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【表現評論】メモリーズオフ初代(1st) コアレビューその6 詩音ルート(終)【全作プレイシリーズ】

シリーズ全般のネタバレが含まれます。

●前回の記事

●図書館で勉強辺りから

すいかとめてよ。水平リーベ僕の船。こんな語呂合わせ覚えさせるくらいなら、問題文に載せといてもらいたい。

●テスト終了

早速図書館に向かう主人公。手伝うことになったが、なぜか重そうな本だけ運ばされるというハメに。当の詩音さんは楽しそう。このシーンはどういう解釈をすればいいの。普通に仲良くなってきたから素が出てきているだけですかね。日本アンチだし、クラスメイトには塩対応だし、主人公をイジって楽しそうにしてるし、かおるや唯笑と違ってストレートな性格ではない。だがそこがいい。

●紅茶が不味い!

詩音さんの毒舌が炸裂。人に買って来てもらった紅茶にダメ出しですわ。まあ缶の紅茶だけど。帰らないだけ、カレーが辛くて帰る事件よりはマシか。言葉使いがたまにおかしくなるのはご愛嬌。敬語の方が無理している。あとこの辺りから声がだいぶ高くなってますね。主人公も自分が意識し始めていることに気づいている様子。詩音さんはどうなんですかね。まだ主人公ほどではなさそう。

●かきコオロギ

これってまだやってなかったんですね。ラムネチョークとかと同じで、てっきり去年の学祭でやったものだと勘違いしていた。過去の記憶は当てにならねぇ〜。

●誤った日本理解

侍はいるのか、とか参勤交代がなんたらとか。父親ともろくに会えない生活なので修正される機会もなさそう。でもこれも結構90年代的なシナリオですよね。現代だとネットで調べりゃわかるし、地図も見れるし。詩音のルートに入ってるからか、何気にみなもからの手紙を完全スルーする主人公。ルートに入ってねえキャラは知らねえんだよという熱いメッセージです。

●栗を拝借する

父親に栗ご飯を作るために栗を探索に行く主人公と詩音。親戚の所有物とはいえ、勝手に人の栗を持っていこうとしたところ、バレて逃亡。昨今のコンプラ的にはだいぶ怪しい行動だけど、まあ90年代だからね。全部それで解決。アホな行動に詩音も笑い出す。しかしまた呼び方が三上さんに戻ってるぞ。これはミスでしょ。この辺で詩音も結構主人公に傾いてる感じがある。

●休日の図書館

だいぶ打ち解けた感じに。1stはテストが終わると急に仲良くなるというセオリーがある。今度は急に智也さん呼びになっているけど、これは意図的かな。主人公は全く反応してないけど。彩花と間違えて気まずくなるという黄金パターンを駆使して物語は進む。評判の紅茶が美味しい店に連れていくが、詩音さんの点数は75点。缶の紅茶はー100点くらいかもしれない。彩花が死んだのは自分のせいなのに、こんなに楽しんでいていいのかと逡巡する主人公。サバイバーズギルドはこの作品のテーマでもあるけど、その解消は結構あっさり風味です。あまり過剰に重すぎないのがメモオフの味ですね。

●信の姉

余談だけど、信の姉って信にそっくりって設定じゃなかったっけ。似てるか?

その0より

このソースは1stでした。小説だったかなと思ったけど、しっかり原典です。一卵性か? と思うレベルで似てるとか。しかしT-waveを見ると大して似ていないよね。似てても困るんだけど。

●プリクラ

詩音が興味を示したのでプリクラを取る二人。この頃めっちゃ流行ってた気がしますね。今でもバリバリであるけど。まだ智也さん呼びで継続しているので、やはり意図的に変えたようです。この辺でCG連発してるけど、なぜゲーセンのシーンにここまで力を入れたのか。そんなに重要なのか。まあ重要か。週末デートに誘ってOKをもらう主人公。最初が塩対応なだけで、かおるよりもだいぶチョロい感じがしてきた。実はチョロイン説ある。八重さんなんか仲良くなるまで2年かかりますからね。同じ系統でもあっちの方がだいぶ手強い。

