額課金のオンラインサロンにネタを出したいから、デザインは無料でいいですよ、ということですね。

前田:そう。僕がデザインをがんばればがんばるほど、僕のデザインや考え方に触れたいっていう人が集まるから、そこに喜びもありますし。

染谷:コミュニティというか集まり、ですよね。いまの時代は、趣味とか好きなことでつながっている人たちの集まりに最適な商品を出せば、売れますからね。

たとえば、自分がキャンプを好きだとして、何か不便を感じたりすることがあるじゃないですか。その不便を解決するために、「こんな商品をつくろうと思うんだけどみんなどう思う?」てキャンプ仲間に聞いてみる。あ、それ欲しい」ってなったらつくればいい。確実に売れますよね。

もちろん発信力と、自分が好きなことを中心とした人の集まりは重要で、そのために有益な情報を出して、みんなおいでよ、って人を集める必要はありますが。

たとえば、ハンガーを1500万円売った友人がいます。その人は服をタンスにしまうのがとにかく嫌いで、全部ウォークインクローゼットに掛けたい、という理念を持つ人なんですけど、その考えから「ズボンを掛けやすく、外しやすいハンガー」をつくってクラウドファンディングに出したら、1500万円分売っちゃんたんです。つまり理念と、不便と、発信力があれば何でもいいんですよ。

前田:自分が「おや?」って疑問に思うことがあればいい。

染谷:その疑問をひとりで抱えていたら商売にならないけど、コミュニティがあればそこに提案することができる。あとはそこで、正当にお金が取れるかどうかです。最初に安く値づけしちゃって消耗してしまう人をたくさん見てきていますから、それはよくある失敗かなあ、と思います。

前田:本当に値づけはむずかしいですね……。僕もロゴデザインを3万5000円でやったことがあるんです。会社辞めたばかりでブログなんて誰も見てないだろうと思っていたら、告知して10分くらいで3件きちゃって、「やばい、そんなにいっぱいつくられへん」と。

染谷:会社員って、会社の評価によって給料が払われているから、自分から「この金額で」って打診する機会が少ないんですよね。もちろん人事評価のときに「こういうことやりました」ってアピールするんですけど、僕はそれがヘタクソで、結構奥ゆかしくなっちゃう。でも実際は、自己評価が高い人のほうが昇進が早かったりする。フリーの人とか副業でこそそれをやらないと、きついですよ。奥ゆかしい人は「いい人」で終わっちゃいますから。

前田:そうなんですよね。会社員でも、堂々と「この仕事やりたい!」っていえる人のほうが出世するんですよね。根拠のない自信がある人のほうが強い。

それにしても、会社員ってほめられないですよね。ほめられます? なんかできて当たり前みたいに思われてる。僕は、会社を辞めてからほめられることのほうが増えました。

そういえば、会社を辞めるって宣言してからのほうが評価が上がったんですよ。死後評価された、みたいな(笑)。

染谷:シューベルトみたいだ(笑)。

「収入の柱」の増やし方

前田:フリーランスも会社員も、収入の柱を増やしてリスクを回避するということが必要になっていると思うんですけど、染谷さんは具体的にどうしていますか。

染谷:情報発信で得られる収入には2パターンあって、広告がクリックされるだけで収入が得られるパターンと、物販、つまりモノを売って報酬が得られるパターンがあります。クリック報酬型と成果報酬型といわれるもので、成果報酬型は先ほど出てきたアフィリエイトですね。

もともとぼくはクリック報酬型のほうが得意だったんですよ。要はアクセス数を集めて、広告を上手に配置すればある程度計算できるわけですから。

前田:Google Adsence(グーグルアドセンス)ですね。

染谷:そうです。でも当初はそれが100%で、これだけじゃ危ないから成果報酬型もやることにした。売るモノは、英語はしゃべれないけど英語教材に決めて、「教材を使って学んでいる姿をみんなと共有する」というブログを始めたんです。

そのうちに、クリック型と成果型の報酬レベルが5分5分になってきました。それはいいんですが、このままではインターネットで100%じゃないか、というリスクも感じて、企業と顧問契約したり、講演して講演料をいただいたり、本を書いたりして現実社会とのつながりを増やしていきました。

