2024年5月14日 参議院法務委員会 (民法改正案)
佐々木さやか議長
ただいまから法務委員会を開会いたします。委員の異動についてご報告いたします。昨日までに嘉田由紀子さんが委員を辞任され、その補欠として清水貴之さんが選任されました。また本日、仁比そうへいさんが委員を辞任され、その補欠として山添卓さんが選任されました。
政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。民法等の一部を改正する法律案の審議本日の委員会に理事会協議の通り、法務省民事局長竹内努さん他8名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することにご異議ございませんか。
ご異議ないと認め、さよう決定いたします。民法等の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。質疑のある方は順次ご発言願います。
古庄玄知議員(自由民主党)
こんにちは自民党の古庄です。前回に続きまして質問させていただきたいと思います。
今回は、共同親権離婚後合意がない場合にも裁判所の判断で共同親権を認めるというか共同親権を認定するというか、そういう場合があるというのが大きな問題となっております。まず局長の方にお伺いしたいんですけれども、共同親権にするかせんかというところで、子供の奪い合いというのが大きくクローズアップされております。
共同親権にすれば、子供の奪い合い、子供を連れて、今住んでるところから外に飛び出すというふうな事案というのは減るんでしょうか? それとも、わからんという答えになるんでしょうか? その辺は局長のお答えをいただきたいと思います。
竹内民事局長
お答えいたします。いわゆる離婚後単独親権制度を採用している現行民法下におきましては親権争いを自己に有利に進めるという目的で連れ去っているのではないかとの指摘がされているものと認識をしております。
本改正案は、父母の離婚後もその双方を親権者とすることができることとした他、この子に関する権利の行使に関し、父母が互いに人格を尊重し、協力しなければならないことを明確化しており、ご指摘の問題の改善に資するものであると考えております。
古庄玄知議員
すいません。わかりやすく言ってもらえませんか。ちょっと抽象的でよくわかりませんでした。
竹内民事局長
委員ご指摘の子供の奪い合いという中身にもよるのかと思いますが、現行民法下では離婚後は単独親権ということになりますので、その親権争いを自己に有利に進めるという目的で連れ去っているのではないかという指摘があるというふうな認識をしております。
本改正案でございますが、離婚後も父母の離婚後もその双方、親権者とすることができるということにしておりますので、その親権争いを有利に進めるという目的で奪い合う連れ去るというようなことについては一定の効果が見込めるのではないかと考えておるということでございます。
古庄玄知議員
そうすると法務省とすれば、この共同親権を導入することによって、子供を連れて出ていくということは減ってくるだろうという推測だと、そういうふうに推測してると。そういうふうな理解でよろしいですね。
竹内民事局長
ご指摘のようなその子の連れ去りと言われる事案につきましてはいろいろな事情があるとは思いますが、今、本改正案ということで考えますと、父母の双方親権者とすることができるという仕組みになっておりますので、その親権争いを有利に進めるという目的でのこの奪い合いという事案には一定の効果があるのではないかと考えております。
古庄玄知議員
今の法務省の考え方ということを理解いたしましたが、今度は親子交流についてお伺いしたいと思います。実は私は取り扱った案件で、母親が単独親権を持ってて、6歳、5歳ぐらいかな、ちっちゃい男の子を追うの母親が親権者だったんですけれども、父親に会わせないという案件がありまして、うちの事務所に来て、母親が何とかちゃんあんたパパに会いたくないねって言ったら、子供の方がパパに会いたくないという返事をする。裁判所に子供さんだけ連れていって、パパとそのおじいちゃんおばあちゃんがいる。
その面会交流室というところに連れて行ったら、もう本当子供がそのパパに飛びついてですね。それを後ろからそのじいちゃんばあちゃんが見てて涙を流していると、そういうシーンを私見たことがあります。
だからやはりこの親子交流、これ仮に親権があろうとなかろうと、親子の交流というのは、これは途切れさせてはいけないなというのが私の個人的な意見なんですけれども、これ共同親権を導入すれば、親子交流というのは必ず実施されるのか。
それも今と同じように人によって交流をさせないというそういう場面もあるのか、この辺について法務省はどういうご見解でしょうか?
竹内民事局長
お答えいたします。父母の離婚後のこと別居親との親子交流は親権の行使として行われるものではなく、別居親の親権の有無と親子交流の頻度や方法等は別の問題として捉える必要がございます。
そのため、別居親が親権者であることのみを理由として、親子交流が必ず実現されるとは限りません。親子交流の頻度や方法につきましては子の利益を最も優先して考慮して定めるべきであると考えております。
古庄玄知議員
そうすると共同親権にしたからといって、親子交流が必ず実現されるというそこまでは考えられないよと。こういうご見解だというふうに認識認識いたしました。もう1個質問ですけれども、現実に離婚する場合は、どう仮に共同親権があろうと、どっちか片一方が子供と一緒に生活して、どっちか片一方は子供とは離れるというそういう生活の仕方になるんですけれども共同親権にした場合、子供と離れたいわゆる別居親ですね、別居親が具体的に子供をどういう形で養育することができるのか。ちょっとその辺を理解しにくいので、その辺どういうイメージを持っているのか教えてください。
竹内民事局長
お答えいたします。子と別居する親権者が子の養育にどのように関与するかにつきましては、そのご家庭のを個別の事情により様々であるとお考えられますので、なかなか一概にお答えすることは困難ではございますが、離婚後の父母双方を親権者とすることによりまして、法的に安定したより望ましい状態で子の利益の観点から、父母双方が適切な形で子の養育の責任を果たすことができるようになるものと考えております。
古庄玄知議員
すいません。あまりやよく理解できなかったんですけれども、個別の事情に応じるということですね。ただ少なくとも離婚したんだから2人はあまり仲が良いわけじゃない。むしろ仲が悪い。そういう2人が別々のところに住んでいると、片一方、子供が片一方だけにいるということなので、あまりイメージとして、もう片一方別居親の方が子供をどういうふうに養育するかというのは、申し訳ないですけれどもちょっと私イメージできません。
すいません、次の質問に行かせていただきます。共同親権にした場合に、養育料の不払いというのはなくなるんでしょうか?局長、お願いします。
竹内民事局長
お答えします。本改正案におきましては親権の有無に関わらず、父母は子が事故と同程度の生活を維持することができるよう、扶養しなければならないこと等を明確化することとしております。このように別居親が親権を有することのみによって養育費の履行が確実に確保されるわけではなく、また別居親が親権を有しないからといってその支払い義務を免れるわけでもありません。
古庄玄知議員
そうすると共同親権にしたからといって養育料の不払いがなくなるから子供にとってそれが経済的に利益になるというふうには言えない――とそういうご返答でしたね。今の返答はどうぞ。
竹内民事局長
お答えいたします。委員ご指摘のようにその親権の所在と養育費の支払い義務の有無というのは直接は関係がありません。共同親権にしたからと言って養育費の不払いがなくなるというわけではございません。本改正におきましては、養育費の支払い確保あるいは履行確保のための方策を別に取っているという趣旨でございます。
古庄玄知議員
よく理解してるのか誤解してるのかちょっとわからないんですけれども、自分に親権がないから養育料を払う必要がないと、こういうふうな言い方をする方いらっしゃるんですけれども、これは正しいですかそれとも誤りですか。
竹内民事局長
お答えいたします。先ほど申し上げましたように、親権の所在養育費の支払い義務というのは直接関係がございませんので、委員ご指摘のような親権がないから養育費を支払う必要はないということはない。今は正しくないということでございます。
古庄玄知議員
もう一つ、同居親から子供に会わせてもらえないんだから養育料を払わないんだとこういう考えが一部にある。そう聞いてますけれどもこういう考えは正しいですかそれとも正しくないですか。
竹内民事局長
お答えいたします。親子交流が実施されていないことを理由にして養育費の支払いを拒めるというわけではありませんので、委員ご指摘のような同居親から子供に会わせてもらえないから養育費、養育費を支払わないという考え方自体は正しくないと考えます。
古庄玄知議員
今、局長からいろいろ面会交流とか養育料とかそういう細かい点、聞かせていただきましたけれども、今回の法法改正これを実行することが子供の利益に資するんだというお考えで、今回の法改正を実行をするんだということですけれども、大臣にお伺いしますけれども、今回の法改正が子供の利益に資するというふうに考える具体的な根拠をお教え願えますでしょうか?
小泉法務大臣
まず、親の責務を明確化しております。子供の人格の尊重、あるいは扶養の義務、あるいは夫婦間の協力をするという親の義務。婚姻の有無に関わらず親権の有無に関わらず、親の親たるゆえんによって立つ親の責務を明確に規定をさせていただいております。これ自体大きく子供の利益に資するものだというふうに思います。
また、養育費の履行確保する観点からの改正、法定養育費、あるいは先取り特権、こういったものも明確に規定することとなりました。また、今ご議論がありました安全安心な親子交流、これを促進する観点からの改正も織り込まれています。
最後に親権に関する規定の見直しを行います。これは離婚後、あくまで親子の安全が確保され、可能な限りにおいてということでございますが、離婚後の父母が適切な形で子の養育に関わり、その責任を果たすことが可能とするという点で子供の利益の確保に繋がるものというふうに考えております。
古庄玄知議員
今回の改正案はいろんなところで改正されてると思うんですけれども確かに今までの法律に比べて子供の利益に資する部分というのはかなりあると思います。
ただやっぱり一番争点になっているのは合意がない場合にも裁判所の判断で共同親権を共同親権にするとその部分が一番問題になってるんじゃないかなと思うんですけれども、今回の改正案全体じゃなくって離婚した夫婦を双方に合意がなくても、裁判所が共同親権を認めると共同親権にするとこの点に関して限定して考えたときに、それは子供の利益になっているんでしょうか、なっていると考えるんであればその根拠をお示しください。
小泉法務大臣
合意ができない場合しかし、自動的に単独親権に行くということではなくて、この法案の仕組みは一度そこで子供の利益というものを中心に置いて、父母間で、あるいは裁判所も立ち会って、もう1回話し合っていただく共同親権ということができないのか、その子共同で共同親権を行使するということが本当にできないのかということを子供の観点に立っていただいて、父母がですね、考えていただくそのときに、ほぼどちらかの合意がなければ、もう単独親権ですよというふうに決めてしまいますと、もう話し合いも何もそれは起こらないわけですもうそのお答えがそこで出てしまう。
しかし、一応裁判所が裁量権を持っていて、そして、最終的には裁判所が預かって決めますよというそのポジションにおいて、両父母の葛藤を下げ、子供の立場に足るを立つことを促し、そこで話し合いをしてもらって、それでもなおかつ合意ができないとやはりコミュニケーションをとり取れないということになればそれは共同親権の共同行使が困難な場合でありますから、必ず単独親権にしなければならない、という結論になっていくわけでございます。
従って、そのごく稀な論理的にそういうケースがありうるというごく稀がケースにおいて、最初は困難だったんだけれども、話し合うことによってその嫌悪感は変わらないにしても行動として、共同親権の共同行使ありという道が見つかるならばそれは子供の利益にとってプラスであるということでございます。
古庄玄知議員
ありがとうございました。次局長の方にお伺いしたいんですけれども、本改正案が成立して、これが施行されたときに家事事件はこれは増えるでしょうか、それとも減るでしょうか? 理由についてもあわせてお答えください。
竹内民事局長
お答えいたします本改正案におきましては、父母双方が親権者である場合の親権行使につきまして父母の意見対立を調整するための裁判手続き等を新設することとしておりまして家庭裁判所に申し立て立てられる事件数が増加する可能性はあると考えておりますが、現時点で事件数を具体的に予測することは困難でございます。
古庄玄知議員
事件数までは予測はできないと思うんですけれども、今回の法案が通れば、家事事件が増えるか事件が増えるということは、要するに別れた夫婦の間での争いごとが家庭裁判所に持ち込まれると、そういうことだろうと思います。
それで今回の他、今まで単独親権であれば、離婚するときにどっちが親権者になるのかということを、および離婚するかしないかということを決めて、1回だけ裁判やればよかったんですね。
母親が親権者になったということになれば、あとは母親が決めていくことができるという1回だけで良かったのが、今回はまず、離婚を認めるか、離婚を認めるかどうか、それから単独親権にするか、共同親権にするかおそらくこれは同じ手続きの中でやられるルートは思うんですけれども、理論上は別の争いが発生していると。
それと今度もし共同親権というふうに裁判所が認定したら、その個別の論点について双方の意見承諾がいるので、双方の意見が対立したときには、解決を目指して、また家庭裁判所に申し立てをすると個別の論点が三つあれば、三つとも意見が対立すれば、3回、家庭裁判所に申し立てをしなければならないし、5つ対立があれば5回、家庭裁判所に申し立てをしなければならないということで確実に家事事件、紛争は増えていくだろうというふうに、現場でこういう争いいい事について、やってる人間は増えていくだろうというごふうに認識しております。
争いが増えるんでそれに必然的に子供も巻き込まれていくということになると、それはやはり子供にとって非常に迷惑というか、子供が非常にかわいそうな立場になっていくのではないかなというふうに考えるところです。
今の私の見解でした。すいません。次の質問に行かせていただきますけれども改正民法の824条の2の3項では、特定の事項に関する親権の行使については、協議が整わないときは家庭裁判所が決めるというふうにされています。
この特定の事項にに関する親権の行使でまず、同居親だけが1人で親権行使できることなのか、やはり別居親の承諾も必要なのか。実際に当事者になったらわからないことがかなりあるんじゃないかなと思いますけれども、何か客観的な基準というのはあるんでしょうか?
竹内民事局長
お答えいたします。父母の双方が親権者と定められた場合にその親権行使にあたりましては委員ご指摘の他方の父母と相談をするかなどにつきまして第一次的には親権者自身が子の利益のために判断すべきこととなってまいりますが、委員ご指摘の共同親権の親の間での争いのケースにつきましては、現行法での婚姻中の父母について生じうるところでございまして、第一次的に親権者自身が判断すべきということについては現行民法のもとで父母双方が親権者である場合と異ならないものと考えております。
なお先ほど委員ご指摘になりましたけれども本改正案は現行民法の解釈を明確化する観点から父母の双方が親権者と定められた場合でも、子の利益のため急迫の事情があるときや監護および教育に関する日常の行為をするときは親権を単独で行使することができることとしておりましてこの規定によって混乱が生ずるとは考えていないところでございます。
いずれにしましても本改正案が整理した際には、広く国民においてその趣旨や、内容が正しく理解されるよう、国会における法案審議の中で明らかになった解釈等も含めまして、関係府省庁等とも連携して適切かつ十分な周知に努めてまいりたいと考えております。
古庄玄知議員
争いがある場合は基本的に家庭裁判所の方に決めてもらうということだろうと思いますし。その争いがずっと一死2.3分というふうに続いていけばその間、争いがずっと続いていくということだろうと思います。
今まで衆議院とか参議院の本会議とかで、聞いた範囲いいですけれども、単独でできることは、子供を、急迫性のない病気治療のために入院させるとか、短期の留学をさせるとか、ワクチン接種をさせるとか、こういう場合が単独でできるけれども、再婚相手と養子縁組をするとか、名字を変更するとか、転校や転居をするとかあるいは進路を決めるとか、あるいは子供が連帯保証人になるとかそういう場合は、2人の総額が必要ということになってきますので、一般の人は、これは私だけでできるんだろうか、別れた旦那の承諾までもらわなきゃならないんだろうかということで、非常に悩むケースが多いと思いますので、その辺ぜひ法務省の方でこういう場合はいいんだよ、こういう場合は2人なんだよというふうに、法案が通った暁にはそういうふうな広報というか、それをきちんとやって、一般国民が悩まないようにしていただければというふうに思っております。そういう点について法務省の方で何かご検討されてますか。
竹内民事局長
お答えいたします。委員ご指摘のようなその子の養育の過程で親権を行使すべき場面には様々なものがありまして、日常の行為ですとか、急迫の事情があると認められる具体的な事例をなかなかこう網羅的に説明するとことには限界もあるところではございますが、委員ご指摘のように、本改正案が成立際にはその趣旨内容が正しく理解されるよう関係府省庁等とも連携して適切かつ十分な周知広報に努めてまいりたいと考えております。
古庄玄知議員
今度単独で親権を行使できると思って単独で親権を行使したらそれは本当は共同親権がなければならなかった、という場合にそれの取引の相手方というか第三者はその辺がよくわからないと思うんですけれども、その辺の第三者保護の必要性があるんじゃないかという点等をもうその取引の相手方は離婚した両親のうち単独親権でいいのか。共同親権まで必要なのかという、そういうのを確認するにはどうすればいいのか。
みんな万が一違ってたら取引を取り消したりというそういうことに巻き込まれるので、なるべく取引はしない方がいいみたいに思って萎縮効果をもたらすんじゃないか。
その点については法務省の方はどういうふうにお考えでしょうか?
