見出し画像

漫画の話『無限の住民』~もう一つの『鬼滅の刃』~

さて、漫画の話をしましょう。保険の話なんてつまんないしね。

今日紹介するのは沙村広明の『無限の住民』です!この作者はこの漫画でアフタヌーン四季賞を受賞してデビューし、しかもそのまま長期連載で30巻も連載と、まさに出世作と言えます。では行ってみましょう!

1巻表紙(主人公の万次)

あらすじ

ある日、逸刀流(いっとうりゅう)という謎の剣客集団に実家の道場を襲われ、父母を殺された少女、浅野凜(あさの・りん)は逸刀流に復讐を決意する。凛は町で偶然出会った八百比丘尼(やおびくに)を名乗る老婆から、復讐をするなら不死身の用心棒を雇うよう勧められる。そして紹介されたのが、不老不死の肉体を持ち、かつて100人の侍を斬ったという万次(まんじ、卍とも書かれる)という男だった。そうして凛と万次の復讐の旅が始まる。

万次に復讐の手伝いを頼む凛

もう一つの『鬼滅の刃』?

漫画では「不老不死」という存在は大抵敵です。作劇的に、「限りある命の主人公たちが、不老不死の敵を倒す」という方が話が作りやすいですし、そもそも読者のほとんどが寿命があるので、不老不死のキャラクターに共感しにくしね。そういった作品での近年の代表作と言えば、やはり『鬼滅の刃』でしょう。不老不死の鬼、無惨とその眷属である上弦、下弦の鬼たちとの戦いというストーリーを、主人公達「鬼殺隊」が限られた命であるという側面を強く押し出すことで、上手く対立構造を明確にしています。

主人公の姿か?これが…

しかし、この作品は『鬼滅の刃』とは逆で、主人公である万次が不老不死で敵側がそれにどう対抗するか?という点が強く押し出されています。例えば不老不死だろうと、両手両足を斬り落とせば戦闘力を奪えるとか、そもそも不老不死の原因の蟲(不老不死の原因は血仙蟲という蟲が寄生しており、それが人体の欠損部分を補うという設定)を除去できないかなど、万次の不死性に対抗しようとします。この一般的な作品とは少し違う設定がこの作品の魅力です。

長期連載するという事

この作品、私としては初期の絶対そんなの無理だろっていう、荒っぽいハッタリが効いた演出と絵(袖から大量に武器が出てきたり、無茶苦茶な斬り方をしたり…)が大好きだったんですが、後半になるにつれ絵も演出もおとなしくなっていきます。

袖が四次元ポケットになってるのかな?

まあデビュー作とはいえ20年も連載してるからしょうがないね。長期連載はどうしてもダレて来るし。ただまあ、きちんと完結して親の世代の復讐するとはどういう事というテーマを描き切った事は評価できます。でもやっぱり絵と演出の劣化は悲しい。やはり漫画は10巻ぐらいで完結させた方がいいな!

無茶苦茶な斬り方をする万次(私はこういうの大好きです!)

まとめ

ハッタリの効いた時代劇や剣術が出てくる作品が好きな人にはお勧めできます!ただ、前述したとおりちょっと後半は…いや、後半でもいい絵や演出とかもあるんですけどね、前半の勢いのある絵とかと比べちゃうと…。ともかく!体が欠損する事前提の戦い方など、不老不死ならではの戦いを主人公がするという貴重な作品です!興味がある方は是非読んでください!!

本日の漫画紹介でした!


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?