私はニューヨークのオールナイトニッポン０が大好きだった（+ニューヨークのニューラジオの宣伝をさせてください）
……──今からちょうど２年近く前、あるラジオ番組が最終回を迎えました。
（画像は公式サイトより）
ニューヨークのオールナイトニッポンゼロ……。
私はラジオが心の支え女なので（ラジオで愉快な話を聞いている時だけ暗いことを考えないで済むため無ければもっと早い段階で精神を病んでいた）（まあ結局病んじゃったんですが。テヘッ）過去に好きだったラジオが終わった経験は何度かあるのですが、ニューヨークのANN０ほど再開を願っていた番組もなかった。
正確に言うと他の番組だと、
・『久保ミツロウ能町みね子のANN０＆gold』→『久保みねヒャダこじらせナイト』
・『アルコ＆ピースのANN＆０』→『アルコ＆ピースｄｃガレージ』
・『朝井リョウ&加藤千恵のANN０』→『真夜中のニャーゴ』（これも終わった…）→『高橋みなみと朝井リョウ ヨブンのこと』
・『さらば青春の光《鋭意制作中》』→『さらば青春の光の《青春デストロイヤー》』『夜光虫』（レギュラー化ずっと待ってます…）
・『岡野陽一のANN0』（単発ですが）→『矢口真里の火曜The NIGHT』『空気階段の踊り場』
みたいな感じで大体次の受け皿があったからそこまで激しい飢えを感じずに済んだのかもしれない。でも、何なんだろう。私にとってニューヨークのオールナイトニッポン０って他では押されない笑いのツボ（？）を押してくれる番組だった。面白いラジオはいっぱいあるけど、「そこを責めてくるのはニューヨークだけだなぁって瞬間をたくさんくれていたんです。
■ニューヨークのラジオの魅力①
《マジで嫌われかねない感じの悪さ》
そもそも私はアルコ＆ピースのオールナイトニッポン０のリスナーでした。
アルピーANN０といえばド深夜２部ラジオなのに人気がありすぎるってんで岡村さんやオードリーと並ぶ１部に昇格。最終回には２００人以上のファンが出待ちして、番組終了後も小説や舞台の題材になっているバケモノ番組。
（山本周五郎賞受賞作。もちろん私も読んでます！！！）
ラジオファン以外から見たアルピーは時々ゴッドタンにＭＣ役で出てくる人ぐらいの認識かもしれないけど（すみません、きっとそんなことはないですね）ラジオ界においてはウルトラスーパースター。こんなにラジオとＴＶで見られ方が違う人ってもう伊集院さん以来じゃね？ って勢いなんですよ。
しかし、そんなアルピーANN０も２０１６年３月に終了。聴取率も良かった、Twitterでも鬼バズしてた。それなのに終わらせるって、ニッポン放送は何考えてんだ！？ と、多くのリスナーが憤りを感じていました。そして、その後番組として始まったのがニューヨークのANN０だったのです。
ニューヨークはまったく悪くないのに、私は彼らに対し初めからケンカ腰でいました。安直すぎる発想ですが吉本の推され芸人めと思っていました。今思えば、『めがねびいき』でおぎやはぎが褒めていた時点でかなり信頼できたのですが…。でも、『しくじり先生』に生徒役で出てた時に《女子高生の人気ナンバーワン！》みたいなしゃらくさい紹介されてたからさぁ…！
（ほら、シュッとしてるし若くてイキが良い感じだし推されてそうでしょ？ちなみに左が嶋佐さん、右が屋敷さんです。『しまさは左』と覚えよう！）
しかし、聞かずに批判するのはさすがに《罪（ギルティ）》。ひとまず、私は彼らの初回放送に耳を傾けることにしました。
（屋敷）「初回の放送聞き直したんよ、ラブレターズさんとかの。そしたらもうはしゃぎまくっててさ…（Twitterの）トレンド１位なったんすよねあの人ら？」
「めっちゃおもろいぞ、終わった後に初回の放送聞きなおすの。全部悲しいんやもん」
！？
おいおい…アルピーロスに震えるリスナーも沢山聴いてるんだぞ！？ なのに「終わったラジオの初回放送聞き返すのめっちゃおもろい」って…！
というかそれ以前に、
「（この番組が初担当だというディレクターに対して）ん～、僕らのラジオを１番大事なとこにせんで欲しかったというか…もうちょいちゃんと出世してから会いたかったというか…」
「（ヨシモト∞ホール入口の警備員を評して）生きる希望も何もないような、３種類のそういう人らがローテーションで座ってるやろ？」