竹内民事局長
お答えいたします。現行民法によれば、父母双方が親権者である場合は、法定代理権の行使を含め親権は父母が共同して行うこととされており、この方は、改正案は本改正案は、このような枠組みを変更するものではありません。
そして本改正案では、民法第824条の2第1項および第2項によりまして、親権の単独行使が許容される場合を規定しておりますがこの規定は、現行民法の解釈を踏まえて親権の単独行使が許容される場合を明確化する趣旨のものでございます。
また、父母双方が親権者である場合においてその一方が単独で親権を行うことができると、誤診して親権を単独の名義で行使してしまうことは、現行民法のもとでも生じる問題ではありますが、現行の民法のもとでも、解釈によりまして、取引の保護が図られた方の親権者からの取り消しができる場合が制限される、されておりまして、この点も本改正案によって変更が生ずるものではありません。
そのため、本改正案は、父母双方が親権者である場合において、未成年者と取引をしようとする第三者に対し、現行法のもとでの実務と異なる対応を必要とするものではないと考えております。法務省といたしましては、取引実務に混乱が生ずることがないように関係府省庁等と連携して適切かつ十分な周知に努めたいと考えております。
古庄玄知議員
次の質問に行かせていただきます。前回もかなり聞いたと思うんですけれども、裁判所というところは時間がかかりすぎると、スピーディーな解決が図られないと、こういうふうな国民の意見がかなり多いし、実際に私もそうじゃないかというふうな体験をずっとしておりますんですが裁判、あるいは裁判所は時間がかかりすぎるというこの国民の声に対しては、どのように考えるのか。
今の現在これ裁判所に聞いた方がいいかもわからないんですけれども、現在の家裁の体制で的確にスピーディーに共同親権者間の紛争を処理できるのであろうかという点につきまして大臣の方にお尋ねしたいと思います。
小泉法務大臣
我々も法案を、この構成してくる過程において、最高裁とそうした点についての意思疎通、情報交換、認識の共有、これは図ってきております。
その上で申し上げますけれども離婚訴訟を含む人事訴訟事件について審理の長期化といった問題が指摘されております。
これは、我々も御承知をしております。この裁判所における審理期間のあり方これはまず裁判所において検討されるべき問題ではありますが、法務省としても、本改正案が成立した際には、その施行までの間に裁判手続きの利便性向上といった支援策等の環境整備について、最高裁判所を含む関係府省庁等ともしっかりと連携をして、対応を図っていきたいと思います。
古庄玄知議員
夫婦が別居するとき、子供さんが1人いらっしゃるときに、子供を置いて自分1人で家を飛び出すということはあまり考えにくいと、やはり母親の方がこの小さい子供さんを置きっぱなしにして出るということは考えにくいので、いわゆる子連れ別居というのが大半であろうと思うんです。
この場合に、相手方、旦那さんなら旦那さんの承諾がないのが、一般的です。こういうふうな相手方の承諾なくして、子供を連れて別居に至った場合その子供を連れて外に出た母親というのは、何らかの不利益を被るのか。
そして親権者を決するときに、それは不利益に考慮されるのか。それから子供を連れずに1人だけで出ていくことは、子供の利益に合致するのか。ちょっと質問の数多いんですけれども、局長の方にお願いしたいと思います。
竹内民事局長
お答えいたします。委員お尋ねのような夫婦の一方が相手方の承諾なく連れて別居するケースは現行の方法のもとでも生じるところでございますが、本改正案では、婚姻中を含め父母双方が親権者である場合は、居所の変更を含めて親権は父母が共同して行うとをした上で、急迫の事情があるときは父母の一方が親権を単独で行うことができるとし、父母の意見対立を調整するための裁判手続きを新設することで親権行使のルールを整理しているところでございます。
また本改正案では子に関する権利の行使に関し、父母が互いに人格を尊重し、協力しなければならないとしており、あくまで一般論としてお答えをいたしますと、夫婦の父母の一方が何ら理由なく、すなわち急迫の場もないのにい、他方に無断で居所を変更するなどの行為は個別の事情によってはこの規定の趣旨にも反すると評価されると考えております。
そして、これもあくまで一般論としてお答えをいたしますと、父母の一方が、父母相互の人格尊重義務や協力義務等に違反した場合親権者の指定変更の審判においてその違反の内容が考慮される可能性があると考えております。
他方で、別居の際に子供を連れずに1人だけ出ていくことが、この子の利益となるのかという委員のお尋ねにつきましては、個別具体的な事情によりよるため、一概にお答えすることは困難ではございますが、あくまで一般論としてお答えをいたしますと、DVや虐待の場合はもちろん、子の年齢が低いような場合において父母の一方が、これまで子の監護を行っており、他の一方がこれに関わっていなかったようなときは監護を行っていた父母の一方が、置いて別居することが、子の利益を害することはありうると考えております。
古庄玄知議員
そうすると個別の案件で判断中か結果は違うんだけれども、子供を連れて出ていったことそのこと自体が、何らかの不利益を必ず不利益に斟酌されるというわけではないと。総合的に諸般の事情を考えて、場合によったらそれが子供の利益に資する場合もあるし、場合によったらそれは子供の利益に違反するという場合もあると、そういうお答えで、そういうお答えだと理解してよろしいですね。
竹内民事局長
お答えいたします。子の連れ去りと言われるような事案でも、いろいろなものがあるかと思います。先ほど申し上げました通り、急迫の事情がある場合はDVからの避難あるいは虐待からの避難として単独行使をすることができますので、それが何か不利益に評価されることはないと思います。先ほど申し上げましたような、何ら理由なく急迫の場もないのに、他方に無断でこの挙手を変更するというような行為は個別の事情によりましては、人格の尊重義務ですとか協力義務にも反する可能性があるということでございます。
古庄玄知議員
ありがとうございます。最後に大臣の方にお伺いしたいんですけれども、今回のこの改正案につきましては様々な懸念やあるいは不安の声が寄せられております。そういう中で、大臣があえて本法案の成立を実現させたいというふうに考えてる一番の根拠について教えてください。これが第一点で第二点目として、特に不安を抱えているのは、DVなどを原因として子連れ離婚をしたという女性の方たちです。本法案が通っても、その女性の人たちを国として守るんだと、そういうふうな大臣の強い決意をお示しいただければそういう不安に思ってる方々も、安心だと大臣が守ってくれるあるいはその国が守ってくれるんだと、そういうふうに思える部分があろうかと思うんですけれどもそれについて大臣の強い決意をぜひお示しください。
小泉法務大臣
まず、この法案の成立施行が必要だと思う理由でありますが、離婚というのは父母の関係、婚姻関係は壊れてしまうわけでありますけど、家族というのはもう一つ、親子関係というのがあって縦糸横糸で家族というのは紡ぎ出されているものだと思うんですねその縦糸が切れてしまうと横糸も自然に切れるという。
そういうものではなくて、今回の考え方は横糸が切れても、その中で縦糸が残る道はないのかということを探ろうとするいろんなケースがあります。できるだけそれを包含して、その仕組みを作ろうとするものでありますつまり子供の利益のために家族というものを守ろう少し大げさですけどそういう考え方に立脚しています。
ですからDVで苦しんでおられる元に傷ついたそういう方々を守るというのも全くそれはもう根本中の根本命題でありまして、子供を守ると同時に、DVで傷ついた方々が傷つく恐れがある方々は何をおいても守らなきゃいけないと私は思います。
それによって初めて縦糸横糸が紡がれるそういう家庭というものを家族というものを我々はその先に描き出せるんだとそういう思いでいるところでございまして、ちょっと説明が抽象的になって恐縮でありますけども、その思いをご理解いただきたいと思います。
必ず守らなければならない。DVから。それはもう至上命題だと思っています。
古庄玄知議員
大臣の力強いお言葉本当にありがとうございました。時間が参りましたのでこれで終わらせていただきたいと思います。ありがとうございます。
佐々木さやか議長
この際委員の異動についてご報告いたします。本日、清水貴之さんが委員を辞任され、その補欠として音喜多駿さんが選任されました。
石川大我議員(立憲民主党)
立憲民主社民の石川大我です。これまず最初に毎回質問させていただい取りますけども刑務所の問題です。(以下略)
石川大我議員
そして先月19日の本会議でですね。子の養育のあり方の多様化に関して、同性同士のカップルの子育ては、子の養育の多様化に含まれるのか? と言いましたけれども大臣は子の養育のあり方について「様々な形態があることは承知しております」というふうに答弁をされて、方法案は父母これおそらく異性愛者で法律婚していた2人という意味だと思いますけれども、父母の意向に直面する子の利益を確保するためにはと答弁をされております。子の養育の多様化については明確には触れられなかったんで改めてお伺いしたいんですが子の養育の多様化の中に、同性カップルに養育される子供これが含まれるかということを大事にお伺いしたいと思いますちょっとわかりづらいんですがLGBTでいうところのBの部分ですね陪席者の方がいらっしゃいます。
つまり男女でご結婚されてお子さんがいらっしゃるとご離婚されて、例えば女性がお子さんの親権を持って単独親権で離婚されるとその後陪席者の方ですから男性と新しい男性と結婚するかもしれないし、女性のパートナーを見つけるかもしれないと今回私が問題にしているのは、女性のパートナーを見つけて、女性と一緒に自分のお子さんを育てているという場合、これまさに離婚後ですね子の養育の多様化だと私は思うんですけれども、大臣はいかがでしょうか?
小泉法務大臣
それも当然様々な形態がありうるというふうに申し上げた中に含まれます。同性カップルの方々による子供の養育、これも含まれます。
石川大我議員
ありがとうございます。本当に全国にですねこういった子の養育の携帯の方々ですねいらっしゃいます。実際にそういった意味ではですね、やっぱり現に同性カップルで監護養育されている方いらっしゃいまして異性カップルつまり法律婚している夫婦と比べて様々な不利益が、片方にしか親権がありませんから、パートナーの方が例えば病院に行って何か書類にですねサインをするといったようなこともできないということですから、ぜひこういったところもですね、子の利益ということからぜひターンを発してですね、検討もぜひしていただきたいんですがいかがでしょうか?
小泉法務大臣
そういう多様な養育の形態があるそしてまだ法的な保護が十分及んでいないために、苦しい思いをされている方がいて、そして様々なご要望もいただいているそういう状況には我々はあると思います国全体国民全体の中で議論しなければいけないことでありますので、すぐ答えがすぐこの場において出せるわけではないのでありますけれども大きな問題として認識をしております。
石川大我議員
一番いいのはですね。どうせ認めていただくという法制化をするということだと思いますけれども、少しずつですね、できることというのはあると思いますのでそういった意味では検討をですねぜひしていただきたいというふうに思っております。
あともう一つ確認なんですけれども、子供を育てる子の利益ということに関して言えば、必ずしもですね。その親というのが、2人の男女のペアであるということが必ずしも必要ということではなくてですね、真に愛され、安心して安全に育つ環境が提供されるということが、子供にとっては大切だというふうに思います。
そういう意味では、同性カップルに育てられている子供、それと異性カップルに育てられている子供これはもちろん個別具体的にですね。あると思いますけれどもいわゆる同性であることのみをもって、それが例えば劣ってるんだとか、子の利益に反するんだとか、同性同士で子供を育てていること自体をですね。それだけをもってして、例えばそれが異性カップルに育てられている子供と比べてですね、その子育てが劣っているとか劣っていないとかそういうことではなくて男女のカップルに育てられている子供と、同性同士のカップルに育てられることも、これはどちらが劣っているのか、どちらが優れているとかいうことではなくて、大切なのは、子供が親に愛され、安心安全に育つ環境であるということを確認したいんですが、僕は当たり前だと思いますがいかがでしょうか?
小泉法務大臣
その通りだと思います。優劣はないと思います。子供にとって大事な両親でありましょう。それが性別がどうであれ、どういう繋がりである子供にとってはかけがえのない両親であることに違いはないと思います
石川大我議員
ありがとうございます。この件ですね。共同親権が導入されて心配されることは、例えば先ほどの例で言いますと男女で結婚されていて女性の方がお子さんの親権を持ってご離婚何らかの理由でされて、その後女性同士のカップル女性のパートナーを見つけられて、そこで新しい家族の形で暮らしていると。
そこにですね、町の繋がりのある元々の男性のお父さんの方から共同親権にしてほしいという申し立てがあってその理由の中にですね、例えば、かつては公序良俗に反するとそうですね。つまり同性同士で子供を育てていることが、公序良俗に反するんだとか、それは子の利益に反するんだという、その中身を見ずしてですね、もう同性同士が子供を育てているというだけで、それが駄目なんだというようなことを主張される方が今後出てくるやにも思うわけです。そういった意味では大臣の今のご答弁非常に貴重だったというふうに思っております。
ありがとうございます次の質問に行きたいと思います。いわゆる子供の連れ去りの問題です。先ほどもお話ありましたけれども4月5日の衆議院の法務委員会で自民党の三谷委員からこういったお話がありました。「特段の理由なく子供を連れ去って相手方に会わせないということ、これ自体は引き離された側に対する精神的なDVに該当するのか」という質問に対して、無断で子供を転居させ、特段の理由なく勉強し別居の親ですねと一切交流させないというような場合は個別の事情によるもの。
これにより、心身に有害な影響を及ぼしたものと認めるときには、DVに該当する可能性があり個別具体的な事情によっては、父母相互の人格尊重義務や協力義務に違反すると評価されることもあり得るという趣旨のものでございますと、民事局長が答弁をされています。
この答弁をもってですね、子供を連れて別居することを実子誘拐だというふうに呼んでいる方がですねSNS等で子供を連れて別居することを実子誘拐でDVに当たるんだということを吹聴している残念ながらそういった方たちがいらっしゃいます。
それでここでしっかりしておきたいんですけれどもまず特段の理由なくという前置きがあるわけですよね。特段の理由なくという駅がある通り、DVや虐待から避難する目的で子供を連れて別居しその相手方つまりDVの加害者だと思いますけれども、その方と連絡を絶っているという場合、このこの場合にはこの今の答弁の対象外の事例だということでよいか。
つまりこのようなケースにおいては、別居親への精神的DVには当たらないということでよいか改めてダイイチにお伺いしたいというふうに思いますがいかがですか。
小泉法務大臣
はい。DVから避難する場合のように、これ特段の理由ですよねとともに転居することに相当の理由があり、また、これによって別居親の心身に有害な影響を及ぼしたとは認められない場合には、DV、DVと評価されることはないものと考えております。
石川大我議員
明確なご答弁ありがとうございます。もちろん基本的には個別事案ということだと思いますけれども、やはり子供を、これをやはり、連れ去り実施いうか被害ということ子供を連れて勉強することですけれどもそれ自体がDVであって、単独親権になりうるというような情報が流れているもんですから。それはよくないというふうに思っています。答弁では特段の理由なくという文言が入っているということで、暴力や経済的なDVモラハラあらゆるDVから非難する場合はこれを除くんだということをしっかりと確認をしたいというふうに思っています。
次の質問ですが前回私の質疑で、DV加害者被害者の両者の認知の歪みについて触れさせていただきました。
裁判所において当事者双方の主張立証を踏まえて、適切な審理が行われるものと承知をしておりますと大臣から答弁がありましたけれども、DV被害者は、家裁などでの面接聴取などでうまく話せるとは限らないということで一見すると話が矛盾していることや当然覚えているはずと思えることが、不自然なこともなかなか出てこない緊張してですねそういったことも珍しくないというふうに聞いております。
子供が虐待をする親に対して両義的な態度を見せたり、むしろ過度の愛着を見せたりするということさえあると聞いています。
これらのようなことを考えると、被害者や子供から話を聞く上では、法的な判断に関わる場合にはなおさらですけれども、相当の専門的な知識と経験というものが必要だというふうに思うわけですけれども、まずは配偶者暴力相談支援センターを所管する男女共同参画局としてどのような知見、取り組みをされているかお伺いをいたします続いてこども家庭庁の知見もお聞かせいただければと思います。
内閣府大臣官房八木審議官
お答え申し上げます。配偶者からの暴力は加害者に加害の意識が薄い傾向にあり、被害が深刻化しやすいという特性がございます。また被害者自身に自らが被害を受けているという認識がないために先ほど先生がおっしゃったところでございますけども、相談に至らないことも多いと思うその指摘もございます。
配偶者暴力相談支援センターにおきましては被害者の相談支援に従事する職員等に対しては、こうした知見も含め、様々な研修の機会を提供しているところでございます。その上でそうした職員等が被害者に寄り添い、被害者の意思を尊重して利用可能な支援制度等についての助言や情報提供を行うこととしております。
こども家庭庁長官官房野村審議官
お答え申し上げます。ご指摘のように児童虐待を受けている子供にあっては自身が虐待を受けているという認識がなかったりとか、あるいは自分が悪いからこういうことになってるんじゃないかというふうに思ってしまったりとか。ということで家庭の中でこういった困ったこととか悩みがあったりとかそういったことを抱えていてもなかなか言い出せないというなことを子供の方で葛藤を抱えてしまったことがあるというふうに承知をしておりまして、そういった場合には早期に把握をして支援に繋げていくことが重要であると考えております。
そのためこども家庭庁におきましては子供向けにお父さんやお母さんに痛い思いをさせられるなどといったような具体的なわかりやすい言葉を掲げつつ、そんなときには相談をしてみようというフレーズを添えた上でですね、児童相談所虐待相談対応にいち早くでございますとか親子のための相談LINEこういったところに相談をしてくださいねといったようなことを広報というのを展開をしたり、あと虐待防止キャンペーン期間中に、文科省さんにもご協力をいただいて、学校などでもこういった虐待に関する理解を深めるような広報に取り組んだり、あとさらに、そして子供たちが児童相談所に来たときにやっぱりしっかり好意を消して相談をしてきたそ、あの相談しに来た子供の心情に寄り添った対応を行うように、児童相談所の現場にはお示しをしているところでございます。
例えばですけど無理に話を引き出すのではなくて、子供の気持ちを受けとめながら子供のペースで話を聞きにしてほしいであるとかこの自分が悪かったからではないかという自責の念あるいは不安などを抱えている子供もいるのでそういった場合にはそれを和らげながら話に耳を傾けてもらいたいと、そういったことなどを掲げているところでございます。
また身近な市町村で子供家庭センターこれこの4月から施行された改正住宅所での展開を図っているところでございますけども、こちらの方でも子供と日々の接点を有します学校保育所などとの連携をしてこういった子供のSOSこういったものを早期に取り扱いの対象に取り組んでいきたいと考えてございます。
石川大我議員
ありがとうございます。加害者に注目したいと思うんですけれども、往々にして加害者という方たちはですね。対外的にはとても優しく温厚で1人1人1人が、良い態度をとることがあるというふうに言われています。
また、当時は本当にDVの加害の自覚がないということもありまして例えば一度だけ手を挙げたことがあるが反省しているといったことを言うなど、被害者とは逆にストーリーが綺麗すぎるにですね止まっているということも珍しくないというふうに伺いました。
ですから家裁の調停の場でも、家庭内では日常的にDV加害者だったとしても「お父さんお母さんじゃないですか」というふうに言われてしまうことも少なくないと。
そして調停委員や調査官など性別役割分担意識や伝統的な家族像、いわゆる家父長制的なものなど、ある意味古い概念から脱却できていない考え方を持っている人に調査が当たってしまうといったような場合で加害者側に立ってですね。被害者である同居親や子供を説得誘導しているということが、実際にはまだまだあるというふうに聞いています。
例えるなら無実で逮捕された方への自白の強要みたいなものかも知れないわけでしてこういったことはあってはならないというふうに思っています。
加害者の認知心理行動などについて的確な理解を持ち、適切に事実を探求する構えが不可欠だと思いますけれども、男女共同参画局としてはこうした問題についてどのように取り組んでいるかお聞かせをください。
八木審議官
お答え申し上げます。先ほど申し上げました通り配偶者からの暴力は加害加害者に加害の意識が薄い傾向にあり、被害が深刻化しやすいという特性がございます。また加害者は自らの行為を正当化する場合や自らが被害を受けているとの認識を持つ場合があることも指摘されております。
被害者からの相談対応する職員においてもこうした加害者の特性等を十分理解した上で対応に当たる必要があると考えております。内閣府としましては被害者が安心して支援を受けることができる環境の整備を図るためこうした加害者の特性を含め、配偶者からの暴力の特性等を十分理解した上で被害者の立場に配慮して職務が行われるよう、こうした考え方を基本方針におきましても示すとともに相談員等への研修の機会等を通じて周知してるところでございます。
また被害者支援の一環として、加害者に自らの暴力の責任を自覚してもらう加害者プログラムの実施も推進していくこととしております。引き続き相談窓口におきまして相談者の話を十分に聞いた上で被害者の抱える問題を適切に理解し、必要な助言等を行えるよう、被害者支援に係る取り組みの充実等を図ってまいりたいと思っております。
石川大我議員
様々な取り組みをご紹介をいただきました。本当に非常に大変な活動されているというふうに思います。これを踏まえてですね最高裁一般にお伺いをしたいんですけれども先日の福山哲郎委員の質問の中でですね、裁判所は必ずDV等の状況があれば単独親権にすると必ずという言葉が豊富に入っていますが、このことについてはどうやって担保するのかという質問がありました。最高裁は「答弁で調停委員や家裁調査官の専門性向上に資する。研修の実施などを含め適切な支援を行ってまいりたいというこれ答弁だったわけですけれどもある意味当たり前の答弁でした。専門性向上に資する研修、適切な支援というのは法案があろうがなかろうがですねこれはぜひやっていただきたいということなわけですけれども改めて最高裁にお伺いをしたいと思います。
DVがあれば必ず単独親権にするということですけども、これをある意味、100%実施をしていくというためには具体的にこれどのようにやっていくのか。理想論も大切ですけど大事ですけれども、被害者が求めるのは、理想論ではなくて、現実にどうしていただけるかということだと思います。ぜひご答弁をお願いします。
最高裁判所事務総局馬渡家庭局長
まず各家庭裁判所では、委員ご指摘のようなDVの有無が争われるなどしてその認定が問題となる事案におきましては、当事者双方の主張を踏まえつつ、中立的な立場から証拠資料に基づく認定判断が行われているものと認識しております。
また裁判所ではこれまでも先ほどもお話ありましたが、DV等に関する知見を深めるための研修を実施するなど専門性の向上を図ってきたところです。これに加え仮にこの民法等の一部を改正する法律が成立した場合には、関係職員において親権者を父母の一方と定めるべき場合に関する規定を含め、改正法の各規定の趣旨、内容を十分に理解して審議に臨むことが重要であると考えております。
また、そのために例えば改正法施行後の運用に関し、大規模庁での集中的な検討や、全国規模の検討会の機会を設けるなどしまして、施行に向けた準備を進めてまいりたいと考えております。またさらに必要な体制の整備にも努めてまいりたいと考えておりまして、具体的には、改正法の施行が各家庭裁判所における事件処理に与える影響を考慮しつつ、家事調停官の配置数の増加、あるいはこれまでに家事調停官の配置のなかった庁に新たに配置をするなどの調停官制度の更なる活用を含め、家事事件を担当する裁判所職員の体制整備に向けて検討してまいりたいと考えているところでございます。
石川大我議員
今の答弁を聞いて被害者の皆さんが安心できるかというと、なかなか難しいんじゃないかなというふうに思っています。裁判所における強制型の共同親権をやめるべきなんじゃないかというふうに思うわけです。
ただ繰り返しお伺いをしたいんですけれども、親権・監護・面会交流などに関わる判断をする上で、DV虐待加害者のリスクアセスメント、これが不可欠だというふうに思います。加害者の状態とリスクを第三者が適切に判断できてこそ、DV虐待のホームには恐れず、この正当な判断になるのではないかというふうに思っております。DV虐待の主張が出された場合だけでなく、父母とこの話や挙動を丁寧に観察をして、DV虐待のサインを察知することも含め、各家裁にはリスクアセスメントができ、行政等が行った説明等などの記録資料を適切に理解し反映できる人材がいるのか。
知識技能の向上を具体的にどう図るのか、改めてお伺いをしたいと思います。
馬渡家庭局長
まずLIV含め様々認定について一般論として申し上げれば、例えば離婚調停や面会交流などの子の監護を巡る宇梶さんにおいて、家事調停におきましては、DVや逆といった虐待といった安全安心に関する事情は最優先に考慮すべき重要であると考えておりまして、こうした事情を丁寧に傾聴し、適切な解決に向けて必要な時間をかけて調整を行うというのがまず第1にあります。
その上で繰り返しになりますが、裁判所では裁判官調査官等に対する対して、DVに関する専門性の向上について専門家にご講演をいただいたり、実際の事例を想定した検証を行うなど、着実に対応してまいりましたし、今後も専門性の向上に努めてまいりたいというふうに考えております。
石川大我議員
法務大臣にお伺いしたいと思います。本案の議論の中で効果等を下げられないかそれを努力していただくと一時的な感情的な判断ではなくて子の利益について落ち着いて考えてもらうというような答弁をされているんですけれども、そもそも離婚するまでにですね様々な問題に向き合い、また得ながらどうやって改善できるのかというようなことを模索し続けそれでも一緒にいるのが難しいということで裁判になっていると思うんですね。
そういった意味ではなかなか話し合いができない子供に悪影響だから、離婚するという選択をしてるんだと思います。裁判所などの第三者が入ることで、もちろん先ほどの答弁の中で環境が変わった行くということは否定はしませんけれども、第三者に頼らないと話を求められないというような状況の中で本当にやっていけるのか。子の利益に資する用意ができるのか。というのは本当に疑問だと思うんですけれども、やはり合意してる場合にはですね。当事者が合意している場合には、共同親権ということもあるかもしれませんが、やはり合意してない中で、裁判所が判断をして、そして強制するというのはですね、これ判断間違ってしまうというのはやっぱりあると思うわけです。
そのときに本当にDVの被害者の方が共同親権という状況に置かれるというようなことをやっぱり先ほどの答弁もありましたが避けなければならないわけです。ここの部分は法案から除外をするということをお考えいただけないでしょうか?
