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観葉植物の冬支度|秋にやっておきたいこと5選

ご無沙汰いたしております。Nittaです。
風邪をこじらせ気管支炎に罹患してしまい、ずいぶんと久しぶりの投稿となってしまいました。

いまだインフルにもコロナにもかかったことがないということが人生のささやかな自慢だったのですが、まさか名もなきただの風邪からこんなにも苦しめられるとは予想もしていませんでした。
人生、なにが起こるかわかりません。

さて、先週一週間はしっかり寝込み、植物のお世話もずいぶんとおざなりでしたが、そのわりにはどの子も元気でいてくれたので一安心しています。

ひと月ほど前に仕立て直した不調の蘭
にょきにょき根を出してくれています

前置きが長くなってしまいましたが、
今回のテーマは
『今の季節にやっておきたいこと 5選』

すっかり秋めいてきたこの時期に、おさえておきたい5つのポイントをまとめてみようと思います。

1. 屋外の植物をしまう

一般的な観葉植物の耐寒温度は、10℃前後といわれています。
品種によっては12、3℃を下回ると調子が落ち、葉を落とし始める子も出てきます。

観葉植物を屋外で管理している場合、春から夏のあいだに太陽光をたくさんあびて、株は充実していることと思います。それでも、夜間温度が15℃を下回る日が続きそうなら屋外に入れる、というのを一つの目安にしておくとよいでしょう。

なぜ15℃なのか?
理由のひとつとして、雨による冷却効果を防ぐためです。

雨が降ると、当然ですが株全体が濡れます。
すると、どうなるか。水は蒸発するときに周囲の熱を奪うので、必然的に株を冷やしてしまうことになるのです。(いわゆる気化熱ですね)

それから、もうひとつ。
外と内の温度差が少ないうちに移動させておく方が、植物にとっての負担が少ないのです。寒暖差が激しいと体調を崩してしまうのは人間と同じですね。

今年からの新入りです!みたいな、まだお迎えしてから季節が一周していないような見習い株は、特に早めに取り込みましょう。

なるべく負担を減らし、株の体力を温存することで、これからやってくる厳しい冬のトラブルがうんと少なくなるはずですよ。


2. 定位置を見直す

夏至を過ぎると日照時間が短くなり、太陽の位置が低くなっていきます。

これは屋内育成者からしてみれば、実はうれしくもある現象。
太陽が真上にあった時よりも、日光が窓から入ってきやすくなるんです。

たしかに日照時間は短くなりますが、南や東の窓などはそれを補えるほどの明るさが維持できるので(肌感ですが)、このタイミングで置き場所を工夫して冬の支度をはじめれば、今のうつくしい姿のまま越冬させられます。

我が家でいえば、これからの季節、西向きの窓が絶好の成長スポットになったりします。一般的にはNGとされる西日も威力が落ちるので、味方につければ逆に成長を手助けしてくれるのです。

(※葉焼けしやすいものはレースカーテンやフィルムなどで直射にならないように気をつけてくださいね)

逆に、北向きの窓は暗く寒くなりますから、引っ越しが必要な株もあることでしょう。

植物はそれぞれ好む光量が異なりますので、秋のうちにそれぞれの特性を見直し、最適な定位置を見つけておきたいですね。


3. 保険株を仕込む

状態に不安のある株や、はじめて冬を迎える新入り株、枯れたら立ち直れないような高価な株、単純に育成難易度の高い株…

これらは冬を迎える前に、予備の株を作っておきたいところです。

温帯うまれの観葉植物ですが、実は暑すぎても成長が緩慢になり、夏の間は成長を止めている場合も多いです。

暑さが落ち着き、室温が25℃くらいになってくると、それぞれが思い思いに新芽を伸ばしたり根を伸ばしたり、成長を再開します。日々観察していると、動きが活発になっていることに気づかれるのではないでしょうか。

