2019/2/27 20キロ散歩、韓国文学、暴飲暴食【書けないシナリオライターの書けない日記】
銚子で迎えた朝。朝ごはんもめちゃめちゃ美味しかったが興奮しすぎて写真を撮り忘れてしまった。日記を書いている自覚がまだない。
(これは去年の写真。大体一緒。お鍋では目玉焼きを焼いてる)
夫の仕事の納期が迫っているそうなのでサクッと帰ることに。銚子電鉄という可愛らしいローカル線に乗って特急の出る銚子駅へ向かう。
(ボンタンアメの広告がとてもいい雰囲気作ってますね)
(画風がたまらないスタンプ。見れば見るほど味がある)
(各駅の紹介にユーモアがあり、胸をキュンとさせてくれる。銚子と《絶対に諦めない》の関連性は未だに謎)
最高の地、銚子。「東に行くと運気が上がるらしいから」なんてよく分からない理由で訪ねて来たけど本当に楽しかった。もし方位取りに効果がなくても、月に1度仕事を休んで知らぬ土地に美味しいものを食べに行く、みたいな旅行してたらそりゃあ多少なりとも気力は回復するんじゃないかな。
しかし以前の私はせっかく旅行に行ってもどこへも行かず、ただビジネスホテルの部屋に引きこもりご飯はコンビニ弁当でずっと仕事ばかりしていた。たぶん、開運うんぬん以前に心の余裕がなさすぎたと思う。まぁそれも自分では楽しいと思ってたのかな。でもやはり旅先では旅っぽいことをした方が精神衛生上いい気がする。
東京駅に到着。私はできれば電車に乗りたくないので夫と別れ家まで歩くことに。アプリで調べたら15キロぐらいだったので4時間あれば着くだろうという目算で出発。
お供はダウンロードしておいたアトロク。やったー今週映画とか漫画とか本とか好きな特集ばっかりだ…!
細田監督のアカデミー賞レポートも面白いし(セレモニー終了後リムジンでつけ麺屋に乗り付けるセレブたち、『Roma』と『未来のミライ』の共通点)、すっかりアトロクにかかせない人になったメラニーさんの予想振り返り(今度はメラニーさんの映画評も聞いてみたい! 『女王陛下のお気に入り』のどこが特に気に入ったのかな?)、『GANTZ』の奥浩哉先生の最新連載『GIGANT』トークも良かったー。『GIGANT』読みたくなった。
読んだ。パピコさん可愛いしめっちゃロマンチックじゃんこの話…! 零くんも可愛い~~うお~~~。奥先生の話によると全10巻ぐらいでまとまるとのことなので追いかけて読もう。
そんで私として特に面白かったのが『韓国文学を楽しむための入門講座』特集でした。また別のラジオになるけど、この間、『文化系トークラジオlife』のオススメ本回を聞いておりまして、
(この回全体的に興味深い話しかなく最高でした!)
その時にも『82年生まれ、キム・ジヨン』を始めとする韓国文学の話がいっぱい出てて気になってたんです。
(『ここにいる』は、日本であった母子孤独死の事件を題材にしてるそう)
今回のアトロクでは『キム・ジヨン』の翻訳家・斎藤真理子さんがお越しになっていることもあって、単に本をオススメするだけではなく、作品をよく理解するためのキーワードとして韓国の情勢や歴史的背景なんかも踏まえて話をしてくれているのが凄く良かった。
特に『殺人者の記憶法』に関する、《朝鮮戦争と、戦争が韓国社会に残した暴力の連鎖》の話は本当に興味深かった。
ここなんか、韓国文学の魅力っていうのを凄くそそる感じで語られている。
(宇多丸)「やはりそれ(同民族で争った朝鮮戦争や、ベトナム戦争に出兵したこと)は、韓国文学、もしくは映画もそうかもしれませんけど、韓国の表現の中に今も脈々とトラウマとして流れていると思いますか?」
(斎藤)「あります。やっぱり集団の記憶なので。私はよく、《韓国文学は2階建てのおうち》みたいなことを言うんですけど。『おうちにいらっしゃい』って言われて入っていくと、ほとんど家具もかかってる絵も、かかってる音楽も私たちと変わらない。『あ~同じじゃん』と思ってるんだけど、何回も行ってると、なんか2階におばあちゃんが住んでるみたい。ご挨拶に行くとちょっと違う世界。で、だんだんとその上の世界が経験した戦争とか、それから植民地時代とかそういう記憶がジワジワ~っと分かってくる。その時に韓国文学の魅力がバーッと起動すると思うんですよね」
