家族の解体

選択的夫婦別姓はやっぱり納得できない。

そりゃマイナンバーの導入で戸籍制度を解体して家族を廃止するというのならわかる。だから法律婚と引き換えに夫婦別姓にすればよいのである。そうなればその夫婦関係や親子関係についてはもうそれぞれで自由に決めればよいわけである。

それなら子供の親権は母の単独親権にして父親には一切の権利はないし、子供の姓も母親側の姓を継がせるけれど、父親は子供と妻の養育の義務を負って死ねば自分の財産を全部妻と子供に譲るという条件であったとしても夫側がそれを承諾すればよいのである。

もちろん、夫婦が共同親権者となってもいいし、父親の単独親権でもよいわけである。離婚時の財産分与とかも細かく決めておいて、「結婚式」の時に弁護し立ち会いで結婚の条件をお互い契約してその条件を両家で交換すればいいのである。

今の結婚制度であれば、リプロダクティブヘルス・ライツは女性のもの、子供は女性のものだという一般概念が拡がっているし、実際、離婚時には80%が母親に親権が渡るのである。けれども何の権利もない男には養育の義務だけが課せられ、高葛藤だとかDVだという申し立てさえあれば、面会交流なしで養育費の支払いだけ義務づけられる不幸な父親になるかもしれないわけである。もちろんそういう父親が子供の運動会や卒業式を見に行こうものなら親権者・監護者たる母親に警察を呼ばれて追い払われることになる。警察も学校も親権者でも監護者でもない父親には冷たいということである。

近年、国際的なハーグ条約に日本も参加したが、これは国際結婚して離婚した女性が子供を連れて勝手に日本に帰国して元夫、子供の父親を引き離してしまうという事例を防ごうという条約である。かの国から子供を探してやってきた父親は、けれどもなかなか会うことができないために国際問題になっているのである。ちなみにハーグ条約はあくまでも国際結婚で離婚した場合に適用されるわけであって、日本人同士の結婚で母親が子供を連れ去って離婚に至ってもそれは全くの合法だということである。

因みに平成28年のひとりおや調査では離婚して母親に父親が養育費を現在(調査時)にも支払っている率はたった24.3%しかない。父親が親権を得た場合に母親が養育費を支払った率は3.2%である。

もちろん、そもそも養育費の取り決めをしていないという問題もある。上記の調査結果では母子家庭で養育費の取り決めをしているのは42.5%にすぎない。つまり、取り決めをした中で実際に養育費を払い続けている父親はわずかに57.1%しかいなかったわけである。ちなみに一回でも養育費を支払ったという人になると93.6%にはなる。途中で養育費の支払いを中断してしまった父親の根気のなさに呆れる訳である。

一方で父子家庭で養育費の取り決めをしているのは20.8%である。母親が養育費を取り決めた中で調査時に支払い続けていた割合は15.38%である。一度でも養育費を支払った母親は38.9%ということになる。

これについてはフェミニストによると、母親は女性であり、社会から虐げられているので男に比べて収入が少なく、養育費を支払わないことはやむを得ないのであるという意見をいただいたことがある。つまり、男のくせに女性から養育費といっても金をもらうとはけしからんということであろう。男なら女性より稼ぐのが当然であるということである。父子家庭では収入は恵まれているはずなので母親が養育費を払わなかったくらいで文句を言うなということかもしれない。

けれども、例えば祖父母などの支援があればよいが、そういう支援のない父親の場合、子供の送り迎えや家事育児の負担のために離職せざるを得ない場合もある。かつては児童扶養手当はひとりおやの父親には支給されなかったはずである。それで、離職して養育費ももらえず、貯金を切り崩してしまったひとりおやの父親は文字通り詰んでしまうことになったわけである。もちろん絶対数としては母子家庭より少なかったのでマイノリティとして無視されていた訳である。

これはひとりおやの父親の会が声を上げて、change.orgにこの賛同を募る募集を行い、佐藤正久参議院議員がそれに賛同して、ひとりおやの父親も児童扶養手当を受給できるように変更されたはずである。(もちろん他の議員たちも行動したのかもしれないが私はよくは知らない)恥ずかしながらchange.orgに賛同の投票を行った唯一の事例である。

今調べたら佐藤議員のwikiにはそんなこと全く載っていなかったし、児童扶養手当の方も2010年に参議院で全会一致で父子家庭に支給するという記事が載っていただけなのである。

まあ、憲法24条の両性の本質的平等なんて嘘っぱちというのが本当のところであろうと思うのである。

憲法24条は結婚の話というイメージだったのだが、先日よく見てみると、「離婚」の文字も入っていたことに気づいた訳である。そうなれば少なくとも離婚後単独親権は憲法違反じゃないのかという素朴な疑問も出てくるわけである。

このような状況でもフェミニズムや男女共同参画は当然ながら女性のエンパワメントだけを唱えることであろう。男の権利など放置でよいということである。夫婦別姓も突き詰めてみれば女性の利益、女性のエンパワメントという側面が強いわけである。

本当は私は小児科医なので子供が増えて少子化解消の方策の方を唱えたいのである。けれども、今の状況では結婚における男の利益ってどんどんなくなっていっているようにしか見えないわけである。

私の周囲に結婚しない男性がじわじわ増えているということは以前のnoteにも書いたことがある。さすがに医者で独身を貫いている人は数えるほどだけれど。

以前はそういう人にも結婚して子供を作れとおすすめしていたけれど、昨今はもうジェンダーフリーという名の男性が甘受しなければならない結婚の危険性を考えるとうかつには男性には結婚を勧められない時代に突入しつつあるのではないかと思うのである。まあ、そういう態度はラディカル・フェミニズムの人達の高笑いを誘うのかもしれないのだけれど。

家制度がなくなったということは男性が家督を継承させるべき後継を持つ必要がなくなったということである。後継など作らずに、二次元女性やラブドール、VRで性欲処理を行い、女性との交際にリソースを消費するよりも自分の趣味に財産を費やして、自分だけの満足に生きた方が幸せなのではないか。死後に残る財産など国家に返却すればよいではないか。

まあそれでも一部の財産家は私的に家制度を継続して後継を求めて結婚するだろうけれど、もう中流からも滑り落ちた多くの下級国民の男は結婚など求めず、自分の快楽だけを求めて人生を全うしてもいいのではないか、その方が安全な人生を送れるのではないかと思ってしまうのである。


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