小泉法務大臣
各ご家庭で離婚に至る事情は様々であって、また離婚後の状況も本当に様々であって、我々が全て想像し尽くすことはできないと思うんです。
ですから、子供の利益のために立ち止まってもらう。そういう場面、そういう過程これはぜひ踏ませていただきたいというのが我々のこの考え方でございます。それでもなお、合意ができなければそれは共同親権の共同行使が困難な場合に当たると思います。
それはむしろ単独親権にしなければならないという結論に導かれていくわけでございます。そのときにやっぱりDVそのリスクをそれから募集を守るそのことも重要な大変重要な要素でありまして、そういったものを一体としてこの法案は組み込んでいるところでございます。もし最初っからもうノーと言えば単独親権しか道がないというところに陥らないような仕組みとして今の仕組みを考えているわけでありますので、ぜひご理解をそこはいただきたいと思います。
石川大我議員
いろいろ想像してみるんですけれども、当事者がですね、共同親権に合意をしていなくて、裁判所がいろいろ調べてみたら、いやこの人たち共同親権できるんじゃないかということで、裁判所としては共同親権ですよということを言うという場面がですね。あまり想像ができないなというふうに思うわけです。
けれども今までの議論の中でやはり裁判所が共同親権を認めるというか、共同親権にするという決定というのはかなり極極極、例外的な案件なんだなというふうに思うわけですけれども大臣としてもそのような感覚ですかね。
小泉法務大臣
まれなことであるかどうか。経験に申し上げにくいですが片方の親が片方のご夫婦片方がそもそも反対だと、共同親権反対だというところからスタートいくしていくケースに限っていけばそれは非常に難しい調整になるでしょう。
それは簡単ではないかもしれません。ただその結論がどうなるかは、これはもう本当に千差万別。あらかじめそこに予想を立てることは私はあまりこの意味がないと思います。多くの多くのケースの中でそういうケースが出てくるということは当然ありうるわけで、どちらどちらの場合もあると思います。様々な多様なケースを包含できる対応できる、そういう仕組みとして今回の表選択的な共同親権制度を作ろうということになったわけであります。
石川大我議員
ちょっと時間がなくなって、あと3分ほどだというふうに思いますけれども、この急迫の問題、端的にお答えいただきたいと思います。急迫という文言のですね解釈についてはいろいろ皆さんから具体的な事例があって、私もまた時間があれば今後やりたいというふうに思っていますけれどもこれ実質的にもう急迫じゃなくてですね。我々が言っている必要かつ相当という文言がその実態に適してるんじゃないかなと思うんですが、この急迫という文言をですね、必要かつ相当というふうに改めることによって、だいぶ多くの誤解というかですね、理解の度合いとしては急迫という言葉を残すよりもこの必要かつ相当というものが実態に即してるんじゃないかと思うんですが、大臣としてここをぜひですね、急迫を必要かつ相当にすることで、ある意味国民の皆さんも理解ができるし、我々もすんなりするというふうに思うんですがその辺り最後にお聞きしたいと思います。
小泉法務大臣
これが急迫というのは何に比べて急ぐのか。そういう相対的な概念です。今この解釈はここでの解釈は法制審の議論を経たものでありますけども、何に対してそこかというと、両親の協議、あるいは裁判所の審判比較的時間がかかるものに対して、それよりは、急ぐという意味で、今回の急迫という用語は法律用語はそういうふうな解釈のもとで、ここに書かれています。
従って絶対的な基準があるわけではなくて、両親の協議あるいは裁判所の審判、かなり時間がかかることが多いと指摘されていますけど、それを待っていたのでは、適時での判断ができなくなる。学校の問題もあり、就職の問題も病気の治療の問題もあると思います。それよりは、急ごうという場合に単独親権を認めましょう、こういう考え方でございますので、その解釈は法制審で確認をしていただいております。
また、他の法文の急迫という言葉との整合性も取った上での要望でございますので、ぜひご理解をいただきたいと思います。
石川大我議員
大臣から縷々ご説明いただきましたけれども、ある意味大臣がこれだけ長く説明しなければこの急迫という意味を説明できないということをもってしてですね、やっぱりこれは「」必要かつ相当に」と変えた方が皆さんと国民の皆さんとしては、今の説明を全員が聞くってことは、これ難しいです。関係者の皆さんがそういう意味では必要か相当というふうに変えた方がいいんじゃないかなというのは、私の御意見ですけれどもこれはまた具体例なども挙げながらまた次回お時間があればやりたいと思います。お時間になったようですので、これで終わりたいと思います。またよろしくお願いします。ありがとうございました。
佐々木さやか議長
牧山ひろえさん。
牧山ひろえ議員(立憲民主党)
立憲民主社民の牧山ひろえです。離婚後の家庭法制を中心とした民法改正の質疑を担当いたします。よろしくお願いします。
さて現在、与野党で様々な角度からこの改正法に基づき質疑を積み重ね、それによって明確になった点や批判を受けて自動修正した内容が数多くあります。これらの国会審議の内容については、裁判実務において反映していただかないと議論の意味がありません。
その認識は当局でも共有していただいており、5月9日のこの委員会での福島議員との討議の中で、大臣はこうおっしゃっています。
「本改正に関わる国会での議論を含めた立法意志が執行にちゃんと写し取られるかどうか、そこが非常に大事なところでありますのでそういう問題意識を持って法務省も最大限努力したいと思います」
と言ってるんですね。では、具体的に法務省はどのようにして、当委員会での議論を裁判実務に反映するおつもりでしょうか?
小泉法務大臣
それはもうひたすら裁判所にこの審議の経過、あるいは一方、こういったものをひたすらお伝えをして、これを理解をしていただきたい、そういうお願いを繰り返していくそれが一番大切な方法だと思っております。
牧山ひろえ議員
裁判官は、憲法および法律にのみ拘束される。とされていますので条文修正を行えば、こんな心配要らないんですと思うんですが、政府与党は頑なに拒んでいますので、特段の配慮が必要になってくるわけだと思うんですね。
最高裁も同じ質疑の中でこう述べています。
「各裁判所において、改正法の各規定の趣旨、内容を踏まえた適切な審理が着実にされるようになることが重要。最高裁といたしましても、今回のいろいろな議論なども踏まえまして準備を進めていきます。研修なども含めて裁判所としても対応してまいりたい」
とこのように述べておられるんですけれども問題意識は共通するんですけれども、対策の具体的なイメージが見えないんですね。研修以外の具体策をお示しいただければと思います。
最高裁判所馬渡家庭局長
最高裁といたしましても「民法等の一部を改正する法律」が成立した場合に、これまでの委員会での質疑によって明らかにされた、改正法の各規定の趣旨の内容を事件を担当する裁判官を初めとする各裁判所職員的確に周知し、各裁判所においてその内容を踏まえた適切な審理が着実されることが重要であると認識しております。
そのために、例えば改正法施行後の運用に関する大規模庁での集中的な検討や全国規模の検討会の機会を設けて、裁判所内部でしっかりと検討を行い、また、裁判官を初めとする各裁判所職員に対して必要な研修を実施するなどして、各裁判所における施行に向けた準備や、検討が適切に進められるよう、必要な情報提供サポートを行ってまいりたいと考えております。
牧山ひろえ議員
様々なシミュレーションを含めて質の高い国会審議を行いそれを軸に、執行の質を高めていくことは重要ですし、私達の使命でもあると思うんですね。ですが、先ほど述べました裁判官の独立の関係上、裁判所が立法意思通りに解釈し、そして運用し判断する保証はないですし法務大臣も最高裁事務総局も保証することはできませんであれば、重要なところをですね、具体的に条文に書き込んできちんと縛る。
本来の筋論で言えばこうしないとですね、懸念は全く払拭されないのではないかなと思うんです。例えば共同親権となっているケースで、同居親が自身を行う行為を自身単独でできるのか、それとも別居親と共同でないとできないのか。
確信が持てない場合に、これらのO氏へ質問に対応する問い合わせ窓口的な仕組みや手立てを用意するご用意はございますでしょうか?
竹内民事局長
お答えいたします。親権を単独で行使できるか否かにつきましては婚姻中の父母について現行法のもとでも生じる問題でありまして、現行法の解釈も踏まえつつ、本改正案では父母双方が親権者である場合でありましても子の利益のため急迫の事情があるときや監護または教育に関する日常の行為をするときは親権の単独行使が可能であることを定めております。
確保による親権行使の逃避につきましては、個別の事案における具体的な事情に即して判断すべきものである上現行法のもとでの婚姻中の父母による対応と異なる対応を必要とするものではありませんが、これまでの国会審議におきましては、具体例も踏まえて親権の単独行使が認められる場面等について説明をしてまいったところでございます。
また本改正案につきましては、衆議院法務委員会における審議の結果といたしまして附則に政府は改正後の各法律の円滑な施行のため新民法第824条の2第1項第3号の急迫の中の意義ですとか、同条第2項の監護および教育に関する日常の行為の意義、その他の改正後の各法律の規定の趣旨および内容について国民に周知を図るものとする旨の条項が追加されたところでございます。
本改正が制した際には、この附則の規定に従いまして本改正案の趣旨や内容について国会における法案審議の中で明らかになった解釈等を含め、関係府省庁等とも連携して適切かつ十分な周知に努めてまいりたいと考えております。
牧山ひろえ議員
今私が申し上げたようなサービスがないとですね、同居親は子供について何らかの選択を行う度にですね、弁護士に問い合わせをしなければならなくなるんですね。この短い国会審議の中でも、これだけ様々なケーススタディが検討されています。
実際に制度が施行された場合、数多くの事案について不安を感じるケースが続出すると思うんですね。そのような状態は子供の利益には全くならないと思うんです。共同親権となった場合には、日常の行為ですとか、急迫の事情がある場合を除いて狭義の親権である重要事項決定権について共同行使をすることになります。
共同親権者の話し合いで一致しない場合の重要事項の決定は家族にとって今までになかった業務でございます。これに加えまして、共同親権か単独親権かというこれもまた今までなかった業務を加わるわけですね。また、いわば事件が事件を生む。
このような事態も懸念されるわけです。これらを考え合わせますと確実に家裁の業務量は、増を増加激増すると思うんです法務省そして最高裁は今回の改正によって、どの程度、家裁の家事事件数が増加すると見込んでおられますでしょうか?
竹内民事局長
まず法務省からお答えいたします。
本改正におきましては、父母双方が親権者である場合の親権行使につきまして父母の意見対立を調整するための裁判手続き等を申請することとをしておりまして、家庭裁判所に申し立てられる事件数が増加する可能性はあると考えておりますが現時点では事件数を具体的に予測することは困難でございます。
馬渡家庭局長
裁判所の方からお答えいたします。この法律案によれば、父母双方が親権者である場合の親権行使について父母の意見対立を調整するための裁判手続き等を申請する内容を含むものであると承知しておりまして、法案が成立する前の段階で確たることを申し上げるのは困難でございます。
この法案が成立をし施行となれば、この新たな裁判手続き等の新設に伴い家庭裁判所に申し立てる事件数が増加する可能性はあるものと考えておりますが、現時点で具体的な予測は困難であるというふうに考えております。
牧山ひろえ議員
改正案は、現行法よりも親権行使などを巡って協議したりとか、対立する場面が当然ながら増えたりすると思うんですね。今までは紛争のきっかけになりづらかったプールですとかワクチンなどの何気ない生活の一部が、紛争の種になるわけでございます。
いわば紛争の多様化、そして複雑化になるわけです。法務大臣は衆議院での審議で不必要な紛争が増えるとは思わないと答弁しておられますけれども要否を問わず紛争自体が増えることは多くの識者が認めるところなんですね。
共同親権制度が主流の欧米では、日本と比べて子の監護に関する法的紛争が非常に多く、格段に多く裁判に巻き込まれる子供が、大変多いですちなみに家事裁判の件数は日本は2241人に1件フランスの場合は現在395人に1件米国ニューヨーク州ですと137人に1件となっております。
米国ニューヨーク州もフランスも共同親権の国なんですけれども、共同親権と子供が法的紛争に巻き込まれる確率との関係についてどのようなご認識でらっしゃいますでしょうか?
小泉法務大臣
ご夫婦が別れた後にも共同で親権を行使するこれはなかなか確かに難しい問題であり、その判断において裁判所の判断が求められるケースももちろん増えていくということは事実だと思いますが、その目的は何かといえば、子供の幸せ、子供の健やかな成長、それに向かっての努力だと私は思います。
増えていくことに対しては適切な対応が必要だと思います。組織の拡充、あるいは予算の確保様々なスキルの獲得、そういったものを積み重ねながら、子供の幸せのために裁判所にも頑張ってもらわなければいけない、そのように感じております。
牧山ひろえ議員
共同親権の導入が子供の子供法的トラブルに巻き込む可能性もを上げる可能性もやはり考慮するべきだと思うんですね。今回の改正に対応するには、家庭裁判所の抜本的な人的物的体制の整備が必要不可欠だと思います。
裁判官はもちろん調査官、調停委員などについても増員が必要でしょうが、法務省と最高裁は今年度も含めて、裁判官以外の裁判所職員の定員増加にブロックをかけているんです。その一方で今回の改正によって、離婚を巡る事件が今よりさらに複雑かつ困難になることが想定され、とりわけ当事者対応は困難を極めることが予想されております。
今回の改正の影響を最も受ける職種の一つである調査官などは、極めて専門性が高く、そして増員することはすぐにはできることではありません。今回の改正に対応するために最高裁はいつまでにそれぞれの職種をどの程度増員し、またどのようにか家裁のインフラを評価するのか、ご芳志その後方針をお聞かせいただければと思います。
最高裁判所事務総局小野寺総務局長
お答えいたします。本法案が整理いたしまして施行ということになりますと裁判所に期待される役割がこれまで以上に大きくなります。また新たな裁判手続き等の創設に伴い家庭裁判所に申し立てられる事件数の増加が見込まれることは、裁判所としても認識しているところでございます。
裁判所といたしましては裁判所に期待される役割をしっかりと果たしていくためにも新たに創設される裁判手続き等を含め改正法の各規定の趣旨内容を踏まえた適切な審理が着実に行われるよう、裁判所全体として適切な心理運用のあり方を検討していくことが重要であると考えており、こうした適切な心理運用のあり方に見合った体制の整備に努めていく必要があると考えているところでございます。
体制整備の詳細につきまして、現段階において確たることを申し上げることは困難でございます。裁判所といたしましてはこのような体制検討をしっかりと行った上で、本法案の施行に向けて必要な人的物的体制の整備に努め家庭裁判所の事件処理能力の一層の向上を図ってまいりたいと考えております。
牧山ひろえ議員
新しい制度で予算成立前だからそのために必要な準備や計画について回答できないといった趣旨のコメントに聞こえるんですけれども、実際に今回にしてもですね、改正事項に基づいたプランは未作成とのことのようなので、本当に急ピッチでしっかりしたプランを立てて、ぜひ体制をしっかりと整えていただきたいと思います。
行政府は主権者である国民から政府についての信任を得るために政策や制度を国民の代表者としての国会に提案します。その場合には政府や制度を実施するのに必要な費用や対応人員、それから必要装備などについて、ある程度の規模感を伴ったプランニングが政府提案の妥当性を評価する際に判断要素として必要なのではないでしょうか? この点について大臣のご所見を伺いたいと思います。
小泉法務大臣
今年度の話として申し上げれば、今年度予算の要求をする段階で、この法案はまだ形が見えておりませんでした。他にも当然提出されていませんでした。しかし、今国会で取り上げていただきこうしてご審議をいただいている以上はこれは2年後の施行になると思いますけども成立した場合には最高裁ともよく意思疎通をして、そしてしっかりと予算要求できるように、その規模感も含めて、内容も含めて細部も含めて検討していきたいというふうに思っています。
立法権と実践行政圏と地方圏にまたがる。そういう案件でございますので、法務省だけで処理できるわけでは到底ありませんけども、最高裁に様々なお願いをする以上、我々もそれを支える協力する大きな責務があるということは自覚しておりますので、しっかりと取り組みたいと思いますし、この法案が成立すること自体が大きな後押しになります。
財政当局に対して、ぜひ委員の先生方にもご協力を強力なご協力をいただきたいとお願いしたい。
牧山ひろえ議員
では、2年後、すなわち2026年に予定されている改正民法の施行までに、裁判所としての対応準備は間に合うと最高裁はお考えでしょうか? 間に合うというのはしっかりですね問題が起きないようにするということなんですけれども、いろんな意味でその準備は間に合うその準備には間に合うというお考えでしょうか?
