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コント袋その3 風刺

〈シチュエーション〉
1人の男が道端でポエムを繰り返し読んでいる。そこに通りがかりのサラリーマンがイチャモンをつける。

〈登場人物〉
P:ポエムを読む男;W:サラリーマン

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[スポットライト・P板付/パイプ椅子に座って本を手にしている]
P:「今はなにもしたくない
今はなにも考えたくない
今は誰とも話したくない
室外機から流れる水に目を細めながら
青い夕焼けを浴びていたい

今はなにもしたくない
今はなにも考えたくない
今は誰とも話したくない…(ずっと繰り返し)」

W:(袖から登場・ピンスポ・遠巻きでPに向かって)「うわー痛いポエム詠んでるなぁ(笑)なにもしたくない?何言ってんだ!大人なんだから働け!働いて社会に貢献しろ!みんなそうやってんだよ!」

P:「…今はなにもしたくない 今はなにも考えたくない…」

W:「少しは考えろ!社会のこととかよ!いや待てよ……本当になにも考えてなかったらそんなポエム出てこねえよな(笑)!ポエム読んでる自分格好いい!社会に争ってる自分格好いい!とか考えてんだろどうせ!痛いヤツだ本当!しょーもないしょーもない!」

P:「…考えたくない 今は誰とも話したくない…」

W:「じゃあ黙れよ!どうせ話す相手もいないんだろ!そりゃそうだよな!こんな痛いヤツに友達なんている訳ねえもんな(笑)!!」

P:「…室外機から流れる水に目を細めながら
青い夕焼けを浴びていたい…」

W:「なんだ引きこもりじゃん!引きこもりの歌かこれ(笑)どうせエアコン代も親に払ってもらってんだろ!親のスネからでた汁だから見てらんないだけだろ!!なあ!しょうもないヤツだ本当!あと夕焼けは赤だから!自分は人とは違う見え方してますアピール要らない要らない!そういう奴が飲み会の時、敢えて唐揚げにレモンかけたりするんだよ!「一周回って」とか「逆に」とかほざいて!絶対そうだ!しょうもないヤツだ全く(笑)」

P:(なおも読みつづける)

W:「しかしいい服着てんなーおい!いくらするんだこれ…
(スマホで調べて)
……1万5千円!?1万5千円のTシャツ着てんのかこいつ!100年早いわ!全くほんと目障りな野郎だな!!!
(Pの財布を漁り学生証を見つける)
お前〇〇大学かよ!Fランじゃねえか(笑)どうりでこんなゴミみたいなポエム読むわけだ!!さっさと就活した方がいいですよー(笑)
(定期を取り出して)
え!?しかも住んでんの三丁目って(笑)めちゃくちゃ貧乏なところじゃねえか!ロクでもない家庭なんだな!!親も教育受けてないんだろ(笑)全くしょうもないヤツだ!」

P:(突然手に持っていた本を力なく落とし、ポケットに入れていた銃を自らの頭に当てて引き金を引く)

[銃声]

W:「おい……嘘だろ…おい!……俺は知らないぞ!………俺はやってないからな!」(走って舞台袖に捌ける)

[サイレン・シャッターを切る音]
(Wは鑑識の服に着替え登場→以下F)

F「はい……弾痕の位置を見る限り自殺と見て間違いないでしょう。詳しくは司法解剖が終わってからですね」(その場から立ち去るが舞台際で立ち止まる)

[ここからは役の外れた世界]

P:「僕たちは風刺をテーマにコントを書こうと思い立ちました」

F:「序盤のツカミ、中盤の細かい笑いは思いついたのですが、最後のオチはどうしても思いつきませんでした」

P:「このままだと“緊張”のまま終わってしまうので、最後にショートコントをやって“緩和”したいと思います」

[ピンスポ→全体照明・2人中央へ]

F:「ショートコント・歌詞の意味を履き違えた男と✋」

P:「実は帰国子女だったトムブラウン布川✋」

F:「🎵ギリギリでいつも生きていたいから〜じゃがいもは〜洗わずに食べる〜」

P:「NOOOOOOOOOO!!!!!!!!」

F・P「あざしたー」