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【喰う寝る映画】スゴいモン観た※ネタバレ無【THE FIRST SLAM DUNK】

ファン待望の……いや、
ファンからすれば
「……頼む……面白くあってくれ……!」
と祈り続けていた、
映画「THE FIRST SLAM DUNK」が公開!!

観てきましたよ……!

タイトルからでは、この感想が
ポジティブ記事か
ネガティブ記事か
ちょっとわからないので、
先にそれを書いておこう。

めちゃめちゃ面白かった!!!!!
よかった(安心)!!!!

この記事ではネタバレ無し!
事前に予告されていたこと以上の情報は無しで
感想を書いていこうと思います。

ちなみにネタバレ有りの記事はこちら。
すでに鑑賞された方はこちらもどうぞ。

では早速、
「THE FIRST SLAM DUNK」感想、
いってみよう!

■これは……何なんだ……!?

どんな映画なのかを簡単に説明する方法を思いつきました。
……って、この動画を見ている前提になってしまうのですが。

まだ私が大学1年生だった2009年。
ファンとしては驚愕&歓喜だった、この90秒のCM。
今でも時折見返すくらい、
胸躍る動画ですが……

この動画の
バスケシーンがグレードアップしたやつが
2時間あります。

◇とにかくバスケシーンがスゴイ

安直な言葉で恐縮なんだけど、
こう表現するしかない。
絵が生きてます。
もう、その一言に尽きます。

たぶん……世界にアニメーションが誕生して、
始めてアニメを観た人の感情に近いんじゃないか?
と、思えるくらい、
凄すぎて、
「な、なんだこれ……?」
の方に感情がシフト
してますね。

元々、原作者の井上雄彦先生の絵は、
「全てのコマが芸術」
と言われるくらい、
絵の技術がすさまじい方で、
神作画がベースのアニメーションであることが
生きている絵になっている理由の一つ
であるとはと思います。

だけど、それだけじゃない。
実際のバスケと同じスピード感
(モーションアクターを採り入れたようです)、
でも現実では不可能なカメラワーク
それでいて、原作を踏襲するかのような「決め絵」のアングル
スピードの緩急
SEや生身の息遣い……。

これは……何ですか?
アニメ? いやCGアニメ? 実写に近い?
少なくとも、これだけは言える。
絵が生きてます……。

◇CGっぽさ、が、無い。

観る前から懸念していた点として、
「CGアニメは生き物を描写するのが難しい」
というのがありました。

が、ここまで書いてきました通り、
CGっぽさは全然ない。全くない。
ちゃんと生き物になっているんです。絵が。CGが。
これも……すごいなぁ……。

今作と同じくモーションキャプチャーを採り入れ
リアルな人間を表現した
PS4のアドベンチャーゲーム
「デトロイト:ビカムヒューマン」
のメイキングで、開発者が、
「人間の外見をCGに起こすことはできる。
 難しいのは生きていると思わせること(大意)」

と話していました。

続けて開発者がおっしゃっていたのは、
「生きていると思わせるために、
 瞳の動きに力を入れた(大意)」
とお話されていまして。
なるほど納得。
確か、
瞳の動きはキャプチャーできない
って言ってた気がする。

映画SLAMDUNKでは、
バスケの動きにすっかり取り込まれてしまい、
細かい描写にまだまだ気付けていない
気がします。
汗のしたたり、
身体の微細な動き、
そして、瞳の動き。

もしこれから見る方がいらっしゃったら、
細かいところにも注目するといいかも。

……できるものならね!(笑)
それどころじゃないですから!

あの圧倒的なバスケシーンの迫力は!
バスケシーンの部分だけでも、
この映画を観る価値は十分にあります……!

■SLAMDUNKがより深く!

バスケシーン以外の話。

ネタバレにならないように書きますが、
原作では描かれなかった、
キャラクターのバックボーン
描かれます。

これも良かったですねー。
思えば
漫画版では、キャラクターの背景は
最低限の部分だけしか描かれていなくて、

それでも深みを出すのに十分なんですけど、
(桜木の父親が他界する回想は
 数ページしかないのに
 桜木自身の後悔と成長が見られる名場面。)
ページのボリュームとしては少ないんですよね。

今回はたっぷり、しかも重厚……、
原作を読み返すと意味合いが変わってくるような
ずっしりとした背景を見ることができました。

それでいて……
語り口が(基本的に)軽いんですよね!
ベタベタしてない。
感動させにきてない。

僕らが普段しているような日常会話だけで、
ふわっと匂わせて、
心情の読み取りは僕らに委ねている感じ。

井上先生のSLAMDUNK以降のテイストですね。
井上先生が監督なので、
そりゃそう、っちゃあそりゃそうなんですが、
スタッフも井上先生のイメージを
出来うるすべての力をもって
再現されたのだと思います。

この「軽い語り口」は漫画版には少なくて、
「リアル」「バガボンド」以降で顕著なので、
今作は「井上アップデート版SLAMDUNK」
と言ってもいいのかも
しれませんね。

■イマイチな点

ゲームでも映画でも
好きな作品でもイマイチな点は
書くようにしているので書きますが……
ウーム、難しい。。。
無ぇんだよなぁ(笑)

