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AACA 第6戦 長良川

新型コロナウイルスの流行で、ホビーレースが自粛になってしまい7月になってようやく今シーズンの開幕です。

レースのみならず、日常生活においても「自粛要請」という「お願い」であらゆる私権が制限されてしまう日本の法制度と国民の同調圧力に嫌気が指す日々ですが、これも弱いロックダウンの一種と考えれば仕方がないのかなと自分自身を納得させています。

緊急事態宣言解除に伴い、レース開催を決断してくださった関係者の皆様には感謝しかありません。

自粛期間中にこう書くと批判を受けてしまうかもしれませんが、毎月2回~3回ほど出ていたレースの予定が全てなくなったことでトレーニング量はむしろ増えました。以前はたとえ狙っていないレースであっても前日はレストを入れるようにしているため、レース週は土日ともに充分なワークアウトができなかったのです。

平日に短時間高強度のワークアウト、休日にベースを鍛えるワークアウトをすることでCTLは95まで緩やかに上昇し、土日ともに100km程度の練習であればこなせるようになりました(練習量は距離だけで判断できませんが目安として)。

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各時間帯のパワーも少しずつですが向上し、ZWIFTのレース中にFTPも更新しました。

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4.18倍です。

土曜日~月曜日と強度の強い練習があり疲労が溜まっていたのでレストも2日確保し、非常に充実したレース当日を迎えました。

出場は1-4、AACAでは最下位カテゴリーに何度も出ていますが、未だに勝利はおろか入賞・周回賞にかすりともしていません。
いつもお世話になっている練習仲間はみな下位カテゴリーで結果を出して卒業していったため、今度こそ自分がという気持ちは毎回あります。

レースは昼からで、早朝に会場へ到着しても観戦はおろか試走も出来ないため、遅めに起床。
1-3へ出場するY田くんを迎えに行きます。

車内の会話は主にレースの展開や危険さについて。
レースの自粛期間が長引き、多くの選手(特に下位カテゴリー)が集団走行に慣れていないことは容易に想像できたため、安全に走行することについて特別な注意を払う必要があります。

Twitterを開くと、驚くことに午前中に開催された1-2が落車多発のためレースキャンセル・再開の一報が飛び込んできます。
知り合いの練習仲間からも情報が届きましたが、路面に水たまりが多く、かなりの数の知り合いが落車に巻き込まれている様子。
ストレートを走行中に集団前方で落車が起こったとも。
午後のレースへの出場は見送るべきだという意見もありました。

かなり過酷な状況が予想されるため、本気でレースを見送る気持ちも出てきましたが、とりあえず会場へは向かいます。

ローラーは持ち込んでいなかったため、近くの河川敷でアップをこなし、エナジードリンクを摂取して一周のみ許された試走へ。

ストレートの数カ所に水たまりあり、一部はコース全体を横切るように広がっていて集団のどこにいても回避は不可能な状況でした。
水たまりに差し掛かると若干タイヤがグリップを失う感覚があります。
水たまりが深いのか底に泥が堆積しているのか。
わずか一周の試走で自転車やウェアは泥だらけになってしまいます。
コーナーは浮き砂が目立っているので慎重に侵入したいところ。

確かにレースを見送る勇気も大事な状況だとは思いつつ、試走を終えるとアドレナリンがふつふつと湧き上がってきて早くレースをしたい以外の感情はなかったです。

試走はほぼ全選手が済ませた模様、試走を真っ先に終えたのでスタートラインの最前列に並ぶことが出来ました。
出場選手をぐるりと見渡してみるとなかなか強そうなメンツと自転車が集まっています。高校や大学の競技部に所属しているのか、若い選手が多いです。

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コースは画像参照
時計回り、下にあるコの字クランクの手前からスタート、コの字クランクを通過して上に向かい、折り返して下りてくる平坦コースです。
5kmコースを6周回(30km)、ほとんどの周回のゴール地点に周回賞が設定されています。

先導車は折り返し地点が過ぎても離れません。
1周目から周回賞があるので、本来であればここらでペースが上がるところですが、ゆっくりと進行。
バックストレートの真ん中あたりでようやくリアルスタート、自分はスタートが最前列であったこともあり、安全に発進できました。