小野寺総務局長
お答えいたします。裁判所といたしましては、本法案が成立した場合におきましては定められた施行期日に向けて、改正法の各規定の趣旨、内容の的確な周知や、研修の自主実施等を含め必要な準備をしっかりと進めてまいりたいと考えております。
牧山ひろえ議員
専門性の行政ということに鑑みましても非常に多くの時間がかかります。そしてまた先ほどの質疑からもおわかりのように現在の法務省の最高裁も今回の法改正についてどの程度の準備が必要かという全体像も、そしてそれを前提とした現在の状況もいずれも教えていただけませんでした把握してないように聞こえました。
それでなぜ間に合わないとは思っていないと言えるのか不思議です。しっかりと答えていただきたかったんですが、もう一度お願いします。小野寺さん。
小野寺総務局長
お答えいたします。最高裁といたしましては、改正法の趣旨に沿った適切な運用を確保するために、例えば改正法施行後の運用に関する大規模庁での集中的な検討や全国規模の検討会の機会を設けるなどして、各裁判所、各裁判所における施行に向けた準備検討が適切に図られるよう、必要な情報提供やサポートを行ってまいりたいと考えているところでございます。
あわせて裁判手続きの利便性の向上や事件処理能力の一層の改善向上に努めることも重要であり期日間隔等の短縮化に向けた取り組みやWeb会議の活用の拡充などを含む各家庭裁判所における調停運営改善の取り組みを支援する他、調停委員の研修体系の見直しを図っていくこととしております。
このような運用面のお取り組みを進めながら、適切な心理運用のあり方に見合った人的物的体制の準備もしっかりと進めていくことで施行期日までに必要な体制整備ができるものと考えております。
牧山ひろえ議員
続きまして家庭裁判所の審理期間の短縮の必要性についてお伺いしたいと思います。
改正法の施行後、重要事項ないし特定事項の決定につき、親権の共同行使の合意ができない場合、すなわち両氏両親の両親犬舎管理で親権行使の判断が割れる場合その判断は家裁の審判に委ねられることになっています。重要事項の判断を委ねられたか、家庭裁判所はどういう判断、どういうどういった判断基準で審判を行うのでしょうか? 先日の委員会で小塩議員も発言してらっしゃいましたけれども例えば子供の進路なんて何が正解かなんて、裁判官だからわかるっていうわけではないと思うんですがいかがでしょうか大臣。
小泉法務大臣
いやちょっと実務の詳細まで私もコメントできませんが公平な、そして子供の幸せというものに大きく焦点を置いた判断を冷静に公平にしてくださるそういう期待を我々は持って裁判所に判断をしていただこうという方向性になっているわけでございます。
牧山ひろえ議員
重要事項決定権の共同行使は必ずしも子供の利益にかなうとは言えないと思うんですね。離婚後の父母に協力関係がないと実際にはここについての意思決定がスムーズにできなくなるからです。過去の国会の答弁でも安倍晋三首相や山下高師法務大臣はこの点を強く言っておられました。
決定内容の適切さもさることながらこういった重要事項の決定に関わる審判は、短期間で行われる必要があります。たとえ家庭裁判所が正しい判断を行ったとしても、その判断が必要なタイミングに間に合わなければ、子供の最善の利益にかなう制度とは言えないのではないでしょうか?法務大臣の御ご認識を伺います。
小泉法務大臣
ご指摘の通り、子供の利益を確保するためには、家庭裁判所においてスピード感を持った神事が必要な場合がある。当然考えられることであり、各裁判所においてそのような事情も踏まえて、適切な運営がされるものと理解をしております。
この法案が成立した際には、裁判所において適切な審議が行われるよう対応されるものと承知しており、法務省としても国会審議の中で明らかになった解釈等について、裁判所と適切に共有すること、これ繰り返し申し上げておりますけれども、共有することを含めて裁判所の取り組みをサポートしたいと協力したいと思っております。
牧山ひろえ議員
しかしですね現在の子の監護者指定事件の調停審判の手続きを通じた平均審理期間は約9.1ヶ月となっております。特定事項の審判は新しい制度ですので、あくまで参考としての数値となりますけれども、例えばシーズですとか、あるいは転居の決定に9ヶ月以上かかっていたら、下手するとその病院は命さえ失われているしまうかもしれません。
進学などにも、当然9ヶ月も経ってしまえば悪影響が出てしまってもおかしくないわけです。印象値ではありますけれども、実社会の要請に到底応じられる心理機関とは言えないと思うんですね。これ本当に大問題になる。
今後もっともっと大問題になると思うんです共同親権の導入に伴って、具体的な親権行使の審判だけではなく、親権者を定める。審判親権変更の心理面会交流の審判もまた増加が見込まれるわかりずです。そのいずれについても、この意向を十分に確認し家庭の状況を詳細に調査して丁寧に判断をする必要があります。
現在の家裁の審理期間の現状は自治社会の要請に応え、子供の利益を確保しうるものと大臣は評価されますか。現在の家庭裁判所の業務の半分状況で審理期間の問題が生じないとそのように言えるでしょうか?大臣、お答えください。
小泉法務大臣
ご指摘の審判手続きに要する時間、期間については個別具体的な事業よって異なる上に様々な要因が影響すると考えられます。そのため現在の監護者指定事件の往診時間についての評価、これをお答えすることや、仮に本改正案が降伏2年を待たずに、直ちに施行される場合といった仮定の質問にお答えすることは困難であります。
しかしこのスピード感、おっしゃるように非常に重要なポイントであります。日々の生活がもう動いていますから、日々の営みというのは途切れませんので、その中で刻々子供成長します。そういう大事な時間を無駄にできないご家庭にとって、本当に重要な問題だと思います。
そのことを我々もよく理解し、裁判所にも理解していただいて、財政当局にもお願いをし、できる限りスムーズに結論が出せるような心理体制を目指して、本当に力を入れてしっかりと取り組んでいきたいと思います。
牧山ひろえ議員
最高裁はいかがでしょうか? 本体家庭局長家事事件の審理期間の長期化につきましてご批判があるということは最高裁としても承知しておりまして、各地の家庭裁判所でも、この新時間の長期化については従前より問題意識を持っており、適正迅速な紛争の解決に向けて技術の持ち方の工夫、評議等を通じた裁判官の効果的な関与などを含む調停運営改善の取り組みを進めてきておりまして、最高裁判所としてもそうした取り組みを後押ししてきているところでございます。
また裁判最高裁におきましては先日、各家庭で売買裁判所における調停運営改善の一層の取り組みを支援するため、家事調停の技術改革の長期化の底に焦点を当て、その長期化要因の分析やありうる対策を提示するなどの情報提供を行っております。
これを踏まえて今後各地の各家庭裁判所におきまして、それぞれの超過要因に応じた実効的な対策を検討実践していく取り組みが一層進展していくものと考えており最高裁としてもこうした取り組みを後押ししたいと考えております。
加えて、この改正法案が成立すれば、特定の事項に係る親権の行使を父母の一方が単独ですることができる旨を定める手続き等が新設されることとなり、親権行使の内容、時期その他の状況に応じてスピード感を持った審議が必要になる場合があることも考えられ、法の趣旨を踏まえた審議のあり方を検討する必要があるものと認識しております。
事務当局といたしましても、施行までの期間におけるこうした拡張の検討をしっかりとサポートしてまいりたいと考えております。
牧山ひろえ議員
努力目標のあの言葉を並べるのは非常に簡単だと思います。でも、今ですらこういう状況ですよ。これからもっともっと家事事件増えていくわけです。こういった状況にあることを本当に真剣に認識して、急ピッチで何とかしなきゃいけない問題だと思うんですね。この課題について最高裁は適正迅速な紛争の解決に向けて取り組みを進めていると強調されておりますが、では、改正法の施行時に、どこまで迅速化が進んでいれば実社会の要請に応えて、そして子供の利益を確保しうるものと評価することができるんでしょうか?審理期間の短縮迅速化の達成状況の目安を教えていただきたいと思います。
それがどこまで進めば、改正法裁の制度設計が問題解決の実効性を持ちうるのかご判断をお伺いしたいと思います。大臣、お願いします。
小泉法務大臣
裁判所の体制については裁判所を取り巻く様々な状況を踏まえ、最高裁判所において、適切に判断されるべきものであり、ご指摘の審理期間の短縮、迅速化の達成状況の目安について法務大臣としてお答えすることは困難であることをご理解いただきたいと思います。
国会審議の中でこうした問題提起をいただき様々なご議論をいただいていることを、裁判所等はしっかりと共有をしていきたいと思います。協力もしたいと思います。
牧山ひろえ議員
続きまして木村参考人から指摘のあった論点ですが、法務省は法案817条の中に第2項に父母の多田が互いの人格尊重協力義務が定めてられているから適時の決定を邪魔する共同親権の行使はできないと位置づけています。
ではこの義務違反があったとき、誰がどうやってどのぐらいの時間で助成するのでしょうか、大臣。
小泉法務大臣
本改正案では、父母相互の人格尊重義務や協力義務の規定を新設するとともに、親権は子の利益のために行使しなければならないことを定めております。そのため、離婚後の夫婦双方が親権者となった場合においても、父母の一方が単独で行う親権行使について他の一方が不当な妨害行為をすることが許容されるものではなく、個別具体的な事情によってはそのような行為が人格尊重義務や協力義務に反すると評価されることがあり得ます。このような本改正案の趣旨、内容が正しく理解されるよう、十分かつ適切な周知広報に努めてまいりたいと思いますが、その上で、あくまで一般論として申し上げますと、父母の一方が、父母相互の人格尊重義務や協力義務等に違反した場合、裁判所が行う親権者の指定親権者の変更の審判等において、その違反の内容が考慮されることがありうると考えます。
裁判所がこれらの裁判をするのに要する期間については、個別具体の事案における当事者の主張や資料にもよるため一概にお答えすることは困難でありますが、子の利益の観点から適切な審議がなされるものと期待をしております。
牧山ひろえ議員
時間となりましたのでまた後ほど質問させていただきたいと思います。
伊藤孝江議員(公明党)
公明党の伊藤孝恵です。よろしくお願いいたします。今日はまず子の利益を確保するための環境整備ということについてお伺いをしたいと思います。
今回の法改正は子の利益を確保するというのが大きなポイントの一つではありますけれども、この子の利益というのが何なのかというところもこれまでの様々な審議の中で様々な議論がなされてきました。
先日の参考人質問の際に、沖野参考人からは、「子供の利益ということに関し子供が心身あるいは社会的に健全な状態で生育していける、その環境を整えるということで親の責務としての親の責務との関係で言うと親がそれぞれ親の地位において子供の養育に責任を持って関わっていく。そのもとで養育をされていく」
ということは非常に重要な利益であるという共同親権に繋がるような試算もいただいているところでもあります。
また浜田参考人の方からは「子供の立場で考えたときに、父母間の紛争は子供にとっては全くそもそも望まないもので、親同士の紛争はあくまでも親同士のものであって、子供はただ巻き込まれる立場だということでまた親権の義務性というところにいい観点を置くと、離婚によって親権が1本のみになるということは子供にとってみれば義務を果たす人が1人減ることになるんだ」という観点からの共同親権ということについても言及をいただいたということで大変私自身も勉強になったところでもあります。
この子供の権利というところについては日本の法律の中では子供基本法というのが定められておりまして子の利益を確保するという今回の法制度の趣旨からいくと、子供基本法について研修をする無視をするということはできないものであるというふうに考えます。
子供基本法の3条には、3項において、全ての子供について、その年齢および発達の程度に応じて自己に直接関係する全ての事項に関して意見を表明する機会が確保されることで4項において、全ての子供について、その年齢および発達の程度に応じてその意見が尊重され、その最善の利益が優先して考慮されることというふうに定められておりますこれを初めとする子供基本法の基本理念というのは今回の民法の改正法案の中での解釈や運用において最大限に尊重されるべきと考えますけれども、大臣のご見解いかがでしょうか?
小泉法務大臣
ご指摘いただきましたようにこの民法か今回の民法改正案は、子供の利益を中心に考えていこうという仕組みになっております。
そして、こども基本法のそういう意味では、こども基本法の今お示しいただいた基本理念と全く同じいいところに立っている法案でございます。したがって本改正案の解釈運用においては、ご指摘の点を含め子供基本法の基本理念が尊重されるものと考えております。
伊藤孝江議員
ありがとうございます。どうしても親同士の対立というところそこはもちろん現実の解決の中で無視をすることは全くできないものではありますけれども、そこに子供の視点としてどうなのかというところについて、一つしっかりとポイントを置いていくというのは大変大事なことだというふうに思います。
子の両親が離婚の紛争状態になっている葛藤の状態におきまして先ほど子の意見表明の機会というのを確保していく、もちろん表明する機会であれば、表明したくないという気持ちもあると思います。それも含めてこの子供の気持ちをしっかりとあらわす確保していくためには、子供の手続き代理人という制度を利用するというのが一つの方法としては考えられます。
両親が離婚紛争を行っているような場合に、子供に対して現状の状況の説明であったり、また子供自身の生活がこれからどうなっていくのか何をどんなふうにこれから決めていくのか等を含めて離婚紛争や子供自身の生活への影響について子供に情報提供していくということを考えたときに、現状では甚だ不十分な状況だというふうに思います。
子供にとって大きな不安や恐怖の中にいるというのが容易に想像できる事態に置かれているのではないかと思います。この離婚紛争におきまして、子供の手続き代理人が果たす役割の重要性について法務省としていかがお考えでしょうか?
竹内民事局長
お答えいたします。子の利益を確保するためには、父母の履行に直面する声のサポートが重要であると認識をしております。
先日の参考人質疑におきましては、弁護士である参考人から子供の手続き代理人は、子供のために裁判手続きにおける主張立証するだけでなく、子供に十分な情報を提供してその意思決定を援助し、子供の利益にかなう解決がされるような働きかけをするなど離婚紛争において多様な役割を担いうるとの御趣旨の貴重なご指摘をいただいたところでございます。
このような子供の手続き代理の役割は父母の離婚に直面する子へのサポートという観点から重要なものと認識をしております。
伊藤孝江議員
私自身が子供の手続き代理人をされた弁護士の先生からお話をお聞きしても、この離婚搬送のときに、もちろん様々なお話をしたり、その子供の意思決定サポートをしたり、またはその代理人として声を出していくということも含めてされている。
後にもですねこの履行の運用自体、終わった後にも、子供自身がいろんな疑問を持ったり、どうしたらいいのかわからないというようなことがあったりしたときに直接その弁護士の先生に連絡をしてきて、本当に長い間ずっと継続的にサポートをしているというようなお話もお伺いをしました。
子供にとって様々な面での大事な役割をこの子供の手続き代理人の先生が果たされているということを感じています。その中でなかなか現実にはこの子供の手続き代理人が扱われていないというような指摘も参考に質問でもなされたところなんですけれどもこの子供の手続き代理人が選任されている事案数の推移と、またどういう事案で利用されているのかということについて、現状をご説明いただけますでしょうか?
馬渡家庭局長
お答えいたします。平成25年から令和6年2月までに、未成年者の手続き代理人が選任されました。この数は、各各裁判所からの情報提供による上、実情調査の結果に基づく概数として348名でございました。未成年者の設備大臣が選任された事件類型としては、平成25年から令和6年2月までに選任された事件の割合で申し上げますと多い順に、面会交流が一番多くて、親権者変更、監護者指定子の引き渡し、夫婦間夫婦関係調整審判前の保全処分となっております。
近年の年ごとの傾向としては、面会交流が最も遷延試合が多いということで一貫しておりますが、面会交流以外の事件類型につきましては、年によってまちまちという状況でございます。特に専任の面会交流に関して具体的にどのような事案で選任されているかと申し上げると論文等で発表されている例でございます。
例えば母が親権者である父に対して長女9歳と面会交流を求めた事案で、父母が高葛藤状態で、長女自らが手続き代理人を選任して利害関係参加を求め、父母とも異議を述べなかった事例や父が母が連れて別居した11歳の長女と7歳の次女との面会交流を求めたところ、母が仕事上の都合および心情的な父への拒否感から、調停期日にほとんど出頭せず家庭裁判所調査官による、これらの興信所の調査も困難な状況を受けて、父の手続き代理人からの提案によってこれについての手続き代理人を職権で選任することとした事例等が挙げられるところでございます。
伊藤孝江議員
ありがとうございます。全体の数からいくと本当にごく一部の事件での選任ということになっているのかと思います。その理由として参考人からは一番大きい理由としては報酬が挙げられるということがありました。この子供の手続き代理人の報酬としては公費からというのは支出はされなくてまた実際に父母が分担をするというのが現実として最後結論としてはあるということにもなるとする。
そうなると父母の方が了解をしなければ費用負担をしないということになれば選任できない。というような報酬の事情がまず1点挙げられるということですけれども、それ以外で一番大きい理由としては、裁判所のご理解をもっと得ていかなければならないと裁判所が参加を認めてくださらない。手続き上は先に進まないという意見を参考人からいただいております。
この子供の手続き代理人の選任において裁判所が果たす役割は大変大きいと思います。
また、子供の気持ちや意見を伝えることで、両親の考え方や行動の変容を促すこともでき、事案の解決にも影響を与えることもあるというふうにもされております。裁判所として利用が望ましいと考える事案においては積極的に活用検討していくべきではないかと考えますが最高裁いかがでしょうか?
馬渡家庭局長
お答えいたします。調停事件や審判事件において、未成年者の手続き代理人を選任するかどうかは裁判官において、事案に応じて適切に判断されるべき事項であると認識しております。その上で一般論として申し上げれば、未成年者の手続き代理人を選任する場合としては、例えば、面会交流事件等において未成年者が手続きの主体となる場合であって、自ら手続き行為をすることが実質的に困難であるとき、あとこの言動が対応者や場面におっ、よって異なると思われる場合、子の意思に反した結論が見込まれる場合など、個々に対する踏み込んだ情報提供や相談に乗ることが必要と思われるときなどが考えられるところでございます。
いずれにしましても、未成年者の調停事件や審判事件への手続き参加についての考えなどを含めた事案の内容に応じて、この趣旨を踏まえて未成年者の手続き代理の選任がされることが重要であると認識しているところでございます。
伊藤孝江議員
もちろん代理人弁護士の側であったり、いろんな立場でいろんな形でこの子供の手続き代理人の活用の必要というのが考えられる場面はあるかと思うんですけれども、やはり両方の立場を客観的に見ることができる。特に調停の場合であれば相手方とは直接接することは、基本的にはない当事者にとってはですね、当事者なり当事者の誰にとってはないという中で、裁判所としてどう見るのか、調停委員としてどう見るのかというところは大きな観点の一つなのかと思いますそういう点も含めて積極的に判断をいただけるような形での検討を進めていただきたいと思っております。
もう一つ活用が進まない一つの要因としては、両親また当事者である子供たちにこの制度自体の周知がなされていないということが指摘をされて、います子供に対して、あなたの権利というものがどういうものかということも含めてですね。この子供の手続き代理人の制度に対しての情報提供が必要であるというふうに考えますし、また、この制度の提供だけではなく、そもそも子供自身の不安や疑問に答えるための離婚前後の相談体制を子供に対してのものも拡充していく必要があると考えます。
親ガイダンスだけでなく、子供にもガイダンスをしたり、また学校やこども家庭センター等とも連携をして、子供がどこでも相談できる仕組みを整備すべきと考えますけれども法務省この点いかがでしょうか?
竹内民事局長
お答えいたします父母の履行に直面する声の社会的なサポートは子の利益を確保する観点から重要であると考えております。
御党からも親の履行を経験した子供自身が相談したり、サポートが受けられる相談支援体制を整備することを求めるご提言をいただいたところでございます。法務省では、ホームページを通じて、父母の離婚で悩んでいる子供向けに相談窓口を含めた必要な情報提供を行っているところでございまして、引き続き関係府省庁等とも連携して各種の制度を適切かつ十分に周知することを含め、子への支援のあり方について適切に検討してまいりたいと考えております。
伊藤孝江議員
ありがとうございます。自治体によっては学校で親が離婚をしたあるいは今は離婚の紛争中であるというようなそういう離婚を身近に感じざるを得ない環境そばに置かれている子供に対して、全員にしっかりと相談体制をとっていくっていうようなことも含めてやっているというところもあるということもお聞きをしました。
本当にその子供の不安をどう解消していくことができるのかというのは、もちろんあの両親にも何とか両親自体も考えておられるところだとは思うんですけれども社会としてもサポートをしていくというところが大事な面があるのかなというふうにも思っておりますこの意見表明権など、子供の権利また子供の最善の利益という点に関して、家裁で事件の審理をするにあたって、きちんと見ていただくことができるというのが一番望ましいところではありますけれども、家裁の裁判官調査官調停委員は、この子供の権利に関しては専門性を有しておりません。
現実に調停や訴訟手続きの中で子供の気持ちを汲み取ることがどこまでできているのかと先ほどの事例の中で同居親の側がなかなか離婚のお話し合いに協力をしてくれないときの事案で子供の手続き代理人を使ったという事例がありましたけれども、ただそういう事案というのやっぱり数少なくて私自身が経験をしたような事案であっても、やっぱり子供を2位接触を持たせてくれない子供の意見も聞いてくれない子供の意見は私がわかっていますっていうふうに頑なになられる状況親だったり、そもそも子供のことは一切関わらせないっていうようなことも含めて頑なな態度をとられる方もいらっしゃるという中で、そういう場合にその親を通じて子供の意見を確認をする調査官も作れなくてですね、子供から何かメモ書きというか手紙みたいなものが書かれたものが調停に届けられてこれを本当にそのまま大前提に考えていいのかどうかというのを悩みつつもというようなことも含めて、やっぱり実際の事案の中で難しい対応が迫られることも多いと思います。
この司法の手続きにおいて子供の意見表明権を実質的に担保するような取り組みというのが必要だというふうに考えますけれどもまずこの点について大臣のご見解をお伺いいたします。
小泉法務大臣
親権等に関する家庭裁判所の手続きにおいて、子供の御意見、意向等が適切な形で考慮され、尊重されることが非常に重要であると認識しております。
また本改正案においては、この意見、意向等が適切な形で考慮され、尊重されるべきである。そういう趣旨を含む。ものとして、父母がこの人格を尊重すべきことが明文で定められているところでございます。具体的にですねこの事件におけるこの意見聴取のあり方については、家庭裁判所において適切に判断されるべき事項であると考えますが、一般論として申し上げれば、家庭裁判所は例えば家庭裁判所調査官を利用して、この態度や生活状況等を調査するなどして、この認識や意向等を適切に把握するよう努めているものと承知をしております。
この法案が成立した際には、裁判所において適切な審議が子供の御意見のを踏まえる形で適切な審議が行われるよう対応されるものと承知しております。法務省としてもこうした国会審議の中での会社論点問題提起ご意見、これを裁判所等、適切に共有することを通じて、裁判所の取り組みに協力をしたいと思います。
伊藤孝江議員
子の意見表明権などの子供の権利につきまして家裁の裁判官調査官調停委員に対してしっかりと子供の意見を尊重して最善の利益が優先して考慮されるべきなんだということを、研修等で学ぶ機会を作る必要がまずあると考えますけれども最高裁いかがでしょうか?
馬渡家庭局長
お答えいたします。最高裁判所といたしましても、意見表明権を含めた子供の権利の擁護が図られることは重要であると認識しております。これまで裁判所では、例えば委員ご指摘の意見表明権に関し、ここに影響を与える一定の事件類型について適切な方法によりこの意思を把握するよう努め、その位置を考慮しなければならない旨を規定する家事事件手続きは65条の重要性につきましては、これまで各種の研修や研究会等で取り上げてきております。
またこれ以外にも、子供の権利に関わる研修として、例えばDV事案における子供へのアプローチや児童虐待事案における親子関係や家庭への対応などについて専門家にご講演いただくなどしてきたところでございます最高裁判所といたしましては今後も引き続き各家庭裁判所において、子供の権利を踏まえた適切な審理運営がなされるよう、必要な対応をしてまいりたいと考えております。
伊藤孝江議員
これまでももちろんそのDVであったり虐待であったりっていうような事案を通しての子供の権利というところの研修というのはなされてるんだと思うんですけれども子供基本法ができて子供の権利っていうものをしっかり真ん中にどんなふうに置いていくのかというところについて、そこにポイントを置いた研修というのがなされているのかというのは、やはり疑問もありますので再度検討いただきたいというふうに思います。
ずっと法案の審議の中で課題としてなされて出されてきているのが先ほどもありましたけれども、家庭裁判所の調査官の調査の関係だと思います。私自身も以前の御質問でも取り上げさせていただきましたけれども、現状の家裁の調査官調査が各事件において必要十分にまた丁寧になされているのかというところについてお伺いをさせていただきたいというふうに思います。
そもそも離婚紛争で子供がいる事案については、全て調査官をつけるべきと、私自身はそう思っておりますけれども現状ではそうではないという中で、子供がいる事件で、調査官調査を行わない事件の割合が、現状どの程度なのかまた、調査官調査を行わないのであれば、子供の手続き代理人を選任をして子供の意見を聞いていくということが必要であるというふうに考えますけれども最高裁いかがでしょうか?
