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価格・送料改定に踏み切った理由

初めまして。新田醸造の6代目、新田慶秋と申します。いつも新田醸造の製品をご購入いただき、誠にありがとうございます。

新田醸造のHPでは発表させていただきましたが、4/1より価格改定をすることに致しました。今回の価格改定の背景について、皆様に説明させていただきます。

原材料費や資材の高騰もありますが、それだけではなく実は新田醸造は直近10年ほど、ほとんど利益を上げることができておりませんでした。

以前は、バスツアーでいらっしゃった観光客の皆様にお土産としてお味噌をご購入いただくという商売でした。

最盛期は、バスの来訪が非常に多く、敷地正面の国道ではいつもバスが列をなし渋滞を引き起こしてしまうことで、地元の方々には「味噌渋滞」と呼ばれていた時期があったそうです。

私も子供の頃、活気に満ちた当時を鮮明に覚えており、たくさんの観光客が次々に訪れ、直売所が人でいっぱいになる光景が脳裏にはっきりと思い浮かびます。

しかし、90年代から2000年前後にかけて隆盛を迎えつつも、それからは徐々に売上に陰りが見え始めました。要因としては、日帰りバスの距離規制や観光客数の減少、お土産需要の低迷など様々なものがあったかと考えます。

そして決定的な打撃となったのがコロナ禍であり、売上は一層冷え込みました。江戸末期から続くこの蔵ですが、この時期はお店を閉めることも真剣に検討いたしました。

しかしながら、毎日のように「新田醸造のお味噌が好き」「このお味噌じゃなきゃだめ」とお客様から熱いメッセージをいただき、私たちの心に灯りをともし続けました。お客様からのお言葉は、私たちの最大の励みとなっております。

最近では、ありがたいことにプロの料理人の方にも新田醸造のお味噌を利用していただくことが増え、有名料理店で新田醸造のお味噌を見かけるようにもなりました。

皆様から愛していただいているこの伝統の味を、継承していきたい。もう少し商売を頑張ってみたい。いまではそう考えています。

ですが、利益をうまなければ、健全に商売を行うことができません。新たな投資をすることもできず、蔵で頑張っている従業員にも十分な報酬を支払うことができません。

ジリ貧な経営を何年も続けてまいりましたが、この状況を打破するべく、変わることができなかった過去に終止符を打ち、新たな姿へとリニューアルを遂げるため、いくつかの改革を実行してまいります。

その一つが4月からの価格改定です。

この改定が、皆様のご支持を失う原因となるかもしれませんが、それでも私たちは皆様の応援を信じ、これからも質の高いお味噌をお届けし続けることを約束いたします。

また、価格を上げさせていただく分、ほんの気持ちですが、通販でお買い上げのお客様には送料がお得になるように、新しく送料価格を見直させていただきました。

この度の価格改定に際し、心より感謝とお詫びを申し上げます。なにとぞ、変わらぬご愛顧を賜りますよう、お願い申し上げます。

新田醸造 6代目 新田 慶秋

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