「（ANN0で番組開始した乃木坂４６新内眞衣について）あれはなんか、ニッポン放送の関係ビルに…ここで働いてるんでしょ？ だいぶ怪しいけど」
「（同じくANN0で番組開始したアーティスト・WANIMAに対して）WANIMAさんは今がマックスにしとかんと。これ以上幸せにしたらアカンWANIMAさんを。ほんっとに地元へ帰さす」
いや全方向に噛み付きすぎ
この人たち、好感度いらんのか…！？
おばさん（私）の戸惑いをよそに、
内弁慶なラジオリスナーたちを恐れる
素振りさえ見せぬニューヨーク。
そして彼らは、
「番組開始にあたり、
ある２人に電話しなければならない」
と言い出す…。
☎ラブレターズ・溜口さん
（嶋佐）「今日から僕らのラジオが始まったんで。初回放送でやっぱり（番組）やられてたラブレターズ溜口さんに挨拶しとかないとなって思って。この初回のオンエアー中に電話させてもらってるんですよ」
（溜口）「いや、何となくわかるよ。時間帯もそうだし…」
（屋敷）「あ、まだ覚えてます？ 時間帯とか」
（溜口）「お前俺がASH&Dじゃなかったら頭カチ割ってるからな」
（屋敷）「何してたんすか？ 溜口さん今」
（嶋佐）「今あれっすよね？ ８連休中…」
＜中略＞
（屋敷）「逆に何連休中ですか？ 今？」
（嶋佐）「何連休中っすか？」
（溜口）「仕事あるよ！ 仕事はあるから！」
（屋敷）「仕事あるんすか！？ ラブレターズさん」
＜ラジオを終わらせないために、内輪ネタは控えた方がいいという助言に＞
（屋敷）「やったらこの、溜口さんっていう売れてない芸人に電話するっていうの最強の内輪っすね」
（嶋佐）「そうだ！ 切ろうぜ！」
（溜口）「やめろやめろバカ！」
☎さらば青春の光・森田さん
（屋敷）「よう言わはるじゃないですか。僕らがいい仕事入ったら、『俺らが断ったからや』みたいなことようTwitterで言ってくるじゃないですか」
＜中略＞
（嶋佐）「だから森田さん、いつも言ってますけど（さらば青春の光がオファーを）断ったからじゃないじゃないですか」
（森田）「何が？」
（嶋佐）「やめてくださいね。正直ね、あんたら邪魔…なんだよなぁ」
（嶋佐）「本当にもう嘘つくのやめてください。これはちゃんと言おうと思って。そのあの、さらばさんの代わりとかでも何でもないですし」
（屋敷）「邪魔なんすよもう」
（嶋佐）「あなたもフォロワーとかいるのに、『僕らのネタ書いてるのは俺だ』とか、そういうのホントうっとおしいんでやめてください」
（森田）「あっはっはっはっは！」
（屋敷）「最近えらい大宮の出番増えてますけどもう来ないでくださいね」
（嶋佐）「正直もう…僕らの周りをうろつかないでください」
（屋敷）「これ、溜口さんと森田さんは喋れるんですかね？」
（屋敷）「ちょっとふたりに言いたいんですけど…今日ふたりとも、何してたんすか？ 夕方とかお昼とか」
（溜口・森田）「ゆうがた…？」
（屋敷）「ちょっとふたり同時に喋らないでください」
（屋敷）「溜口さん何してたんすか？」
（溜口）「いや…昼はあれだよ。あの、浅草の東洋館で」
（屋敷）「出番やったんすか？」
（溜口）「寄席、出番やって」
（森田）「あ、俺も一緒ですよ一緒」
（屋敷）「一緒にいたんですか？」
（屋敷）「で、このラジオの電話とかは知らなかったですよねもちろん」
（森田）「…そうそうそうそう」
（溜口）「まぁまぁ知ら…うん」
（屋敷）「なんかね、今日の１７時４０分ぐらいに作家の奥田さんからLINEして、『今日の夜電話してもいいか』って…」
（森田）「出たよ」
（溜口）「おい汚ぇぞ、おいおいおいおい！」
…………！！！！！！！！？？？？？
（屋敷）「いやほんと、ありがとうございましたー」
（嶋佐）「ありがとうございましたー」
（森田）「もう切るのぉ！？」
（溜口）「もう終わり？」
（屋敷）「はい、ゲストとかは絶対に呼ばないんで。これが最後のオールナイトニッポンゼロです」
（嶋佐）「ありがとうございましたー」
（溜口）「性格悪いなぁ！」
（屋敷）「ンフフフ、そうですねぇ」
＜通話終了、CMへ＞
…………ッ！！！！！！！！！！！！！！！？
私ここまで感じ悪いラジオ初めて