保険株を作るのは、このタイミングです。

成長点を残して切ってメネデール希釈水に挿しておけば増やせるものも多いので、不安なものは子孫を残しておきましょう。

ポトスやフィロデンドロン、モンステラ(マドカズラ)などは水挿しのままでもインテリアになるので、筆者も色々なところに飾っています。

(もはや保険株など必要ないほど増えすぎています)

植え替えが必要な株も、今のうちに済ませておきたいですね。

※日本には種苗法(しゅびょうほう)があり、安易に増やして譲渡してはいけない品種も存在するのでご注意ください。端的にいえばブランド苗の著作権のようなものです。そのような品種は基本的にタグに表記があります。


4. 水やりのペースを見直す

秋は気温が下がり成長が再開するボーナスタイムである一方で、湿度が下がりはじめる季節でもあります。

今はまだ土の乾燥がスムーズな時期なので、いつも通りの水やりペースでも問題ありませんが、寒い日が増えてくると、徐々に水の吸い上げが緩慢になっていきます。

土の乾き具合を意識しながら、少しずつ水を与えるペースを落としていくと、これからの季節に増える根腐れを回避できますよ。

その代わりに、下がった湿度を補うための葉水を増やすのが理想です。
根から与えていた水の一部を葉や茎から吸わせるイメージです。
株全体の湿度を保つことは、後述するハダニやカイガラムシなど害虫の予防にも繋がりますので、ぜひやってみてほしいです。

ただし、前項でも触れたように、水は乾くときに株を冷やしますので、葉水は日中のなるべく暖かい時間を選んでおこないましょう。


5. 害虫のチェックと予防

乾燥する季節になると、室内の空気もこもりがちになり、植物に害虫が発生しやすい環境が整ってしまいます。

特にハダニやカイガラムシは乾燥を好み、加湿が少ない環境では繁殖が活発化するため注意が必要です。秋のうちにしっかりと病害虫のチェックと予防をしておきましょう。

小さな虫は、葉の裏や成長点、茎の分岐部分の隙間に潜んでいることが多いです。葉をじっくりと観察してみて、甘い飲み物が付着したときのような、光るベタベタがあれば要注意です。植物からの分泌液でない場合は、十中八九カイガラムシの糞ですので、一旦、隔離してから対処しましょう。

(アロイド系は葉から余分な水分がしたたることがあり、その痕が光って見えることがありますが、粘性がないので見分けがつくかと思います)

害虫発生の初期であれば濡れティッシュで取り除けばよいですが、被害が複数に及んでいる場合は薬剤散布が確実です。

いろいろ試しましたが、カイガラムシにはこちらの製品が圧倒的大優勝です。
天気の良い日に株ごとざっと洗って、ある程度水気が切れたらこのスプレーをシュー。そこそこ勢いがありますので、屋外や風呂場でおこなえば安心です。


ペットや子どもがいるご家庭向けには、成分がやさしいものもあります。ただし使用感としては即効性が感じられにくく、繰り返し気長に散布していく必要がありました。初期ならこれでもいいかもです。霧吹きタイプです。

また、SNSなどでショート動画を見ていると、植え替えのタイミングで土に混ぜる防虫剤としてオルトランがよく取り上げられています。
ただし、定番の赤ラベルは根を食べる害虫への効果がメインで、葉から養分を吸うタイプの虫向きではありません。観葉植物に使用する場合は、青ラベルのDX粒剤を選びましょう。


まとめ

今回は『今の季節にやっておきたいこと 5選』として、冬を迎えるためのケアポイントをまとめてみました。

・屋外の植物をしまう
・定位置を見直す
・保険株を仕込む
・水やりのペースを見直す
・害虫のチェックと予防

季節の変わり目は、人だけでなく植物にとっても大なり小なり負担があります。
これらの項目を、一度チェックしてみてください。

気温や湿度、日照の変化に合わせて、適切な環境づくりやメンテナンスをすることで、近年のように厳しい冬でも、住空間に緑の癒しを提供し続けてくれることでしょう。

ひとつひとつは小さなこと。それを積み重ねることで、植物たちが元気に冬を越す手助けになります。この記事もまた、みなさんの一助になればうれしいです。

では!

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