「知らない人んち(仮)」第2話からのあらすじ案

疑ったことを申し訳なくなり、きいろは改めて3人に夕飯を用意すると宣言する。和室にもどってきたきいろに不意をつかれたジェミは、とっさに「ニゲテ」というメモと家族の絵を隠す。顔を引きつらせるジェミを落ち着かせるように、「……そ、それもアクさんのものなんですよね」と納得する素振りを見せるきいろ。だが、きいろの目は、絵の裏の「まなかきいろ」という文字を捉えていた。
見られてはいけないものを見られてしまったのではないかと疑う3人。一方、自分の名が記されていたことに動揺しつつ、平静を装うきいろ。4人はぎこちなく夕飯(カレーライス)のテーブルを囲むが、きいろはそこでアクの詐病を確信し、また、「暗室」の物音に気づく。
3人が油断した瞬間、2階に駆け上がるきいろ。きいろを阻止しようと追う3人。暗室から現れたのはきいろの父親を名乗る男だった。「私にはお父さんはいます!」と男を拒否しつつ、混乱するきいろ。「お父さん」の顔はすぐに思い浮かばず、浮かべようとすると、それは目の前の男の顔になってしまうのだ。
「だから言ったのよ」見かねたようにキャンが喋り出す。「でもこうでもしなければ我々の命が危なかったた」とアクが反論する。「どういうこと?」さらに混乱するきいろ。


 * * *


◎約20年前、男=きいろの父は、アルコール依存症とDVで妻たちに逃げられた。同情したきいろは父と住むことにしたが、激しいストレスから心の病に陥り、自分の家族についての記憶を封印してしまっていた。
◎その隙を埋めるように、アク、ジェミ、キャンの3人がきいろの家=まなか家に強引に居候を始めた。3人は宇宙人だった。故障した宇宙船が直るまでのあいだ、潜伏先が必要だった。
◎3人は、かりそめの社会生活を安全に送るため、きいろの父を「暗室」に閉じ込めた。
◎ペットのうさぎの死は、ジェミにショックを与えた。3人の星では人間以外の動物がほぼ絶滅していた。
◎3人は科学の力によって老化しない身体を手に入れていた。だが、容姿が変わらないまま、地球上で社会生活を送るには不都合なことが多すぎた。3人が星に帰らなければならないときが迫っていた。
◎3人は「家族とは何か」を知るために地球にやってきていた。3人の星では家族を形成しなくても社会を維持できるようになっていたため、すでに「家族」という概念自体を失っていた。だが、そのため種の存続も困難になりつつあった。
◎きいろとその父のつながりに「家族」を見出した3人は、地球を去ることにする。

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