【読書メモ】一度読んだら絶対に忘れない物理の教科書(池末翔太 著)

今日は、ゆっくり読書した。何十年も触れていない高校物理。
物理の5ジャンルについて、大事な基本は何かを丁寧に解説している。「力」ってこういうもの。「熱」って、「波動」って・・。初めて聞いたような気持ちになった。高校生当時は、説明を受けても不慣れで、受け取る余裕が無かったのかもしれない。教科書の説明とは、どう異なるのか。教科書と比較したい。が、手元に無い。
以下、今後勉強する時のために要点をメモ。主に自分用です。一度読んだだけじゃ、頭に入らないもの。(笑)

【読書メモ】
一度読んだら絶対に忘れない物理の教科書
池末翔太 著(2022/7/23発行)
https://www.amazon.co.jp/dp/4815615349

●第1章 力学
・古典力学において、力は「重力(場の力)」と「接触力」の2つだけ。 p.33
「重力(場の力)」は、物体が触れていなくてもはたらく。
「接触力」は、「くっついてはたらく力」。
弾性力、垂直抗力、摩擦力、張力、浮力など呼び名は様々。
・遠心力とは「グルグル回っている人」にしか感じることができない力。 p.80
 つまり、遠心力は「慣性力」。

※他書でも、等速円運動について、類似の記述があるのを見つけた。高校生の時にこういう捉え方ができていなかったような気がする。
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”加速度のあるところには力あり”が運動方程式 ma=Fの精神だ。
向心力というのは、新たな力の登場ではなく、物体に働く力の合力が
円の中心を向くという性質を表しているにすぎない。
『物理のエッセンス 力学・波動』(河合塾 浜島清利著)p.71
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・第一宇宙速度=地球スレスレを1周できる速度
・第二宇宙速度=地球から脱出する速度
・たてかけた棒のつり合いの式
 「時計回りのモーメント」=「反時計回りのモーメント」 p.105

●第2章 熱力学 
温度とは、構成分子の平均の運動エネルギー p.120
熱とは、「移っていくエネルギー」にすぎない p.121

熱力学の第一法則=エネルギー収支 p.130
「貰った熱量Qin」は「内部エネルギーΔU」と「外にする仕事Wout」に変換可能。
Qin=ΔU+Wout
30万円の給料(熱)のうち、10万円を貯金に回して(内部エネルギーの増加)、残りの20万円を買い物に使う(仕事)。という比喩が分かりやすい。

P-V図の面積が「気体のする仕事Wout」を示している p.132
定積変化、定圧変化、等温変化、断熱変化について、熱力学の第一法則がどのようになるかを考える。

定積変化
 Wout=0なので、貰った熱Qinは全て内部エネルギーΔUの増加に使われる
定圧変化
 仕事=Wout=PΔV=グラフの面積
 貰った熱Qinは内部エネルギーΔUの増加と仕事Woutにも使われる
等温変化
 温度Tが一定なので、PV=nRT=一定となり、圧力Pと体積Vは反比例
 内部エネルギーΔU=0なので、貰った熱Qinは全て仕事Woutに使われる
断熱変化
 貰った熱Qin=0なので、内部エネルギーΔUと仕事Woutは逆符号の関係。
 断熱圧縮→Woutがマイナス→ΔUプラス →温度上がる
 断熱膨張→Woutがプラス →ΔUマイナス→温度下がる

●第3章 波動 
波という現象も1粒ずつの力学粒子の動きとして考えられる。
「波という物体」があるのではなく、あくまで「波という現象」。
波とは「ある粒々」の振動が、タイミングがずれて伝わっていくことで初めて観測される「現象」です。
実際に動いているのは1粒1粒の「媒質」。それらがタイミングがずれて振動することで、あたかも私たちの目に「波が進んでいる」ように見えている。

波動現象は「力学的波動」と「電磁波(光)」の2つに大別される。 p.150
「力学的波動」では「力学粒子(ひもや音を構成する粒子)」の振動が波動の原因。「光」についても「何かしらの”力学的な媒質”」を前提にして現象を理解しようと試み、その媒質を「エーテル」と呼んだ。しかし、「エーテル」の存在は確認できなかった。そこで、「力学的波動」と「電磁波(光)」では、発生原理が異なる、という考えに至った。空間の性質である、「電場」と「磁場」という「空間が持っている性質」が振動する現象が「光」であると、現代物理学では理解されている。

「自由端反射」も「固定端反射」も波長、振幅、周期が等しい波になる。入射波と反射波の合成波は、必ず定常波を形成する。

●第4章 電磁気学
力:
 クーロン力F、電場E、F=qE
位置エネルギー:
 静電エネルギーU、電位V、U=qV
クーロンの法則や定義から、これら全ては導出される。 p.188

「場」とは”流れ”を表現する物理量 p.189
”流れ”のつくられ方は大きく2つ
・ある場所から「湧き出したり、吸い込まれたり」するようにつくられる
・ある場所のまわりに「グルグル取り囲む」ようにつくられる

「湧き出し、吸い込みの場」・・・div(ダイバージェンス);発散
「回転の場」・・・rot(ローテーション)

マクスウェル方程式 p.191
①電場は、正電荷から湧き出し、負電荷に吸い込まれる
②磁場は、N磁荷から湧き出し、S磁荷に吸い込まれる
③電場は、磁場の時間変化のまわりにグルグル取り囲む
④磁場は、電場の時間変化のまわりにグルグル取り囲む

※ポイントは「なぜ」ではなく、「こう考えると体系的にまとまる、だから人間はこれを電磁場の基本法則として受け入れている」という点です。
※「磁場の湧き出し、吸い込み」がある場合、それらを「磁荷」と呼ぶが現在まで人類は「磁荷」を発見できていない。

ガウスの法則・・・電気力線
電荷保存則
電流保存則(キルヒホッフの第1法則)
回路方程式(キルヒホッフの第2法則)
 電圧上昇=電圧降下・・・「上がった分、下がる」

電荷が磁場から受ける力=ローレンツ力
 ローレンツ力の向き:フレミングの左手の法則
電流が磁場から受ける力=アンペール力

電流がつくる磁場
 右ねじの法則(アンペールの法則)(右手の法則)

誘導電流、誘導電圧
コイルの電磁誘導
 磁場の変化を打ち消す磁場を(誘導電流を流して)作ってしまう。

●第5章 原子物理学
光電効果
アインシュタインの光量子仮説
光の2重性
物質の「波動性」
 電子の波動性を示す物質波(ド・ブロイ波)
ボーアの水素原子モデル
 量子条件
等価原理
 E=mc^2
核力=原子核内の陽子や中性子の核子同士を結合している力
強い力=クォークにはたらく力
 π中間子という素粒子が関係している
核分裂
 原子力発電、原子爆弾
核融合
 太陽:水素同士をくっつけてヘリウムをつくる反応
 水素爆弾
放射性物質=自然に放射線を出す不安定な物質
放射線=高エネルギーの粒子や電磁波(α線、β線、γ線など)
放射能=放射線を出す性質、能力

α崩壊=元となる原子核から、He原子が飛び出る現象
    この時、出るHe原子核をα線と呼ぶ
β崩壊=原子核内の陽子が中性子に変わる現象
    この時、同時に飛び出る電子をβ線と呼ぶ
    この時、エネルギー保存則や運動量保存則が破れているように見えたことから、ニュートリノの存在が予想され、カミオカンデで測された。
γ崩壊=原子核に変化はない。
    単に、エネルギーが高い状態から低い状態に移り変わる時に、そのエネルギーの変化分が電磁波(光)となって出てゆく現象

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