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病院を建て替えるには(移転④)

こんにちは、とめごろーです。さて、移転シリーズも④まで進んできました。前回までで、患者移送カテゴリーについて説明を続けてきましたが、「カテゴリーはわかったけど具体的にどう減らしていくの?」が大きな課題です。

できるだけ移送患者を減らすことが、移転のことだけ考えると理想的です。しかし、病院の地域での役割や一つの経営事業体であることを考えると、患者ゼロの状態で数週間を過ごすのは不可能ですよね、患者さんも困ってしまいますし、経営としても大きな問題になります。

今回からは、移転間際の患者さんの減少について書かせていただきます。まずは、医療機器類の影響で減っていく患者さんです。

病院の規模にもよるので一概には言えない部分もありますが、移転する場合は患者さんだけではなく、「物」も運ぶことになります。ここは、普通のオフィスや家の引越しと同じですね。

ただ、病院の場合は、この「物」が多種多様にあります(この辺りは、別に書きたいと思っていますが)。中には、手術室内の機器や設備、CTやMRIなどなどの大型の放射線機器も移動させることになります(もちろん、「新病院はすべて新品を整備する」というのも考え方の一つです)。このような大型機器を移動させるとなると、搬送や稼働準備のために「機器が稼働しない期間」が生じます。現病院で解体→搬送→新病院で組み立て→機器の調整という手順が機器毎に起こります。機器によっては数週間に及ぶこともあります。

この稼働しない期間というのは、言い換えると「その機器類を使用する必要がある」患者さんの診察ができない期間になります。

この期間対策として、複数の機器の一つを「完全に移転が終わってから、後で移設」するような方法で、防ぐこともできます。しかし、それでも、全ての機器が稼働している状況からみると、診れる患者さんの上限が変わります。手術室の機器や設備類もしかりです。

このように、人の問題だけではなく、医療機器によって、病院の(量的な)診療機能が下がることもあるので、この影響で入院患者数が減ることになります。

手術に関しては、室内の機器や設備の移設もありますが、術後の安静期間を十分取る必要がある大きな手術(侵襲性が高い手術)は、移転前の2~3週間くらいは、現病院では予定を入れないことが一般的です。緊急でなければ新病院に移転してから手術する方が安心です。この手術機能の調整にによって、手術メインである外科系の入院患者数は減少します。

最後までお読みいただきありがとうございました。




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