見出し画像

研発投稿⑦『感覚と計算と遊びと(それって使えるの?)』

京都教育大学附属桃山小学校 研究発表会

令和6年2月22日(木)

[https://pay.f-regi.com/fc/kyokyo/council/momosho]

「長さ」の終盤。これまで、実際に体を動かしたり、ものを使ったりする活動を少しずつ抽象的にしていくことをイメージしながら子ども達と話し合いながら活動を進めていきました。

この時間は、長さの計算とこれまでの活動をつながればいいなと考えていました。

はじめに、「できるようになったこと」を聞きました。

長さの感覚が身についたり、長さを正確に測る方法がわかったりと、これまでをふり返っていました。次に、「長さの知識や技は、どんなことに使えるのか?」と問いました。グループで話し合う子ども達は、少し悩んでいるようでした。

将来の仕事に関わる考えや、日常生活に関わる考えなど、様々が出ていました。

配達物を詰める時に長さで値段が変わる話を持ち出してきた人もいました。

「いつもものさしを持っているわけではないけど、長さがわかるようになった」という発言を受けて、本当にできるかどうか、体で長さを測ってみました。

それぞれの感覚はまだバラバラであることがわかりました。

単元の最初が教室の大きさを測ろうだったので、縦と横の長さを選んで問題文のように書くと、2つの長さを足して、教室の大きさとしようというアイデアが出てきました。

『長さ(1)』でcmとmmの学習を終えている子ども達にとって、同じ単位どうしで計算することや。mをcmに直して計算することは同じように考えていました。

それに、これまでの長さを測る経験で、何度もたし算を繰り返し、単位換算もしていたので、十分理解できていました。さらに、たし算の習熟に向けて練習をしたいと考えました。

この時間の最後には、カードを使ったゲームをしました。

カードを一人に4枚配って、4枚で3mになる長さを書いてもらいました。

それらのカードをトランプの神経衰弱のように並べて、1枚ずつ引いていき、3mになった人が勝ちというゲームをしました。グループごとに何度か繰り返すと、余分に渡していたカードを使って、別の長さにしたり、枚数を変えたり、3mという設定を変えたり、ババ抜きのようにお互いのカードを取り合って決めた長さを集めたりしていました。

グループのメンバーに合わせて、難易度や楽しみ方を調整していました。遊びながら、引いた長さを足したり、「あと何cmで3mだ」と引き算したりを繰り返していました。ノートに書きながら計算すると時間のかかる人も、こうやってゲームをすると自然と計算できていたり、自然と教えあったりしていました。

ゲームを楽しくしようと、数値を複雑にしていくことで、計算の難易度が上がっていくことも、良い学びとなっていました。ふり返りに「ゲームをするときに、細かい長さの繰り上がりがわかっていないことに気づいて、友達に教えてもらった」ということを書いている人がいました。教科書やドリルの問題を解く時間も必要だと思いますが、このように遊びながら学ぶ時間では、困りが直接自分事になり、すぐに解決したくなり、そこに協力してくれる友達がいる。こんな学びも良いかなと。


板書

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?