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不顕性感染(新型肺炎)

今は新型肺炎の流行予防のため、手洗いなどの標準予防策の内容はマスコミも詳しく説明してくれているので、国民の意識も高まっていると思われる。街ゆく人を見てもマスクをしている人の割合が増えている。けれども、クルーズ船では多くの感染者が発見されているし、中華渡航者や患者との濃厚接触者という縛りが外され、多くの人が検査された結果、この週末にかけて日本各地で多くの人が新たに新型肺炎と診断され、一人は診断時にはすでに死亡されていたとのことである。お亡くなりになった方にはご冥福をお祈りしたい。

和歌山では医師の感染も明らかになり県知事が院内感染を認める事態になっている。医師など医療関係者や教員、その他警察官などの公務員といった不特定多数と接する機会のある人は感染のハイリスク者であるが、特に病院は患者も訪れるため院内感染の危険が高い。和歌山では当該病院の外来診療を休止したとのことである。また必要な外来患者への処置はオープンスペースである屋外で行っているとのことである。換気の良い屋外ではエアロゾル感染や空気感染のリスクは激減するので理に適った対応だと思うが英断と言うべきであろう。

さて、厚労大臣の声明が出されたようである。

この記事でニュースピクスでは中華からの人の往来を禁止しておけば!とかいう反応が出ているけれど、この記事の重要点はクルーズ船でPCR陽性者285人のうち、無症候者が73人であったという点であろう。つまり不顕性感染である。

ニュースでは肺炎で入院した重症例が診断され、報道されている。あれを見ると自分が感染したらどうしよう不安になるかもしれないが、もしかすると、四分の一ほどの感染者は自分が感染していることにすら気づかないかもしれない。このことは自分が気づかないうちに感染し、回復する人が出現するということを示唆する。回復した人の体内には新型肺炎に対する抗体(免疫)が出現しているはずである。即ち、不顕性感染の人たちは自然にワクチンを接種したのと同じことになる。

今、世界では新型肺炎に対するワクチンの開発が(日本も含めて)急ピッチで行われているが、さすがに今シーズンには間に合わないであろう。けれども、不顕性感染により免疫を獲得した人が社会の中に増えてゆけば集団免疫の効果も出てくる可能性がある。どうやらこのウィルスの感染で重症化するのは高齢者や糖尿病など基礎疾患を持つものに多いようである。社会としてはこれらの人たちを守る必要があるであろう。

老人ホームなど、高齢者の集まる施設では特に高齢者当事者やスタッフの手洗いの励行やマスク着用、多くの人が触れるドアノブや水道の蛇口の栓へのアルコール消毒などが推奨されるだろう。また、換気を適切に行うことも重要である。寒い時期なので暖房している施設でもきちんと空調などで換気を行って感染リスクを下げることが大切だろう。

(追記: ほとんどの施設管理者にとっては常識的な話である。要は実行である)

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