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アコギ回顧録 Vol.50 「過去に所有したギター」

 ギターを道具(弾くもの、使うもの)として捉え、プレイヤーの視点から見た良いギターとはどのようなものか?その答えを追い求めて50年余り。所有したギター本数も3桁に届くぐらい?!
 その答えと言えるかどうかわかりませんが、過去~現在を振り返って自分なりの考え方をまとめてみようと思いました。アコギ好きの方、興味のある方にとって、少しでもお役に立つことができれば幸いです。

「過去に所有したギター」
 アコギ回顧録を書き始めてからずっと、昔のことを思い出すことにものすごく労力を費やしています。トータルした過去のギター所有台数が半端ではないので、思い出すのに苦労しています。それでも「一度思い出せるだけ思い出して、書き出してみよう。」、そう思って一生懸命過去の記憶をたどってみました。(たまに知り合いの方から「ギターを始めたいので、初心者向きのギターを探してほしい。」と言われることがあり、安くて使えるギターを買うことがあります。中古で1~2万円ぐらいのものですが、それだけでも10本ぐらいはあると思います。そのランクのギターは含めていません。)

 他人が買ったギターを羅列しても、投稿を読む立場からしたら全然面白くないかも?
そう思いながらも、自分の記録として書いておこうという気になりました。特に印象に残っているギターについては、何かしら書いて行こうと思います。
 
では行きます。(それぞれの名称の記載がバラバラです。読みにくいかもしれませんが、ご容赦ください。申し訳ありません。)

ギターを始める時に叔父に買ってもらった6,000円のガットギター
質屋で買った初めてのスチール弦ギター (7,000円でした)
初めてのメーカーもの、ヤマハFG-350(赤ラベル、1971年購入)
S.YAIRI YD-304(1972年購入,シリアル1000番台)
S.YAIRI YD-305(1980年代初期))
S.YAIRI YD-306(1976年製)
ヤマハL-31(ハカランダサイド・バック、1975年製)
ヤマハカスタムL-53(ハカランダサイド・バック、1977年製)
ヤマハカスタムL-54(メイプルサイド・バック、1978年製)
キャッツアイCE-2500(マーチンD-45モデル、ハカランダサイド・バック)
S.YAIRIカスタムD-45モデル(サイド・バックがハカランダでバックは2ピース。余談ですが、同じモデルを見たことがありません。D-45モデルは何本か見たことがありますが、ハカランダの45モデルでバックが2ピースのものはこれ以外見たことがありません。ポジションマークはヘキサゴンでした)
 
このグループで一番印象に残っているギターは、ヤマハカスタムL-53です。自分のヤマハ史上、ベストの個体でした。これ以外にもL―53を弾いたことがありますが、ぜんぜん違いました。どんなモデルでもそうですが、個体差はかなりあります。

次はヒロ・コーポレーションのオリジナルブランド、Fields(フィールズ)です。
 
Fields D-Cutaway(ホンジュラスマホガニーサイド・バック)
Fields D(ホンジュラスマホガニーサイド・バック)
Fields D(ハカランダサイド・バック 1996年製)
Fields FーRC(ハカランダサイド・バック 1996年製)
Fields MD-Cutaway(ハカランダサイド・バック 2008年製)
Fields D(ハカランダサイド・バック 1996年製)
Fields MD(Curly Mahogany 2021年製)

 Fieldsは、何といっても材質の良さが際立っています。木工技術もすばらしい。

Fields FーRC 1996

YAMAKI YM-1000 えぞ松、Jacaranda
 
Morris TF-Custom(D-45モデル、ハカランダサイド・バック)
Morris TF-LTD(2011)
 
以上、国産ギター編でした。(ここまでで20本)

まずはギブソン編
Jー200(1955)
Hummingbird(1961)、
Hummingbird(1963、Maple)
J―45(1957)、J-50(1952)、J-50(1957)
Hummingbird Custom KOA(2004)
(ここまで27本)

Hummingbird Custom KOA(2004)

