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【表現評論】メモリーズオフ2nd コアレビューその9 鷹乃ルート2(終)【全作再プレイシリーズ】

●メモオフシリーズ、その他作品、様々なネタバレが含まれます。

●前回の記事

●NTRと正論パンチ

謎の密告電話でほたると翔太が登波離橋で密会してるところを目撃するNTR展開。自業自得ですとしか言いようがない。NTRじゃなくて普通に話してるだけだと思うけど。電話の主は鷹乃の後輩。90年代っぽい眼鏡キャラの人です。攻略ヒロインじゃないのに立ち絵があるって初めてじゃないか。その後輩にも気分が悪いねとわざわざ言いに行く男。たまにはかっこいいところはないんか。鷹乃がなぜか練習を休んでいたので理由を聞きに行く主人公。なんだかんだで告白する流れになりますが、ほたると別れてもないのによく告白できるなお前、と一蹴されます。正論パンチすぎる。蓬莱の玉の枝を持ってきたら考えてやると言われて、主人公は何のことやらわかりません。かぐや姫の伏線きたな。とりあえず信に慰められてその日は終わります。

●ほたるとの別れ

ほたるは健ちゃんが好きだったけど、健ちゃんはそうじゃなかったんだよね、的な話です。そんな状況が辛いからもうお別れと。でもさ〜、これだけは健ちゃん悪くないんよ。1ミリも。伊波さんアンチ全日本代表の俺が言うんだから間違いない。ほたるもわかってて付き合い始めたわけだし。どんだけいい娘だろうが、客観的に見て申し分のない相手だろうが、その気になれるとは限らないのが難しいところ。ほたるがその状況に我慢できないなら、いずれは終わってたということですね。2時間遅刻とか人としてどうなのかと言いたい面は多いけど。翔太との関係も単に話をしてるだけで、主人公の思うような関係ではありませんでした。コンクール受かったらオーストリアに行くので、外形的に見るとこの辺で格下の男は切り捨てとくか、と見えてもおかしくはない。周りから見たらそんな風に見えそう。

●メモリーズオフ伝統の身勝手な父親

蒸発した鷹乃の父が急に登場。いきなり娘を連れて行こうとします。なぜみんな話し合わないのか。コミュニケーションをとってくれ。俺のところに来れば学費の心配なんていらないぞ、と金で釣る父親。いや、金だけ出せよ。今回は急すぎたのでまた来ると言って去ります。

●かぐや姫

部活に来なくなった鷹乃。後輩に鷹乃はスランプで一人で泳ぎたいから、市民プールにいると教えられて向かいますが、鷹乃は座り込んでいて泳いでいません。なぜか泳げなくなった鷹乃は、かぐや姫は元いた場所に帰るものだと言い始めます。お前はかぐや姫なのか。容姿に自信ネキきたな。冗談はともかく、主人公は、かぐや姫は泣いてるだけで何にもしなかったから帰る羽目になったんだよと名演説を始めます。足掻けと。結局主人公のことはスルーして鷹乃は帰宅します。なかなか手強いな。主人公は明日もプールで待つと宣言して終わります。

●主人公の男気?

朝からずっと待ってる主人公。鷹乃は20時ごろやってきます。何時間待ってたんだよ。2時間遅れとかいうレベルじゃないけど、まあこっちは勝手に待ってただけなんで。ここで鷹乃からスランプどころじゃなくて全く泳げなくなったことを聞かされます。例の過去の事故ですね。家の池で溺れて2週間意識不明になったようです。必死で母親を呼んだけど来なかったと。結局両親は別れて、母親は別の家庭を持ってるらしい。メモオフでは珍しく母親もクズパターンか? クズとか以前に、みんな母親は存在するのかってレベルで出てこないですからね。トラウマで話が通じない鷹乃に対して、主人公はプールの底に沈んで助けを待つという謎行動に走ります。泳げるようにする荒療治のようです。実際鷹乃はプールに突っ込んで主人公を助けているので水には入れるようになってるわけですが。死んでたらトラウマってレベルじゃねーぞ。しかもその時だけで、結局入れるようにはなってないという。珍しく一応男気? っぽいのを見せてるので加点ポイントです。主人公はお母さんにもきっと事情があったんだよと諭して、鷹乃に母親に会うことを勧めます。加点ポイントが増えてきたな。

●母親と父親

鷹乃と二人で母親に会いに行く主人公。叔父と叔母には隠されていたけど、実際溺れた鷹乃を最初に助けたのは母親だったとか。しかしその件で自分を責め続けて精神的におかしくなったようです。鷹乃の元から遠ざけて精神的な安定を保ってたところに、親身になってくれる別の男が現れて〜というオチ。父親の方は鷹乃を一人で育てるのは無理なので、鷹乃が18になるまでに力をつけて迎えにくると、叔父夫婦に預けたと。叔父夫婦は母方の血縁だから、全部父親が悪いと吹き込んで、事態の収集を図っていたとか。なんだろう。このコミュニケーション不足感。ちょっとしたコミュニケーション不足で、人間ってどこまでも拗れますよね。二人は鷹乃の母親に会いますが、母親の方は鷹乃ことは全く覚えていませんでした。その代わりに娘に鷹乃と名付けてます。その事実を見て鷹乃は号泣。わだかまりは解けて、すっかり泳げるようになりましたと。結局父親の元には戻りませんでした。父親のシーンはダイジェストで省略。この父親には少し同情する。娘のために頑張って、実際偉くなったようですが、コミュニケーション不足が敗因です。最後に浜辺でキスして終了。終わり側があっさりすぎないか?

●鷹乃ルートまとめ

なんか凄い尻切れとんぼでしたね。途中までは神ルートか? って感じで、実際トータルで考えても悪くはないんですが、最後らへんが全部ダイジェスト&カットになっています。巴ルートはあんだけしつこくやってたのに、なぜこっちはすぐに終わるのか。どうやら鷹乃は1軍キャラではないようです。2ndはほたる、つばめ、巴が1軍キャラっぽい。他はサブヒロイン。

全体的に鷹乃の心情変化を細かく描いているなという印象で、マイナスになったりプラスになったりマイナスになったりプラスになったりするところが見どころなんですが、最後にプラスに転じるところが雑というか、駆け足すぎて残念でした。そこがなければかなりいいシナリオでしたね。主人公も巴ルートよりは男気を見せるシーンが多かったです。恋愛ADVとしてはもうちょっと楽しげなシーンが欲しかったか。それっぽいのがファミレスで飯食ってるシーンくらいしかない。最後の好感度急上昇にまつわるイベントがもう少し欲しかった。そこされあればな〜。非常に惜しいシナリオでした。

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