小説・お盆だからか? 何書いても何の反応もないな2024
ぐぇぐぇぐぇ……。
地下3000メートルの下水道で、うめき声が聞こえる。
何を言ってもやっても「気持ち悪い」と言われてきた、薄汚い中年男性のうめき声だ。
通称、ドブドロ中高年。
その声はだんだん数が多くなり、うめき声の大合唱となった。
ドブドロ中高年は、ざっと500人はいた。
彼らは次々と「蜘蛛の糸」をよじのぼっていった。蜘蛛の糸は何人、中高年男性がよじのぼっても切れることはなかった。
そして彼らは人間界に上陸し、原宿の超人気おしゃれカフェに行って、スタ丼を注文した。
おしゃれなカフェでスタ丼が出てくるわけない、と思ったが、おしゃれカフェの雇われ店長は、ドブドロ中高年からドブドロ中高年ビームを浴び、自身もグヘヘヨダレボロ切れ作業着無精ひげ男に変身した。
そして、スタ丼を次々とつくっては出した。
「ぐわおおああっ!」
「ごぶごぶっ」
ドブドロ中高年たちは先を争って、スタ丼を奪って食べた。
おしゃれなカフェは、ニンニクとすた丼の汁のにおいで充満した。
永遠に。
以後、100万年、この時代は続いた。
おしまい
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