●詩音の過去話

北欧系のクォーター。クォーターは覚えてたけど、何系までは覚えておらず。北欧系と言っても広そうですけどね。もう完全にタメ語になってます。
大昔に日本語がうまく話せなかったことで、ガイジンといじめられて日本アンチになったという経緯です。クラスメイトだけじゃなくて父兄、先生もガイジンと呼んでたとか。そらアンチになるわ。いじめがストーリーに絡むキャラは詩音とノエルですかね。ノエルの方は過去じゃなくてリアルタイムなのでエグい内容でしたが。あっちの方はノエルの方にも問題があるだろ、みたいな話が混ざってたので、かなり突っ込んだ内容でしたね。それはイノサンフィーユの回で詳しく語るとして(一体いつになるのか)、こんな話をした時点で詩音は完全に主人公に心を開いてます。問題は彩花を引きずる主人公の方。

●Bygone days

Memories offと双璧をなすシリーズの伝統曲です。彩花が亡くなったシーンで流れますね。オリジナルだとバッドエンド曲だったかな。彩花との経緯を話した主人公は詩音が必要だと告げました。彩花よりも詩音を選んだ主人公。あーだこーだ考えても、事態を動かすのは行動です。詩音は返事は週末デートの時に伝えると言ってこの場は終了。しかし遊園地でデートのシーンなんてあったかな。

●セーブデータが少ない

50個しかないとかおかしくない。メモリーカードじゃないんだから、無限にできてもいいんじゃないですかね。

●待ちぼうけ

詩音さんはデートの場所に来ず。ずぶ濡れになった主人公は発熱してダウン。まあね。現代ならね、スマホでちょちょいのちょいだけどね。この時代連絡手段もないから。遊園地でデートするシーンがなかったという記憶は正しかった。

●転校

来れなかったのは父親の都合で転校するからというオチ。顔合わせんのも怖かったから行かなかったという手紙が届く。いやぁ。この理由は流石に? こっちはお陰で体調不良ですよ。でもこの時代の感覚だと、このくらい人を待たせるのも余裕であったかもしれないですね。全てを時代のせいにする。

●出発するところをなんとか捕まえる主人公

お前が必要だ! 行くんじゃねえ! という主張にあっさり同意する詩音さん。お互い抱き合ってるけど、これ父親の前でやってんのか、と思ったらいつの間にか消えていた父。めっちゃ空気読めますやん。父からかかってきた携帯電話で結局置いて行かれたことを知る。この時代携帯電話はあったんですね。一般人はPHSとかじゃなかったっけ。最後はキスして終了。父親は新しい女とよろしくやっているというオチ。

●詩音まとめ

大人気のキャラですけども、シナリオは記憶よりあっさりでしたね。普通に仲良くなって、過去を解決して、終わりという。浮き沈みがないというか。かおるは結構喧嘩してたから、浮き沈みは激しかったかもしれない。過去の解決方法も、ただ話し合って終わりみたいな感じで、アクションがないところがあっさり感を加速させているのかもしれません。家に来たりとか、映画に行くとか、そんなイベントもないですからね。もう少し美味しいイベントがあっても良さそうに思いました。ゲーセンがそれなんだろうけど。キャラ人気はキャラ造形に支えられているところが大きいんじゃないでしょうか。まず見た目の暴力で薙ぎ倒してくるし、主人公をいじってくるキャラという部分も、かおるとは微妙に違ってて唯一無二なんで、性格的にも面白いところが多い。クロエと同じような感じです。あっちは同棲するという、究極に美味しいイベントがあるんで、そういう意味では詩音+αになってます。まあね、見た目というのは、現実でも恋愛ADVでも究極の武器ですね。

●BADエンドまで回収するか

そこまでやらないですね。多分。あまりにも時間がかかりすぎて。♯5みたいにBADエンドが面白いみたいな作品もありますが。

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