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大卒の人の英語より幼稚園児の日本語の方が流暢な理由

「10年」と聞いて、長いと感じるかあっという間に感じるかは人それぞれだと思います。

ですが、一般的な4年制大学を卒業した人が学校で英語を学習した最低期間と捉えるとどうでしょう。

そんなに長く勉強していたのか、と驚く人も多いのではないでしょうか。

皆さんが3~4歳の時の日本語力と、皆さんの現在の英語力、どちらの方が高いでしょうか。

悲しいかな、コミュニケーションの側面だけ見れば英語力の方が低いかも...という方も多いのではないかと思います。

たった3年の日本語と、10年以上の英語、獲得の仕方に大きな差があるのには、いくつかの理由があります。

大量のインプット

一つは、その言語に触れる量です。母語である日本語は、眠っているとき以外常に耳にしていると言っても過言ではありません。

このような大量のインプットにより、人間の脳は自然に文法を構築し、自由に使えるようになるのです。

大量のインプットの重要性は、母語に限らず、第二言語獲得の専門家も多くが同意しています。

使用の必要性

もう一つは、使用の必要性です。

自分の生活に欠かせない能力ほど、身に付きやすいことは容易に想像できます。周りの人が使っている言語を自分も使えるようにならなければコミュニケーションが取れません。

コミュニケーションの必要性から、人は母語を使おうと試行錯誤し、その経験により完成した大人の文法に近づいていきます。

これも第2言語獲得の理論として言われていることで、定期的に話したり書いたりする機会を持っている学習者ほど、その言語の力が付きやすいことが示されています。

臨界期

そしてもう一つ、臨界期も関係しています。

人間の能力には、身に付けるのに最適な期間があり、その期間のことを「臨界期」といいます。
臨界期を越えるとその能力を身に付けるのはとても困難になってしまいます。

子どもが言葉を覚えるのにも、臨界期があります。
狼に育てられた少女や、虐待を受け親から言葉をかけられずに育った少女が、
保護された後も言葉を覚えられなかったという有名な話があります。

言語習得のピークは12~13才という説があったり、16才以前でアメリカに移住した人はみな高い英語力を身に付けたのに、
17才以降で移住すると人によって英語力にばらつきが出るという研究があったりします。

発音に関してはもっと早く、5~6才頃だという説もあります。

母語にない音は、年を取ると正確に聞き分けたり、発音し分けたりするのが困難になるそうです。

英語力を身に付けるためのヒント

これらのことから、英語が堪能になるためのヒントが導かれます。

①英語を学習するときは、とにかくインプットを増やしましょう

②時々話したり書いたりするアウトプットの時間を課しましょう

③できれば早いうちから学習をはじめましょう

ということです。

もちろん、大人になってから英語を学習した人でも、海外で問題なくコミュニケーションを取れるようになっている人はたくさんいます。

これらの条件は絶対というわけではありませんが、学習効果を上げる効果は少なからずあると思いますので、意識してみると良いと思います。

日本語にも当てはまる

ちなみに、これらのことは日本語の習得にも当てはまります。

幼いうちから、いっぱい話しかけられて育った子どもは、高いコミュニケーション力や集中力が身に付きます。

子どもと一緒に過ごす時間の多い家族や先生が、子どもにいっぱい話しかけ、子どもの話をいっぱい聞いてあげることはとても大事なことだと思います。

小さなお子さんをお持ちのお父さん・お母さんも、忙しいとは思いますが、ぜひ日頃の生活の中で、子どもと言葉のやり取りをたくさんするよう心がけてみてください。

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