試合が途切れて日常編に戻る時に、
「ああ、もっとバスケ観たいのに!」
と思ったことがありましたが、
これはイマイチな点、とは
少し違う気がする。

強いて上げるとするならば……
原作必読、
な点かなぁ。

このキャラクターは何年生で
こういう経緯を得て
今バスケをしてます
って説明は全く無いので、
完全初見で観たら、
映像の凄さは伝わっても、
ドラマチックなシーンが
伝わりにくくはあるかも。

原作未読だと、映画の基本的な構成、
(序盤30分くらいで問題発生、
 真ん中で反転攻勢、
 ラスト30分でクライマックス)
ではないこともあってかなくてか、
(……そう感じたがどうだろう。
 そこは僕の汲み取りが下手かもだけど)
「今自分が物語のどのあたりにいるのか」
は、少し、わかりにくいかも。
……とはいえ、
バスケの試合は制限時間があるので、
ちゃんとわかるようになってるんだけどね!

他にもちょろっとあるんですけど、
ネタバレに抵触するのでここでは割愛!
ぜひ映画を観て、
「イマイチな点、確かに無いわ(笑)」
と感じて欲しいと思います。
あ、原作は読んでおいてね!

■イマイチではないが触れなくてはいけない話

声優さんの話もしておかないといけないですね。
今作の話題の中心、と言ってもいいですから。

旧アニメ版の声優さんが総入れ替えになりました。
結論から言うと、
「多少ノイズにはなるが、まったく問題無し!」
です。
2点、まとめます。

◇①「多少ノイズにはなるが」

なぜノイズになるかと言うと、
僕のようなSLAMDUNKドンピシャ世代は、
いっちばん多感な小中学生時代に触れた作品の声の記憶が、
脳内に刻み込まれているからです。

なので、
それを今更なかったものとして
ゼロから読み取る、
というのは、不可能です。
例え旧アニメ版の声が全くハマっていなかったとしても。

なので、今作のキャラクターのセリフを聞いて
「あ、声が違う」
と、一瞬ノイズが走ってしまうのは……
もう、仕方ない!どうにもなりません!
人間なら全員そうなります!
これは……もうそういうもんなんです!
起こるべくして起こるノイズです!

ですが。

◇②「まったく問題無し!」

説明不要、
まったく問題ないです。
作品の面白さに全く影響なく、
ばっちりハマっていました!

何人かの声優さんのコメントに
監督から「リアルに」「演技をしないで」
というリクエストがあった
とありましたが、
たしかにSLAMDUNKレベルのリアル調な作画に
声を合わせるのはすごく難しいだろうなぁ、と思います。
でも、それをやってのけた……!

結果として、すごくよかった。
上記にも散々書いた、
「絵が生きている」と
僕が感じた理由の一つであることに
間違いありません。

そんなわけで、
起こるべくして起こるノイズはあるものの、
声がハマっていて素晴らしかったです!

何より、
「声が違う!」という批判が出ることが
ある程度予想できたうえで
挑戦された声優の皆さんに敬意と感謝を……!
彼らを「生かして」くれて、ありがとう!

■まとめ

映画のパンフレットのインタビューに、

当初、僕らは原作の完全再現を目指しましたが、
監督(原作者である井上雄彦先生)は
「それは昔のことで、今ならこうですね」と、
さらに上を目指していた。

映画「THE FIRST SLAMDUNK」パンフレットより

という、演出宮原さんの言葉がありました。

まずファンとして、
周りのスタッフが根っこの部分で
『俺ならSLAMDUNKをこうアレンジするぜ!』ではなく、
完全に再現する心意気だったことが嬉しいです。
ええ、ええ。僕たちが観たいのはまさにそれですから。

その上で、
原作の井上先生が携わったことで、
スタッフ全員で、
原作を超えることを目指してくださった。

※補足ですが、演出の元田さん、
映画に出てくるバスケシーンは全て自分の体で再現し、
制作にフィードバックしたそうです。熱量ヤバない?

その結果……
ああ、桜木はこんなにもガッツがあったのか、
流川ってこんなに速かったんだ
宮城のドリブル、マジですげぇんだな
三井のシュートはこんなに美しかったのか
ゴリ、力強い……だけじゃなく巧いんだ……
という、
バスケを知らない僕が知ることができなかった
彼らのかっこいいところを、
肉厚に感じさせてくれました。
改めて漫画を読んだ時に、
今まで以上に熱くなれそうです。
……原作読みてぇ~~!
なんで実家に置いてきちゃったんだ!!(笑)

っていうかさ、

こんな映画作っちゃって、
今後のスポーツアニメ、
どうすんの!
井上雄彦先生の漫画に続き、
また、
「あ、これはもう勝てねえ……」
と思わせるアニメーションが
出来てしまったのではないでしょうか……。

今作では、続編の予定の発表はなし。

……やってくれ!
もう一回やってくれ!
もっと、もっと観たいぜ!

まだ観ていない方!
損はさせないんで
絶対に観に行きましょう!
後に歴史として語られる作品が
劇場で見られるチャンスかもよ?

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と、いうことで、
今日はここまで。

ネタバレ有り編感想もありますので、
そちらもよろしければ。

ここまで読んでいただき、ありがとうございました!

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