なんてあついシナリオブック【MIU404】

待ってました!シナリオブック!!

何度も叫んでいる気はしますが、私、脚本家の野木亜紀子さんが大好きなのです。
好きすぎて割と色々追いかけてますし、逃げ恥の時も勢いよくシナリオブックを購入しました。
野木さんのおかげで日本のドラマが面白い!と思えたし、どの作品も新しさと懐かしさ、そして深い世界観に愛がどっさり詰まっているのが本当に好きです。

そんな私が、心底好きだと叫んでしまうMIU404のシナリオブックが出ると知ったら。
ええ、買います。秒でポチりましたw


台本風カバー欲しさにTBS公式で買うという念の入れようw

1話から最終話である11話までの台本が、みっちり詰まっている本書。
割と驚くくらいの厚みで、見ただけで期待に胸が膨らみますw
ですが、見どころはそれだけじゃありません。

少しだけ、内容を書いてみます。
まずは劇中の音楽を担当されている得田真裕さんと、野木さんとの対談。
そもそも対談となれば、やはり相対するのは監督やプロデューサーなど、矢面に立ちがちな方が多い印象ですが。
今回は劇中音楽という、なかなか拝見することのない職種の方でした。
確かにドラマを見るには必要不可欠な劇中音楽、それ思わずはサウンドトラックを買ってしまうほど素敵な作品なのです。
個人的にはドラマ冒頭で流れる「志摩一未」、そしてタイトル曲でもある「MIU404」、あと「4機捜」「警視庁から各局」「伊吹藍」…

えーと、全部好きです。

「KEEP OUT」とか聴いただけで走っちゃいますよね。
もちろん瞬く間に息切れですけどw
そんな劇中音楽、どんな方がどうやって作られているのか、メチャクチャ興味津々でした。
連続ドラマってとにかくスケジュールがとんてもなくタイトなのです。
今回のMIU404だって初回放送時にはまだ台本も何冊かだけ完成している状況ですし、撮影も最終的には2020年8月上旬まで行われていましたし(ちなみに最終話は2020/9/4)、なんなら最終話の編集終わったのはたぶん放送の直前だった模様ですし(星野源ANN情報)w

ちなみにこの投稿日が9/4、放送当日です

ってことは。
劇中音楽というのはもっとずっと先に完成している訳で、それはすなわち「最終話を確認せずに作る」しかない訳なのです。
米津玄師さんの主題歌「感電」もそうでしたが。
まあ大まかなストーリーはあったとしても、それはもはや想像するしかない…という事です。
そんな神がかった音楽を作れるなんて、一体どんな方なのかと。

これ、本当に面白かったです。
劇中音楽の作り方はもちろんですが、その細かい作業の過程、ドラマ音楽の作曲家になるための方法、日常のトレーニング、リクエストやリテイク、そして最後にはその生態までw
どれも聞いたことのない話で、思わず一気読みしてしまいました。
個人的には野木さん×得田さんの対談のはずなのに、気がついたら普通に新井プロデューサーが加わっているのが大好きですw
最後には得田さん自身による楽曲解説も。

さらには、演出・塚原あゆ子さんとプロデューサー・新井順子さんと野木さんとの鼎談。
これはですね…もはや新事実の宝庫です!w
製作サイドの裏話がこれでもかと詰まっていて、正直どれを取り上げてもネタバレになりそうで怖いレベル。
というか、いきなり始まるのが「メロンパン号のもうひとつの分岐点」の話ですもの…これは衝撃の事実でした。
もともと中古車だったとか、エアコン壊れてるとかの話は各種インタビューなどで聞いていましたが…。
とにかく、メロンパン号好きならぜひ本書を買って欲しいです。
メロンパン号に更に愛着が湧くこと、間違いなし!です。

そして何よりも、この御三方の仲の良さ!

>>「あゆ子〜、さすがあゆ子〜!」
>>「いやいや、先輩、」
>>「じゅんこー!どこいったー!」←あとがきから

仕事では妥協を許さないプロ集団、けど人間としてお互いを尊重しつつ仲睦まじいのが本当に本当に頼もしいです。
このコンビネーションがあったからこその「MIU404」という作品だ!と改めて実感しました。
この御三方の雑談をただただ横で眺めていたいです。かなり本心ですw


そして、最後には野木さんのあとがきが。
いきなり始まる「脚本家を目指す人へのアドバイス」がもう愛ですよ、愛。
きっと後世の脚本家も読むであろう本書から、しっかりした情報を汲み取って欲しいという親心が見えてもう胸熱です。
台本のことだけでなくその経過、そして製作班のお仕事、監修の話まで、こちらも盛りだくさん!
野木さんの文章も大好きなので、結局最後までノンストップで読み進める結果になりましたw

そして、最後の野木さんの言葉に、少しだけ泣きました。
勝手なお願い、勝手に承りました。

おくづけのスタッフさんのお名前をひとつひとつ眺めながら、本当に素晴らしいドラマだったなあと改めて感じました。
このシナリオブックの厚みに負けないほどの、2020年のイチバン熱いドラマでした。
そしてMIU404は年始のドラマ再放送、そして円盤と楽しみはまだまだ続きます。
MIU404を傍らに、笑いながら進みますよ。

こんな夜も、明日を掴んで立つ。

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