馬渡家庭局長
まず巡る紛争のある事件において、家庭裁判所調査官による調査を実施するかどうかは、紛争のないよう、この状況その他の事情を踏まえ、裁判官または調停委員会において適切に判断され、必要な調査が、事案に応じて適切に実施されているものと認識しております。
また、お尋ねの子がいる事件で調査官調査を行わない、行わない事件の正確な割合については、事務当局として把握しておりませんが、例えば、面会交流や親権監護権を巡る事件などでは、行動科学の知見等を活用して調査を実施する必要があるものが多く、このような必要性がある事件では、家庭裁判所調査官による調査が行われているものと認識しております。
また一方で、未成年者の手続き代理人の選任につきましては制度上、家庭裁判所調査官による調査の代替手段と位置づけられているものではないと考えておりますがいずれにせよ、未成年者の手続き代理については、法の趣旨を踏まえに応じて適切に整備されるべきものと認識しております。
伊藤孝江議員
結論的にはそういうふうに言うしかないんだろうと思うんですけれども、事案に応じて適切にやっていますというのでは、もう各調停委員会に丸投げなのか、各裁判所に丸投げなのかというところにしか聞こえないというところが、やっぱりすごく不信感を余分に招いてしまうところがあるんだと思うんですね。
だからそこの部分の何ていうんですかね具体的な1個1個の事案について別にここでもちろん説明していただく必要はないしそれはいらないんですけれども、裁判所としてどういうところを考慮していたりであるとかどういうところを今課題としてこんなことを取り組んでいるんだというようなこともあれば安心する部分っていうのもあるんだと思うんですけれども。
これは別に質問ではなくて意見としてさせていただきます。実際にその調査官調査において各事件においてどんなふうな調査がなされているのかと子供に何回あって、またあるいは学校だったり病院だったら必要なところにどんなふうにいいアプローチをしてどんなふうに行って試行的親子交流を何回やってどんなふうにどんなふうな判断がなされてっていうようなことを全事案でなくてもモデルケース的になのかどっかの裁判所まとめてなのか、とにかくそういうふうな具体的な調査とそれがどんなふうな結果に繋がっているのかということについて、最高裁として調査だったり分析だったりっていうのはされてるんでしょうか?
馬渡家庭局長
例えばこの監護権を巡る事件におきまして一般的に家庭裁判所調査官は夫の面接親との面接、関係機関の調査などを実施してこの間ご状況や生活状況、心身の状況、以降心情等を把握しております。
家庭裁判所調査官が調査を実施する場合の具体的な調査対象、調査方法および調査報告書の提出議案を含む調査機関等につきましては、調査命令の趣旨すなわち、何を明らかにするための調査か調査であるかといった調査の目的でございますがこれを踏まえ裁判官または調停委員会と十分に打ち合わせを行った上で、調査計画を立案して、個別の事案に応じて適切な調査が実施されているものと認識しております。
その上で父母間の葛藤が高く子が深刻な状況に陥っていることが予想されるなど複雑かつ困難な事案につきましては、調査の目的を達成するために複数の家庭裁判所の調査官が検討議論し様々な調査対象から多角的に情報収集したり、同一の調査対象に複数回面接を実施したりすることもあります。
また、このことの調査に先立って家庭訪問を行って、この状況を事前に把握し、その結果も踏まえ、子の年齢や発達状況、個性等に応じて個々に必要な説明を丁寧に行ったり一緒に遊んだりすることで、この不安や緊張を軽減し、安心感を持ってもらえるよう工夫することも多いものと認識しております。
事務当局といたしましては、各町の出席、家庭裁判所調査官が行っている指導監督の実情について各家庭裁判所から報告を受けておりましてそれらの内容を通じて全国の調査官調査の実情について把握するよう努めているところでございます。
伊藤孝江議員
ありがとうございます。でもただ私からすると一般論を長々と答弁をいただいたというような受け止めになります。なんか調査官の調査に対して、当事者の方、あるいは当事者の代理人であったり、どういうところに不足を感じていて、何が課題だというふうに考えているのかということが伝わっているというふうになかなか思えないと具体的な不足部分を考えていこうと思うと、具体的にどんな調査がなされていて、どういう結論を出すためにですね、どんな調査がなされているのかとその調査が適切な判断というふうに納得と理解をしてもらえるようなものになってるんだろうか――ということを具体的に検討しなければ調査官の調査が今現状適切かどうかということも判断できないというふうに思います。
4月4日に法務委員会でここで質問させていただいた際には、例えば東京家裁でということで聞かせていただきましたけれども、調査官が同時に実質何件程度の事件を担当して調査報告書をどのぐらい作っているのかということについても、正確な数字を答えるのは難しいというところで何軒持ってるのかもわからないどんなふうな調査を具体的にしてるのかもわからないという中で、調査官が十分足りているのかどうかとか、審理の進め方として適切なのかどうかどんなふうな受けとめをされるのかっていうところについて最高裁がどのように分析をしているのかがわからないというところがやっぱり不安を生じさせてしまうんではないかというふうに思います。
具体的に調査官調査の実情を実態調査をして分析をしていくことというのを求めたいと思います。この子の利益を継続して確保するために、養育費の確保や安心安全な親子交流について子の監護の監護における取り決めが子供の利益の観点から適切に行われているのかなどの履行状況を把握をして、またこれから必要な措置を定めていかなければならないと考えます。裁判所は調停であれ、裁判である審判であれ、結論を出すところまで関わるので、ただ結論を出してもそこからきちんと履行していくことができるかどうかというのが、親交流にしても養育費の支払いにしても大変難しいとそこはやっぱり裁判所には見えないところだと思います。
でもその見えないところの後の部分どうなってるのかっていうのをしっかりとわかってないとどんなふうに裁判や調停で注意をしていったらいいのかとかどこにポイントを置いたらいいのかっていうのがやっぱり裁判所にはわかってないんじゃないかというふうに言われてしまいかねないと思いますそれらの履行状況を把握をしていくことであったり、それらの情報蓄積をして子供の利益の観点から効果的な取り組みについて引き続き調査研究を行うべきと考えますけれども大臣いかがでしょうか?
小泉法務大臣
父母の離婚時に養育費や親子交流を含めた子の養育に関する事項、これを取り決めることは子の利益にとって望ましいことであります。
御党からも用意計画の調査研究等についてご提言をいただいておりますそこで法務省では、今年度には、養育費や親子交流も含めた子の養育について離婚時に取り決めておくべき事項を定めた養育計画の作成に関する調査研究を実施する予定でございます。
また、衆議院において本改正案の附則に検討条項が追加されましたが、この条項に基づく検討する際には、子の養育に関する事項の取り決めやその履行が、子の利益の観点から適切に行われているかを含め、改正後の各法律の施行の状況等を注視してまいりたいと思います。
法務省としては附則のこの附則の規定の趣旨や御党のご提言等を踏まえ、関係府省庁等とも連携して、引き続き子の利益の観点から効果的な取り組みについて検討を進めてまいりたいと思います。
伊藤孝江議員
ありがとうございます。次に親子交流に関連をしてお伺いをいたします離婚後共同親権となっている場合に共同親権者となっている親については、理論上親子交流に関して品親権者の場合、衣装に親子交流の機会が認められるということになるんでしょうか?
竹内民事局長
お答えいたします。父母の離婚後の子と別居親との親子交流は親権の行使として行われるものではなく、別居親の親権の有無の問題と、親子交流の頻度や方法をどのように定めるかといった問題は、理論上は関係がなく別の問題として捉える必要がございます。
その上で親子交流の頻度や方法につきましては、安全安心を確保して適切な形で親子の交流の継続が図られることが、子の利益の観点から重要であるということを前提として子の利益を最も優先して考慮して定めるべきであると考えております。
なお、離婚後の父母双方が親権者である場合には、親子交流の機会を通じて、別居親がこの様子を適切に把握することが円滑で適切な親権行使のために有益であることも一つの視点として考慮されることになると考えられますが、いずれにしましても、適切な親子交流のあり方は、親権行使のあり方とは別に子の利益の観点から個別具体的な事情のもとで検討されるべきものと考えられます。
伊藤孝江議員
この親子交流が決められている場合ですね、決められている場合によく交流が実施されなかったという場合そのときに親子交流が実施されないことを根拠として損害賠償請求がなされるかもしれないということもよく言われております。
今回、懸念の材料としてこの損害賠償請求がなされるということも理論上、もちろん考えるところではあるんですけれどもただ親子交流が叶わなかったことの違法性を判断するに際し、共同親権なのか単独親権なのかというところで違いは生じるものなのかどうかということについて法務省いかがでしょうか?
竹内民事局長
お答えいたします父母の離婚後の子と別居親との親子交流は親権の行使として行われるものはございませんで、別居親の親権の有無の問題と、親子交流の頻度や方法をどのように定めるかといった問題別の問題として捉える必要がございます。
したがいまして仮に親子交流を実施できないことが違法であるとして損害賠償請求がされた場合でも、父母の双方が親権者であるか一方が親権者であるかという事情のみによって違法性の評価に影響が生じるとは考えておりません。
伊藤孝江議員
ちょっと一つ飛ばさせていただきます。今回共同親権が導入されるということで様々な他の制度にどんなふうに反映がなされるのかというところでいろんな不安の声をいただいております。前回質問させていただいたときには就学支援金のことを聞かせていただいたんですけれども、今日まず生活保護の関係でお伺いをいたします。
離婚後共同親権となった場合に、例えば母子家庭において離婚後、生活保護を受給しづらくなるというようなことはないでしょうかと生活保護制度における世帯の認定や扶養義務の取り扱いについて、単独親権の場合と共同親権の場合とで変わる場合があるかどうかということについて、厚労省いかがでしょうか?
厚生労働省大臣官房斉藤審議官
お答え申し上げます。生活保護法におきましては世帯を単位として保護の要否および程度を定めるものとしておりまして、原則として同一の住居に居住し、生計を1にしているものを同一世帯と認識認定しているところでございます。基本的には単独親権と共同親権と世帯認定の取り扱いを変更すべきものとは想定しておりません。
また改正民法第814条の12で定めます父母の扶養義務の程度につきましては、単独親権と共同親権等で変わるものではないものと承知しておりまして、基本的には単独親権と共同親権と扶養義務の取り扱いを変更すべきものとは想定しない、していないところでございます。
伊藤孝江議員
ありがとうございます。今回の共同親権の導入とはまた別の観点にはなりますけれども、母子家庭で生活保護の受給を申請をするというときに、まずは養育費を請求してからとか決まっているけど払ってもらえないのであれば養育費を差し押さえしてから来てください等の対応がされることがあります。
現実的な問題としてですね、もちろんこれは駄目な対応ですけれども現実にそういうことがなされているとその中で今回法定養育費というものが制定をされることになります。この法律が成立をすればされますけれども、この場合養育費について合意ができていなくても、法定養育費というのは債権としては発生をすることになるともちろん任意で払っていただきたいしいただかなければならないし、請求もしていくということはあるとして、ただそれでも払ってもらえない場合も当然あるかもしれないとその中で現実には債権はあるんだけれども受け取れないっていうような場合に、まずこの法定養育費差し押さえしてもらわないとっていうような対応をされると、やっぱりそれは間違っているものだということを明確に指摘をしていただきたいんですけれども、厚労省いかがでしょうか?
日原審議官
お答え申し上げます。生活保護法におきましては扶養義務者の扶養が生活保護に優先して行われることとされておりますが要件ではございませんことから生活保護の申請におきまして、基本的にはご指摘のような法定養育費の差し押さえや受領することを必須の要件とすべきものとは考えていないところでございます。
伊藤孝江議員
ありがとうございます。次に健康保険についてお伺いをいたします現状というか結婚しているときですね。今している間両親とも働いていてそれぞれが健康保険に加入しているような場合子供は父親の被扶養者となっている場合が実際には多いのかなというふうに思います。この現行の健康保険法において、子供を被扶養者として扱うかどうかというのはまずどのような要件のもとで認定をされているんでしょうか?厚生労働省大臣官房日原審議官お答えを申し上げます健康保険におきましては被保険者の親族等で主として被保険者により生計を有する者を被扶養者としているところでございます。
それで被扶養者の認定に当たりましては親権の有無については要件としておりませんことから親権を持つ親でありましても、その子との間に生計維持関係が認められない等の理由によりまして、認定要件を満たさない場合には、被扶養者の要件を満たさないこととなるものでございます。
このように健康保険法上の被扶養者の認定におきましては親権の有無は要件となっておりませんで特段その考え方を変更することは考えていないところでございます。高橋さん、ありがとうございます確認ですけれども親権者かどうかということではなくて、下、主としてその親に生計を維持してもらっているかどうか、子供から見てですね、ということで判断をするということでいいですね。
日原審議官
今ご指摘をいただきましたように被扶養者の認定、親権の有無は要件となっておらず、被保険者の親族等で主として被保険者により生計を維持するものであるかどうかということで被扶養者とするかどうかということを見ているということでございます。
伊藤孝江議員
ありがとうございます。先日は就学支援金に聞かせていただいて業生活保護等健康保険の関係でも聞かせていただいたんですけれども、やはり当事者の方々にとっては、その一つ一つが新しい制度が導入をされることでどんな不利益な状況になるんだろうかとか、またあんなに怖い思いをしないといけないんだろうかとかいろんな不安が生じているという現状があります。
先日大臣にも質問させていただいて今般の民法等改正案が成立した暁にはその円滑な施行に必要な環境整備が確実かつ速やかに行われるよう、関係府省庁が横断的に連携協力して、各施策を実現するための関係府省庁連絡会議を立ち上げる旨を求めて大臣からも前向きに答弁もいただいたところですけれども、本当にこの一つ一つの制度が、共同親権が導入されることでどう変わるのかというところが見えないというところでの不安を抱えていらっしゃる方が多いのかなと思います。
改めて、この法案が成立した場合には、パソコンまでにということではなく、できる限り早い段階で必要な検討を行って、広く明らかにしなければならないと思います。特にいろんな今の生活保護とか健康保険とか就学支援金もそうですし日常の行為も含めて、裁判所がどう判断するかってのはあくまでも最後の話で、最初に当事者の方がどんなふうに考えるのかというところがやっぱり大事だと思うと、どんなふうにしていただくかということも大変大事になります。
子供が不利益を受けることがないよう施行に向けて法務省として迅速に対応すべきというふうに考えますけれども、大臣のご決意いかがでしょうか?
小泉法務大臣
まず御党から、今般の民法等改正案が成立した暁には、その円滑な施行に必要な環境整備が確実かつ速やかに行われるよう、関係府省庁と連絡会議、これを立ち上げることをご提言をいただいております。
また、先般の衆議院法務委員会での付帯決議においても、子の利益を確保するための措置が適切に講じられるよう、関係府省庁等が連携して必要な政策を実施するための体制整備を進めることとされております。総務省としてはこうしたご指摘を踏まえ、関係府省庁と連絡会議を立ち上げることを予定しております。
本改正案の趣旨が正しく理解されるよう、関係府省庁としっかりと連携して、できるだけ速やかに施行を待たずに、できるだけ速やかに適切かつ十分な対応を行いたいと思っております。
伊藤孝江議員
ありがとうございます少し質問戻りますけれども今回の改正法について社会の利益を求める必要性について法務省にお伺いをしたいと思います。
さっき法定養育費の話は先ほどさせていただきました。
今回養育費に関して回収をしやすくするというようなことも含めてこれまでに引き続きなされているところでもありますけれども、簡単に子の養育費差し押さえできるかというとそういうわけではないと思います。
実際に事案に関わらせていただいても、差し押さえをすることでその会社での立場であったりっていう差し押さえられた側のですね払ってない側の立場であったり会社を辞めざるを得ないような場合も現実にはまだあると。また差し押さえをするということはお給料を一部働いている本人と渡さないといけない。債権者例えば、お母さんの側に渡すっていう会社からするとすごい煩雑な事務が求められるということになってそちらからの苦情が来たりというようなことも含めて、やっぱり社会としてこういうこと対応していく必要があるんだよっていうことも理解をしていただくというのも現実にはまだまだ必要な状況かなというふうに考えます。この点法務省としていかがお考えでしょうか?
竹内民事局長
お答えいたします。子の利益を確保する観点からはまず義務者が権利者に対して養育費を自主的に支払うべきであるという認識を持つことが重要であります。
他方で、養育費については任意の支払いがされないケースも少なくないところ、本改正案では養育費等の債権に先取特権を付与するなど、養育費の履行確保のための規定を複数新設しているところでございますこのような内容を持つ本改正案を円滑に施行して、子の利益を確保するためには、離婚等の同社に限らず、第3債務者になりうる方などを含め、広く社会に対しても、本改正案の趣旨や内容を周知して理解を得ていく必要がありまして、ただいま委員からご指摘いただいた観点も踏まえまして本改正案が整理した後の周知広報を行ってまいりたいと考えております。
伊藤孝江議員
以上で終わります。ありがとうございました。
音喜多駿議員(日本維新の会)
日本維新の会教育無償化を実践する会の音喜多駿です。本案の論点である共同親権共同養育について、私自身シングルマザーと結婚し、長女と養子縁組をして最高の家庭を築いており、いわばこの問題の当事者の1人でありますだからこそなお、家族のあり方は様々であると承知をしておりますが、私個人としても、また日本維新の会としても、子供の最善の利益のため、共同親権共同容器という選択肢がより薄幅広く取られていくよう推進していくことが望ましい。
もちろんDV等の特段の事情がある場合はしっかりと配慮しながら、やはり共同親権共同養育など選択肢を幅広くとれるよう推進していくことが望ましいという立場から、本日は党の政策責任者として自ら方法案に対する質疑に参りました。法務大臣、法務省の皆様、また最高裁判所の皆様ぜひ建設的かつ前向きなご答弁をよろしくお願いいたします。
さて衆議院、あるいは本院でもここまで議論があった通り、今回の政府案は原則の共同親権にまでは至らなかった点共同養育計画の策定に向けて強力な実行力に欠ける点などが懸念されるものの、DV被害者の保護について配慮等を行いながら、単独親権しか存在しなかった我が国に初めて共同親権という選択肢を示す一歩前進の法案として評価をいたしております。
しかしながら、なお残る改善点を中心に、法の運用において重要な点を指摘しながら、いくつかのテーマについて確認質問をいたします。初めに、法改正による国際的な影響について伺います現状、諸外国から日本の連れ去り問題が非難をされ続けている状態にあります。
例えば、2020年にEUが、子供が片方の親に一方的に日本に連れ去られる事例が依然多いことに懸念を表明し、日本政府が子供の保護に関する国際ルールを実行し、共同親権に道を開く法改正を求める決議を賛成686票、反対1票、棄権8票で可決をしています。
その後、2021年にはフランスのマクロン大統領2022年には国連人権規約委員会、2023年にはオーストラリア政府から同様の非難がされており、そして本年にはオーストラリア大使館主導で日本政府に対し、EUや英国、ドイツ大使館などとの連署で、9カ国から連れ去り禁止に関する署名が提出された他、岸田総理が訪米中に米国のスミス下院議員より500人以上の米国人の子が日本に連れ去られた。
日米関係のために、これらの家族を再会させるため、公的公約を求めるといった書簡が直接手渡されて渡されたという報道もございます。つまり、法改正によって連れ去り問題に適切な対処がなされることは、これ国内のみでなく、諸外国からも求められているということになります。
そこでまず外務省にお伺いいたします今回の法改正によって、国境を越えた子供の連れ去り問題にどのような影響があると認識されているのでしょうか共同親権の導入が、ハーグ条約の運用にどのような変化をもたらすと考えているかこの点をお答えください。
外務省大臣官房長徳参事官
お答えいたします。ハーグ条約の対象となる国境を超えた子の連れ去り事案については日本はこれまで同条約に基づいて適切に対応してきております。ハーグ条約は親権をどちらの親が持つのか。子がどちらの親と暮らすのかなど子の監護に関する事項について決定することを目的とするものではございません。
この条約は、この監護に関する事項について決定するための手続きは子が慣れ親しんできた生活環境がある国で行われるのがその子にとって最善であるとの考え方に立ち、あくまで元々居住していた国に戻すための手続きなどについて定めた条約となっております。従って離婚後のあの共同親権制度が導入されたとしても、このようなハーグ条約の運用自体に変化をもたらすものではないと考えております。
音喜多駿議員
外務省としてはこの国内法とハーグ条約これ別の枠組みだっていう整理なんでしょうけども、今のご答弁ですとせっかく今回この共同養育に大きな一石を投じる国内法が改正されるのに、それは国際的には無意味なものなんだというふうにもとられかねないというふうに思います。果たしてそれが政府の発信すべきメッセージとして妥当なのかどうか、私は疑問が残ります。
そこで法務大臣にも伺います諸外国からの非難が続いている子の連れ去り問題は、今回の法改正で改善する何らかの影響があると感じておられているでしょうか?
