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【表現評論】メモリーズオフ#5 とぎれたフィルム コアレビューその2 共通ルート2【全作再プレイシリーズ】
●メモオフシリーズ、その他作品、様々なネタバレが含まれます。
⚫︎前回の記事
⚫︎仙堂麻尋
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声優は井ノ上奈々さん。超気合いの全身CGで初登場。あすかと麻尋だけの特別待遇です。上半身はかなり露出してるけど、下はデニム。BGMが珍しくロックな感じです。シリーズでもトップレベルに悲しき過去をもつヒロイン。物忘れがひどく、外出する前に指差し確認を実施するとかいう設定だった気がする。カバンの中もごちゃごちゃしているので、基本的に整理整頓が出来ないタイプ。雄介の死に関わっているので、総スカン状態から登場します。特にあすかは憎しみマックス状態。こんだけ登場人物に嫌われたヒロインおるか? 雅師匠がいたわ。
物語は麻尋が雄介の台本を持ってきたところから急速に進んでいきます。この台本で映画を撮るというのが基本的な流れだったはず。お前ら台本持ってきたから映画取るぞ! 嫌? お前らそれでも雄介君の友達かよ! という感じで、偉そうに登場するんだけど、中身はポンコツなんだよね。そのギャップが魅力か。
⚫︎スカート短すぎ問題
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どうなってんだよ綾なんとか学院の風紀は。鬼クレーム入れるしかない。
プルルルル。ガチャ。
はい。綾園学院高等部事務室です。
ちょっと! 今日おたくの学生を拝見したんですが! 一体どうなってるんですか!
はぁ。どうとは一体。
綾園学院の風紀は一体どうなってるんですかと聞いているんです! あんなに足出して歩くなんて! はしたない! スカートが短すぎるんじゃないですか!
はぁ。
浜咲と澄空を見習ってくださいよ!
いや、浜咲も澄空も短いですよ。
え? そんなわけないでしょ!
いやいや、短いですって。澄空もだけど、特に浜咲。
そこまでいうなら確認してから……うん? 確かに短いな。いや、結構短いか。あ、いやすみません。澄空も浜咲も普通に短かったです。
だから言ったじゃないですか。思い込みでクレームやめてもらえます?
あ。はい。僕が悪かったです。この世界ではこのくらいの丈がデフォルトでした。はい。次からはきちんと確認します。はい。お騒がせして申し訳ありません。では失礼します。
ガチャ。ツーツー。
普通に負けました。
⚫︎雨宮瑞穂
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声優は佐久間レイさん。バイト先の面接で出会うバーガーワックの店長。ミッキーの奥さんだったはず。唯一無二の未亡人ヒロイン。グッドエンドだろうがバッドエンドだろうが悲惨なオチだったことだけは覚えてます。それ以外? うーん。あすかの恋の師匠らしい。恋の師匠って何。全然成功してないからダメ師匠なのでは。雅師匠といい、ほたる師匠といい、瑞穂師匠といい、この世界の師匠は怪しいぞ。それとも弟子が怪しいのか。バイトの面接は即採用でした。
⚫︎ストーカー系ヒロイン
映画作るって言うまで何度でも来るという麻尋さん。通報しました。もう映画作りなんて興味ねえんだよ! 雄介もいねえしよ! お前のせいでいなくなったんだよ! よくツラ出せたな! ふざけんなよ! てめえばかやろこのやろ! くらいは言ってもいいはず。実際麻尋に関わったおかげでそうなった側面はある。扉さんの基準で考えると、一生罪を背負って苦しまなければならないレベルはあるかもしれない。
⚫︎我流伝説4
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あすかが好きな格闘ゲーム。餓狼伝説をもじってるんでしょうが、出てくるのは豪鬼っぽいおっさんです。この時期一番流行ってたゲームなんでしょうね。ギルティギア(青リロ)とかメルティブラッドが流行ってた頃かな。主人公と修司をボコって、手を抜くなんて相手に失礼でしょ、などと格ゲー玄人っぽいことを言い出します。初心者狩りの文脈で聞くセリフ。
⚫︎毎日楽しく生きている
んだから、麻尋とかいう異分子はいらねえんだよ、というのが春人君の見解のようです。この楽しい日常が続けばいいと。雄介が亡くなってから1年間年代スキップしてるからこの辺の温度感が伝わりづらいけど、全員とんでもないダメージを負ったことは間違いなさそうです。この楽しい日常とやらも、雄介が亡くなってからいつぐらいに形成されたのかもわからないし。普通に考えて相当後でしょ。
⚫︎BGMに関して