ギブソンの中ではHummingbirdの1961年、1963年(メイプル)が特に印象深いです。唄モノの伴奏用のギターとしては最高です。

マーチン編です。時系列はバラバラです。
D-41(1972年)、D-28(1976)、
D-18(1951)、D-18(1966)、
D-28(1947 Convert to Pre War D-45)
D-28(1957 Convert to Pre War D-45)
D-28(1951)、D-28(1953 アディロンダックスプルース)、
D-28(1955)、D-28(1957)、
D-28(1958 アディロンダックスプルース)、D-28(1963)、
D-28(1964 Convert to Pre War Herringbone D-28)、
D-28(1968)、D-28(1969)、 D-28(1970)、D-28(1975)、D-28(1973)、D-28(1946  herringbone)、D-28(1950)
D-28(1968or1969 Convert to Pre War D-28)
D-35(1966)、D-35(1967)、D-35(1967)、D-35(1971)、D-35(1974)、D-35(1976)
D-41(1969)
D-45(1969)、D-45(1975)、D-45(1976)、
D-45LE(1987 サイド・バックはハカランダ)、
D-45(1989 サイド・バックはハカランダ)、
D-76(1976)
 ざっとこれぐらいかなと思います。残っている記録と記憶を頼りに書き出してみましたが、ひょっとしてもれているのがあるかもしれません。同じ年で2回書いてあるものがありますが、別々のギターです。間違っている訳ではありません。すべて一度はお金を払って所有したことがあるものです。 (ここまで60本)
 
この中でのマイフェバリットは、D-41(1969)です。サイド・バックがハカランダのものは31本しか生産されていませんので、レア度という点では戦前のD-45以上かもしれません。ジャーマンとハカランダでしか出せないサウンドでした。「マーチンが創りたかった41の音は、まさにこれなんや!」弾きながら、いつもそう思っていました。

D-41(1969) 何度か使った写真です。

 あとD-28では、なんといっても坂庭省悟さんの愛器(1951年製)ですね。音の太さ、レスポンスの良さ、バランス、すべてが高い次元でまとまっています。“弾きこむ”ということの意味を教えてくれたギターです。

坂庭省悟さんのD-28

国産ギター編、マーチン・ギブソン編ときて、次はその他のギター編。

その他のギター1 ギャラガー、サンタクルーズ

Gallagher G-70(1970年代前半)、
Gallagher G-50(1970年代前半)
Gallagher ドク・ワトソンカスタム(1990年代,アディロンダック、ハカランダ)
Gallagher カスタムG-72スペシャル(1978)
Gallagher GC-CUSTOM(2002)
(ここまで66本)

ギャラガーで一番印象に残っているのは、ハカランダのドク・ワトソンカスタム。これはとんでもない音でした。他にもサイド・バックがマホのドク・ワトソンシグネチャーモデルは何本か弾きましたが、「いいなっ!」と思った個体はありませんでした。

GC-CUSTOM(2002)

Santa Cruz トニーライス(1991 ジャーマン、ハカランダ)
Santa Cruz トニーライス(1991 ジャーマン、ハカランダ)
Santa Cruz トニーライス(1989 シトカ、ハカランダ)
Santa Cruz トニーライス(1988 シトカ、ローズウッド)
Santa Cruz トニーライス・プロ(1998 ジャーマン、ハカランダ)
Santa Cruz D(1986 ジャーマン、ハカランダ)
Santa Cruz D(1989 ジャーマン、ハカランダ)
Santa Cruz OOO(1986 ジャーマン、ハカランダ、シリアルNo3)
Santa Cruz D-KOA(1979)
Santa Cruz H-KOA(1986)
Santa Cruz F(1993) 
Santa Cruz H-KOA No.42(1987)
Santa Cruz D-KOA D-151(1985)
Santa Cruz F(1998 セダー、マホガニー)
Santa Cruz D-Custom 45(1996 ジャーマン、ハカランダ)
Santa Cruz トニーライス(1995 シトカ、ハカランダ)
Santa Cruz Vintage Artist D(1997)
Santa Cruz Vintage Jumbo(2000)
Santa Cruz D-Custom Mahogany(1999)
Santa Cruz D-Pre War(2008)
(ここまで86本)

D-Pre War(2008)

サンタクルーズはすごく好きなメーカーです。
ヤマハの大失敗でかなりの数が叩き売られ、一時は中古価格がバカ安でした。アメリカでの価格や、70年代から高い評価を受けていたことを知っていたので、せっせと集めていた時期があります。今でも5本所有しています。

Guild 
D-55SB(1973)、D-55(1977)、 
D-55SB(1968、初年度モノ。たしかこの年の製作本数は8本でした。もちろんサイド・バックはハカランダ。) 
D-55SB(1973)
D-50(1970年代、手元に記録が残っていません。)
D-40(1972)、D-40(1972)、D-40(1972)、
D-40(1976)、D-40(2002)、
(ここまで96本)

ギルドも好きなメーカーです。比較的リーズナブルな価格(特に中古は)で、買いやすいのではないかと思います。良いギターもたくさん見てきましたが、突出した(とんでもなく鳴る)個体には、まだ巡り合えていません。

マーチン、ギブソン、ギャラガー、サンタクルーズ、ギルド以外のギター達

Mossman Frint Hills(1975)、Mossman Southwind(1977)
 モスマンは70年代に話題になったギターです。最上位機種のゴールデンエラは当時マーチンD-45より高額でした。どちらも今は手元にありません。 
(ここまで98本)

