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淡路島の綺麗なもの emo tokyo awaji

はじめて出会う景色や人々
第一印象の衝撃を
深く感じたい

一人旅をする大きな理由

感覚を研ぎ澄ませてくれる
細部に宿る綺麗で大切なものを
逃さず見つけるために1人でいる

淡路島1人旅でカフェに入った
迎えてくれた青年に
何かを身に纏っている感覚を覚えた
いい意味での違和感があった

店の奥の中庭には大型犬二匹が遊んでいる

室内とテラスどちらのお席がいいですか?

おすすめはどちらですか?

んーん難しいですけど、室内ですかね

じゃあ室内で

短い会話
ありふれた会話だけ

すぐ分かった
私の中の何かが反応したこと
こんなことは感じたことがなかった
初めての感覚

疲れ切っていた私はカフェラテを注文して
サンセットラインを眺めていた
まだまだサンセットまでは時間がある
目の前には海が輝いてる
さっきの感覚の答えを考えてみた
一目惚れか?
いやいや、彼は息子のような年齢なのだ

お腹が空いてきた
夕食をどこかちがうところでとることも考えた
おすすめメニューにカレーを見つけた
注文しようと呼び鈴を押した
別の青年が注文をとってくれた
何も感じない

やっぱり彼には何かがある
その何かの答えを知りたい
とぼんやり考えていた
本当にぼんやりと

カレーを食べたら元気になって
さらに1時間ぐらいぼんやりして
会計を済まそうと呼び鈴を鳴らした

さてこれからどこへ行こう
一人旅にしおりはない
心赴くまま

例の青年が登場して
会計を済ませてくれた
さっき感じた何かを確かめたかったけど
わからないままにして置くことを自分に許そうとした時

どこから来たんですか?
と話かけてくれた

千葉から来たんです

千葉からなんですね

淡路島でどこに行きましたか?

海岸と淡路島バーガー食べました

近くの神社がおすすめです
岩場に登って海を眺めることができます
伊弉諾神社も荘厳です 重めな神社ですが
ぜひ行ってきてください

淡路島が地元なんですか?

いいえ地元大阪の大学を卒業して、ここの経営に関わっています

わんちゃんたちとあそんでいいですか?

いいですよ

犬たちは私ではなく、青年の方を気にしている

お兄さんを見てますね

おやつをもらえると思っていますね

あげないんですか

何かあげるものがないか見てきます

犬たちは青年の方ばかり見ている
おやつをあげる
犬たちは兄弟で とにかく可愛く人見知りしない
私にも心を開いてくれた
私は犬たちと青年を見ている

もうすぐ、日が暮れる
雲が空を覆っている
サンセットは見れないかもしれない

ここは淡路島
私は旅人
青年と大きな犬二匹

いつまでもここにいたいな
伊弉諾神社に行った感想を話したい

もう少しここにいたい
名残惜しい気持ちを振り切って
私は立ち上がった

ありがとう
紹介してくれた場所に行ってみます

はい、ぜひ行ってみてください

お店の下にあるレンタカーのエンジンをかけ
振り返りながら車に乗り込む
お兄さんは見えない 
厨房に入って行ったようだ

名残惜しいけど車を走らせて
道に出た瞬間に
もう一度振り返ってみた

お兄さんが手を振ってる
私は手を振りかえす

何かの正体は、きっととても綺麗なもの
私が必要としてる大切なもの
この綺麗で大切ななものに、できるだけたくさん触れること

それが一人旅を続ける理由

サンセットはまだ始まらない

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