だって、えっ…！？ ラジオが終わった先輩芸人とラジオが始まってない先輩芸人に電話をかけて、「仕事がない」「売れてない」、「あんたら邪魔」「自分たちに近づくな」ってそれぞれ言い放った上、いわゆる《事前告知ドッキリ》までかけるなんて…えっ！！！！！？
LOVE
私は一気にニューヨークのANN0の虜になってしまった。この番組は…サイコネタが蔓延し、終始悪ふざけにまみれていたアルピーANN0とはまったく別の方向を向いている。しかし、多くのリスナーにとって《最高》だったアルピーANN０に勝るとも劣らないポテンシャルを秘めているッ…！！！！！
（まさに、『大嫌い、大嫌い、大嫌い……大好き！』を地で行く展開）
後にニューヨーク自身が「かましすぎてただの嫌な奴らになってしまった」と回想していた初回放送でしたが、そんなことねえよと言わせてください。そりゃ嫌な奴だったのは完全に確かですからアレでニューヨークをスーパー嫌いになった人たちもいたでしょう。でもさ、そんなリスクを侵してまでこんな感じの悪い笑いを提供してくれる人、他にいる！？ いたら教えてくださいその人たちのことも応援するから！！ でも今私が知ってるのニューヨークだけだからとりあえずニューヨークの話に戻すけど、とにかくこの第１回の内容で「こいつらがラジオに本気（マジ）」ってことだけは伝わったでしょうがっっっっ！！！！！！！？？？？？？
私はラジオが心の支えだから、ラジオにマジな人間は全力で応援することにしてんだよ！！！！！！！
■ニューヨークのラジオの魅力②
《男女平等》
ちょっとこちらの漫才を見ていただけますか？
私はネットに入り浸っている女らしく結構フェミ意識の高い方なので、このネタ好きだけど今のご時世だと割とギリギリだよな…と少しドキドキするのですが、ニューヨークの女性へのスタンスは概ねこのネタの通りではないかと思います。
ただ誤解がないように言っておくと、深夜ラジオ界、というか芸人さんの世界（？）はそもそも男性社会なので、女性観や女性の扱い方が少し古めな場合が珍しくなく、ニューヨークが特にひどいということはまったくありません。むしろニューヨークはこう見えてかなり男女平等だから！ という話をこれから始めるのでどうか怒らずに続きを読んで！！！（あと私はニューヨークのラジオに限らず、「オッ、女性をそういう風に表現しちゃうか…」みたいな場面に遭遇する時、これがネットに入り浸っていない男性の《これくらいの表現なら問題ないだろう》という検閲を通過した言葉なんだ、と確認するような気持ちで聞いています。それがどう移り変わっていくかに耳を傾けることで、男女間、そして世間で問題意識の共有がどれくらいできてきているか計測できると思うので…ってもう面白ラジオ勧める記事のテンションじゃないとこに話逸れちゃってるなこれ）
そういうわけで、女性リスナーは多くても深夜ラジオはやはり男性社会。モテない、童貞、無職、この辺のネタがどうしても強いです。童貞以外は女性だってなれるんですが、何となく男性の持ちネタっぽくなってるのが現状。
しかしニューヨークのANN0は違うワケよ。
ご覧ください。
ニューヨークのANN0 公式サイトより
ね？
いや待って、「女性をセフレと呼びおもちゃにしている」みたいな誤解をしていませんか？ そうじゃないんだ！ クソッ、何から話せば伝わる！？ １番手っ取り早いのはニューヨークのANN０を全部聞いてもらうことなんですが、そうもいかないはずなので何とか頑張ります。
あのさぁ、辛いのはセフレになることじゃないのよ！ セフレになるのは自分で選んだり、他にどうしようもなくてそうなったことだからもう別にそこは受け入れてるのよ。だから別にセフレ呼ばわりされるのも平気なわけよ。でも何が１番辛いって、セフレのリアルを、セフレの悲しみを、分かち合えないことな。友達に同じセフレの子がいたらいいけどいなかったらムリだし、相手にも不満とか当然話せないからな。でもさ、電波を通して、その悲しみを誰かが笑ってくれたら、どうよ？ 「私の悲しみも捨てたもんじゃないな」って思うじゃん？ 童貞と男のモテないと無職は過剰供給なくらいプロの手で笑いに変えてもらえてるのに、女の悲しみは何故滅多に取り扱ってくれないの？ ねぇっ！！ 深夜ラジオパーソナリティさんっっっ！！？
