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ミュージカルの話『キャッツ』〜ニャンとびっくり!?〜

さて、ミュージカルの話をしましょう。保険の話なんてつまんないしね。

つい先日、凄く久しぶりにミュージカルに行ってきました。もともと私はミュージカルは大好きで、イギリスに住んでいた頃は当時ロンドンで上演されていた作品はほぼ全部見に行きました。しかし、その後は仕事の都合や世界的になんか変な病気が流行ったりとかで、ここのところずっと行けず悶々としていました。

劇団四季 名古屋劇場

そこに、イベント割でミュージカルも安くなるという話を知り合いから聞き、この機会を逃すわけにはいかないと即予約しました。選んだのは劇団四季の『キャッツ』、安定のロングラン(長い間上演されている作品=人気作の事)ですし、ロンドンで何度も見たので内容も頭に入っています。

ただ、心配なのは私は劇団四季で『キャッツ』を見るのは初めてだという事。そして、そもそも劇団四季が正直それほどレベル高くないというか…まあ不安要素はありましたが、とにかく行って来ました!

やはりミュージカルはいい…!

結論から言うと、かなり良かったです! 劇団四季のミュージカルは20年くらい前に『レ・ミゼラブル』を見たくらいで、その時は正直ガッカリしてしまう出来だったのですが、今回は凄く楽しめました。

まず以前より歌がずっと上手くなっていました、そして『キャッツ』はダンスにもかなり重きを置いている作品なのですが、そのダンスも上手い。完全に期待以上です。そもそも、以前に劇団四季のミュージカルに行ったのが20年ぐらい前なんだから、役者だって最低ひと世代は変わってるはずだし、当然技術や演出も進歩しているわけです。そんな当たり前の事も思い当たらない自分のアホさに驚いてしまいます。

ここからdisるパート

とはいえ不満点もありました! あっ、ここからは読む必要ないdisりパートですので劇団四季のファンとかの方は読まないでください!

まず歌、『キャッツ』のミュージカルは原語は英語であり、当然その前提でメロディも作られています。しかし、それを邦訳したことで歌として聞き取りにくく、メロディとあっていない部分がいくつかありました。

そして、翻訳自体にも一部ちょっと微妙かなーと思うところがあります。例を挙げると、ほぼ最後のパート「天上への旅」。ここでは猫たちが、

昇れ天上へ
光浴びて行くのだ
「天上への旅」

とひたすら繰り返し歌います。しかし、この部分の歌詞は原語だとかなり違います。

'Up up up past the Russell Hotel,
Up up up to the Heaviside Layer.'
"The Journey to the Heaviside Layer"

「ラッセルホテルを超えて、ヘヴィサイド層まで昇れ」って感じの歌詞ですね。なんかよく分かんねえな…って感じですが、ラッセルホテルというのはロンドンに今でもあるホテルで、ミュージカル『キャッツ』の原作詩集、『キャッツ - ポッサムおじさんの猫とつき合う法』の作者、T・S・エリオット(1888-1965)がその辺りに住んでいた事もあり、『キャッツ』ではラッセルホテルが高層建築物の代表として出てくるわけです。ヘヴィサイド層というのも、T・S・エリオットが作品を書いていた頃に存在が確認された電離層(高度50-500kmにある領域)の事です。

多分翻訳するときに、そのままだと日本の観客に何のことやらさっぱり分からないだろうと考え、分かりやすく「光り輝く天上に昇る」というイメージで専門用語を避けて翻訳したのでしょう。しかし、「猫が天に昇るという状況で、比較対象が近くの一番大きいホテルである」というおかしさや、「ヘヴィサイド層って何?」と観客に思わせ(海外の観客だって、大抵は専門用語なんて分かりません)、とまどわせる効果を失っています。まあ、翻訳に正解なんてないようなものなんで、好みの問題といえばそれまでですが、若干残念な感じはしました。

まとめ

余計なことも書きましたが、劇団四季の『キャッツ』が素晴らしかったことには変わりありません。ミュージカルに興味がある人もない人も、ぜひ見に行きましょう!ちなみに私が最初に見たミュージカルも『キャッツ』だったので、ミュージカル入門にもうってつけなのは証明済みです。そして興味があれば海外のバージョンや、原作の詩集を読むと更に楽しめます!

本日のミュージカルの話でした!


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