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コロナ回復期のオリエンテーリング業界

緊急事態宣言は解除されたが、どうにもすっきりしない。北九州では学校がクラスタになり、東京では夜の街で感染が広がっている。ちょっと気を抜けばまたいつ緊急事態宣言が再発されるかわからない。

専門家会議でも「殲滅」は難しいとの見解が出ているようで、しばらくの間常に残り香がくすぶり続ける中での生活を強いられる。

うちの業界の話をしよう。

こうなると難しいのは、大きな大会の計画だ。半年ほどかけて入念に準備してきた大会が、開催間近になって緊急事態宣言発令でおじゃんになる、ということは当然リスクとして考えないといけない。

また、仮に開催できたとしても、全日本やインカレなど魅力創出が難しいのも悩ましい。

感染防止対策を取る以上、大きな歓声や不特定多数との会話はやりにくい。選手が帰ってきても会場が静まり返っているインカレが見たいだろうか。久しぶりの再会なのによそよそしく会釈するだけのCC7に来たいだろうか

「ハレ」の舞台の魅力がなければモチベーションを維持するのもやはりむずかしくなるだろう。

また、大きな大会が企画しにくいと業界内の投資にも影響が出る。

1.大きな大会を企画する→2.大きな参加費収入を財源に広大な地図を作る→3.作った地図を遺産としてローカル大会や練習会・合宿に活用する。

この業界が営んできたエコシステムだ。しかし最初のステップができなくてはこのような投資が成り立たない。

ただ幸いにして、この業界は派手な演出が大してなくても愛好者を伸ばしてきたスポーツだ。加えて森の中の個人競技。他のスポーツと比べるとむしろ有利な点も多数ある。今だからこそできることを考えてみよう。

まずは「地元回帰」。全国から人を集めることを前提にするのではなく、近隣地区を商圏としたイベントの在り方だ。

オリエンテーリングはマニア化が進み過ぎていることは論を待たない。マニア化が進んでるからこそ魅力的なテレインで全国から人を集めて、という発想になる。全国から人を集めることが憚られる状況が続くのであれば、必然的に地域密着型の大会は重要になり、そのためには初心者層・ライト層に訴求できるイベントの在り方が問われることになる。

つぎに「非イベント型」。要するにパーマネントコースのように一定期間開設するするタイプの楽しみ方だ。そのためには設置撤収の手間と地元の協力が不可欠だが、特に前者についてIT技術によってかなりハードルが下がってきている。NaviTabiだ。設置せずに計時ができて他の人と競えるインフラができたことは大きな後押しになるだろう。

今のところCC7も全日本大会も開催するつもりで動いてはいる。しかし、世界的な流行を鑑みるに以前にように気兼ねなく活動できるのはだいぶ先になるだろう。とにかくできること、やれることを考えながら進んでいくしかない。


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