「情報発信」という軸をひとつつくっておくと、その周りにいろんなヒントが隠されているから、それらを見つけてできることを増やしていけばいいんです。そうすればリスクを減らしながら経験も増えるし、場合によってはお金も増える。あるいは自分の得意分野に気づくこともできる。

僕は怖がりなので、リスクをいかに減らすか、ということしか考えてないです。会社員の方も、勤めている会社がなくなったら収入がゼロなわけで、本当はすごく不安定なんです。だからリスク回避は考えておいたほうがいいですよね。

前田:いま染谷さんはいろいろやってるから、何をやっている人かよくわからない。でもそれが正解ですよね。

染谷:実は毎年ある程度軸を決めていて、今年は「副業」を軸にしています。これまでの軸は「ブログ」とか「オンラインサロン」、「地方創生」、「出版」などでしたね。自分自身の100%を構成する中身を、少しずつ変えていくイメージです。

ある年に11冊本を出したことがあって、もう何書いてるかわからないような状態でしたけど、人間ここまで負荷をかけられるんだというのがわかりました(笑)。自分を少しずつ踏み外してみる、ということをやらないと、日常は変わりませんから。

キーワードは「発信力」と「プログラミング」

前田:もしいま染谷さんが会社員だったとしたら、どんなことをしますか?

染谷:もう10年も離れていますからね……。でも、コミュニケーション能力というか、営業でも人事でも、外部に何かを伝える能力を持っていることは大事だと思います。僕の場合、2社目は、担当だった先方の人事部の人と信頼関係ができていたから呼んでもらえたわけですから。とくに発信が上手な人ってどの会社も欲しいんですよ。社内にいないから。そこを伸ばしておくのは本業でも趣味の部分でも、いいかなと思います。

前田:やっぱりブログでしょうか。

染谷:それは本当に人それぞれで、文字を書くのが得意な人はブログがいいと思います。しゃべるのが得意な人はVoicyがいいと思いますし、身振り手振りも入れたいならYuTubeもある。YouTubeは編集が一番大変ですから、編集力を身につけておくと、これからの動画の時代には強みになります。

あと、プログラミングは勉強しておいて損はないですよね。プログラムのしくみがわかっていると、アプリでも何でもいいんですけど、プロトタイプを自分でつくれるから、ウケるかどうかとりあえずつくって出してみることができる。ウケなかったら違うことをやればいい。

とにかくお金かけずにいろんなことをやるなら、発信力かプログラミングか、どちらかは必要かなと思っています。

前田:「発信力」というワードが染谷さんからすごく出てきます。僕はちょっと違ういい方をしていて、ほぼ同義だと思うんですけど、僕が会社員だったら、SNSを使って僕自身のキャラクターをとにかく知ってもらう、ということをすると思います。知ってもらった者勝ちかな、と思うんですよね。

染谷:その通りだと思います。インターネットには情報があちこちに点在しているから、発信しなければ誰も見つけてくれないんです。「知られていない」イコール「いない」も同然。さっきのハンガーだって上手に発信したからこそ1500万円生むことができたのであって、ただ単につくったって誰にも知られないし、買われないですからね。

前田:究極的には、僕がデザインもできない、何の能力もないダメ人間であっても、知ってもらうだけで強いかもしれない。能力なんて関係ないですよね。

染谷:そうですね。関係ないと思いますよ。

前田:いかに知ってもらうかが大事であって。

染谷:ただ、悪目立ちはしないほうがいいと思いますよ。いますよね、SNSで悪目立ちする人。誰とはいわないけど。

前田:炎上系みたいな。

染谷:炎上系の人ってそもそも思考回路が違うんです。気にしてないし、そもそも炎上してるって思ってない人が多い。そういう人と同じ場所にいると巻き込まれかねません。

前田:何かあったんですね?(笑)