もしそうでないのであれば、別途の対応がまた必要になってくると思いますが、法務大臣の見解をできれば前向きな形で伺えればと思います。
小泉法務大臣
本改正案では、共同親権に関わる規定の他に、子に関する権利の行使に関して、父母が互いに人格を尊重して協力しなければならないという規定を置いております。
父母の一方が生んだ理由、何らの理由なく、他方に無断で子の居所を変更する行為つまり、連れ去り、これは個別の事情によっては、この規定の趣旨に反すると評価される場合がありうると考えております。
本法案は、国際的な子の連れ去りに関する制度を直接的に見直すものではありませんけども、今申し上げたような点から考えますと、本改正案、国内における委員ご指摘の問題の改善に資するものであると考えております。
音喜多駿議員
法務大臣がご答弁いた通りだと思います。やはりこれは我々国際法であると言ってもですね、これは日本人の行動変容というのも期待されるものと思いますし、ポジティブな効果があると思いますので、その点をしっかりと政府として私は発信していくべきだというふうに思いますので、よろしくお願いを申し上げます。
次にですね、まさに今ご答弁もありました子の利益に関する父母間の人格尊重・協力義務について伺います。
新条文の民法第817条の12第2項は、婚姻関係の有無に関わらず、子に関する権利の行使または義務の履行に関し、その子の利益のため、互いに人格を尊重し、協力しなければならないものとすることとあり、これが今回新設された、いわゆる子の利益に関する父母間の人格尊重尊重協力義務というこれは極めて重要なものであります。
裁判所が、本改正後に親権選定をする際、子の義務違反があったか、なかったかも考慮要素の一つとなるということがこれまで衆参の委員会で法務省からも説明・答弁がなされてきました。ですが当然この義務は、本改正で新設をされたものですから、これまで判例でこの義務について争われたケースはもちろんありません。
そのため、裁判所は今国会での議論も踏まえて、事例ごとにこの義務違反かどうかを判断していくことになります。そこで少し細かいのですが、有識者や当事者が懸念している典型的なケースをここでは三つほど挙げて義務違反に当たるのかどうか当たらないのかこれを伺いたいと思います。
第1に、入学式や卒業式、運動会などといった学校行事参加に関してどうかが合理的な理由なく例えば顔を合わせるのが嫌だからといった理由で別居親の参加を拒否をしている場合。
第2に、別居親から子にあげたプレゼントを子に渡さない。子の意思に反して捨ててしまうなどの行為を、同居親が行った場合。
第3に、片方の親の影響を受けて、例えば悪口を言い聞かせるなど、子がもう一方の片方の親に対して拒否的な感情を抱くに至った場合。
これらの場合について、新設される子の利益に関する父母間の人格尊重協力義務を違反したことになるでしょうか?
また、そのような行為をしてる場合は、親権選定のマイナスの考慮要素となるんでしょうか? できる限り具体な答弁をいただければ幸いです。法務省に伺います。
竹内民事局長
お答えいたします本改正案では委員ご指摘の通り親権や婚姻関係の有無に関わらず、父母はこの人格を尊重してその子を養育しなければならないこと。父母と子に関する権利の行使または義務の履行に関し、この子の利益のため互いに人格を尊重し協力しなければならないことを明確化することとしております。
お尋ねのようなケースも含め、どのような場合にに関する権利の行使または義務の履行に関する父母総合の人格尊重義務や協力義務に違反すると評価されるかは個別具体的な事情に即して判断されるべきことでありまして一概にお答えすることは困難なところではございます。
その上で一般論として申し上げますと、父母の一方が合理的な理由がないのに、子の利益に反する形で他方の親と子との交流を妨げたり、これは委員ご指摘のAやBの事案に当たることがあるのかと思いますが、またこの面前で他方の親の誹謗中傷をするなどの行為これは、委員ご指摘のCの行為に当たるものと思います。
このような場合にはこれらの義務に違反したと評価される可能性があると認識をしております。
音喜多駿議員
三つ挙げていただいえABCというふうに御指摘いただきましたけども、一般論として当たる可能性があるということであります。
今後のこの事例が増えていくと思いますけども、この想定される義務違反のケースのシミュレーション、これ法務省裁判所もしていただきたいと思いますし、今のようなごやり取りがあったということを裁判所の方もうまく受け止めていただければというふうに思います。
その上で今回新設される子の利益のための父母間の人格尊重協力義務は、親権の有無や婚姻の有無に関係なく、子の利益を最優先に考える重要な理念を示した条文です。法律は通常、社会に実際に発生した課題などの立法事実に基づいて制定、あるいは法改正がなされます。
一方、この法律の理念は、制定時において普遍的かつ普遍根本的に変わらないものであるべきです。つまりこの新設される条文の理念も、法律が成立する時点から将来にわたって変わらない子供の利益を最優先に考えるという普遍的な価値観を示しているはずであります。
つまり何が申し上げたいかと申しますと、これ法律全体の施行までに2年以内という期間が設けられていますが、この新設される理念の条文に関しては、法案成立直後から部分的に施行や運用を開始することが可能なのではないでしょうか?
子供の利益を守るためにはできるだけ早期にこの理念を実践に移していくことが重要です。
新設される条文の理念が普遍的で変わらぬものであるならばこそ、他の制度設計に時間を要する部分の施行を待たずに例えば裁判所がその理念を考慮するこれを開始するということはできるはずです。この点について法務大臣のお考えを伺えればと思います。
小泉法務大臣
お考えの趣旨はよくわかります。しかし全体としてこの制度、また理念も含めてでありますけど、国民に与える影響が非常に大きなものがあると思います。全体像を正確に把握していただく必要がやはり非常に大きいというふうに感じております。
また一方で、関係機関による準備も裁判所も含めて必要だと、やはりどうしてもこれは2年の準備期間を経て、トータルな制度として理念も含めて施行することがやはり一番スムーズな施行の方法ではないかというふうに私は考えます。
音喜多駿議員
もちろん法律はパッケージで作ってるので、なかなかそれを一部切り出したってのは難しいと即座に行くことはできないと思います。趣旨は理解できるというご答弁もいただきました。これは意見があったということをですね。しっかりと法務省もまた裁判所も頭に留めておいていただければ大変幸いでございます。
次にですね、先ほど国際機関の問題でも取り上げました、国内における子の連れ去り行為この問題についてお伺いをいたします。これ、連れ去りだけでなく追い出されるという場合もありますので引き離しと言った方がもはや正確なのかもしれません。
現行の単独親権の方の仕組みですとDVからの避難などではなく離婚やあるいは親権獲得となるための手段として、子の連れ去りあるいは子の追い出しが多く横行しているということがこれまでも指摘をされてきました。
この話を挙げますと、父親から母親父親の元から母親が子供を連れて出ていくというケースを想定される方が多いようですけども、父親が子供を連れて行く、あるいは母親を維持し、追い出して引き離すというケースも確認されていますし、そうした女性の当事者から私も実際に相談を受けてまいりました。
無論、本当にDVなどの被害者である場合、虐待がある場合、後者は速やかに避難させる必要がありますが、残念ながらそうではないというケースもあることがわかってきております。
一方で今回の法改正に伴い、衆議院法務委員会における法務省の答弁によりますと、父母の一方が何ら理由なく、他方に無断で子の居所遺書を変更するなどの行為は、個別の事情によっては、この規定の趣旨にも反すると評価され得るとのことでした。
そうすると、子の連れ去りが父母相互の人格尊重義務や協力義務等に違反すると判断される具体的な基準や考慮要素が出される具体的な基準や考慮要素が重要となってきます。
例えば連れ去りの動機や経緯、連れ去り前後の父母間の協議の有無や内容、この移行などどのような点が判断において重視されるのかこれ現時点で法務省のお考えをお伺いいたします。
竹内民事局長
お答えいたします。本改正案では、A 子に関する権利の行使に関し、父母が互いに人格を尊重し協力しなければならないとしており、父母の一方が何ら理由なく、すなわち急迫の事情などもないのに、いた方に無断でこの挙手を変更するなどの行為は、個別の事情によってはこの規定の趣旨にも反すると評価されると考えております。
お尋ねの御父母による子の居所の変更が父母双方の人格尊重義務や協力義務に違反すると判断される個別具体的な事情について一概にお答えすることは困難ではございますが、あくまで一般論としてお答えをいたします。お答えすれば例えばご指摘の当該行為の動機や経緯、別居前後の協議の有無や内容この年齢や子の意向の他従前の父母とことの関係や、父と母との関係など様々な事情が考えられるところでございます。
音喜多駿議員
当然のことはいずれも考慮するということでなおのこと裁判所はこの慎重な審査が求められることとなると思いますご答弁はやっぱり今の時点でどの要素がどの程度ということは具体的にいただけないわけですけども、次ちょっと大臣に長くなりますがまたお伺いします一方でですねそもそも子の連れ去りという行為は、親子の養育権憲法13条の侵害に当たる人会人権侵害行為であり、また、児童の権利条約9条1項に違反するという指摘もあるところですそのため、親権者の指定や変更の審判において、この連れ去り行為は、他の要素に比して重要な考慮要素、すなわち本法案の義務違反として重く受け止められる要素となり得るのではないでしょうか?他の要素、例えばそれまでの間後の状況や、この意向との兼ね合いで連れ去り行為の評価が変わるという可能性はあるんでしょうかその上で、本改正によりですね、連れ去り、引き離しこれ抑制する効果というのが一定期待されるところでありますが法務大臣のほ見解をお伺いいたします。
小泉法務大臣
本改正案では裁判所が離婚後の親権者を判断するにあたっては、子の利益のため、父母と子の関係や、吉と母との関係その他一切の事情を考慮しなければならないとされております。子の連れ去りという要素、これはもちろん大きな要素ではありますが、他の考慮要素との関係でどの程度重視されるか。これまさに個別具体的な事案に即して判断されるべきものであるということで一概にはお答えすることは困難でございます。しかし、本改正案は、子の連れ去りの問題の改善に資するこれは先ほど申し上げた通りでございまして、そういう方向の作用を持つということは間違いないと思っております。
音喜多駿議員
もちろんこれはDV虐待、こうしたケースもございますことから、連れ去りをもって直ちに義務違反とされるような乱暴な運用もまた避けなくてはなりませんが、やはり特段の理由なく親権を確保するためだけの連れ去り話については、これやはり本改正で抑制されると期待しております。
実際そうなるように運用していただきたいと考えているところです。これ、抑制の効果は今後の裁判所の判断によっても変わってきますので、引き続き注視をしてまいりたいと考えております。次に関連し親子交流についてお伺いをいたします。
DV被害者虐待のケースを除けば、離婚した夫婦の子供にとって両親との継続的な関わりは、子供の健全な育成のためにも、子供の権利のためにも重要と考えます。
しかしながら、我が国の裁判実務では、同居親が別居親の同意なく、数ヶ月から数年間良好な関係にあった親子を引き離し、親子交流すら阻むことを可能としており、実際そのようなケースが散見されると仄聞をしております。
その上、このような状況下で、そのような状況下で別居親が面会交流を求めて家庭裁判所に申し立てを行っても、調停の調停調書において、例えば2ヶ月に1回程度、未成年者と面会し交流することを認める。
そのとき場所・方法などについては、子の福祉に配慮し、当事者双方で協議して定めるといった抽象的な書きぶりが多いことにより、いわゆる間接強制が付与されず、面会交流の実現を確保するための実効性が極めて乏しくなっているのが現状です。
そこでまず法務省さんに伺いますが、法務省はこのような運用の実態を認識しているのでしょうか。すなわち、面会交流の取り決めにおける抽象的な書きぶりが多いこと、およびそれに伴う間接強制の付与の困難さについて、どのように認識をしてるのか。まず法務省の参考人に伺います。
竹内民事局長、
お答えいたします。親子交流に関する事件の審判の内容等について、統計的な調査を行っているものではありませんが、親子交流につきましては父母の協力のもとで実施されることが望ましいとの理由により、柔軟に対応できる条項が定められました。その結果として、監護者がすべき給付の特定にかけ、性質上、間接強制が認められない例があることは承知をしております。
音喜多駿議員
法務省も間接強制が付与される例があるということを認識してるというご答弁でありました。そうだとすると子供の利益を最優先に考えた面会交流実現に向けて、法務省として別途、強力な取り組みが必要なのではないでしょうか?
繰り返しになりますが現在の裁判実務では、メーカーが定める調停調書の内容が具体性に欠ける場合、間接強制決定を下すことができないという場合が多いとされています。
その結果DVや逆転でない場合でも、親子交流が遮断されているケースが多く見受けられる。子供の健全な成長と発達のためには、離婚後も両親との継続中から重要であることを考えると、この状況は経験に看過することはできません。
今回の民法改正を機に裁判所の審判などにおいても、より具体的な内容を盛り込むことを促し、また子供の利益を守るために面会交流の取り決め、つまり審判調停には幅広く、間接強制を付与する実行力を高めることをこれ検討すべきと考えますがここは法務大臣に見解をお伺いいたします。
小泉法務大臣
親子交流に関しては、間接強制を可能とするため、具体的な条件等を明確に定める方が望ましいケースもある。一方で、子の心身の状態に照らして、その自主性を尊重することが相当な場合など、間接強制がなじまないケースもあると考えられます。
裁判所の審判のあり方の当否について、法務大臣としてコメントすることは差し控えたいと思いますが、親子交流支援団体等による支援も含めた環境整備によって安全安心を確保し、確保した上で親子交流が実施されることが望ましいと考えられます。
法務省としても、こうした環境整備の取り組みについて、関係府省庁等と協力をしてまいりたいと考えます。
音喜多駿議員
これちょっと最高裁判所、世界ではこれ通告してないんですけど、今法務省の裁判所についてはちょっと答弁さしかえという問題もあったんですけども、これより具体的にもう少しこの書き込んでいく促していくという点について裁判所については何かコメントございますでしょうか?
馬渡家庭局長
まず事務当局としてこの裁判の内容に言及することは差し控えますが、各裁判所では間接強制ができる状況にするかどうかということも念頭に、事案に応じた定め方というのをしているものと承知しているところでございます。
音喜多駿議員
事案に応じてというご答弁双方からいただきたいんですけども、今回、法改正を機にですね、面会後の重要性ということをよりですね、意識していただいた運用ということを実施いただきたいと思います。この間接強制の面会交流の幅広い実施というのはですね重要な課題ですから引き続き取り上げさせていただきたいというふうに思います。
そして親子交流についてこの問題もさることながら、そもそもの交流の頻度や時間についても欧米に比して短いのが我が国の実情です。しかしながら今回の法改正においてもお薬購入頻度や時間については盛り込まれませんでした。
いつもちょっと飛ばしますこれいろいろ審議会中でも議論が賛否両論あったとは聞いておりまして権利としては認めないという結論だったわけですありますけども、諸外国では、明文化された面会交流権訪問権があるため、単独親権になったとしても、基本的には親子の交流が保障される運用になっています。
また、フランス民法典では、訪問権に加え、宿泊権も明文化をされています。本邦改正の趣旨を鑑みれば、明文化されていないにしても、これ法務大臣に書いますすいません、明文化されていないにしても、本法改正で実質的な面会交流権、宿泊権は一定程度保障されると考えてもよいのでしょうか?
