マガジンのカバー画像

三行詩たち

15
詩情と呼ばれるテーマが、消えてしまうまでに、言葉が間に合うように。 短くもっと短く / ろうそくの燃えるほどに / 命はこんなに燃えている
運営しているクリエイター

記事一覧

生命を未だ言葉で語れない音楽のようであればもしや

クラシカルな歌詞のない音楽は感情へ響く。それは祈りへ続くものである。表情のない絵画のよう…

につき
1年前
21

人の言葉(三行詩)

緩さを赦しはしないこと 人の言葉で 人間が狂い始める 優しさや緩さといったものを、遠ざける…

につき
1年前
15

青と白

鱗雲 流れる秋の青と白 すべてのものはゆれている

につき
1年前
13

矢印(三行詩)

災いを全て 記録するために 生命機械は矢印を持つ 生命は機械のようでもある。意識せず、まる…

につき
1年前
14

三行詩 猫のいびき

夜の底 猫のいびきが深くなる 古い話を語り始める 画像 『猫画工房』さま <httpsnekoillust.c…

につき
1年前
16

三行詩 九

緩慢な自死 薄めた毒を呑んでいる 緩慢な自死を溶かして 味わうように 明滅する不安 不特定…

につき
1年前
7

三行詩 十

詩文の時 振り向かず 詩文の時は消えていく まるでどこにもなかったように 燃えている秋 アルコールジェルに 浸かった星空に 滲んで光る燃えている秋 旋律 旋律とは 言葉なき歌 失われてしまったかつての言魂 すくう 胸に巣食う 昏さはきっと水の中 なにかを掬って食べては眠る 無題 赦されないことの全て 捨ててしまった 焼いてしまった忘れてしまった

三行詩 八

言魂 こんなに人がいて また人がいる ひとつだけあるわたしの言魂 偽物 天然の想いに 人工…

につき
1年前
12

三行詩 七

貝殻 砂浜に見つけた 一つを語るほどに虚しくなる 誰にも見えない貝殻のこと 猫 月夜に外に…

につき
1年前
12

三行詩 六

無垢 例え無知から生まれたとしても 無垢はいつまでも 傷一つない真実である 眼 平凡な服を…

につき
1年前
7

三行詩 五

果て 砂浜に夕陽が一つ 乞うことを止めない 愚かさがある 暗 詩の生まれるとき そこに満ち…

につき
1年前
14

三行詩 四

導き 果てた星々から光のように 今も尚響く天才たちからの導きがある 姿なき星座が生まれ続け…

につき
1年前
13

三行詩 三

靡き 嵐去り やわらかな叢は靡く 裸婦は眠ったふりをする 嘘と幻 全ては嘘だった 共産の劣…

につき
1年前
9

三行詩 二

心 インターフェースである心へ そのままに通す言葉の列への セキュリティを冷徹または邪と呼ぶ 一 例えばという空は何処にもない 海は一つだけであるように 人もまたそのように 声 聞こえる声たちは楽し気に 素知らぬ顔で気ままである そのまま今は昨日に去っていく 魚 決して目を合わさぬままに サンショウウオは 半裂きにされる 光 それが時代だと言った 〇〇は遠くなりにけりと あまりに光は遅すぎて