染谷:いやいや、僕は観察する人なんで冷静に見てますけど、一歩入りこむといろいろと大変な場合が多いです。

会社員だってキャラが大事

前田:SNSのおかげで、仕事をくれる人もあらかじめ僕を理解してくれている人が増えてきて。僕、仕事が遅れても何にもいわれないんですよ。普通にスケジュール通りに出したら、「お忙しいところありがとうございます」っていわれて(笑)。

染谷:企業とか組織の人と仕事をするときは、肩書に目がくらむと失敗することが多いですね。有名な大企業の人とかとかNPO法人の人とか、そういう肩書に目がくらんで、その人がすごい人に見えてしまうんですね。そういうときほどトラブルになったり、内容証明が届いたりします(笑)。

そういう経験を繰り返して、あ、内容証明はそんなにないですけど(笑)、名刺の肩書を見るんじゃなくて、その人そのものを「どんな人なんだろう」と見るようになりましたね。一緒に仕事したら面白いかな、とかね。

あるあるですけど、「でかい会社の平社員」であればあるほど、突然連絡が来なくなる(笑)。

前田:決裁権がないですからね。

染谷:「僕はやりたいんですけど」って、いや「僕は」じゃなくてって、いいたくなります。

前田:会社のTwitterで個人名を出したくない、というのがあるじゃないですか。ああいうのはどうですか?

染谷:僕もSNS上にいろいろ友だちがいますけど、「企業」とは友達になれないですよね。「○○株式会社の広報です」っていうのと「広報の斎藤です」ていうのはまったくの別物です。「中の人」でもいいんですけど、とにかくキャラクターが出てないと発信が上滑りする。企業のプロモーション担当者が失敗するというのはほとんどそれが原因です。会社の存在が見えちゃうんですね。

キングジムさんとか、昔のNHKさんとかシャープさんとか、キャラが出ている人っていうのは成功している。それを許す会社かどうか、という問題はもちろんありますが。キャラを出したほうが将来的にも役に立ちます。「あ、あの中の人だったんですか!」って。

前田:そうですね。そういうふうにやりたいですね。

染谷:SNSはお金もかからないですしね。お金がかからないことをたくさんやったほうがいいかな、と思います。

前田:あ、20万円払うんじゃなくて(笑)。

染谷:そう(笑)。これ、今日のメインテーマになっちゃいましたね(笑)。

(終わり)

講師プロフィール

染谷昌利

株式会社MASH 代表取締役。12年間の会社員時代からさまざまな副業に取り組み、2009年にインターネット集客や収益化の専門家として独立。起業後はブログメディアの運営とともに、コミュニティ(オンラインサロン)運営、書籍の執筆・プロデュース、企業や地方自治体のインターネットマーケティングアドバイザー、講演活動など、複数の業務に取り組むパラレルワーカー。著書・監修書に『ブログ飯 個性を収入に変える生き方』(インプレス)、『アフィリエイトの教科書』『YouTube×ブログの教科書』(ソーテック社)、『動画マーケティング 成功の最新メソッド』(MdN)、『成功するネットショップ集客と運営の教科書』(SBクリエイティブ)、『クリエイターのための権利の本』(ボーンデジタル)、『Google AdSense マネタイズの教科書』『ムリなくできる親の介護』『副業力』(日本実業出版社)など39作。

前田高志

株式会社NASU代表取締役
。グラフィックデザイナー。2001年に任天堂(株)入社。広告デザインや会社案内などに携わる。父の認知症をきっかけに2015年に介護離職。2016年に独立しNASUを設立。2018年にNASUを法人化。社名のNASUは“為せば成る”が由来、デザインで成(為)す。専門学校HALと大阪芸術大学にて非常勤講師を経験。約350名が参加する、オンラインコミュニティ「前田デザイン室」を主宰するコミュニティデザイナーでもある。前田デザイン室では、これまでメンバーと共に『マエボン』『NASU本 前田高志のデザイン』『モザイクパンツ アートブック』『マエボン2』の4冊の本を出版した。初の著書となる『勝てるデザイン(仮)』を幻冬舎より出版予定。得意分野は、ロゴ・ブランディング・装丁・広告・販促・写真撮影・イラスト。

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