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ある晴れた 月の眠る夜に 陽の影より星空が覗きこんでいる 虫たちが声限りに呼んでいる 幾重…
背徳という老婆に 無垢という少女の面を被せる 絢爛という乙女の肌に 青ざめた死者の皮を纏わ…
かえれないところは かえれないところは 夜の海の波打ち際で 虫が集く鳴くところでしょう やっ…
かえれないところへ かえれないところへ 夜の海の波打ち際で 虫が集く鳴いている 遠いだろう …
うるとらまんはいなかった どこにもいなかった 僕の中にも結局いなかった 怪獣が好きだったから どうしても 信じたくなかったけれど それは遠い昔にはいたのだろうか 或いは遥か未来に現れるのだろうか それとも いつからも いつまでもいないのだろうか それでも光を知っていた 物心ついたころ まだ覚えていた光があった 今でも時折過るもの 五月の青い影 静かな鳥の声 木々は涼しく風を受け 花が赤く赤く 青く青く 白く蝶となり ひらひらと光舞う景色 見える限りの 晴れていた空に 雨
睨みつけるような瞳の どこか暗い輝きの 無限に煌めく装飾する宝石 胸元の影深く 丸き肩に宿る…
ねえ 覚えているよ 懐かしい声の響き 呼びかける言葉の癖を 飼い主を亡くした犬は黙って 顔を…
音叉の一音だとしても そこにどうしてメロディーはないのか まるで 明晰すぎる夢の中のように…
なまめかしい裸木の腰つきに 雪の白を湛える青白い柵 窓に亡霊を探している 子どもたちは雪だ…
どこか遠くで サイレンが響いている いつまでも消えない あの日の赤い光のように 似ているよ…
あまりにも透き通る 声は憂愁すら軽やかに リズムに刻まれ消える 甘やかなモノクローム 消え…
初めて目にした 鮮やかな色に 彼らは涙するのではなく 憧れも屈託も 諦めさえも ひと目で塗り替えた世界の彩に 震えている 押し出される言葉にならないものに 始めて人に示唆された 赤という色は それは赤であって 赤でなかった 空は青色ではなく 空という色はどこにもなく きっと 輝く大気の澄んだ層の複雑な色階を 一色で表すことはできないから わたしたちはそれぞれの まるで区切られた部屋の中にいるように 見えない自分同士である それでも まるでパラレルワールドのように わたし