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「中園孔二 ソウルメイト」展(2023.6/17-9/18)をイシコさんと鑑賞。

丸亀市猪熊弦一郎現代美術館にて開催中の「中園孔二 ソウルメイト」展(2023.6/17-9/18)をイシコさんと鑑賞してまいりました。

確か、6月だったか、イシコさんと二人で「鴨居玲 -1983年2月3日、私」(高梁市成羽美術館)を鑑賞した際に、会場に置いてあった中園孔二さんの展覧会チラシを見かけました。
なんとなく気になり、満場一致で

「これ、なんか、気になるな。見に行くか。」

と、その場で次の予定を即決したという流れがありました。

不思議なもので、同じ油絵画家で、奇しくもお二人とももうこの世にはいらっしゃらないわけですが、展覧会鑑賞後に感じたイメージがこうも真逆に感じるものなのかと。

鴨居玲展鑑賞後は、イシコさんも私もしばらく無言状態で会場をあとにし、気持ちが海溝まで落ちまくっておりました。たまたま鑑賞したエジプト資料や化石モノチス等の博物館資料の素晴らしさに魅了され、沈んでいた気持ちが海溝から海面上にやっと浮上することができました。

一方、中園さんが残された膨大な作品群からは、どんなに暴力的で暗い絵であったとしても不思議と気持ちが下の方に引っ張られることがなく、寧ろ前向きな明るい気持ちにさせてくれたように感じました。

それは、ありとあらゆるイメージや景色、素材、表現方法など、ただただ”素直”に作品として落とし込み、ただただひたすらに描き続けてこられた”天才の証”のようでもありました。

同時に、天才が描き続けてきた作品群は、一見すると複雑そうに見えますが、根幹は至ってシンプルで、色々なものに影響されながらも作り続けてきた強みというか、力強さをそこかしこに感じたからかもしれません。

イシコさんが、絵を描くにあたって色々と理由付けをしたり説明っぽくなると作品の仕上がりがあざとくなってしまうことがあるそうで、実は最近そのことについて悩んでいたとのこと。

「中園さんの作品をみたら、なんか、そんなのもうどうでもよくなってきた。もっとシンプルでええんよな。絵を描くってああいうことなんよな。」

と、しみじみとおっしゃっていたのが印象的でした。

私は、どちらかというと画家になりたかったけどなれなかったタイプの人間なので、中園さんの作品をみて、ご本人の卓越したセンスと溢れる想像力、それらを体現することができる技術力に始終度肝を抜かれ、専門的なことはよくわからないけれど、これまでもこれからももっと作り続けていくんだ!という前向きさをひしひしと感じ、イシコさんの言葉を受けながら、心の底から、

「あぁ、天才の作品は、こうして人の心を救うんだな。」

と実感した次第です。

会期は残り2週間をきりましたが、とても素晴らしい展覧会でしたので、お時間のある方は是非ご覧になってみてはいかがでしょうか。

企画展「中園孔二 ソウルメイト」は、丸亀市猪熊弦一郎現代美術館にて、2023年9月18日(月/祝)迄の開催です。


中園孔二ソウルメイト展鑑賞後にパシャリ。
色々考えさせられるけど、天才の作品群に前向きな気持ちなれるよ!


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