【聴講メモ】「発達障害」という診断の背後にあるものー子どもの発達障害はなぜ増えるのか

発達障害をめぐる製薬その他、不適切なビジネス拡大への警鐘。
我々が注意すべきこと。驚きと気づきが多い講演でした。

【聴講メモ】
テーマ:「発達障害」という診断の背後にあるものー子どもの発達障害はなぜ増えるのか
講師:米田倫康 市民の人権擁護の会日本支部代表世話役
https://select-type.com/ev/?ev=8PR3kbnlOAs

本編2時間、質疑応答1時間の部分メモです。本編はもっと内容の濃いものでした。

●医師の診断=意見を絶対視しない
医師・教師・保護者が、優劣関係ではなく、それぞれの立場では
専門家であるという観点で、自信と責任を持って考え、対処すべき。

●精神科診断基準は法律みたいなもの
診断結果は医師の一つの「意見」であり、絶対ではない。
相模原障害者施設襲撃事件の植松被告について、4人の精神科医が
7つの異なる病名をつけた。

●薬の科学についての事例
「うつ病はセロトニンレベルの低下により生じる」という説には十分な証拠がないという研究結果
https://gigazine.net/news/20220722-no-evidence-serotonin-theory/

●「正しい」ということ
科学的なものではなく、情報発信者にとってPR上の正しさ
に過ぎないことがある

●小中学生の8.8%が発達障害の可能性
・医師の診断ではなく、教師による調査回答に基づく
・初回調査は平成14年(2002年)
・「可能性」→間違ったイメージや不安を与える、不適切な表現
(関連)
通常の学級に在籍する特別な教育的支援を必要とする児童生徒に関する調査結果(令和4年)について
https://www.mext.go.jp/b_menu/houdou/2022/1421569_00005.htm

●過去の対処事例
文部省が昭和58年に発行した生徒指導資料では、登校拒否への対応で、
収容治療もあがっていた。
(参考)投影スライドの資料は見つけられず。以下、関連資料。
https://u-gakugei.repo.nii.ac.jp/?action=repository_action_common_download&item_id=24974&item_no=1&attribute_id=21&file_no=1

●補助金ビジネス
放課後デイなど、利用料補助のために診断を勧めるケースが問題

■以下、Q&Aコーナでの内容

・信頼できる医者と見極め
 医師が自分の限界を理解している
 診断や治療の方針
 診断に慎重
  すぐ診断、投薬しない 
 違和感を感じたらすぐ逃げる

・教員を責めたい訳じゃない(妹さんが現役教員をされている)
 この人数で合理的配慮ができるか 政治の問題
 教員に無理難題を押し付けているのは問題

・医師の診断と異なる対応を教師はできない
 (医師は支援級、教師は普通級が妥当 などの事例)
 している事例もある
 生徒の半数近くが薬を飲んでいる地域もある
 医師が絶対ではない

・保護者への対応
 薬が聴き過ぎていると思われるケースなど
 意見ではなく事実を伝えて
 セカンドオピニオンを提案する

・薬の副作用は、薬の名前と添付文書で検索できる

・薬を飲まないと登校不可 と言われるケースもあった
 支援級、普通級への移動時に検査が必要
 という明文化ルールはない
 法的根拠を求めた方が良い
 「根拠を見せろ」と言うと敵対関係を生む。
 「勉強不足で申し訳ありません。教えてください。」
 と言う対応方法が良い

・支援
 定のいい厄介払い
 見かけ上は支援に見える
 本当に必要な支援 と 支援ビジネス
 逆に状況を悪化させるケース

・発達障害の診断を受けるメリット・デメリットを把握する
 支援級に行くと、少し前までは、内申書がつかない、
 高校進学に支障が出るというケースが多かった

・脳波の検査で発達障害の診断は(現時点で)存在しない。
(参考)村中直人先生:
https://twitter.com/naoto_muranaka/status/1555106805621342208

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