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【ニワカ放談】透明な結晶
~10分で迷著? 石原慎太郎『完全な遊戯』~
前回こんなノートを書いた。
その中で、「精神病院から抜け出てきたとおぼしき女の子を輪姦して殺す小説」「胸糞小説」とかいったのだが、どんな小説なのだろうか。
「どんな小説なんですか?怖くて読めないので教えて下さい!」と質問があった。
この小説は、当時から反道徳的だとして反発をまねいた。「もういいかげんにしたまえ」「感覚の鈍磨」ともいわれた。石原慎太郎は、有名な文芸誌の編集長からも「こんなものは文学ではない」と嫌われたりもしたそうだ。
だが、この『完全な遊戯』とは、一方で三島由紀夫は「一つの透明な結晶の成就」と評価しているのだ。石原の最高傑作とする声もある。
何故だろうか? この小説を三島由紀夫が「透明な結晶」とした理由は何だろうか?
三島の思考をトレースしながらそれを明らかにする。
というわけで現代ではカジュアルに「よくない表現は社会を悪くするからなくせ」といわれるが、『完全な遊戯』とは「表現とは本質的には不快であり、だからこそ表現物として価値がある」という象徴的な作品なので、すこし紹介してみることにした。
(あくまで前回ノートを読んだ方への蛇足的な説明となります。未読の方にも問題なく読めるように書きましたが、逆にネタバレを嫌う方は注意です)
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