ほら、ニューヨークのラジオは男女平等な。
少しは《良さ》、伝わったでしょうか？ 実際、ニューヨークは他の芸人さんのラジオよりだいぶ「女性のあるあるネタ」（しかも、深夜ラジオのコーナーにしてはかなりリアル寄りな）への門戸が開かれており、その甲斐あって他のラジオでは名前を聞いたことないようなスターメール職人（恐らく女性）が何人も活躍していました。特に『加藤ミリヤか！』のコーナーで頭角を表し、男性、そしてもちろん童貞でには絶対に思いつくはずのないリアルなセフレネタを投稿してくれていたエルさんのことは今も忘れられません。
私は、エルさんみたいな人が沢山活躍するラジオ界になって欲しい。そのためにはもっと女性芸人さんのラジオ番組を、という気持ちもあるんですが、同時に男性パーソナリティのラジオでも童貞・モテない・無職以外の新しい華──セフレにもその実力があると思うのですが──が咲いて欲しいと祈るばかりです。（言いそびれていましたが、私は童貞・モテない・無職ネタは深夜ラジオの華だと思っています）
（そもそもセフレになる実力がない私のような終焉ノ女が初めて好きになった加藤ミリヤさんの名曲）
でも、モテない男ネタと同じくらいモテない女ネタに市民権が得られたら私もメール送りやすいのになぁ。（採用されるかは別として）
ちなみに今までで１番共感したあるあるはアメトーク『中学の頃イケてない芸人』でアジアン馬場園さんが話してた「女子もエロいこと考えると股間が痛くなる」でした。あの番組見なかったら私、恐らく一生自分だけの症状かと思ってたから…。
（とか思ってたらこんなツイートを発見…えっ、エルさんって朝井リョウかもしれないの！！！？？？）
■ニューヨークのラジオの魅力③
《なんだかんだいって感じがいい》
感じの悪いところがニューヨーク最大のOMORO部分なのは疑いようもないことですが、ラジオを聴き続けていると、この人たち普通に気のいいお兄ちゃんたちなんだな、というのが次第にわかってきます。
人の良さを示す時、手っ取り早いのは家族ネタですよね！ 相槌が独特な嶋佐パパのどこがおもろいねんなずっと病院話、声が可愛いめぐみ改めユカこと屋敷ママのクレイジー話、両家族とも仲の良さが伝わってきてホッコリするのですが、私が１番好きなのはこの動画です。
＜あらすじ＞
霊感のある後輩に「これから死んだり病気になる人の見え方をしている」と言われた屋敷さん。《電話で除霊ができる》というおばさんに五千円前払いして除霊を依頼したのだが、結果は…！？
除霊おばさんとニューヨークの
心温まる絡みを見逃すな！！！
そして…
毎週日曜２２時から《生配信中》の
『ニューヨークのニューラジオ』を
絶対に聞いてくれ～～～～～～～～～！！！！！！ アーカイブもされるからリアルタイムじゃなくても聞けるから聞いてくれ～～～～！！！！！頼む頼む頼～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～む！！！！！ ニューヨークのラジオが聞けなくなったら私の性格の悪さを癒してくれる笑いが枯渇するの～～～～～！！！！ おねが～～～い！！！！！！
あと単独ライブも行こ～～～～～～～～！！！！！！ねぇ～～～？？？？？ ニューヨークってネタも感じ悪くて最高だからさぁ～～～！！！ ちゃんと売れて安心してラジオ続けて欲しいの～～～！！！！！
ほんっとニューヨーク…
LOVE
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＜最後に言わせてくれコーナー＞
ねえ、今配信されている『ニューヨークのニューラジオ』って、ANN0時代の放送作家さんや有志の仲間たちが集まって、その優しさだけで作られてるんですよ！！？？？ もうそれだけ愛されてる時点で笑いは性悪でもニューヨーク自体はそんなに悪い人たちじゃないってわかるでしょ！ んもう！！
（ずっと応援しています…戻ってきてくれて本当にありがとう！！）
（ニューヨークのおふたりだけじゃなく、奥田さん、石松さん、ヒロシさん、ベネットさん、あさいさん、チームの皆さんも大好きです！ あとノリタカさんもトゥルーマンさんもね！）
「スキ」を押すとめちゃめちゃ面白くてオススメな小説の名前が飛び出すよ！