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【表現評論】メモリーズオフ それから コアレビューその8 雅ルート6(終)【全作再プレイシリーズ】

●メモオフシリーズ、その他作品、様々なネタバレが含まれます。

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●雅ルートまとめ

雅師匠は高飛車で口が悪くて冷酷無比な女王様で上から目線で偉そうで上級国民でなぎなた部から総スカンくらってて嫌われもので木瀬が弱いから負けたと言い訳して世の中は全て偽りで出来ていると厨二病発症してお菓子は海原雄山なのに弁当はキッズ仕様で昔の女に嫉妬してピキって大観衆の前でキスするくらいになら死ぬ方がマシと言いながら全校生徒の前で抱き合った女です。

雅ルートは雅の成長物語ですね。雅師匠は上級丸出しの祖母、通称上級ババアに、本家のおっさん(38歳)へ差し出す生け贄として育てられてるので、かなり歪に育っています。あの方の望みはなんでも叶えなければならない、この世が偽りで出来ていると考えなければ到底耐えられない、などという発言もありました。これなぁ、考えようによってはつばめが受けたようなあれなのかもしれないけど、上級同士の婚約なので、そういう要素はないのかもしれない。相当上級ババアを恐れているので、ババアに対してトラウマ的な何かがあるのは間違いなさそうです。

弁当がキッズ仕様なんですが、そもそも雅はキッズなんですよね。わがまま放題、自己中心的、他人に配慮しない、ストレートに物を言う、厨二病患者、善悪二元論。そんなキッズが少し成長して、愛を知って、弱さを知って強くなる物語です。一蹴君との偽りの恋人生活を通して成長することで、自分の弱さを認め、自分自身を認め、わがままも減り、塩対応も減り、他人に配慮できるようになり、上級ババアにも反抗できるようになり、厨二病からも脱していくという、ハートフルストーリー。

まあそれはいいんですよ。最大の疑問は雅がいつ主人公を好きになったのかってことと、なぜ木瀬師匠の挑発に乗ってしまったのかってことです。

好感度が限りなくマックスハートになったのは、間違いなく降雪自転車送迎の日なわけですが、よくよく考えると、私の恋人になりなさいの時点でまあまあ気があったんじゃないかと思うんですよね。誰でもよかったというのは本当なのか。あの時点で気がなかったら、男の写真彼氏に見せたるでーなんていう挑発に乗る意味が全くわからんし。見られたくないってことじゃん。最初に上級ババアに遭遇したときにフォロー入れたことがありましたが、あれは結構効いたのかもしれない。木瀬が卑怯だからピキったという話はやや苦しい気がする。この謎はかなり考える余地がありますね。

雅ルートは本当にいい出来です。いまのところつばめや唯笑に並ぶほどの出来だと言っても過言ではない。浮き沈みがすごくよくできていて飽きさせないですし、雅もなかなかデレなくて見ごたえがありますし、いのりに振られるというストーリーの軸も最大限活用されていて、ボリュームの長大でした。最後には感動のクライマックスで一蹴君も男気を見せた。BGMも神。飛田関連がやや適当だったけど、それはご愛敬ということで。いのりルートへの伏線だからね。

このルートに関しては、シリーズ恒例の一番最後のまとめでもう一回深く考えてみたいと思います。

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