Epiphone Texan(1959)
 このテキサンは過去に自分が弾いたことのあるラウンドショルダーのギブソン系ギターの中で、最高に鳴っている1本でした。親しくしていた黒澤楽器本店の店員さんに売ってほしいと言われ(当時黒澤楽器本店にはギブソンのマホ系オールドが常に20~30本あったと記憶しています。それらのギターとは明らかに違うものすごい音でした。)、彼に譲りました。彼はこのギターを入手後、それまで所有していた他のギターは全て売却したそうです。
 またマーチン・サンタクルーズのリペアーをしていた別の友人も「何でこんなに鳴るのかなー?」と言いながらよくサウンドホールを覗き込んでいました。今に至るまでこのギターよりインパクトのあったギブソン系のギターはありません。

Lo Prinzi LR-15(1970年代)
 これも70年代に少し話題になったギターです。知っている人は少ないと思いますが、アメリカでは良質のギターとして知られていました。アメリカのギターショップのホームページなどでは、今でもときどき見かけます。 
(ここまで100本)


テイラー
Taylor 710(1988)
Taylor 810-LTD(1997)
Taylor 710(1993)
Taylor 510(1997)
 現在ではその名を知らない人はいないぐらいビッグなメーカーになってしまったテイラー。マーチン、ギブソンと肩を並べるほど有名になってしまいましたが、当初は価格がリーズナブルであること以外これと言って特徴はなかったように思います。特別サウンドにインパクトのある個体には巡り合えませんでした。しかし、なんといってもその弾き易さは特筆ものです。
(ここまで104本)

グレーベン
Greven D-Maple(1980)
Greven D-White Lady(1978 ジャーマン、ハカランダ)
Greven D-herringbone DX(1993 シトカ、ニューハカランダ)
Greven F-herringbone DX(1980 シトカ、ハカランダ)
Greven J-herringbone DX(1998 エンゲルマン、ローズ) 
Greven J-herringbone DX(1980 シトカ、メイプル)
Greven D-herringbone DX Cutaway(2007 シトカ、メイプル)
 押尾(コータロー)君が使っていることで一気に人気に火がついたグレーベン。初めて手に入れたのは約30年前、1978年製のホワイトレディでした。そのサウンドには色気があり、本当に「木」の音がすると感じることができます。自分が知っているGREVENの中では最高のギターです。日本に正式に輸入された第1号で、使用されている材の良さも特筆ものでした。

D-White Lady 1978

(ここまで111本)

 あとErvin Somogyiも所有していますが、現在は下記の1本のみです。一番多い時は同時に6本所有していました。過去に所有したのは全部で10本です。M.D. Cutaway No.229(1999 ジャーマン インドローズ)
 
過去に所有していたErvin Somogyi
M.D. Cutaway(1986 ジャーマン ハカランダ)
D. Cutaway(1987 シトカ ハカランダ)
M.D. Cutaway(1993 ジャーマン ハカランダ)
M.D(1993 ジャーマン ハカランダ)
OM Cutaway(1998 ジャーマン ハカランダ)
M.D. Cutaway(1999 ジャーマン インディアンローズ)
M.D. Cutaway(1999 ジャーマン ハカランダ)
M.D. Cutaway(1993 ジャーマン キルトマホ)
OO Cutaway(2001 ジャーマン キルトマホ)
M.D. Cutaway(1995 ジャーマン インディアンローズ)
(ここまで121本)

M.D. Cutaway 1999年 インディアンローズ 鳴ります!

 過去の自分のギター、忘れているのがありました。
マーチンD-12-35 1969(12弦ギターです。もちろんサイドとバックはハカランダ)ボディが大きかったこともあり、すごくパワーがありました。このギターを弾いた後はどんなギターを弾いても頼りなく感じてしまうほどでした。
 
Bourgeois D-150 Custom(レッドスプルース ハカランダ)
あまり印象に残っていません。

Jeff Robartson Dー20R(シトカ、ローズウッド)
アメリカのハンドメイドギターです。日本ではほとんど見かけませんが、比較的リーズナブルで良いギターです。ある程度音の芯は太く、繊細さも併せ持っていました。

(124本)
 
 頑張って思い出してみましたが、絶対に数本は忘れていると思っています。覚えていないということは、それほどたいしたギターではないのでしょう。特に問題はないと思います。ええ加減な話ですみません。

 拙い文章をお読みいただき、誠に有難うございます。皆様の感想、ご意見をお聞かせください。 またアコギに関する相談等がございましたら、どんなことでもOKです。遠慮なくお尋ねください。
宛先 e-mail:mail@acogian.com または twitter(@acogibucho)にお願いします。

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