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リサイクルのエコシステム創造

3つの資本に基づくサステナブルな企業経営
リサイクルはサステナブルなビジネスの核となるバリューチェーンだ。今日の経営は、財務資本・人的資本・自然資本の3つの資本(Capital)を最適活用し、3P(Pofit, People, Planet)を経営のボトムラインとして積極的に社会課題に取り組み利益を上げていく、という企業姿勢に立つというのが、欧米有力企業の一般的な認識である。日本企業に多い「エコはCSRの一環」という発想は、米国ではもはや主流ではない。もちろん、リサイクルに熱心な企業は、消費者へのアピール度が高くブランドイメージが良くなることは事実で、これは事業戦略上重要なコーポレートブランド戦略である。

利益をあげる技術的探究が肝要
上記のとおり3Pの一つは利益(Profit)である。リサイクルで利益を上げるための知恵は、動脈部門と静脈部門の技術陣がノウハウを持ち寄って創るものである。米国製紙大手のInternational Paperは自社グループにリサイクル部門を持ち、米国各地に回収網とリサイクル製品の開発製造拠点を置き、リサイクル事業を行っている。

企業提携を多く作り成功しているリサイクル会社
また、動脈企業と静脈企業の技術的連携例もある。小粒ながらも米国および世界21ヶ国で事業展開しているリサイクル会社であるテラサイクルはおもしろい。伊藤忠も優先株出資を行っているテラサイクルは順調に利益を上げている。やはり鍵となる競争優位性は、リサイクル材料で製品を創る技術力で、製造メーカーと協働しリサイクル品の商品化に成功している。ホワイトボードマーカーやペンのリサイクルと製品化にも実績があり、オフィス用品販売大手とも提携している。パッケージ関連では、飲料のパウチバッグのリサイクルにも秀でているようだ。また、髭剃りのジレットとも提携し刃先のリサイクルを手掛けるなど大手提携先を多数持つ創造性溢れる企業であり、収益力に優れているのもうなずける。

参考図書
テラサイクルの創業者は、2019年に『The Future of Packaging』を出版している。3Pボトムラインに基づく循環社会経営の最先端の経営者として名高いユニリーバのボール・ポールマンからも推薦書評を得ている。参考になれば幸いだ。

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