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米運輸長官イレーン・チャオ、新型コロナウィルスで公共交通事業支援に250億ドル拠出と発表(翻訳記事)

2020年4月2日に、アメリカでは政府がコロナウイルスの影響を受けている公共交通に対する大規模な支援を発表しました。米国運輸省(U.S. Department of Transportation)の発表「U.S. Transportation Secretary Elaine L. Chao Announces $25 Billion to Help Nation’s Public Transportation Systems Respond to COVID-19」を翻訳しました。(翻訳: 孕石直子)

ワシントン -- 米国運輸省のFTA(Federal Transit Administration、連邦公共交通局)は本日、新型コロナウイルス(COVID-19)への対応で、米国の公共交通機関を支援するため、総額250億ドル(2兆7千億円)の連邦資金を配分すると発表した。資金は、2020年3月27日にドナルド・トランプ大統領が署名した「コロナウイルス支援・救済・経済安全保障法」(Coronavirus Aid, Relief, and Economic Security Act、CARES法)を通じて提供される。

「この歴史的な250億ドルの補助金は、わが国の公共交通機関が、それに依存している何百万人もの国民にサービスを提供し続けることを保証します」と、米国運輸長官イレーン・チャオは述べる。

FTAは、国の助成プログラム(Urbanized Area Formula Funding ProgramとFormula Grants for Rural Areas Program)対象の公共交通事業者に250億ドルを配分する予定で、そのうち227億ドルは大規模および小規模の都市部に、22億ドルは地方に配分される。資金は100%連邦政府の提供で自治体による負担はなく、新型コロナウイルスの予防、対策、および対応などの一環で常識的に妥当と考えられる範囲で資本、運営、およびその他の費用を支援するために利用可能である。

さらに、大都市部の事業者を含む都市部・地方すべての事業者において、2020年1月20日以降発生している事業費も対象となるが、これには、交通機関のサービスを維持するための事業費や、緊急的な業務縮小によって管理休暇中の交通機関職員の給与などが含まれる。この補助金に関してよくある質問と回答は、FTAのホームページに掲載されている。

「私たちは、わが国の公共交通機関の多くが平時にはあり得ない難しい局面に置かれていることを知っています。この補助金は、新型コロナウイルスとの戦いにおいて、パートナーである交通事業者と長い道のりを共に歩み支援していくことになるでしょう」とFTAのK.ジェーン・ウィリアムズ長官代理は述べる。「この補助金は、大都市圏を含む交通機関への運営支援をサポートし、公衆衛生上の緊急事態に休業を強いられている全国の交通機関労働者に給与を支払うことになります」。

FTAは、本日発表された250億ドルの資金配分の他にも、今回の公衆衛生上の緊急事態の間、公共交通機関を支援するために多くの措置を講じてきた。緊急事態宣言が出された州の公共交通機関を支援するため、FTAの緊急救済プログラムの下で連邦援助を受給できる資格を拡大したのもその一つである。現在、大都市部を含むすべての公共交通事業者は、国の助成プログラム内で、今回の緊急事態に対し資本および運営費のために連邦フォーミュラ資金を使用することができるようになった。これには、個人用保護具の提供や特別な目的の運行も含まれる。

FTAはまた、新型コロナウイルスに関する緊急事態宣言が出された州の公共交通事業者が、合衆国法典第49編第53章(49 U.S.C. Chapter 53)に基づく連邦要件および連邦公共交通局の非法定要件からの一時的な救済を要求することを可能にする緊急救済手続きを確立した。

さらに先日、FTAは、現在募集中の競争的助成金プログラム(連邦公共交通局バス・バス施設向け助成金プログラム、旅客フェリー助成金プログラム、革新的モビリティの加速化(AIM)チャレンジ助成金、HOPE(Helping Obtain Prosperity for Everyone)プログラムなど)の申し込み期限の30日間の延長も発表している

米国運輸省は、新型コロナウイルスへの対応について、米国疾病対策予防センター(CDC)やその他の連邦関係機関と緊密に連携し、公共交通機関業界にアドバイスをおこなっている。FTAは、公共交通機関関係者と定期的に電話会議を行い、新型コロナウイルス関連のよくある質問(FAQ)をウェブサイトに掲載している。

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