作品「長生き」



長生き
 
 
奈良は
まち自体が
あんまり歳をとりすぎて
ぼんやりしている
気がする
今は昔
都がどこかへ
遷ってからは
とくに何も望まず
なんとなく
過ごしてきた
それから
長生きしすぎて
うつら
うつら
眠ったような
まちになったのだろうと
僕は
ぼんやり思うのである
 
 
 
 
 
 
 
 


 
 
 
 
 
『言の森』(BOOKLORE)
『歩きながらはじまること』(七月堂)

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