スタート直後、逃げたそうにしていた選手が開幕アタック。そこまで強い飛び出しではなかったため無理なく番手につくことが出来ました。
メンツがいつもより強そうなので開幕アタックは無理でしょう。望むだけ牽いてもらいます。諦めてローテを回してきたのでほんの少しだけ牽いて(牽くふりをして)左にそれ、後ろに下がります。

バックストレートの前半部分は左端に水たまりが多かったですが、中盤の横いっぱいに広がった水たまりを超えると、後半は比較的両サイドとも乾いていました。

バックストレート後半にはホームストレートのコの字クランクがある関係で三角コーンが設置され、走路が狭くなっています。このセクションをどの位置でクリアするかがゴールスプリントをする上で非常に大事です。
狭い三角コーン区間を抜けるとすぐに最終コーナーが控えているため、ここで遅れるとなかなかポジンションを押し上げることができません。そのため、走路の狭い三角コーン区間に侵入する前に集団の前方に出ておく必要があります。

三角コーンの手前で集団の前方に出る方法は3つあります。集団の右から押し上げるか、集団の左から抜け出すか、逃げるかです。
基本的に確率の高い方法は集団の右から上がっていく方法だと思います。水たまりの位置や風向きによって変わるかもしれませんが、1-4カテゴリは右からの進路が空くことが非常に多いです。牽引を終えたら反時計回りに先頭ローテをする選手が多いからだと思います。
しかし、右から上がっていくということは自分の右からコースが狭くなってくるということです。1-4では幸いこのセクションをきっかけとした落車には出会っていませんが、自分は毎回怯えている箇所でもあります。

1周目の周回賞を狙って、走路が狭くなる箇所の手前で若い選手が勢いよく右から上がっていきます。数人の選手がそれに続きます。自分も続きたいところでしたが、タイミングが遅れ断念しました。
スピードが速く非常に強いラインでした。結局、狭い区間を先頭で通過し、コーナーを曲がっても勢いは衰えず、このラインに乗っかった選手の誰かが周回賞を獲得した模様です。

1周目の周回賞をめぐる争いで今回のメンツのレベルの高さを感じました。勢いよく右から上がっていった彼も強かったですが、それにすかさず反応した数人も相当の瞬発力があります。
若い選手が多いため、毎周の周回賞で似たような争いがあることは間違いないでしょう。自分がその全てに関わっていたら最後まで体力が持たないことは容易に想像がつくため、周回賞をすべて捨てることにしました。

2周目のコの字クランクでは、砂が浮いていてスリッピーだったのでほとんどの選手がゆっくりとコーナーに侵入しています。その反動としてコーナー立ち上がり後のスピードアップが厳しくなるのではないかと身構えましたが、幸いなことにホームストレートで大したペースアップはありませんでした。

2周目からは、周回賞を狙うのではなくできるだけ力を温存しつつ集団の前方で走ることを心がけます。落車を回避したいのと、逃げなどの動きに対応しやすくするためです。
そのため、ローテーションに加わることがなくかつ集団の前方にいられる絶妙な位置を確保したいところです。

1周目の周回賞争いに加わらなかったことで少しだけ番手を落としてしまったので、コの字クランクを抜けたホームストレートの右側から数人の選手を使って前に上がります。しかし、最前まで出ないようにしつつ知らない選手に声をかけて入れてもらいます。別にその選手もチームメイトでもない僕を入れてあげる理由なんてありませんが、入れてくれました。自分よりひと回り歳の若い選手でした。

折り返し地点を過ぎて一瞬ローテに加わったような気もしますが1周目同様に牽いて(牽くふりをして)左にそれ、後ろに下がります。
周回賞を狙った動きがまたもや走路が狭くなる三角コーンの手前で活発になりますが、集団の左端で完全にスルーします。
右から上がっていくのは1周目と同じようなメンツです。本当にいつもの1-4より強いメンツが集まっているなと思いました。

3周目、コの字クランクを抜けると少しだけ先頭のメンツが変わります。序盤は若い選手中心でローテが回っていたところ、自分と歳の近い30代の選手が前に集まっていました。ひとりは明確に逃げたい意思を示しています。体重があって馬力の有りそうな選手だったので、確率は低そうですがワンチャンスかけて彼のアタックについていくことにしました。
もうひとり、よく県外レースの同じカテゴリーでお会いするホビーレーサーも加わっており、ローテに加わるよう求められたのでここはしっかりとローテに参加します。
それなりにちゃんと牽いたつもりですが、集団の若者たちは無理なくついてきてしまいます。
折り返し地点を過ぎてしばらく2人でローテを回しましたがどうやら逃げには発展しなさそうなので諦めて集団中団に戻りました。

