相続登記義務化ついにすすむか?!
所有者不明の土地が問題となっています。
平成28年度の国都交通省の調査によると、全体の20%の土地が登記簿だけでは、所有者不明の状態。そのなかの66%が相続登記の未了だったとのこと。
土地の所有者がわからない結果、東日本大震災の復興事業が進まない、危険な空き家の取り壊しができない、公共事業や開発事業が進まない、農地の有効利用ができないなどなど・・・たくさんの社会問題が起こってしまいます。
問題は社会に対するものだけでなく、自分や自分の子孫にも大きな影響を及ぼします。
何十年も前に亡くなったひいおじいさん名義のままの不動産を処分したいというご相談をお受けしたことがありますが、その手続きたるや大変なこと!
戸籍などの書類を集めるたけで何か月もかかるほどの量
その後相続人となった20数名の皆さんに連絡し、同意を得る
全員に署名捺印をもらい、手続きに協力してもらう
なかには、音信不通の方、認知症の方、協力してくれない方がいたり・・・
思い返すだけで身震いがするような手続きでした・・・。
今年2月10日 相続登記義務化を盛り込んだ民法改正・不動産登記法改正案を法務相に答申
改正要綱では、亡くなった土地所有者の相続人に対し、取得を知ってから3年以内の登記申請を義務化。正当な理由なく怠れば10万円以下の過料を科すこととしました。
要するに、3年以内に相続登記をしなければ罰金ですよ ということですね。
一方、相続登記を簡単に、負担なくできるような施策や、条件を満たし10年分の管理費相当額を納めれば、不要な土地を国有地してくれる制度創設も盛り込まれています。
2023年の秋ごろには、改正法が施行され、相続登記の義務化がスタートする可能性が高そうです。
義務化というと国民に負担をかける法案にも見えますが、
結果として、当事者にとってものちに問題を残さずに済む、良い改正だと思っています。
簡単に相続登記ができるようになるのも素晴らしいこと。
司法書士の仕事も、ただ機械的に名義変更をするだけでは淘汰され、
将来のご家族の生活に寄り添い、心をケアしながら、相続全体サポートするという仕事が求められると感じています。