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「弾いていただきたいギター その⑧Santa Cruz D-Custom Mahogany(1999)」「バブルはいつまで?」

 「終活ギター アコギ庵」です。
 アコギ一筋54年。アコギの終活をやろうというオッサンが、《何かアコギ好きのためにできることはないか?》というところからスタートしました。アコギ好きのための”Support and Assist”を目標に、何かしらお役にたてることがあればいいなと思っています。

 アコギ庵の目的の一つに、出来るだけたくさんの方に自分のギターを弾いてもらおうということがあります。MARTINのヴィンテージやSOMOGYI、GREVEN、FIELDSなどそう簡単には弾けないであろうというギターがいくつかあります。それ以外にもジャパンヴィンテージやGUILD、TAYLORなどもあります。まずは写真でお楽しみいただき、興味を持たれたギターは是非弾きに来てください。

「弾いていただきたいギター
 その⑧Santa Cruz D-Custom Mahogany(1999)」
 今回は、長く続いているサイド・バックがマホガニーのギターシリーズの続きです。ギターはSanta Cruz D-Custom Mahogany 1999年製です。
 弾いていただきたいギター その⑥で紹介したVintage Jumboとはだいぶキャラが違うサウンドです。トップはアディロンダックスプルース、サイド・バックはホンジュラスマホガニー。個人的な感想ですが、鳴り方はかなりマーチン(Dー18)に近いような印象です。マーチン特有の音の回り込みは少なく、「D-18よりクリアーで洗練された鳴り。」と言えばわかりやすいかなと思います。ネックは幅も太さ(厚み)もあります。(ナット付近で44.98mm)ネックもサウンドを構成する大きな要素なので、ある程度影響があるかもしれません。

アディロンのトップ、木目がきれいです。
ヘッドの突板はハカランダっぽいですね。
小さめなドットのポジションマーク、アバロンです。


 以前にも回顧録の中で書いたと思いますが、Santa Cruzは日本では営業的には成功していませんでした。1990年にYAMAHAが代理店契約を結び日本での販売を始めましたが、惨憺たる結果でした。代理店契約もすぐに終わったようです。そして、大量に残った在庫を安価で放出したという噂がありました。(ウラを取っていないので断定はできませんが、たぶんそうだったんだろうなと思っています、)そのせいで中古価格が大幅に下がってしまったようです。アメリカの価格をずっと見ていた私からすれば、信じられないと言ってもよいほどの価格で売られていました。YAMAHAと代理店契約を結んだことで、急激に製作本数が増えました。(年間30本程度 → 数百本。桁が一つ上がったぐらいです。)これによってクオリティが下がってしまったことも否めません。

 そんなSant Cruzでしたが、最近は日本でのイメージもだいぶ良くなってきたようです。その分価格も上昇していますが・・・。まあ価格については、何もかも上昇中!という感じなので、あきらめるしかないですけどね。
 ちなみにアメリカの店で、このギターとよく似たモデルが出ていました。


「バブルはいつまで?」
 ヴィンテージの世界、相変わらずバブってますね。エレキに詳しい友人に聞いたら、「エレキの世界はもっと凄いことになってる。」とのことでした。どこまで行くのか?ホンマにすごいことになってきました。しかしながら、あまりにも現実とかけ離れた価格になれば(買える人が極端に減り)マーケット自体が壊れてしまいます。「その時がチャンス」ということもできますが、必ずそれが起こるとも言えません。とにもかくにも、「ヴィンテージを安易に人に勧めることができなくなった。」ことは確かです。少し前までなら、相談された時「もしも手が届くなら、多少無理をしても、買えるなら絶対に買った方が良いよ。」と答えていました。最近では「もうそんなセリフは言えないよな。」という雰囲気です。

 とはいうものの、アメリカやヨーロッパの市場と比べると日本の相場はまだまだ安いと言わざるを得ません。最近極端に市場にタマが少なくなってきたのは、海外から買いが入ってきているのではないか?そんな気がしています。売ろうとしている人の立場になって考えたら、こんなペースで価格が変わって行ったらメチャクチャ売り時が難しいですよね。

 最近見つけたアメリカのショップから2本

1ドル=130円換算で、Dー28が 3,900,000円
D-18が 1,625,000円  参った!!

 拙い文章をお読みいただき、誠に有難うございます。皆様の感想、ご意見をお聞かせください。 またアコギに関する相談等がございましたら、どんなことでもOKです。遠慮なくお尋ねください。
宛先 e-mail:mail@acogian.com または twitter(@acogibucho)にお願いします。

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