またその上で、子の最善の利益を目指すグローバルスタンダードとして、将来的には、この子供の面会交流権、宿泊権に関してこれ明文化を検討していくべきと考えますが、法務大臣の見解をお伺いいたします。
小泉法務大臣
親子行流の法的性質については、それを権利義務として構成するかどうかなどを巡って、様々な見解やご指摘がございます。ご指摘のような権利を明文化するということは現時点で我々困難であると考え、また、必ずしも相当ではないと認識しておりますが、いずれにしても父母の別居や離婚後も適切な形で親子の交流の継続が図られることは子の利益の観点から重要であり、本改正案は、婚姻中の父母の別居時における親子交流や裁判手続きにおける親子交流の試行的実施の規定などを設けることにしております。安全安心な親子交流を適切に実現することに資すると考えております。
音喜多駿議員
親交流は重要ということは御答弁いただいたものの、まだ明文化ということについてはですね、なかなか踏み込めない面もあると思います。けどもこれは法の、やはり施行条件を鑑みて、ぜひ検討していただきたいと思います。このやり取りがあったということをぜひ裁判所司法にも斟酌していただきたい。
次に時間も少なくなったDV対応について伺います。今回の民法改正では裁判所がDVや子供への虐待などがあると認めた場合は単独親権となる規定が設けられました。この規定はDVや虐待のある子、家庭環境から子供を守るための極めて重要な措置であって、我が党としてもこれは全く気することなくこの必要性を強く認識をしております。
そしてこの規定が実効性を持つためには国民1人1人がこの法改正の趣旨をしっかり理解をし、同時にDVや虐待問題に対する意識を高めていくことも必要不可欠です。本部長には今回の法改正に関する周知啓発活動を積極的に展開していただきたいと思いますし、また、DV被害者支援の現場で活動する団体とも連携し、被害者の生の声に耳を傾けて、そのニーズを踏まえた効果的な周知啓発活動を展開していただきたいと思います。
1本飛ばしてですね法務大臣に続けて伺いたいんですけども、今回DV被害者の中には、この民法改正に対して懸念の声を上げる方もいらっしゃいます。
DVの問題は非常に複雑で繊細な問題であって、これ被害者の心情によった対応が求められますのでこうしたことをしっかり対応していただきたいと。ただ一方でですね、DVや虐待を理由とした単独親権の申し立てはときとして、全てではないですときとして親権を獲得するための手段として乱用される恐れがあります。
これはいわゆる偽装DVの問題です。単に一方の親がDVや虐待申告者というだけで安易にこの単独親権を認められるようでは、この虚偽の申し出を助長することにも繋がりかねません。真にDVや虐待に苦しむ親子を保護することは、これはもちろん何よりも優先されるべきですが、同時にこの偽装DV系の阻止するということも重要な課題であると認識をしています。
この偽装DVと言われるものと本当に送ってしまっている痛ましいDVを被害者の保護のバランスをどのようにとっていくのか。この偽装DMに対する法務省の認識と今後具体的にどのような対応指針を、方針を持って当たっていくのか、法務大臣に見解をお伺いいたします。
小泉法務大臣
裁判手続きにおいて当事者の一方が自己の立場を有利にする目的でDVを受けたかのように偽装して主張する場合がある。今競技DVDですか。こういう批判があるということは承知をしておりますしかしこれ裁判手続きにおいてですね、裁判所も一方的な一方の当事者の主張だけで判断するわけではございませんので、反対の意見も双方からまた言い聞いてそして公平公正な立場から裁判所において具体的な事情に即して判断されるべきものでありまた判断されるというふうに我々は考えております。
こうした事案がある、こうした現象があるということはしっかり視野に入れておきたいと思います。
音喜多駿議員
ぜひしっかりとした対応をよろしくお願いしたいと思います。最後にですねちょっと飛ばして最後一文、また法務大臣こういうします我が党の提案で付された修正案についてです当事者たちから要望を受けて我が党はですね附則の第19条5年をめどとしてという見直し規定を入れさせていただきました。
決してですね、5年を経過しなければ5年近いことでなければ見直しないということではなくて、目処ですからあくまで必要に応じて改正できるものだと我々は認識しております。5年というのは非常に長い小学校一年生が6年生になる時間幅ですから、これ当事者の親にとって大変長い時間です。
大事に最後伺いますが、この共同親権の運用状況を見極めつつ、子供の利益の観点から、これ必要だと思われた見直しはですね、5年ととらわれず、2年でも1年でも機動的に行っていくべきと考えますが、最後に法務大臣の見解をお伺いいたします。
小泉法務大臣
これは断続的にですね、継続的に見直しの必要性というものが判断していかなければならないと思います。
しかし一定の期間を経て初めて明らかになる事象もございますから一つ一つに毎年対応するのか、大きくくくって、その全体像を見て対応するのか、様々な考え方アプローチがあると思いますがお示しいただいた5年というのを一つの緑あることは間違いないと思いますので重きを置いて、しかし普段不断の検討を続けていきたいと思います。
音喜多駿議員
はい時間になりました。子供の最善の利益のため、完璧な制度ではなかなかないんですけどもしかしより完璧なものを目指して、我々の提案を続けてますので、ぜひ今後ともよろしくお願いいたします。終わります。
川合孝典議員(国民民主党)
国民民主党の川合です。前回に引き続きまして法定養育費の問題についてご質問させていただきたいと思います。
その前にここまでの質疑を聞いていて素朴に疑問に感じたことについて一点、法務大臣に通告しておりませんけれども質問させていただきたいと思います。
先ほどの質問の中で今後この共同親権が導入されることによって、家事裁判が増加することが見通されると、どの程度増えるかわからないけれども増加傾向にあるだろうということを、異口同音に法務大臣と竹内局長がおっしゃった。
そのことについて私も否定しないんですけれども、どの程度増えるかわからないという状況の中で今後施行まで2年間の間に必要な体制整備も含めて措置を講じるということを言い切っていらっしゃることの根拠がわからないもんですから、なぜどれだけ増えるのかわからないのに、2年間で大丈夫だと言い切れるのかということについて大臣にすいません、お伺いしたいと思います。
小泉法務大臣
これは少し専門的な見地からの分析が必要になってくると思います。我々まずこの法案を作り、国会でご審議いただきご理解いただくことを最優先でやっておりますが、法案が成立した暁には、これが実際にどういう効果をもたらすまた訴訟の現場でどれだけ訴訟が増えてくるのか。
そういったテクニカルな専門的な検討を深めていって、そして手がかりがあるならばそれをテコとして、将来像を検討したいと。そういう意欲を語らせていただいたわけでございます。
川合孝典議員
大臣のおっしゃることの趣旨はわかるんです。
当事者の方々が心配していらっしゃるのは裁判所の体制自体が非常にやはり不備とまで言わないものも、言わないまでも、なかなか手も含め人手も含めて追いついていないという状況・体制。
なかなか整備しきれていないということについてはこれまで、賛否を問わず、指摘をされているわけでありまして、こうした状況の中で、共同親権が導入されることでいわゆる裁判離婚が増加をするということを考えたとき、当然のことながら、いわゆる調停を行うための部屋をどう整備するのかということもそうでありますし、面会交流するための施設をどう作っていくのかということについてもそうですし、その辺りのところについてあとそれから人員体制を仮に増やさなければいけないということが今後見通されるということになったときに、大勢の人員を計算した上で予算を措置を行ってということを考えたときに、本当に2年で足りるのか。
ということを私なんかは正直言って予算化のことまで考えると、逆算すると2年という期間が果たして適切なのかということを素朴に疑問に正直感じているわけであります。
従って大臣の決意というものについては重く、もちろん受けとめさせていただきたいと思いますけれど、決して時間的余裕があるものではないということを、やっぱりそのことは重く受け止めていただいた上で、そのことに対して多くの委員の皆さんが、ご懸念や心配をされているということは重く受け止めていただきたいと思います。
その上で、通告した質問に入らせていただきたいと思います。今回その法改正で導入される法定養育費の課題についてということで、前回最後の質問のところで養育費の先取特権先取特権が付与されるますがその期待効果についてどのように見込んでいるのかという質問をさせていただきました。
質問の背景にありますのはこれ法定養育費は養育費の取り決めをしないで離婚した場合に対応するための補充的なものということで、そもそも金額が低い、低額になる可能性が高いということを皆さん懸念をされています。
また養育費の先取り特権が付与されますけれども、この差し押さえ手続き自体が複雑で当事者がとてもできるものではないということで、従って出演的に裁判所がこの手続きをとることになるわけでありますが、一体何を根拠にこの先取特権の判断をしてくれるのかということについて疑問の声が上がっているということであります。
そうしたことを踏まえて質問の一番ですが、仮に別居親が財産を隠匿したような場合、これ差し押さえができなくなるということになりますが、このような場合に具体的にどのような対応をすることを想定されているのか、これ民事局長にお伺いします。
竹内民事局長
お答えいたします。強制執行の申し立てにあたりましては相手方の財産を特定する必要があることから、監護者において相手方である別居親の財産がわからない場合には財産開示手続きや第三者からの情報取得手続きを利用し、これらの手続きによって判明した財産に対する差し押さえの手続きを別途申し立てる必要がございます。
本改正案におきましてはこの民事執行手続きの申し立ての負担を軽減するため、1回の申し立てで財産開示手続き、第三者からの情報取得手続き、それからこれらの手続きによって判明した給与債権に対する差し押さえの手続きを連続的に行う仕組みを導入することとしているものでございます。
川合孝典議員
煩雑な手続きがワンストップ化されるということについては、これは当事者にとっては大変大きなことだと思います。そのことも含めて改めてこの法律改正後に周知をきっちりしていただきたいということであります。
次の質問に移りたいと思いますが、面会交流と養育費の取り決めを行うことについてなんですが、急迫の事情やDVや連れ去りという場合にはこれには該当しないわけでありますけれど、急迫の事情によるものを除いて養育費、面会交流のと失礼、親子交流の取り決めを行うことを原則として義務化するべきではないのかという声がございます。この指摘に対して法務大臣はどのようなご見解をお持ちかお聞かせください。
小泉法務大臣
離婚時に父母が養育費や親子交流を含めた子の養育に関する事項を取り決めることは、子の利益にとって望ましく、このような取り決めの促進は重要な課題であります。他方で、父母の一方が離婚を求める背景には様々な事情があると考えられ離婚時にこれらの取り決めを義務化することについては結果的に離婚が困難となる事案を生じさせ、そういった場合にはかえって子の利益に反するとの懸念もあり、慎重な検討が必要だと考えております。
子の養育に関する事項の取り組みの促進、これは関係府省庁と連携して積極的に進めていきたいと考えております。
川合孝典議員
深刻なDVや子の連れ去りといった事例ではもちろん、今大臣がおっしゃったようなことに強く該当するということは私も理解しております。
9割以上は協議事項という状況の中でどこに軸足を置いてこのことに議論するのかということなんですが、子の利益とは一体なんぞやということを考えたときにそれは健全な精神身体の要は発育という育ち、育みということと同時に、やはり大切なことは経済的な支援養育費がどう確保されているのか、ということがやはり極めて優先順位の高いことだと思うんですね。
従来の考え方の延長線上でいけば今のご説明というのも、理解はできるんですが、改めて共同親権を導入する新しい全く新しい概念をこれから導入するということを考えたときに、そのことが真摯に子の利益、最善の利益に向き合っているのかということを、そこから議論をスタートさせるとなった場合に、養育費についてまた、面会交流についてもそのことを行うということを前提としてどう法律や運用の立て付けを行うのか。というそういう議論のスタートラインがあっても私はいいんじゃないかというふうに思っているわけであります。ぜひそのあたりのところにつきましても、今後法改正法律改正後、施行にまでの間の時間もあるわけでありますし、大切なことはこの貧困、いわゆる離婚による婚離婚によって子が貧困に陥らないようにするために何をするべきなのかということが最優先に語られなければいけないと思いますので、ぜひそこのところはご検討いただきたいこのことをお願い申し上げておきたいと思います。その上で次の質問に移りたいと思います。
監護の分掌と養育費との関係について少し確認をさせていただきたいと思います。言うまでもなく法定養育費は最低限の金額を規定するものであって、民法766条1に定められる監護の分掌に基づく子の養育費用の分担額の基準がどのように今後なっていくのかということについては現時点では不明であります。
また裁判所が作成している養育費算定表がありますけれども、この養育費算定表は父母の収入とこの人数だけが考慮要素となっていることから、実はこれ払う側からも受け取る側からも不満の声が上がっている。ということであります。
端的に申し上げて例えば子供の進学費用です受け取る側からすれば子供の学費、進学費用ですとか、支払う側からしたら家のローンですとか、こういうものは考慮要素に入っていないということでありまして、そのことの結果受け取りが支払い側も不満のお声を上げていらっしゃるということであります。
そうしたことを踏まえてG7各国では親権者や子の養育分担時間や法的決定を裁判所が決定する際の考慮要素というものを明確化しております。日本でも民法改正の趣旨の理解促進を図るために、このいわゆる法定養育費等監護の文章を決定する上での考慮要素を明文化するべきではないのか、という指摘がありますがこの点について法務大臣のご認識を伺います。
小泉法務大臣
本改正案では裁判所が離婚後の親権者、これを判断するに当たって子の利益のため、父母と子の関係や、父と母の関係その他一切の事情を考慮しなければならないこととしております。また、父母の双方を親権者と定めることにより、子の利益を害すると認めるときは裁判所は必ず父母の一方を親権者と定めなければならないこととした上で、これに当てはまる場合の例示として、虐待等の恐れがあると認められるときと、DV被害を受けるおそれ等の事情を考慮して父母が共同して親権を行うことが困難であると認められるときを明文で規定をしております。
加えて、本改正案では、監護の分掌等については、子の利益を最も優先して考慮しなければならない。これも明文で規定をしております。総務省としては、改正案についてこのように考慮要素が明確化されていると考えていますが、その趣旨および内容が国民に正しく理解され、親権者や監護の分掌について適切な定めがされるよう、ご指摘の点も踏まえ、関係府省庁等としっかりと連携し、適切かつ十分な周知広報に努めてまいりたいと思います。
川合孝典議員
今、大臣、考慮要素は既に明文化されているとおっしゃいましたですか。もう既に明文化されていると明文化されているものが不足していて判断できないから明文化するべきなんじゃないのか。ということが問題の指摘なんですけど今のままの状態で十分だというご認識をされているのか。それだけちょっと確認させてください。
小泉法務大臣
例示として今申し上げたような例示として明文で規定している。ということを申し上げました。また、監護の分掌については利益を子供の利益を最も優先して考慮しなければならないということを明文できている。
法文の書き方としてはもちろんその細部にわたって書き込まれているわけではございません。様々なまだ不明な点がございますが、法文の書き方としては明確にか書いたものと我々は認識をしています。
川合孝典議員
要は法文上そのことに配慮しなければいけない。きちんと決めなければいけないということは書いていただいてる。しかし具体的にどうやって決めるのかということは書いてないわけなんです。そこを申し上げているわけであります。
つまり指針やガイドラインといったような形ででも、要はこういう場合にはこういうふうに判断をしてしていきましょうということ。それをどうイメージするのか。ということについての問題の課題の指摘ということであります。
ちなみに私このことの議論している中で法務省さんとやり取りしてて初めて知ったんですけれども、養育費算定表というのは、算定表があるということは皆さんご存知だと思いますけど、子の養育費算定表というのは最高裁が決めているものかと、てっきり思っておりましたところ、裁判所の調査研究の成果が表示しているだけだということだったらしいんです。
しかしながら、子の養育費算定表の存在自体が養育費を考える上で極めて大きい、重要なスケールになっていることもこれもまた事実なんですね。
私が申し上げたいのはそういうことでありまして、決して司法の判断に対して立法府が介入するとか、そういうことを申し上げているわけではありません。立法府が判断する上での今の社会通念上の常識的な水準といったようなものがどうなのか。それについての一定の判断要素。考慮要素というものをどう明示化するのか。このことが今後のいわゆる共同親権を論じる裁判離婚訴訟等をいかに迅速化させるのかということに繋がります。
さらには裁判官や裁判所職員の皆さんのスキルアップ等についての研修等もやらなければいけない。そうしたことを最高裁もおっしゃってるわけであります。そういうことを考えたときにも判断要素というものがある程度明確になっているということは、裁判を行っていく上での迅速化にも大きく資する話ということであります。
同時に何よりも当事者の方々にとって何を基準に、裁判所がその判断をしているのか。ということを当事者の方々がご理解していただく上でも極めて重要です。毎回質問のたびにこのことばっかり申し上げておりますけど、ここが明確にならないと賛成反対どちらの方々にとっても満足できる内容にはならない。
だからそこをあらざる部分を今後どう埋めていくのか。ということの議論に繋げていきたいということで、何度も何度もご指摘をさせていただいているということであります。これは通告いたしておりませんけれども、これから2年間のいわゆる検討期間準備期間の中でそうした判断基準についての一定の指針、ガイドラインといったようなものについて整理を行っていただくと同時に、各省庁と連携して様々なお取り組みをこれから調整をしていただかなければいけないわけであります。そうしたときに配慮すべき事項等についても、明示化するということについてぜひお取り組みを進めていただけないでしょうか?
小泉法務大臣
我々委員会の審議で、何度も周知広報と申し上げているその中身ですよね。
その周知の方法やり方どういう形にするのか、それ多く詰めて、国民の側からわかりやすく理解していただけるようなものを目指して知恵を絞りたいと思います。
川合孝典議員
ありがとうございます。ご質問の延長線上で監護の分掌に基づく監護費用の分担額についても確認させていただきたいんですけど、民法766条の1に定める子の監護の分掌に基づく子の監護費用の分担額の基準これはどのように規定されるのか。
ということについて法務大臣にお伺いをします。
小泉法務大臣
養育費の額については、当事者の協議により協議により定められ、当事者の協議が整わないとき、または協議することができないときは、家庭裁判所が個別具体的な事情に応じて審判により定めるものと承知しております。
監護の分掌がされる場合にあっても、養育費についてどのように父母間で負担すべきかは、子の養育する時間の分担だけではなくて、双方の収入状況、子の監護に必要な費用とどちらが負担していたか等を含めて個別具体的な事情に基づいて判断されるものと認識しており、一概にお答えすることは困難であると思います。
川合孝典議員
現時点ではそのようにご答弁されるしかないことと思いますが、子の監護費用の分担額を規定するものが法定養育費だけなのか。ということについての議質問の声も実は上がっております。今後、裁判所が作成していた養育費算定表、養育額の養育費額の算定表のような何らかの新たな基準というものが設けられるのかどうか、このことについて質問、疑問の声が上がっておりますので、この点についても加えて確認をさせてください。
小泉法務大臣
法定養育費につきましては養育費の取り決めを補充する趣旨で、双方の収入等を考慮せず発生させるものであるため、法務省令において一定の金額を定めることを予定しております。他方で、協議や審判によって定められる養育費については、法令において子の利益を最も優先して考慮して定めることとされているものの、具体的な基準等は定められておらず、これを定めることも想定をしておりません。
養育費の額については当事者の協議により定められ、当事者の協議が整わないときまたは協議することができないときは家庭裁判所が個別具体的な事情に応じて審判により定めるものとなっており、法令において一律に基準を定めることは困難であると考えております。
川合孝典議員
わかりました。次の質問に移りたいと思います。問いの7番に改正民法766条1項の監護の分掌規定に基づいて、父母による子の養育の時間の分担が仮に半々になったとき、養育費の分担割合というものは、何ら変わるのでしょうか?
小泉法務大臣
養育費の額については当事者の協議により定められます。当事者の協議が整わない場合、または協議することができない場合には、家庭裁判所が個別具体的な事情に応じて審判により定めるこういう形になっております。監護の分掌がされる場合であっても、養育費についてどのように父母間で負担すべきかは子の養育の時間の分担だけではなくて、父母双方の収入状況や子の監護に必要な費用等をどちらが負担していたか等を含めて個別具体的な事情に基づいて判断されるものと認識しており、これも一概にお答えすることは困難であります。
川合孝典議員
このことのご指摘させていただいている背景なんですけれども、これまでも他の委員の方からもご指摘ありましたけれども、養育費の受け受け取りの割合がやはり面会交流や監護の分掌というものの比率によってずいぶん変わってきているということでありまして、したがって養育費の取り決めをしている世帯のいわゆる養育時間の取り決めを行っている家庭でのいわゆる養育費の受け取りの割合がそうでない世帯の倍以上ということで、養育費のやっぱり受給受け取り率が相当高く高まるということであります。
同時に監護にどれだけの時間と手間をかけているのかということを、このこと自体がやはりこれに対する日頃からの負担を双方の親がやってる、どれだけやっているのかということにも端的に繋がっているということにもなります。
従ってそうしたことも踏まえて、いわゆる交流時間や回数というものをがダイレクトに養育費の支払いに影響を及ぼすということを考えたときに、このいわゆる監護の分掌に応じる形でいわゆる養育費の決定をしっかり行うということが、こ子貧困対策、子の貧困解消に極めて有効な効果を生じさせるということう
そうしたことも踏まえてこうした多分指摘がなされているんだろうと思いますが、子の共同養育を行う場合の養育時間と養育費額はこの際、トレードオフするべきなんではないのかといったような指摘も実はあります。
この指摘については、現時点ではそういう概念はないということでありますけれども、今後子の養育部監護の分掌ということを進めていくということを仮に共同親権が安定的に制度として運用されるようになったときには、やはりこのことについても考えていかなければいけない。
調査研究をこれから始めていく必要があるのではないのかと思いますが、このいわゆる養育時間と養育費額のトレードオフをトレードオフで考えるべきではないのか、というこの指摘に対して法務大臣はどのようにご見解をお持ちかお聞かせください。
小泉法務大臣
父母が共同で養育する場合であっても養育費をどのように父母間で分担すべきかは、子の養育する時間の分担だけではなく、父母双方の収入状況、子の監護に必要な費用等をどちらが支出することになるか等も含め、個別具体的な事情に基づき、判断されるものであると認識しております。
したがって養育費を支払うべき父母の一方の養育時間が増えたからといって当然にその支払うべき養育費の額が、減額されるというものではないと考えております。
先生のご指摘非常に実践的な観点、子供を実質的に守る、そういう問題意識で切り込んでおられるということはよく理解をいたしました。
まだちょっと我々の検討もそこまではいたっておりませんが、その問題意識は、できる限り理解をしていきたいと思っております。
川合孝典議員
はいありがとうございます。前向きにご答弁いただいたことについては大変感謝をしたいと思いますうこれまで長年運用してきたルールを大きく見直すということに当然なりますので、そういう意味では様々な調整作業が生じるということについては十分承知をしております。
その上で今後のいわゆる家族のあり方自体の根幹に関わる変更になるわけでありますので、その議論を行うときに、冒頭申し上げました通り、子供の利益にとって何が最善の対応なのかということを考えていただきたいということ。
そのことと同時に、子の監護の分掌をすることで、要は払うお金が減る、増えるというそういう議論ではなくて、むしろ子に会わせてもらえないのに養育費だけ求められるという状況であるがゆえに、養育費の支払い率が極めて低くなっているということを考えたときに、日頃から一定の割合頻度で子供の育ちにきちんと立ち会うということで、養育費を支払う支払うことに対するインセンティブにも働く。
ということそのことをむしろヨーロッパの調査研究では、数字が示しているということでもありますので、従来の考え方に基づいた切り込みとは別に、多面的なこの問題に対する検証というものをぜひお願いしたいと思います。
時間の関係で、時間が参りましたので、残余の質問は次回に回すことにしまして、私質問これで終わります。ありがとうございました。
山添拓議員(日本共産党)
日本共産党の山添拓です。今日は質問を法務委員会でさせていただきます。よろしくお願いします。
NHKの「あさイチ」で昨日も、離婚後共同親権が取り上げられました。博多大吉さんは「子供の気持ちを伝える場所がない状態でこの話が進んでいる。子供のために作ると専門家は言うがスタート地点が違うような気がする」とコメントし、その通りだという視聴者の反応がSNSにも見られます。
大臣に伺いますがこの審議が進めば進むほど、懸念の声が広がっている。この状況については、今どう認識されていますか。
小泉法務大臣
様々な方々がご関心を持っていただきその中でご懸念を示される方も少なからずいらっしゃる。そういう状況だと理解をしております。様々なご夫婦、ご不安に対して我々は様々なご説明を国会の場でさせていただいているわけでありまして、この説明をさらに詳しくわかりやすくお伝えをしていく。また、そのこともこの国会の中でご議論いただき、委員の皆様方にもご理解をいただく。そういう努力をですね、引き続きやっていかなければならないと思っております。
山添拓議員
「様々な」で片付くような話ではないと思うんですね。スタート地点が違うと受け止めた。そうまとめたのだと思います。大臣は9日の委員会で福山議員の質問に「夫婦関係が破綻したら自動的に親子の縁が切れてしまうことは問題だ」と答えています。衆議院でも同様の答弁があり、それがこの法案の出発点だという認識を示してこられたかと思うんです。夫婦関係が破綻したら、自動的に親子の縁は切れてしまうんですか。
小泉法務大臣
切れないように今回の選択的共同親権という選択肢を作ろうというふうに考えているわけでございます。
山添拓議員
まずたくさん入れてしまうことが問題だという認識を示されているので、伺っているんです。夫婦関係が破綻しても自動的に親子の縁は切れないですね。
小泉法務大臣
家族というのは、親子関係とそして夫婦関係、縦糸横糸によって紡ぎ出されています。
そして、単独親権の場合には離婚をすれば、今度はその片方の親だけが親権者となって、もう片方の親は子供との親権上の繋がり、親権の行使ができなくなるという意味での繋がりが消えてしまうわけでございます。それを受けるわけです。
山添拓議員
正確に言うとそういうことだと思うんです。親権というのは成人までの法的責任をどちらの親が多かったという問題で、大臣は親子の縁と、こうおっしゃるので、何となくこれは感情的に親子の縁を切ってはいけないという声が広がるように述べられているんだと思いますが事実上の親子の交流繋がりと、それは自動的には切れないわけです。それを確認したいと思います。
小泉法務大臣
親権の有無、婚姻の有無に関わらず、親が子に対する責務を負っています。そういう意味でそれは消えることのない絆でありましょう。
山添拓議員
スタート時点がやはり違ってるということになりますよね。同じく9日の当委員会で大臣は、法案の819条2項裁判上の離婚の場合には、裁判所は父母の双方または一方を親権者と定めるという条文について合意を促していくための仕組みだと述べました。どうしても合意ができない場合は単独でいくしかし裁判官が共同親権という選択肢を持っていることが、合意を促すために有効な手段ではないかとこういうふうに答弁されています。しかし条文上は、合意を促す仕組みであって合意がなければ単独とは明記されていないと思うんですね。いかがですか。
竹内民事局長
お答えいたします。当事者が協議上の離婚をすることができない場合には、現行法上も、家事事件手続き法第257条の定める調停前地主義によりまして、判決に向けた訴訟手続きに先立って、話し合いによる解決を目指す家事調停の申し立てをしなければならないこととなっておりまして、この点は本改正案による改正後も同様でございます。
裁判所の調停手続きにおきましては、父母の葛藤を低下させ子の利益に目を向けてもらうための取り組みも実施されていると承知をしており、効果等であったり、合意が整わない状態にあった父母でありましても、調停手続きの過程で感情的な対立が解消され親権の共同交渉することができる関係を築くことができるようになるケースもありうると想定をされます。
そこで父母の合意が整わないために、裁判所における親権者指定の調停等の申し立てがされた場合に、当初の段階から、父母双方を親権者とする選択肢を一切除外するのではなく、子の利益の観点から最善の選択がされるよう、当事者の合意形成に向けた運用することが望ましいと考えられます。
父母の離婚後の親権者の定めについて当事者の合意形成に向けた運用することが望ましいとの考え方は、本改正案の条文にも表れているところでございまして、例えば民法819条第1項において協議上の離婚するときは、協議で親権者を親権者を定めることとした上で、同条第2項および第5項において裁判所がその定めをするのはその協議が整わない場合などに限られていることや、同条第7項において裁判所が離婚後の親権者を定めるにあたっては、父と母との関係や父母の協議が整わない理由等を考慮しなければならないものとしていることなどを指摘することができると考えております。
このように、今回提案にも当社の合意形成に向けた運用することが望ましいという趣旨が含まれておりましてご指摘の答弁と条文の文言は整合していると認識をしておるところでございます。
山添拓議員
私がないのに裁判所が共同親権とすることができない。そういう条文はありますか。
竹内民事局長
お尋ねは当事者の合意がなく、ない場合には共同親権とすることはできないとの情報があるかという趣旨でございますか? そんな情報はございません。
山添拓議員
だからそのように書くべきだと思うんですよ。合意を促していくためだと、あくまでおっしゃるのであれば、7日の参考人質疑で木村草太参考人は改選819条7項について、父母の一方あるいは双方が共同親権を拒否しても、裁判所が強制的に共同親権を命じる内容だと批判しています。
5点にわたり指摘されましたが、その最後法務省がこの間説明もされているDV虐待のケースは除外するという説明に関わるものです。819条7項は、将来のDV虐待の恐れがある場合を除外するだけで、過去にDV虐待があったことが明白で、そのために被害者が共同親権に合意しない場合も、今はDVや虐待は止まっている。
反省しているといって、共同親権になるということは、ありうる。それを許容する条文になってるんじゃありませんか?
