2等賞

おおあたり〜〜〜! はじめまして、2等賞と申します。 🔖文章研修生 🖋エッセイと創作

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最近の記事

【エッセイ】血眼読書

活字が好き、という理由で本が好きだと言っている人をTwitterではじめてみたとき、何を言ってる……?と思った。 わたしはそもそも漢字が苦手で(文学部なのに)、むかし高校の先輩がノートに難読漢字をいっぱい集めていると言っていたのを聞いて白目剥いたことがある(その先輩も同じ学校の文学部に進んだ)。でも難読漢字を集めるってなに?って今でも思う。ほんとにおちゃめなかわいい先輩で、Suicaのケースとしてアーモンドチョコレートの箱を使ってたから理由を聞いたら、「駅でこれ使ってたら周り

    • 【読書感想文】常識のない喫茶店☕️

      僕のマリさんのエッセイがだいすきだ。 読むたび、ひとつひとつのエピソードを抱きしめたくなる。 1日1日を重ねていくのは長いようで短くて短いようで長くて、なのに放っておくといろんなことに忙殺されてどんどん過ぎていってしまうのに、僕のマリさんはそういう生活の中でキラキラしたものを集めて本にして見せてくれる。 「常識のない喫茶店」は宝箱みたいで、開くたびにその輝きに照らされて、とてもうれしい気持ちになれる。 この本は、僕のマリさんがある喫茶店で働く日々をエッセイにした作品なのだ

      • 【短編小説】バスルーム・コミュニケーション

        その日は本当に最低だった。 雨だし、風が強いし、午前中に会議があったから早く出勤しなきゃならなかった。 出勤したら給湯室のインスタントコーヒーがなくなっていて(昨日の夜確認した時はあったのに!)大雨のなか買いに行くことになったし、部長が遅刻したせいで会議室の空気が最悪で、上司にまた嫌味を言われた。 「相澤さんはかわいいから、お茶汲みと議事録なんて簡単なので感謝されていいね」 そういうことがあっても、私はだいたいにへらと笑い返して謝ることしかできていない。その態度も、相手をイラ

        • 【エッセイ】忘れていいよ、そして忘れないでね

          大学を卒業するとき、お世話になった尊敬する教授に想いを伝えたら、 「僕のことなんて忘れてくださいね、それくらい色んなものに夢中になってね」と言われたことがある。 忘れたくないよ。と思ったけれど、その言葉がお別れにとてもぴったりで、その距離感が先生のまごころを感じさせて泣いた。 最近、 わたしはだいすきだった職場を辞めた。 ここではない、次にやってみたいと決めた場所へのステップアップだったから辞めたかったわけじゃないし、最後の方は寂しさが先行して、辞めたくないです…って上司

        【エッセイ】血眼読書

          【エッセイ】もくもく雲と羊とメレンゲ

          ひとり留守番、夕暮れの16時。 幼い私はお腹が空いて、だけどお菓子は底をつく。甘いものならなんでも食べたい、という強い欲望が、砂糖をそのまま食べるという暴挙に出たのは、もう10年も前の話である。 そして今、私は再び、空虚な16時を過ごすことになった。外に出られない日が続くのに、家にはお菓子がない。何か解決策はないかと悩んでいると、 「そうよ!お菓子がないなら、家にあるもので作れば良いじゃない!」と、我流アントワネットが叫んだ。「その通りだわ!」私は、貴族風に彼女の提案を聞き

          【エッセイ】もくもく雲と羊とメレンゲ