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三行詩たち

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詩情と呼ばれるテーマが、消えてしまうまでに、言葉が間に合うように。 短くもっと短く / ろうそくの燃えるほどに / 命はこんなに燃えている
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2022年10月の記事一覧

人の言葉(三行詩)

緩さを赦しはしないこと 人の言葉で 人間が狂い始める 優しさや緩さといったものを、遠ざける…

につき
1年前
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青と白

鱗雲 流れる秋の青と白 すべてのものはゆれている

につき
1年前
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矢印(三行詩)

災いを全て 記録するために 生命機械は矢印を持つ 生命は機械のようでもある。意識せず、まる…

につき
1年前
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三行詩 猫のいびき

夜の底 猫のいびきが深くなる 古い話を語り始める 画像 『猫画工房』さま <httpsnekoillust.c…

につき
1年前
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三行詩 九

緩慢な自死 薄めた毒を呑んでいる 緩慢な自死を溶かして 味わうように 明滅する不安 不特定…

につき
1年前
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三行詩 十

詩文の時 振り向かず 詩文の時は消えていく まるでどこにもなかったように 燃えている秋 ア…

につき
1年前
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三行詩 八

言魂 こんなに人がいて また人がいる ひとつだけあるわたしの言魂 偽物 天然の想いに 人工の意味を添加しています 一言百円から値上げになります 炎 短くもっと短く ろうそくの燃えるほどに 命はこんなに燃えている 五十円玉 五十円玉にも穴があるから ドライビールは 秋から売れない 魚 静かな薄暮の 小さな池で魚が跳ねた 秋というほど秋ではなかった

三行詩 七

貝殻 砂浜に見つけた 一つを語るほどに虚しくなる 誰にも見えない貝殻のこと 猫 月夜に外に…

につき
1年前
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