竹内民事局長
お答えいたします。
819条7項1号2号でございますが、1号は父または母が子の心身に害悪を及ぼす恐れがあると認められるとき、2号は父母の一方が他方の他の一方から身体に対する暴力その他の心身に有害な影響を及ぼす言動を受けるおそれの有無というふうになっております。過去にDV等あるいは虐待等があった場合でございますが、そのような事実が必要ないし立証されますれば、それは今後のおそれを推認する重要な事実にもちろんなってまいりますので基本的にはこの1号2号の「おそれ」が肯定される方向に傾く大きな考慮要素になると考えております。
山添拓議員
基本的には肯定される方向、本当にそう言えますか。いや過去にそういうことあったかもしれない。だけど今は反省してるじゃないかと今はそういう事実はないではないかとそういった共同親権を、まさに合意を促していく方向で運用する。それはありうるんじゃないですか。
竹内民事局長
お答えいたします。一般論としてお答えをいたしますと過去にDV虐待があったことが明らかなケースにつきましては、そのような事情は先ほど申し上げました通り、DV等の恐れを基礎づける方向の重要な事実でありまして、これを否定する方向の事実が認められなければDV等の恐れがあると判断され、父母の一方を親権者としなければならないことになると考えております。
山添拓議員
山崎菊乃参考人は、ご自身が3人のお子さんとともにシェルターに避難された。痛切な経験をお話しになりました。その上で語られたのは、一度暴力を振るわれてしまうと、夫婦の関係が全く変わる。夫の顔色を見て、怒らせないようにと振舞う癖が私に付いてしまいましたと委員会で述べておられます。そこで私はいつも落ち込んでいました子供たちはいつもピリピリしていました。こういう発言をされましたよね。ですからDVや虐待の加害が今止まっている反省しているだからといって、被害者の傷がないわけでは決してありません。共同親権に合意できないという思いを抱く、そういう当事者が、いるということは、これは当然だと思うんです。大臣いかがですか。
小泉法務大臣
DV被害に遭われた方々のその想い不安傷そういったものは必至とよく理解をしているつもりでございます。そういう方々に不安が及ばないように、安全が守れるようにこの法律は運用されていくべきであると思っております。
山添拓議員
そうした当事者からまさに不安の声が上がっているわけです。ですから大臣がおっしゃるように、その気持ちに寄り添うということであれば、少なくとも合意なく、共同親権を強制しうるような仕組みは作るべきではないと思うんですね。
木村参考人が指摘したように少なくとも過去にDVや虐待があったようなケースでは、被害者の同意がない限り絶対に共同親権にしてはいけないと。このことを法文上明らかにする。これ必要じゃないでしょうか。そしてまた可能ではないかと思うんです。そういう検討をされましたか。
竹内民事局長
お答えいたします。離婚後の共同親権の判断につきましては離婚後の親権者の定めについて、父母の協議が整わないときは裁判所は子の利益の観点から親権者を父母双方とするかその一方とするかを判断することとしております。
この場合におきまして父母の協議が整わない理由には、様々なものが考えられますので、合意がないことのみをもって父母双方を親権者とすることを一律に許さないというのは、かえって子の利益に反する結果となりかねないと考えております。
そのため、本改正案では、裁判所は、父母の協議が整わない理由等の事情を考慮して父母が共同して親権を行うことが困難であるかなどの観点を含め、親子の関係父母の関係その他一切の事情を考慮して、自主的総合的に離婚後の親権者を判断することとしているものでございます。
山添拓議員
やはりそれは共同親権についての合意を1要素として軽視されているように思います。資料をお配りしていますが2022年11月の中間試案の段階では四つの案がありました。現行の単独親権のままとする乙案に対して、甲1案が原則共同親権で一定の場合に単独、甲2案は共同か単独かは協議次第とする。甲3案は原則として単独、一定の場合に共同。
そして法制審の審議は、父母の合意がある場合にまで共同親権を認めないのはいかがなものかと。真摯な合意がある場合に、共同親権をどう認めるのかという点について、議論が行われていたはずです。
ところがその流れを踏まえずその後、法務省が示した案は、父母の合意がなくても、裁判所が共同親権を決定しうる、というものになっていました。法制審の部会の委員である棚村正行早稲田大学の教授は、共同親権が望ましい場合と単独親権の方が良い場合の基準や運用について十分な議論ができなかった。と述べています。大臣が、父母の合意がないのに、裁判所が共同親権を認めることはないと。こう断言されるのであれば、少なくとも、法制審に測り直すべきだと思うんです。いかがですか。
小泉法務大臣
同意ができないというご夫婦がいて、しかしもう一度もう一度子供のために子供の利益のためにその問題を考えましょう、対面してあるいは裁判所に入ってもらって考え直しましょうと話し合いましょうそういう努力ができるのであればその努力をしてもらいたい。しかし最初っから同意がなければ単独親権ですよと決まってしまえば、それはもうその話し合う余地もない話し合う場面もない。
子供の利益を考える場面もない、考える余地もない。そういうところにはまってしまうわけでありまして、どうしても話し合った結果、共同行使が困難だと、この相手方とは沿っていけないと共同行使できないということになればそれは共同行使困難でありますから、単独親権にしなきゃいけない。
むしろ義務として単独親権にしなきゃいけない。その手前のところで、子供の利益というものを一緒に考えましょうと一緒にテーブルについて考えましょうと、そういう趣旨をこれは述べているわけでありますから、それを我々は一つの守るべき公益として掲げているわけでございますから、ぜひそこをご理解をいただきたい。子供の利益ですよ。子供の利益。
山添拓議員
公益という話と子の利益という話と両方おっしゃったんですけれども、これはそれぞれの当事者に関わる問題ですから、こうあるべきだと押しつけるようなあり方、これが家族のあり方として良い方向だと。だから合意する合意を促していくというような仕組みにすることは、妥当じゃないと思うんですね。
なぜ法制審の流れと異なるものが法務省から出されたのか。これ条文の構造そのものに自民党からの横槍があったんではないかということも言われております。私はいやそれはだって中間試案が延期されたり、パブコメの資料への関与ということもこれまで指摘されてますよね。
ですから法務省が、自民党と調整する際に、示された資料やそこでの議事録、ぜひ委員会に出していただきたいと思います。
佐々木さやか議長
本当にただいまの件につきましては理事会において協議いたします。
山添拓議員
家庭裁判所の調停はどちらかの当事者の申し立てによって始まるわけですが、調停は双方の言い分を中立に聞くための場であるはずです。
ですから一方が共同親権を求め、もう一方が単独親権を求めるという場合に、裁判所があくまで共同親権の方に合意を促すとこれはあってはならないんじゃないかと思うんですがいかがでしょうか?
竹内民事局長
お答えいたします離婚後の親権者を父母双方とするかその一方とするかについては個別具体的な事情に即して子の利益の観点から最善の判断をすべきでありまして本改正案もこのような考え方に沿ったものでございます。こうした考え方は調停運営の際にも尊重されるべきものでありまして裁判官や調停委員は当事者の主張のいずれの側にも片寄ることなく、子の利益を最優先に考慮する立場をとって調停運営に当たることが期待されていると考えております。
山添拓議員
いずれの側にも偏ることなくというのは当然だと思います。資料の2枚目をご覧ください。8月29日に行われた法制審議会の第30回会議には大竹柴田沖野久保の国会議員5人連名の資料が出されています。7点の意見の最後に、DV虐待への民法上の対応が挙げられ、子に対する虐待を行った者は、離婚後共同して親権行使ができないとする。
そのようなものは、親権者変更の申し立てについて一定の期間を制限するなどの規律も提案されています。古賀委員は合意のない共同親権を裁判所が定めうるそういう規定を推進されてきた議員ですが、その委員からもこうした規律の必要性つまり一定期間、親権者変更の申し立てそのものを制限する、そうした案が、検討されるべきだと示されています。法務省はこういう提案に対してどのように検討され条文にどう反映されたんでしょうか?
竹内民事局長
お答えいたします。法制審議会家族法制部会の5名の委員幹事が連名で提出した文書には委員ご指摘の通り、子に対する虐待を行った者は、離婚後共同して親権行使ができないとする規律を設けることや、そのようなものは、親権者変更の申し立てについて、一定の期間制限することを提案する考え方が紹介されておりますが、それと同時に、子と父母の関わりは重要であることから、こうした規定を設けることに慎重な考え方もあることも併記をされております。
本改正案では、裁判所が、必ず父母の一方を親権者と定めなければならない場合の例として虐待等のおそれがあると認められるときを挙げており、この規定は、親権者変更の申し立てがされた場合にも適用があります。このように、5名の委員幹事の連名の文書において提案されているご指摘の考え方は本改正案に適切に盛り込まれていると考えておりまして、本改正案は虐待のある事案にも適切に対応することができるものであると考えております。
山添拓議員
申し立てそのものを制限すべき場合を検討すべきだ、という提案です。それが反映されていません。なぜこのことを問題にするのかと、申し立ての制限が必要になるのはなぜかリーガルハラスメントと呼ばれる事態が懸念されるからです。
木村参考人は、訴訟や申し立ての提起自体が違法であると認定される基準は極めてハードルが高い。不当訴訟の枠組みで、訴訟の提起自体が不法行為になるというようなことが抑止力になるというのは、ほぼ現実的な想定ではないと指摘されています。
DVや虐待の加害者の側から、親権者の変更を申し立て、認められなくても繰り返し申し立てる。様々な申し立てを行うなど考えられますが、それが不当訴訟だからといって、排除されるのは難しい。そうなりますと少なくとも、申し立てに応じ、調停に出席する。それ自体が大変な負担になるという場合が生じえます。どのようにお考えでしょうか?
竹内民事局長
お答えいたします。あくまでも一般論としてお答えすれば、個別具体的な事情によるものの自己の主張が自立的、法律的根拠を欠くものであることを知りながら、あえて訴えを提起した場合など、訴えの提起が裁判制度の趣旨目的に照らして著しく相当性を欠くときは、訴えの提起それ自体が不法行為に該当しうるものと承知をしております。
このような考え方は、裁判制度の利用を不当に制限する結果とならないよう配慮しつつも、訴えの提起自体が相当でないケースにおいては、裁判所がそのような判断を示すことができるとするものでありまして、嫌がらせ的な訴えの提起等に対する抑止力になると考えております。
法務省といたしましては、こうしたことを適切かつ十分に周知することによりまして、子の利益を害するような濫訴を可及的に防止するとともに、父母間の人格尊重義務の違反があった場合に適切に対応することができると考えております。
山添拓議員
あってはならないだろうという指摘をこの委員会で受けたわけですよ。大臣。様々周知をしても申し立てそのものが止められないという場合は生じうると思うんですね。例えば相談した弁護士が、いやこれは濫訴に当たるのでやめるべきですよと、こうアドバイスすることあるかもしれませんが、そういう場合は弁護士を変えるとか、あるいは本人が申し立てるということもできるわけです。
濫訴や不当申し立てというのは、現に起こっていますし防ぎ得ないだろうと思うんですね。それは申し立てられる側にとっては身体的にも精神的にも経済的にも時間的にも大変大きな負担となるだろうと思います。大臣この点はいかがですか。
小泉法務大臣
婚姻中別居のケースでも同じことが起こっているんじゃないんでしょうか?
山添拓議員
ですからそうした負担をなるべく低減するためにはどうするか、ということが問われているときに、親権者変更の申し立てによって自分も親権者にせよと、こういう申し立てが繰り返される。あるいは親権行使のあり方についての申し立てが繰り返される。その懸念が示されているかと思うんです。
小泉法務大臣
これは婚姻中、別居の現状そうだとして、婚姻中別居のご夫婦の間でそういうことが起こるっていうことも認められましたよね。それが共同親権になることによって悪くなるか。状況変わらない。同じことが起こってるんだと思いますよ。
山添拓議員
今は離婚後単独親権ですから、ないわけです。離婚後単独親権のためにない部分について共同親権を認め申し立てを認めるということは、離婚後についてもそうした懸念が生じうると新たに生じるということになりませんか?
小泉法務大臣
そのDVに関わる保護、あるいは家族の親子を守る。そういう措置については、これは万全を期していく必要があると思いますけれども、共同親権になる裁判所との話し合いの中でそういう問題がもし出てきうるということになれば、それはそういうことを述べていただいて、そして裁判所はそれを採用してくれると私は思います。
山添拓議員
そのように希望的な観測を述べられてもですね、リーガルハラスメントというのは実態があると、この場の参考人質疑の中でも示されてましたよね。大臣もご覧になっていたかと思います。その懸念に応えるものではないのではないか、とこれはぜひ受け止めていただく必要があると思うんです。
今日、時間が限られていますので、最後に共同親権となった場合に親の資力などが要件となっている支援策親の同意、関与が要件となっている手続き、法案でどうなるのかという点について、若干伺いたいのですが、本来、具体的に個別の制度ごとに質問したいと考えていましたが、今日の委員会前の理事会で法務省から16項目を示したペーパーが1枚出されました。
与党の筆頭理事からは、全府省庁にまたがる問題なので調査に時間がかかるとそこで現時点で説明できる速報のようなものとして出したと説明がありました。当委員会で仁比そうへい議員が、理事会協議事項として求めたのは4月25日であり3週間近く経ちますが、まだ調査把握しきれていないということでしょうか?
竹内民事局長
お答えいたします。先ほど理事会にお配りしたものについては、この当委員会あるいは衆議院の委員会での審議において明らかになったものを一覧表にまとめたものでございまして、本日お配りしている資料に掲げられていないものについても速やかに整理を進めたいと考えております。
山添拓議員
この16項目のうち親権の所在が影響すると確認できたのはどれですか。
竹内民事局長
ここに掲げたものの多くはというかほとんどは親権の有無に関わらないというふうになっておりますが7番の高等学校等就学支援金については親権者の収入で判断するというのが文部科学省からの話であったかとは思います。
山添拓議員
仁比事務所の調べでは、給付に関わるもので少なくとも28あることを確認しています。その28項目と今日出された16は重なるものもありますがそうでないものもあるようです。ですから今日は大変幅広いということだと思うんですね。
本来、法案審議に先立って政府が把握し、説明できるように準備しておくべき内容です。子の利益と大臣も今日も繰り返しおっしゃるのですが、子に具体的に生じる不利益にあまりに無頓着じゃないかと思うんですね。そのまま審議を進めてきたということではないかと思うんです。施行を待たず速やかに関係府省庁で連絡してということをおっしゃってますが、これは採決の前提を欠くんじゃないでしょうか。
小泉法務大臣
これご判断いただく一つの要素だと思います。一つ一つのまだ結論が見えていないということも、ご指摘の通りでありますけれども、これ各省庁と連携して、法務省が一つの総合調整機能をフルに発揮しながら、子供の利益が守られるようにしか対応をしていきたいと思っております。
山添拓議員
調整機能は法案を出す前にやってくださいよ。今日の理事会では与党から木曜日の採決が提案されて驚きました。広がる懸念と不安を置き去りに、法案の採決ありきという姿勢は絶対に許されないということを指摘して、質問を終わります。
鈴木宗男議員
大臣ご苦労様です。委員長ですね。今ほど山添委員から、この自民党の横槍があったんでないかという話がありました。私はこれ、法制審議会家族部会が3年以上にわたってですね、しっかり議論してきた話であります。
この委員会で、口頭の名前を挙げてですね、横槍が入ったというのはこれ、正しくないと私は思っております。自民党は自民党、あるいは我々、超党派の議連でもですね。様々な意見は述べて、民事局にもそれは伝えてありますけれどもですね、開かれた中での議論であってですね、横槍という表現は私はこの委員会という、開かれた場所において適切でないと思いますので、ここは理事会でぜひともですね、このことを私は削除すべきだと思います。
自民党の横やりがあったのではないかという断定はいけません。自民党の意見があったとか、声があったとかっていうならばまた少しは私は聞く耳ありますけどね。横槍があったんじゃないかという言いぶりは、私はこれは極めて不穏当だと思いますので、ぜひとも委員長、これ理事会での協議にいただきたいと思いますがよろしゅうございますか。
佐々木さやか議長
ただいまの件につきましては後刻理事会において協議いたします。
鈴木宗男議員
今のこの横槍という発言に対して、小泉大臣の見解をお聞かせください。
小泉法務大臣
違和感がありました。
鈴木宗男議員
横槍の前に、大臣が、子の利益について、極めて熱心に説明してました。私はまさにこの法案の大事なところは、子の利益だと思っておりますから、大臣の熱心な説明の後の発言でありますから、私はこれは看過できないというのが私の考えであります。そこでですね、この法案よりも今日は環境副大臣に来てもらってますから、先にそっちの方を処理したいとこう思っております。(水俣の件)
こういうふうに大事に、質問の機会を答弁の機会を与えなくて申し訳ありません。次の日30分間ありますから、びっしりですね残ってる問題やっていきたいと思いますので、よろしくお願いをいたします。3分ほど時間はしてますけども、もう過ぎてますから、今日はこれで私は質問を終わります。
佐々木さやか議長
ありがとうございました。先ほどの山添さんの発言中に不適当な言辞があったとのご指摘がありました。院長といたしましては、後刻速記録を調査の上、適当な処置をとることといたします。本日の質疑はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。
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