4~5周目は3周目で疲れた身体を休めるように走ります。
集団についていくぶんにはそこまで苦労するペースではなかったので、身体を脱力させてリラックスします。
途中、周回賞をきっかけとした3人の飛び出しがあり、練習仲間の高校生に確認してみると逃げだというので、集団の中団から声を出してみます。すると、誰かがペースを上げて追いついてくれました。

コースを横切るようにできた水たまり区間では、多くの選手が慎重に通過している様子でした。午前中のカテゴリに出ていた多くの人が言うとおり、水たまりの中でトルクを掛けると真っすぐ走っていてもスリップしてしまうみたいです。水たまりは出来るだけ足を止めて通過し、乾いた部分で強く踏み込んで前に追いつくようにしました。数人の選手が後輪をスリップさせるのを見ましたが、幸いにもレースを通して僕の見えている範囲で落車は起こりませんでした。

最終周回の6周目のホームストレートで、再度集団の前方へ上がります。
折り返し地点を過ぎて、例のコースが狭くなる区間をどう先頭で通過するか脳内でシミュレーションをします。
出来るだけ落車を避けつつ、かつこれまでの周回賞の争いで自分の想定以上にスピードで右から押し上げるラインが出来ていたのを目にしていたので、彼らの後手を踏むことがないように動きたいなと思っていました。
なんとか先手を打って動けるタイミングを伺っていたところ、折り返し地点を過ぎてしばらく走ったあとに自分の前方走路が明確に空いたため、ここだとアタックを開始しました。集団の前方に出て少しだけ後ろと間隔があいたように感じました。
コースの前方に歩行者が一人いました。大会関係者かと思いましたがどう見てもコースに紛れ込んだ年配の男性でした。思わず叫びました。今から思うとかなり口調が荒かったなと反省していますが、それどころじゃなかったです。

レース後この出来事を練習仲間のF田さんに話すと、「本当に誰かいました?見てはいけないものでも見たんじゃないっすか?」と言われてしまいましたが、確かにコース以上を知らない人が歩いていましたよね?
幽霊の類は信じてませんが、不安なので同じレースに出ていた方で目撃情報あればコメントください。

全力で踏んでいましたが本当にきつくなったので後ろを振り返ると後ろに集団がついてきており、走路が狭くなる区間まではまだ距離があったため、自分の脚力のなさと早く抜け出しすぎたミスを呪いました。諦めて集団の左に寄ります。
その直後、右からまたもや強力そうなラインが上がっていきましたが、それに乗る体力はもう残っていませんでした。

集団でゴール、平凡な順位でした。

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今回も全く結果を残すことが出来ませんでした。

自粛期間が終了し、荒れた路面状況で落車が頻発していたなかで、集団の前方を比較的余裕を持ちながら走行できたことは良かったとは思います。
ただ、アタックをするという判断はいいとしも、タイミングが早すぎました。スプリント力で他の選手に大きく劣るため、後手を踏むような展開だけは避けたいと思っていましたが、逆に早く仕掛けすぎてしまうことになり、裏目に出てしまいました。

3周目で逃げようとする選手に加勢したとき、そして最終周回に自分からアタックを仕掛けたタイミングで強く追い込まれていますが、これまでの自分のデータと比較するともう少し辛抱が効いたのではと思う部分もあります。
ただ、レースで少なからず疲労が溜まった結果なので一概には言えない気もします。グラフから判断するのは難しいです。

今回は通常のAACA長良川の1-4カテゴリより周回数が多く、スプリント力でこそ負けるものの持久力勝負なら多少は分があるのではと思ったりもしましたが、そこまで変わりませんでした。
周回賞や最後のスプリントに絡んでいた数人は自分より明確に強かったと思います。

出せるワットの絶対値が小さく、スプリントでも大きく劣るため平坦レースではなかなか目立った結果がでていませんが、集団の前方で余裕を持ちつつ走行することは徐々にできるようになってきたので、なんとかレースの中で自分が使える引き出しを増やしたいなと思っているところです。

平凡な結果でしたが、久しぶりのレースは本当に楽しかったです。
今年もホビーレースを中心に自転車を楽しんでいきたいと思います。

それでは。

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