メインテーマは別として、全体的にメモリーズオフというよりも、infinityシリーズっぽさを感じますね。メモリーズオフとしての楽曲はそれからで完成された感はあるので、あれ以上同じ方向性でやるべきことはなかったのかもしれない。あと、MUSICのあすかのBGMと麻尋のBGM、タイトル逆になってないですか。誰も気づかなそうなミス。
⚫︎美海の家庭教師
母親に頼まれて家庭教師をやることに。やっぱり従兄弟で合ってたらしい。部屋がなんとなく殺風景な感じで、理系の大学生のような部屋になっている。高校生女子とは思えない部屋。この声聞いてると裏表のなさそうな素敵な人が浮かんでくるんだよなぁ。イメージが強烈すぎる。めっちゃ勉強できるので家庭教師いらないやつでした。なーんで叔母さん呼んだんだよ。従兄弟がヒロインというのも初めてですかね。初めてというか唯一無二というか。未亡人とか従兄弟とか、意外と唯一無二系のヒロインが多い作品。ひたすら映画の話をして帰るという、家庭教師あるあるのような展開で帰宅しました。勉強なんてしなくていいんだよね。叔母さんもその目的じゃなさそうだし。ニーズに合わせた素晴らしい対応。
⚫︎河合邸と日名邸の距離
歩いて数分らしい。智也と唯笑くらいの距離かな。同性の幼馴染が死んだと考えると、春人の立場は唯笑の立場に近いですね。春人にとっての雄介と、唯笑にとっての彩花も、立ち位置的には似通ってる。そう考えると春人君のダメージもなんとなく想像できそうです。
⚫︎麻尋が怖い
と主張するあすか。あの人が兄さんを殺したのかもしれないと。まあ、そう思う方が自然ですよね。その辺を考慮せずにやってくる麻尋さんの方に問題があるんだけど、そんなに高性能な人間じゃないからね。麻尋さんも。どちらかといえば超絶不器用な人間です。生い立ちを考えると仕方ないのだが。
先輩はいなくならないですよね、と念押ししてくるあすか。兄の代わりの依存先に見えなくもない。他のバイトメンバーと話している様子もないという。唯一の友達は美海だけ。
⚫︎木瀬歩
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声優は白石涼子さん。浜咲出身の元なぎなた部部員。関西弁キャラです。雅師匠に嫌がらせしていた人でもあります。あれは師匠が悪いので、木瀬さん自体は普通の人です。なぜか#5で再登場。そんなに人気があったんですかね。相変わらず禁じられた非攻略ヒロインなわけですが。弟の世話をしている苦労人らしい。なぜ脚本家はこのキャラをCUM研に入れようと思ったのか。人気だったからなのか、木瀬師匠が適任だと思ったのか。はっきり物言う人なので、物語を進めるには最適な人材っぽくはあるけども。香月が連れてきたのは、間違いなく現状を前に進めるためです。
⚫︎香月のありがたいお言葉
「なあ、春人。止まったままでいることなんて、できないんだよ?」
略
「私達は、生きてるんだから」
これはそれからのテーマでもありましたね。一蹴君がのんちゃんに同じこと言ってたり、いのりが一蹴君に同じこと言ってたり。トラウマから前に進まなきゃならないのは、シリーズ全体を通したテーマかもしれません。
⚫︎ストーカーヒロイン再降臨
何回でも部室にくる女。この総スカン状態で何回も来れる精神力は凄い。今回は結構核心に踏み込んで質問します。雄介の死は本当に事故だったのか、という問いに対するやりとり。
「雄介くんが死んだのは……」
「私のせい」
略
「ふざけんなよっお前っ!」
「そんなんで、よくものうのうとここに来られたモンだな、ああっ!?」
略
「な、なんとでも言えば?」
「それでも私は、映画を作る。あなたたちがイヤだって言っても、絶対に作ってやる!」
私のせい、という言葉を、私が殺したと解釈してます。ファム・ファタルの中でも、雄介に対して殺すかもしれない、と発言している部分がありましたからね。あれを見たらそうなるのも無理はないが、あれは雄介を殺すかもしれないじゃないんだよな。お得意のミスリードきたね。
しかしよくここまでヒロインを憎ませるような展開にしようと考えたなと。一時的にとはいえ、思い切りすぎでしょ。その分あすかで中和しているのかもしれないけど。主人公の視点だと、完全は麻尋は悪者です。
翌日のやり取りでは、私は殺してないとフォローしてますが、逆効果だよね。肝心なところは言いたくない、で逃げるので、説得しようがない。麻尋さんも結構沸点が低いので、話し合いにならないという。CUM研、活動してないよね。あんたら何やってんの? などと煽りを入れてきます。雄介の映画作れよと。
「夢、なんであきらめるの!?」
略
「あきらめなければ、想い続けていれば……!」
「願いは、きっと叶うんだよ!」
略
「ははっ、こいつは傑作だ」
「だったら雄介を生き返らせてみせろよ」
あまりにも無慈悲なマジレス。ここまで酷いマジレスは見たことがない。麻尋の方も雄介が死んでダメージを負っているので、この詰問は相当キツい。
次回に続きます。
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