【読書メモ】『教養としての量子物理』(Michael G. Raymer 著・ 占部 伸二 訳)

借りてきた新刊『教養としての量子物理』(Michael G. Raymer 著・ 占部 伸二 訳)
物理の専門家でない読者を対象に、数式を一切使わず、量子物理の基本的な考え方と最近の応用を易しく丁寧に紹介した一書。とあるけれど、そもそも量子の世界が深淵であることを思い知るばかり。まずは標準教科書で数式を追ってから、改めて読むと面白そうに思える。以下、拾い読みからメモ。
目次:https://www.kyoritsu-pub.co.jp/book/b10031711.html

⚫量子力学は本当は何を記述するのか?
ボルンの言葉:
「量子力学は客観的な外部世界の状況を記述するのではなく、外部世界の1つの断面を観測するための限定された実験配置記述するものである」
「我々の感覚の感じるものは・・・我々と独立に存在する外部世界からの暗示あるいは信号である」
p.43-44

⚫指導原理 #4
自然には「ユニタリな振る舞い」あるいは「ユニタリ過程」が存在する。それは、各々が明確な観測可能な結果をもつ、個々のステップに分離されることができない。古典物理ではこのような過程を、理解することができない。
p.68
→「ユニタリ変換」「ユニタリ行列」しか聞いたことが無いけれど、重要そうな概念だけど、検索しても出てこないぞ・・。

⚫「状態」という概念
古典的な記述:測定結果の集合
量子的な記述:基本的にランダムな、あるいは確率的なすべての可能な測定結果に対する確率の集合
p.88
→お経のように毎日唱えるのが良さそう。

⚫不確定性原理とは何か?
「粒子の位置と運動量を同時に正確に測定することはできない」
このいい方は正しいが、量子的粒子は測定される前には、位置あるいは運動量(すなわち速度)を【持たない】ということを心に留めておかなければならない。
(中略)
何かを測定するという過程は、測定過程の間に「決定される」特定の結果を引き出すことである。
p.111-112

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