ガバナンス上最適な社外取締役人数、構成比は

コーポレートガバナンス・コードは、会社の持続的な成長と中長期的企業価値の向上のために、独立社外取締役(以下「社外取締役」)の活用を求めています。企業は、業種、事業規模・事業特性、機関設計、会社を取り巻く事業環境などを総合的に勘案して社外取締役の人数を決めるわけですが、プライム上場企業であれば少なくとも3分の1という選任要件を満たすとして、適切な社外取締役構成比率はどんなレベルなのでしょうか。

社外取締役の選任判断
基本的に、社外取締役は取締役会において自らの知見や経営経験に基づいて、率直、活発で建設的な貢献をすることが期待されています。筆頭社外取締役や経営陣とのコミュニケーションについても高い能力が求められます。また、社外取締役のスキルマトリックスが、企業としての中長期的成長貢献に資する高いレベルで整うことも必要です。単なる人数合わせではなく、社外取締役が最適な能力上の組み合わせで決まったときに、企業価値成長に資する取締役会が構成できることになります。

永続的な企業価値成長に向けた社外取締役への期待
企業の商品・サービス・事業のイノベーションを促すためには、多様な知見、経験、能力をそろえた経営陣に対して、多様で高度な能力の取締役会が実効性を発揮することが重要です。国際性、年齢、多様な経営経験を持つ社外取締役による取締役会が、活発な議論をして質の高い監督機能を発揮することを目指せば、社外取締役の数は相応に多くなるでしょう。

国際的に多様なビジネス展開を行い、激しい競争の中で成長を目指す企業ほど、イノベーション促進と経営監督を両立させるため、多様な社外取締役陣により構成された取締役会が必要です。つまり、望ましい社外取締役構成比の一般論的前提はなく、株主をはじめステークホルダーに対して中長期的な企業価値向上を促すための社外取締役の最適構成を希求し続けることが重要だ、と言えるのではないでしょうか。


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