自民党が旧民主党化?

立民・枝野氏「自民は旧民主党化している」って、旧民主党政権の官房長官を務めたお人が何を言っているのかというのが率直なところである。どうも的を外した意見としか言えない。

菅首相はむしろ麻生首相に比べられるべきである。

麻生首相はリーマンショックという世界的な大事件を経験した政権である。経済の急落は日本がどう動こうと避けられなかったが、マスコミや野党支持者はこれを政権の責任だと叫び続けて政権交代を成し遂げたわけである。

麻生政権で行った対策は民主党政権初期には効果を発揮して経済の回復が見られた。けれども、悲しいかな、民主党政権の面々はなぜ経済が回復したかわからない。機嫌良く超円高とか言い出してせっかくの経済の回復基調を止めてしまい、結局、リーマンショック後の景気回復は遅々たるものとなった。まあ、輸入業と輸入品を売る小売業だけが儲けただけである。後、年金受給者相手の海外旅行ツアーを扱う旅行業かな?

閑話休題、菅首相も新型コロナという危機に立ち向かった首相である。決して回復期の政権ではない。コロナ対策は私から見ればよくやっていると思うけれど、マスコミや野党支持者にしてみれば「なぜ今すぐコロナ患者をゼロにできないのだ!」という気分なのかもしれない。そんなこと無理なのであるが。

インドで数十万の犠牲者を出したデルタ株は日本でも何万人もの感染者を出したが、この第5波では比較的死者は少なかったのではないか。これは死亡率の高い高齢者に対するワクチン接種が間に合った結果ではないか。もちろん、40代、50代の重症化や10代の死亡、入院できずに自宅療養をせざるを得なかった人の死亡など、これまでよりも大変なこともあったが、なんとか乗り切ることができつつあるのではないか。

けれどもマスコミや野党支持者はもう「自民党である」ということに我慢ならないということであろう。例え日本がインドの悲劇のような状況に陥ろうとも、政権が民主党や野党であってほしいというのが彼らの願いなのではないか。彼らは自民党政権に復帰してからも、旧民主党政権への非難は不正確であり、ネトウヨのデマに日本国民が騙されているだけだ的な主張を平気で行うし、今までも「旧民主党政権は自民党などと違ってこんなに成果をあげたのだ!」となんだかよくわからない「成果」を羅列して自画自賛することを見ることがあるのである。

多分、野党支持者や一部マスコミの主張するそういう旧民主党の成果は国民の実感出来ない成果だったということであろう。報道ステーションの政党支持率の推移を見ると、麻生政権後半では自民党支持率を社民党支持率(野党支持率ということだろうか)が上回って政権交代に至るわけだが、旧民主党政権では新首相が登場する当初は「社民党支持率」が自民党支持率を上回るが次第に自民党支持率が逆転して上回っていたようである。自民党政権復帰後の安倍政権では自民党が一貫して高支持率を得て、野党支持は地を這うが如く低支持であった。これは菅政権でも継続したままである。国民の多くは野党を一切支持していないのである。

国民にそこまで野党支持を忌避させるに至った旧民主党政権はそれだけで特異な存在であり、安易に他の政権と比較することはできないのではないか。

もちろん、麻生政権と菅政権についても、上記のように野党支持が壊滅的な状況ではまず政権交代はあり得ないので、その点は大きく異なっていると言える。

来る総選挙においても、「ワクチンもマスクも手洗いも不要!PCRさえひたすら大量に行えばコロナは終息するはずである」という宗教的信念を持つ人たちは野党に投票するかもしれないが、残念ながらそういう人は少数派であろう。

立憲民主党は旧民主党とは別の政党であるという主張であるが、国民にしてみれば「立憲民主党だけは政権党にしてはいかん。ヤツには旧民主党の血が流れている。民主党の恐ろしさを知らなさすぎる」という気分がまだ色濃く残っているということなのかもしれない。旧民主党、恐ろしい子である。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?