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白樺の樹液を採った話

ロシアでは白樺の樹液を採って、飲んだりするらしい(ロシア語でберёзовый сок ビリョーザヴィー・ソーク「シラカバジュース」という)。このことを知っていたので、そのうち試しに飲んでみたいなあと思っていた。

ネットで検索したところ、北海道などでも白樺樹液の利用は行われているようで、瓶詰めしたものがネットで売られている。しかし、販売単位が10本等と少なくなかったり、結構な送料がかかったり、そもそも単価が高かったりして躊躇していた。

ここ長野県にも白樺は生える。ところで、なんだか知らないが庭に白樺の木が生えている。風に乗って飛んできたものらしく、多分10年くらい前に勝手に生えた。木はあるんだし、自分で採ればよくない?と思ったのが去年。しかし、採集できるのは4月だけらしい。季節をすでに過ぎていたので、翌年やってみようということになった。

さて今年、3月末に見たらすでに芽吹いてたので、やってみた。

採取方法

次のページを参考にした。
白樺樹液の採取に挑戦!~白樺樹液しゃぶしゃぶがうまい!!! - ダッチオーブン・アウトドア料理の作り方・楽しみ方

これを参考にホームセンターで買ってきたのが次の物。

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・外径8mm, 内径6mmの水用ホース50cm
・内径6mmホース用の連結器具
・直径6mmの木工用ドリル刃

内径6mmで揃えたのは他に丁度いい太さのものがなかったためで、太さが揃ってれば何でもいいと思う。1cm程度の太さでやる人の方が多いのかもしれない。

まずホースの一端に連結器具を差し込む。

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ビニール袋に穴を開け、ホースを通し、テープで留める。これは、雨が入らないようにするためのカバーとなる。

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白樺の木に穴を開ける。地上50cm程度のところに電動ドリルで3cmほどの深さの穴を1つ開けた。開ける高さは50cm~1.2m程度ならどこでもよさそうだが、50cmの位置だと地面にペットボトルを置いて採取するのに都合がいい。
穴を開けるとすぐに水(樹液)があふれてくる。

開けた穴の中の木くずを取り除き、用意した連結器具の一端を穴に差し込む。

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繋がっているホースの先を空のペットボトルに入れ、ホースの適当な位置にティッシュを巻いてペットボトルの口に詰める。これは、空気は通しつつ虫が入らないようにするため。

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後はビニール袋を被せて準備完了。

これで結構な勢いで樹液がでてくる。穴を開けた朝は、6時間程度で2Lペットボトルがいっぱいになった。夜~午前中にかけて多く出て、日中午後は出る量が少なくなるようだ。最初のうちは1日あたり5L程度とれた。2Lペットボトルだと1日3回程度交換する必要がある。あるいは、もっと大きなタンクを用意するといいと思う。

樹液が日光に当たると色が濁るっぽい。夜に採取した樹液は透明だが、昼に採取したものはやや白く濁っている。日よけをつけた方がよかったかもしれないが、風が強い日もあり、飛ばされても困るのでそのままにすることにした。気温が高いと採取中に腐ったりすることもあるということで、なかなか扱いが難しい。

さて、私ははじめ、1日程度したら樹液の流出は止まるのかな?と思っていた。しかし、数日たってもずっと出続けている。午後は樹液が出るペースは鈍るが、翌朝また出てくるようになる。結局、取り始めて一週間程度はよくとれていた。

こんなに樹液出して白樺は大丈夫なのか?と思ったが、一年に1個、1~2cm程度の穴を開けて樹液を採取しても問題ないとのこと。

1年に直径1~2cmの穴を一つあける程度であれば、5年間樹液を採取し続けても、シラカンバの成長に影響を与えないことが確かめられています。
長野県林業総合センタ- ミニ技術情報 No6 平成11年1月 シラカンバ樹液の利用方法(PDF)

4/1に穴を開けて、4/6になって出る量が半減し、4/13で完全に止まったという感じだった。芽吹く少し前から樹液はとれるみたいなので、穴を開けるのが少し遅かったという気がする。また来年。

樹液が止まったときには葉っぱがすでに大きくなっていた。

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採り終わったら木で栓をするなり粘土やパテなどを詰めるなりして穴を塞いでおいた方がいいらしい。木の枝を突っ込んでおいた。

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利用

白樺樹液は、若干の甘みがあり、ほのかに木の香り?がする。メープルシロップを薄めた感じに似ているかもしれない。食事の後に飲んでもほとんど水と変わりないように感じるが、しばらく何も食べないで味覚がリセットされた状態で飲むとしっかり甘味が感じられる。また、雨が降った直後はほぼ水みたいだった。

生の状態で保存ができるのは2~3日程度らしい。冷凍したり、加熱して瓶詰にしたりすると長期保存ができる。

最初は結構いっぱい出てきたので水代わりにがぶがぶ飲んでいた。初日に飲んだときはお腹が緩くなったような気がしたが、最初だけだったので、関係なく体調が悪かっただけかもしれない。その後は別に問題なかった。

そのまま飲む他に、料理に利用してもよい。甘味や微妙があるので、料理に使うと味がまろやかになる。そのため、甘味が加わって美味しくなるタイプの料理に使うと良さそう。白樺樹液で米を炊いたら粒が立って非常においしくなった。おすすめである。
一方で、まろやかになるということは味がぼやけるということでもあり、甘味の少ないクリアな味わいのスープとか、お茶などのスッキリとしたものを入れるには向かない。白樺樹液で紅茶入れたら不味かった、飲めなくはないものの…。

また、酒を割るのに使ってもいいかもしれない。料理同様にまろやかになり、味がぼやけるので、合う合わないものはあるし、好き好きだと思う。

他にも、化粧品にしたりするなど、いろいろな利用法があるらしい。

まとめ

・白樺の樹液は、3月下旬~4月上旬(地域や年によって変わる)にかけて、芽吹く直前~芽吹いてすぐのタイミングでとれる。
・ほぼ水だが、ほんのり甘味があり、わずかな風味がある。

(自分の土地に)白樺があれば、タダなので、利用してみる価値はあるのではないかと思う。

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