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【表現評論】メモリーズオフ それから コアレビューその7 雅ルート5【全作再プレイシリーズ】

●メモオフシリーズ、その他作品、様々なネタバレが含まれます。

⚫︎前回の記事

⚫︎伝統の二股男

いのりと雅に二股をかける男。厳密にいうと二股ではないが。雅と付き合うと言ったことは一度もない。多分。言ってないから許されるが通用するなら許される。あれ? 俺たち付き合ってんだっけ?

でもさぁ。この二股はしょうがないよ。伊波師匠とかショーゴパイセンとは訳がちがう。伊波師匠とパイセンも違うけど。純粋に二股かけようとしたのは伊波師匠だけ。ショーゴ君は微妙。一蹴は止むに止まれぬと言ってもいい。全てのタイミングが悪すぎて一蹴君が気の毒になってくる。というか主人公だけが悪いんじゃないんだよね。理由もなく振ってくるいのりも悪いし、許嫁を愛していますとか言って塩対応した師匠も悪い。登場人物全員瑕疵がある。

いのりと会っていても非常に気まずい雰囲気が流れる。いのりは完全に師匠のことに気づいているので、もはや別れる一歩手前です。お前が先に振ったのが悪いんだよぉ。と言いたいけど、それも一蹴君のためですからね。誰も悪くないのにみんな不幸になる。難しい。

上級ババアに監禁されて、なんとか電話してくる雅。いのりとデートの約束をした日に、駆け落ちを打診してきます。そんなご無体な。こっちは高校生やぞ。どっちを取ればいいんだよ。なぞなぞピアノお姉さんか、ツンデレ着物上級国民か。

いのりとデート中に雅とバッシングするという悲劇が起こり、絶体絶命の状況に陥った一蹴君。上級ババアはほーら、下級国民なんざ所詮この程度のものよ(言ってない)と言ってのけます。

「あれは『真実』だったのではないんですか!?」
「”信じていい”と。言ってくれたではないですか!」

メモリーズオフ それから

出した言葉には責任を持ちましょうね〜。一蹴くーん。と言わんばかりに師匠が攻めてきます。いのりの「一蹴を苦しめないで」と言う横槍で気力が削がれたのか、雅は敗北逃走していきました。やっぱり正妻が強いのか。

いのりと思い出の教会に行くシーン。

「また……ここで花火が見たいな」
「また……ここで一蹴とお弁当食べたいな」
中略
「一蹴を苦しめていたのは……わたしなんだね……」

メモリーズオフ それから

いのりを気持ちを考えると、本当に天国から地獄ですね。ようやく大好きな一蹴とよりを戻せた! 嬉しすぎる! からの〜、男にはすでに他の女がいたというね。しかも1ヶ月もないくらいで。流石に? 悲しすぎない? お前の愛はその程度だったのかと言いたくもなる。精神崩壊するで。

ここからバッドエンド祭り。どうやら勇気を持てという選択肢を選ばないといけなかったらしい。これを選ぶとわざと電車を乗り過ごしてデートをしようとする師匠を見れます。

と思ったらまたバッドエンド祭り。これ昔もなってた気がするわ。俺が好きなのはいのり……なんだ、ってめっちゃ見た気がする。ここで選択肢が出ないとノーマルエンド行き確定。バッドエンドではない。

⚫︎いのりとの別れ

ようやくグッドエンドルートに。いのりとはきっちり別れを告げます。これがまた悲しいんだ。一蹴君本気でどっちも好きだからね。選べないけど選ばなければならない。こういう話は今までなかったんじゃないか。カナタと音緒さんでグダっていたのとはだいぶ違う。ほたると巴でグダっていたのともだいぶ違う。

別れたと言ってもはいそうですか、となるはずもなく、師匠は駆け落ち場所に現れて、やはりこの世界は嘘! 嘘! 嘘だらけだ! と言って去っていきます。いのりとは別れてきたんだよ、と言い訳しますが、通用するはずもありません。それはそうよ。

⚫︎信の入れ知恵

上級ババアに門前払いにされて雅に会うことができず。どうやったら会えるんだと途方に暮れる中、信が卒業式には来るんじゃないの、と助言してきます。担任に確認してみると、上級ババアが完全シャットアウトモードで、卒業生代表挨拶の瞬間だけやってくるというオチに。

⚫︎木瀬歩

廊下ですれ違った木瀬さんの独白が始まります。嫌がらせしてほんまにすまんかったと。イヤイヤ許嫁と結婚するなんて知らなかったんですと。ほんまごめんなと。頭もいいし綺麗やしなんでも恵まれてる雅師匠に嫉妬しとったんやと。雅師匠は頭いいんか。浜咲基準で頭がいいとはどのくらいなのか。木瀬師匠は協力できることがあったらなんでも言ってやと。

⚫︎浜咲の伝説その2

卒業生代表答辞に現れる雅。答辞が終わった瞬間を見計らって一蹴君は突撃します。妨害する教師はなぎなた部が食い止めるという、どこかで見た展開。2ndの時はサッカー部が妨害してました。裏切られた師匠は、もう信じられないと取り付く島もありません。ここで全校生徒が見守る中、一蹴君の渾身の告白。

「雅が、好きなんだ!」
「信じて欲しい!」
「オレは、君を愛してる」

メモリーズオフ それから

卒業式に、教師の妨害を振り切って、全国生徒の前で、告白する。これはほたる超えたな。ほたる先生は所詮何げない授業の時間だったし。

「この涙の意味もわからないのですか……?」
「この……」
「愚か者……っ」
中略
「私も、あなたが、好きです」

メモリーズオフ それから

奇想天外の行動によって、無事一蹴君の想いが伝わり、見事ハッピーエンドとなりました。ここまでしないと師匠は落とせないのかよ。メモオフで一番ガードが固い女だろ。

「それじゃ、たった今から!」
「『本物の恋人』になろう!」
「ふふっ……」
「喜んで」

メモリーズオフ それから

ようやく本当の恋人になりましたと。めでたしめでたし。

まだ終わらないんだかこれが。次回まとめに入ります。

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