私も、祖父母が(民族同士ではないにせよ)地上戦を経験してきている世代の人たちなので、子供の頃から「この人たち今すごく普通の人みたいな顔して暮らしてるけど普通じゃない経験してきてるんだよな」みたいな、言い方は悪いんですけど《禍々しさ》を人や土地に感じていた。
いや、何だろう上手く言えないな。まったく悪い感情ではないんだけど。ただ、一体どういう考え方で自分や自分の周囲に起こった出来事を飲み込んだのか疑問だったし、同時にそれを本人に聞いちゃいけないような気もして。祖父母も今はひとりを残し鬼籍に入ってしまったので、一応肉親の話なのにそこら辺をまったく理解できないまま2019年になってしまった。
今からでも、生きている祖母にその辺のこと聞いた方がいいのかもしれない。でも、それで祖母が嫌なことを思い出したらと思うとやっぱり怖い。物を書きたい人間のくせにそれくらいの勇気もないので、私は取り返しのつかないことが起こったあと、人がどうするか書いてある物語が気になるんだろう。祖父母に聞けなかったから物語に答えを教えて欲しがってる。そして取り返しのつかないことっていうのは私の人生でも起こるかもだし。
ただそういう話って読むだけでもかなり怖いんですよね。どんだけ弱腰なんだ。でもこの先の支えと備えとして少しずつ読んでいきたい。
その他、勧めていた本。みんな表紙がオシャレだな…。
3冊目の著者イ・ランさんは歌もうたってる。この曲は日本語の歌詞ついてるけどすごくいいです。紹介された本全部読も。されてない本も読も。
メモ。その他話題に出てた本たち。
(『フィフティ・ピープル』に対応する、しっとり化粧水系セウォル号事件以後小説)
(韓国の人気作家2名、セウォル号事件を題材にした新作を韓国では刊行済み。既刊を読んでおこう)
(韓国文学のトップランナー。朝鮮戦争の社会的トラウマを描く。これ絶対読みたい!)
(ハン・ガンさんのその他の本)
(『ミザリー』を彷彿とさせるらしい。キンドルアンリミテッドで読める!!!!)
(韓国のイヤミス。豚がすごいらしい)
そんな感じで必死に歩いていると、スマホの電池がなくなってきたし足もかなり疲れてきた。めちゃくちゃにお腹も空いてくる。
モノレールの下を通ったのですが、怖い。モノレールが通る度、何らかの破片とか小石とか落ちてきそうな感じだけど落ちてこないんだな。すごいな。
あと、枯れ木の化物みたいな形によじれた茶色いビニール袋があったんだけど、何故か写真が貼れない。本当に枯れ木の化物みたいだったのに。
「どっかに美味しいうどん屋さんないかな」などと考えつつアプリの指示を無視してフラフラしていたら15キロだったはずの道のりに20キロかかってた。帰宅する頃には食欲の権化になっていて、沢山歩くとこれが1番愉快。普段「お腹すいたな~」とか思っているのがニセの空腹だったと分かる。まあ私はそれがわかったところで、ニセの空腹でも全然ご飯食べるんだけどね。
(写真を撮っていなかったので、代わりに検索して1番上に出てきたユーチューバーさんの動画を)
セブンイレブンの新商品、蒙古タンメン中本の極北ブラックを平らげた上にご飯までブチ込んで食べてやった。オムライスのおにぎりも食べてやった。私が沢山歩くのは運動不足解消と心の健康を取り戻すためですが、ダイエット効果はまったくないだろうな、たぶん。次、長距離歩く時はもう少しカロリーに配慮したメニュー選びを心がけたい。適度に疲れて、お腹もいっぱいになって就寝。我ながらいい生活してんなと思う。
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