空中分解

この人は純粋に統計学的な話をしているということかもしれないが、この話は政治の話である。恐らくは安部首相の健康状態のニュースが騒がれ出してからにわかに野党支持派の人たちが騒ぎ出しているということであろう。けれども、ちょっと浮薄過ぎやしないだろうか。

野党の大合同って以前にもあって、政権交代に至った事例もあるけれど、結局、路線の違いから短期間で内訌を起こしたのか、解党してバラバラになるわけである。

こういう調子のいいことを言う人たちが、権力を得ると喧嘩して党を飛び出してしまい、結局、空中分解して四分五裂する様はもう何度も見てきたのである。こういう前例からみると、野党の合同は野合にしか過ぎないということではないかと思う。どうせ、綱領とか政策なんて後で考えればいいじゃない。とにかく今は国民の受け狙いよ。マスコミにどう写るかを考えればいいんだよ。実質は後回しでいいじゃないの、というわけである。

いや、今、世界では米中対立が激化しているわけで、米中の狭間にある日本では与党の日米同盟に対抗して親中派勢力を合同して米国に対抗しようと言う気持ちがあるのかもしれない。けれども、等距離外交は対立する米中の双方から圧力を加えられるので、それを跳ね返す軍事力がなければどうにもならない。今の日本は平和ボケしているので「平和主義さえ唱えていれば米中とも引き下がって核兵器も放棄するはず」と真面目に信じているかもしれないが、冷静に考えてそんなわけないじゃん。

マスコミなどは流行りに敏感だから、実質的な議論よりも、その時々のトレンドを放映しやすい。かつて、椿さんの発言が問題になった「椿事件」というものがあった。

今後、野党を持ち上げるためにデマや大袈裟な記事がマスコミやネットに頻出することは目に見えている。こういうプロパガンダにうかうかと乗るようであれば、あの民主党政権の失敗をもう忘れたの?喉元過ぎれば熱さも忘れるだねえ、と笑われることにもなるのである。

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