ボク払う人

これは無理である。既に社会で子供を育てようという提案はなされたことがあるけれど、日本の老人も若者も誰も賛成しなかった。

「子育て費用は子育て世代が出せ」が日本のコンセンサスである。

れいわの山本氏も消費減税を叫んでいるわけである。そのために生じる不足分を大量の国債発行で賄う(毎年20兆円である)というならば、さらにその上に子育て費用を捻出するのは困難であろう。子供を産んだのはその夫婦が悪い。その罰としてその夫婦が全部負担するのは当然ではないかということである。

祖父母世代だってもう孫の世話をする余裕などないであろう。核家族、個家族の時代である。祖父母の家族と子育て家族は別の家族である。

むしろ共同養育社会を考えているのは自民党、岸田首相であろう。彼は全くのデマで「増税メガネ」呼ばわりされたから増税で子育て費用を賄うという王道を封じられた。そのために保険に上乗せという変化球を投げざるを得なかったことには深く同情せざるを得ない。

無論、これにも既にマスコミを先頭に多くの反対がある。要はみんな金を払いたくないということである。

昨今の離婚後親権の議論を見ても、離婚後単独親権絶対維持派が騒ぎまくっている。離婚後、ひとり親が稼ぎ、育児を行うことはかなりの重い負担なのである。ひとり親調査でもシングルファーザーの収入が高いのは例えば育児を祖父母などと同居してアウトソーシングできるからである。それを一人でやることになったシングルファーザーには貧困に陥る事例があるわけである。

離婚って核家族でやるとそれだけ親の負担が大きくなる。

けれども離婚後単独親権絶対維持派にしてみれば子供は自分のものにしたいけれど、金が欲しいというジレンマに陥ることになる。

現状ではまだ保険への上乗せが行われていないので国もない袖は振れないということであろう。そうなるとシングルマザー団体やフェミニストさんは「離婚別居親が養育費を負担せよ」というわけである。

離婚裁判などでは別居親に養育費の支払いが求められるそうだがその額はシングルマザーさん達の満足する額ではない。もっとたくさん払え。別居親は生活できる最低限を残して他の財産を全部拠出せよ、というわけである。それなら半分養育するからと別居親が言っても彼女らはそんなの論外!別居親はひたすら金を出せというわけである。

病気で離職せざるを得なくなった別居親に対してそういうシングルマザーさんやフェミさんが「養育費を払いたくないから仮病を使って偽装離職したのだ!」と散々非難していたことも昔のツイッターでは見たことがある。離婚別居親は病気になることも禁止されているのである。

もう「ボク払う人。私使う人。」である。

かつて、ある食品メーカーが「私作る人、ボク食べる人」というコマーシャルを作って大問題になったことがある。女性に家事育児を押し付けるな。性役割分担を押し付けるなということである。

けれども男には家族を養う性役割、ひたすら金を出す役が押し付けられているというのが日本の現状である。

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